8月1日〜8月7日のオーストリアのニュース



8月1日(月)

     国外ニュース

英国警察はテロ容疑者2人を逮捕

7月21日の攻撃計画に関連して、英国警察は月曜日にさらに2人の
容疑者をつかまえた。この逮捕は、ロンドン南部で3件の手入れを
行なって、起きたものだ、と午後遅くに警察広報が発表した。容疑
者の中には2人の男が含まれている。今所警察はこれ以上の詳細な
情報は公にしていない。一方イタリア当局は月曜日、イタリアで逮
捕されたロンドンに爆弾を仕掛けたと見られるハムディ イサクに
対する訴訟を起こした。エチオピア系の英国人である彼は、テロリ
ストと結託して、偽の文書を所有していた、として訴えられた、と
ローマ検察は発表した。彼の弁護士によれば、イサクは7月21日に
ロンドン地下鉄のシェパーズ ブッシュ駅で爆弾に点火したことを
認めており、ただしこの事件では死傷者が出なかったことも確認さ
れている、とのことである。7月21日にはロンドンでは3つの地下
鉄駅とバスで爆破が起きたが、犠牲者は出なかった。この連続攻撃
は、52人の死者を出した7月7日の自殺攻撃を想起させた。

     国内ニュース

プラター「国民党のNATO加盟要求は過去のもの」

国防大臣ギュンター プラター(国民党)は、「シュタンダルト」
紙との話し合いで、かなり長期的な展望にたった場合でも、オース
トリアのNATO加盟は問題にならない、国民党のこれに関する願望
は過去のものである。未来はヨーロッパの安全保障および防衛政策
の中にあり、国防軍はアフガニスタン北部に93人の部隊を派遣し
ているのもこれによるものである」と述べた。社会民主党は、スイ
スが持つ旧式のF5型戦闘機の貸借契約延長を提案したが、プラタ
ーはこれを拒否し、F5は今後数年で世界各地で退役となるので、
オイロファイター機購入の決定は正しい方針であり、それに変化は
ない、とも述べた。




8月2日(火)

     国外ニュース

ロンドンのテロ後には人種差別的攻撃が増加

ロンドンでは、最初の連続攻撃の後、人種差別的な攻撃の数が増え
ており、公式の情報によれば、約6倍に増加した。7月7日の攻撃以
降269件の事件が記録された、昨年の同じ時期には40件の襲撃が
あった、とロンドン警視庁は発表した。イスラーム教徒を狙った襲
撃が増えていることは疑いようがない、とのことである。登録され
ている事件の中には、モスクを含めた建物に対する攻撃のほか、身
体および言葉による攻撃も含まれている。増加している事件のほと
んどは些細な攻撃であるが、ロンドンのイスラーム社会に対しては
「感情的な影響」が大きい、と警察官は述べている。

     国内ニュース

ハオプナーは保護施設入所の待機期間の補助金を柔軟化する方針

社会福祉大臣ウルスラ ハオプナー(未来同盟)は、家族収容所に
入る順番を待っている人々が財政支援を受けやすくする方針であ
る。自由党は被雇用者の保護施設入所待機期間を短縮するように要
請していたのが、3年前からそれが実現していた。。それ以降、支
払いを受けない猶予期間を請求したのは1,160人がに過ぎない。現
在暫定的財政支援が申し込めるのは、収入が1人当たり月500オイ
ロ以下に制限されている。申込者の約4割がこれ以上の収入を得て
いる。そのためハオプナーは火曜のテレビ番組で、基準額を700オ
イロに増額することを検討している、と予告した。




8月3日(水)

