8月15日〜8月21日のオーストリアのニュース



8月15日(月)

     国外ニュース

イラクでは憲法の合意が成立せず 期限は延長

イラクの各政党は、定められていた期限である月曜日までに、新憲
法の草案に合意することができなかった。これはバグダードの国民
評議会の夜の会議で発表された。国会議員たちはひき続き、暫定機
関の法律の修正を決議し、その結果現在残っている意見の対立を解
消するために1週間の余裕を持つことになった。問題となっている
のは、個々の地域がどの範囲の自治を持つか、石油による収入を今
後どのように各州で分配するか、そしてイスラーム学者の影響をど
の程度残すか、である。

     国内ニュース

ハオプナーは重労働の規則を拡充することに賛成

社会福祉大臣ウルスラ ハオプナー(未来連合)は、重労働従事者
の年金に関する規定にある種の拡充を行なうことを検討している。
重労働従事者の年金を優遇するための条件を損ないかねないような
特別な規定が存在している可能性がある、と彼女は考えている。こ
の年金の受給者が「特に重い労働を行なうことで、普通より重い負
担を受けている」ということが、そのための条件である、と述べ
た。被雇用者側の代表や野党は、法律で予想されているのは、45
年間の保険加入金支払いと、少なくとも15年間の重労働従事期間
をへた人であり、これはあまりに柔軟性に欠ける、として批判して
いる。




8月16日(火)

     国外ニュース

イスラエル兵は最大のガザ入植地へ出動

ガザ帯状地帯からの強制退去開始を数時間後に控え、火曜午後には
数百人の非武装のイスラエル兵が、最大のユダヤ人入植地ネウェ 
デカリムに出動した。彼らは、同地に残っているユダヤ人入植者
が、自由意志でこの地域から立ち去るよう、働きかけようとしてい
る。「我々は家から家へと移動して、人々に退去するよう迫る」と
ガザからの撤退を監視する将軍ダン ハレルは述べた。一方兵士を
乗せたバス十数台が、ガザ帯状地帯との境界を越えた。彼らはユダ
ヤ人入植地行きグシュ カティフへ向かう途中である、とのことで
ある。それより前ネウェ デカリムでは軍と入植者の衝突が起きて
いた。

     国内ニュース

ローパトカはシュッセルの発言を擁護

国民党事務長ラインホルト ローパトカと社会民主党連邦執行部長
ノルバート ダラボスの激しいやりとりは、昨日夜のテレヴィ番組
でも続いた。ダラボスは、連邦首相ウォルフガング シュッセル
(国民党)の、ドイツの失業者がオーストリアにいることについて
の発言を批判したが、ローパトカはダラボスが「何もかもをあしざ
まに言っている」だけである、と述べた。ダラボスは、政府は「首
脳会談から首脳会談へと跳ね回って、古い帽子を新品として売るだ
けで、失業に対しては何もしてこなかった」との意見を述べた。ロ
ーパトカは、経済状況がこのままであれば、ますます多くのドイツ
の労働力がオーストリアにやって来て、ドイツのオーストリア人労
働力はますます減少し、国内の労働市場が圧迫される、と述べた。




8月17日(水)

     国外ニュース

独CDU/CSUは選挙の世論調査で再び支持を増やす

キリスト教社会同盟党首エドムント シュトイバーは、ドイツ東部
の有権者に対して攻撃を加えたが、キリスト教民主、社会同盟は今
までのところ被害を受けていない。昨日公表された複数の世論調査
の結果によれば、この両党と自由民主党は、日曜日に選挙が行なわ
れていたとすれば、ここ数週間で始めて、連邦議会の過半数に達す
る支持を集めた。一方世論調査会社は、左派党はむしろ退歩傾向で
ある、と見た。またドイツ東部での優位争いには、はっきりした決
着はついていない。フォルサ世論調査によれば、キリスト教民主同
盟は東部で最大勢力であるが、現在31%であるのに対し、社会民主
党は29%、左派党は先週は31%の支持であったが、今回は26%に
留まった。それに対しアレンスバッハの調査では、左派党が32%の
支持で、あいかわらず東部では最大の支持を集めている。

     国内ニュース

アルプバッハでのヨーロッパ公開討論会開会

アルプバッハでのヨーロッパ公開討論会は木曜日に開会する。9月
3日までの間、ティロール州の風光明媚な山村で、政治家、外交
官、経済の専門家、学者が時事的な問題をめぐって話し合う。この
公開討論会では、記念日も祝う。国際的に有名なこの会議は60周
年を迎える。今年の表題は「ヨーロッパ、権力、無力」である。チ
ェコ大統領ヴァクラフ クラウスを含め、多くの参加者が今日再び
結集する予定である。木曜日17時に会議の議長エアハルト ブー
セクと「新チューリヒ新聞」のマルティン マイアー、プラハのカ
ール大学学長ヤン ソコルが開会を宣言する。




8月18日(木)

     国外ニュース

ガザ最大の入植地から撤退

ガザ帯状地帯からの退去が進む中、イスラエル治安部隊は夜にネウ
ェ デカリム入植地を空にした。この入植地はガザ帯状地帯最大の
ものである。これより前、軍は地中海岸にある小さな共同体シラト
 ハヤムも掌握していた。反対派の拠点と目されているこの入植地
からの退去は「ほぼ完全に」完了した、と警察広報は述べた。一方
クファル ダロムのユダヤ人入植者は、退去に抗議して、国境警察
の隊員10人に酸性物質をかけて負傷させた。これより前に同地の
警察は、占拠されていたシナゴーグに突入していた。またガザ帯状
地帯では、武装パレスチナ人がイスラエル兵に突発的に発砲し、兵
士1人が軽傷を負った。