     国外ニュース

アムネスティ「米国の秘密収容所には7万人が収容」

人権擁護組織アムネスティ インターナショナルの報告によれば、
米国は秘密収容所に約7万人を捕らえている。この収容所は米国の
外部のどこかにある、とのことである。キューバのグアンタナモ収
容所は、氷山の一角に過ぎない、と水曜日の発表では述べられてい
る。米国政府は全ての収容者の身もとを公表し、収容所の場所を発
表し、国際的な調査を受け入れように、とアムネスティ インター
ナショナルは要請した。同組織は、米国だけでなくインドネシアや
ヨルダンなどの国々が運営している秘密収容所を閉鎖するように求
め、秘密収容の中では、虐待が行なわれている可能性が高い、国際
法上によれば、人間を地上から「姿を消させる」のは犯罪である、
と述べた。同組織は、元収容者の発言に基づいている。彼らは18
カ月にわたって米国の指揮下にある秘密収容所の独房に入れられて
いた2人のイエメン人に言及している。

     国内ニュース

「プレッセ」紙世論調査では労働時間の柔軟化に賛成が多数

オーストリア人の被雇用者野多数は、より柔軟に仕事を行なう用意
がある。産業省の委託を受けて行なわれていたフェッセル・GfK世
論調査は今まで公開されていなかったが、これからこのことが明ら
かになっている、と「プレッセ」紙が報じた。この世論調査によれ
ば、質問を受けた人の最大で77%が、特別な週には40時間以上働
き、一年以内にその代わりの休みを取るという方法を実施すること
は考えられる、と回答した。さらに16%は州の労働時間を最大で
60時間まで伸ばすことも考えられる、と答えた。大卒の23%が最
大60時間野労働を浮けいれる一方、高校を卒業しなかった人では
わずか1%がこれに賛成しているにすぎない。賛成が多いのは、週
4日10時間ずつ働き、3日間休みを取る、というもので、半数がこ
れをきわめてよい考えだ、とし、29%が「かなりよい」と答えた。




8月4日(木)

     国外ニュース

ボルトンは国連でイランとシリアに警告

米国の新国連大使ジョン ボルトンは昨日、国連安全保障理事会に
初めて登場したが、その席上世界各国に対して、「自分の義務を守
り、イランとシリアを中心に、テロの財源と武器の流れを断ち切
る」ことを求めた。彼は付け加えて「我々はイラクの人々が安定と
安全を確保し、憲法発布に向けて前進するのを助けることが、極め
て重要である、と考えて」おり、これはイラクの人々と政府に対し
てだけでなく、米国にとっても最高の優先事項である、とも述べ
た。シリアの国連大使ファイサル メクダドはボルトンの発言を批
判し、英国の大使エマイル ジョーンズ パリーも同種のことを述
べた。米国大統領ジョージ W. ブッシュは、退屈な内政上の対立を
経て、ようやく月曜日にボルトンを国連大使に任命したばかりであ
った。

     国内ニュース

大学入学問題でクホールは欧州裁判所を批判

国民評議会議長アンドレアス クホール(国民党)は、大学入学問
題での欧州裁判所の認識に不満を持っている。同裁判所は、ドイツ
の大学が入学定員に関する現在制限している状況では、ドイツ人の
医学専攻学生がオーストリアの大学に押し寄せるにもかかわらず、
その影響を考慮に入れていない、とクホールは「シュタンダルト」
紙に述べている。「オーストリアは突然医学部学生の半分をドイツ
人に開放するが、1オイロも得ることは出来ずに、オーストリア人
学生が追い出されるだけである」とも述べた。




8月5日(金)

     国外ニュース

米国はイランに核の平和利用を認める

米国はイランに初めて核の平和利用を認めた。ワシントンの外務省
広報は金曜日、同国政府はEUが核をめぐる対立を解決するための
提案を支持する、と述べた。ヨーロッパ側はイランに民間利用目的
の核計画に支援を与える、と約束していた。EUはイランに燃料棒
を輸出することを提案していた。一方イランは、燃料棒は核兵器製
造に使用できるため、使用済み燃料棒を返還することになる。この
EUの提案は十分な安全対策を含んでいるので、核爆弾に使用する
原料として取っておくことは出来ないようになっている、と米国の
広報は発表した。米国はイランは核兵器を製造しようとしている、
と非難していた。イランはこれを否定し、核計画は発電のためだけ
である、としていた。イラン代表は、予告通り問題となっている核
施設イスファハンでのウラン濃縮のための準備を再開する、と述べ
た。火曜日には国際原発機構が、この問題について議論を行なう特
別会議を行なう。

     国内ニュース

ファン デア ベレンは複合賃金に原則的に反対ではない

緑の党党首アレクサンダー ファン デア ベレンは、今までの党
の方針を撤回して、産業大臣マルティン バルテンシュタイン(国
民党)が努力している複合賃金の体系に完全に反対してはいない。
「オーバーエスターライヒ通信」で彼は、最低賃金受給層にのみ補
助金を支払うのは危険である、との意見を述べた。おそらく回避す
ることが難しいばらまきの効果にもかかわらず、短時間労働が増え
てくるので、この提案に耳を貸さないつもりはない、とファン デ
ア ベレンは述べた。バルテンシュタインはこの複合賃金を、失業
との戦いを進めるために提案していた。これは長期失業者に就業す
る動機を与えるものである。バルテンシュタインは、活動による収
入と失業手当を合体させ、税込みで月額1千オイロの計画を想定し
ている。緑の党は今までこれに否定的な態度を取っていた。同党の
社会福祉の専門家カール エリンガーは、「単なる人を絶望に追い
込む制裁措置である」と評し、このような手法では単なる低賃金の
分野を増やすだけだ、と述べていた。産業界はこの提案を歓迎し
た。




8月6日(土)

     国外ニュース

イラクでは憲法の対立点が協議

イラクの政治各勢力は、明日からバグダードでまだ残っている憲法
に関する対立点を協議する。最大の意見の違いは、連邦制度、イス
ラームの立場、クルド人問題をめぐるものである。もともと協議は
金曜日に予定されていたが、イラクのクルド人大統領ジャラル タ
ラバニ、シーア派の政府指導者イブラヒム アル・ジャアファリ、
スンニー派の副大統領ガジ アル・ヤワルが出席することになって
いる。憲法委員会は8月12日までに合意に達しなければならない。
8月15日からは、国会が新憲法について審議を行なうことになって
いる。

     国内ニュース

失業問題でバルテンシュタインは「新たな資金」を投入の意向

産業大臣マルティン バルテンシュタイン(国民党)は、失業率が
高いため、2006年予算をふたたび緩める方針である。「新たな資
金」を投入して、たとえば若者や女性などの「問題のある集団」ご
とに財源を確保することにする、と月曜日に開かれる労働市場問題
首脳会談を前に彼は述べた。このバルテンシュタインの方針に首相
ウォルフガング シュッセル(国民党)と大蔵大臣カール・ハイン
ツ グラサーの賛成が得られるかどうかは不明である。野党側から
は、資金を投入するだけでは何かをしたことにはならない、との激
しい非難が浴びせられている。




8月7日(日)

     国外ニュース

イスラエル副首相オルメルトが新蔵相に就任

イスラエル首相アリエル シャローンは昨日午後、副首相エフド 
オルメルトを辞任した大蔵大臣ベンジャミン ネタニヤフの後継者
として指名した。これはロイター通信が伝えたものである。ネタニ
ヤフは、計画中のガザ帯状地帯からイスラエルが撤兵し、入植地を
明け渡すことに抗議して、職を辞していた。

     国内ニュース

ハイダーは減税の財源としてOeIAGの売却益を使用する方針

未来同盟党首イエルク ハイダーは、今後も早期に税制改革を行な
うよう求めた。減税の財源の一部として、オーストリア持株会社の
売却益をあてることができる、とAPA通信とのインタヴューでケル
ンテン州首相である彼は述べた。そうでなくても2006年予算が、
労働大臣マルティン バルテンシュタイン(国民党)が月曜日に提
案したようにならないのであれば、この機会をとらえて「景気活性
化のために減税の第一弾をただちに行なうべきである」との考えを
ハイダーは述べた。大蔵大臣カール・ハインツ グラサーは一貫し
て、減税の財源は確保できる、との立場であて、「彼は7億ないし
8億の増収と、負債のないオーストリア持株会社を財源として持っ
ている」ともハイダーは語った。



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