     国内ニュース

モルテラーは2006年以降最高税率を引き下げる意向

国民党会派長ウィルヘルム モルテラーは、次の任期の間に、最高
税率を現在の50%から引き下げる方針である。「私たちは、業績を
上げている分野と中産階級に何かをすることを望んでいる。オース
トリアでは、賃金に対する税金を支払う義務のある人のうち45%が
全く税金を支払っていない。つまり55%の人々で、給与税および所
得税の全額を負担している。だから税の配分問題を取りあげなけれ
ばならない」とモルテラーは「シュタンダルト」紙に述べた。国民
党内部ではこの問題に対して、一致した態度があるようにはみえな
い。産業大臣マルティン バルテンシュタインは同様に減税に賛成
である、と述べたが、首相ウォルフガング シュッセルは7月にも
これを拒否する発言を行なった。




8月19日(金)

     国外ニュース

ヨルダンの米海軍攻撃の背後にアル カーイダ

ヨルダンの港町アカバにいた米軍艦船2隻がミサイルで攻撃された
が、その背後にはアル カーイダの隊員がいる、と現地治安当局は
推測している。これに関する推測を当局の代表が行なった。これよ
り前、急進派イスラーム組織で、アル カーイダとつながりがある
と自称する組織が、この攻撃を行なった、とインターネットで発表
していた。この組織には、エジプトの海水浴場シャルム エル シ
ャイクを7月末に攻撃した責任がある、との情報もある。海岸から
発射されたミサイル3発は、今回の目標をわずかにはずれて、同市
および隣接するイスラエルのアイラトに着弾した。ヨルダンの兵士
1人が死亡した。治安当局は、シリア人1人とイラク人2人の行方を
追求している、とのヨルダン側からの情報がある。

     国内ニュース

グーセンバオアーは連邦道路にトラック通行料導入を要請

社会民主党党首アルフレート グーセンバオアーは、トラックの通
行料金を連邦道路にまで拡大することに賛成である。「オーバーエ
スターライヒ通信」紙で、その理由として(高速道路の)通行料を
逃れようとするおそれがあることを挙げた。彼は自家用車の通行料
導入には明確に反対しているが、国民党は次の国会議員選挙の後に
これの実施を計画している、との懸念を述べている。




8月20日(土)

     国外ニュース

イラクの将軍が米軍の銃撃を受け負傷

警察と病院の情報によれば、国境地域の防衛を担当しているイラク
の将軍が、銃撃を受けて負傷したが、その責任は米兵にある。陸軍
少将アリ ハマディは昨日午後、腹部に銃撃を受けて、バグダード
のヤルムーク病院で手当を受けた、と同病院の職員がロイター通信
に述べた。彼は、車で予約していた病院に向かっていたところ、米
軍が自分に発砲した、彼は厳重に警備されていた地域の病院に入院
した、と述べた。バグダード警察本部の代表は、ハマディは米兵に
よって銃撃された、と述べた。米軍の広報は、この報道の調査を行
なう、と述べた。イラクは、米兵が殺意をもって運転手を銃撃して
いる、と日々非難している。米軍は、兵士は一般市民を保護するべ
く努力している、と述べた。イラクでは自殺攻撃犯が、自動車爆弾
を用いて数多くの攻撃を行なっている。

     国内ニュース

連邦の負債は明確に増加

連邦の負債は、2005年前半で明確に増加した。これは連邦大蔵省
の作った収支報告書の情報として「フォアアルルベルク通信」が発
表したものである。今年初めに連邦は1,356億オイロの負債があっ
たが、7月終わりには1,536億オイロになっていた。これはオース
トリア人1人当たり18,700オイロの負債があることを意味する。
大蔵省の事務長パオル コッハーは180億オイロの赤字増加の理由
として、税収が減少している上、今年の財政不足は前半に集中して
いる、つまり負債はいわば前払いになっていることを挙げた。




8月21日(日)

     国外ニュース

イスラエルは最後の入植地からの退去の準備を進める

西ヨルダンランドのユダヤ人入植地4カ所からの退去の準備とし
て、イスラエル軍は兵士数百人をヘリコプターで、ガザ帯状地帯か
ら移動した、との情報が軍筋から出ている。西ヨルダンランドの入
植地2カ所ガニムとカディムは既に退去が終わったが、ホメシュと
サヌールの住民には強制退去が迫っている。この強制退去は水曜日
と木曜日に予定されている。これらの入植地には数百人の撤退反対
派がたてこもっており、激しい抵抗が予想され、昨日は初めて暴力
的な事件が発生していた。一方ガザ帯状地帯からの退去は、まもな
く完了する。入植地カティフとエレイ シナイからの退去は日曜午
後に終了し、カティフでは370人の一般市民が排除された、と軍広
報が発表した。

     国内ニュース

「シュッセルは極めて疲労している」との発言をブーセクは否定

国民党元党首エアハルト ブーセクは、自分の後継者である連邦首
相ウォルフガング シュッセルは、党首の座から退くようにと助言
しなかった。これは「ティロール新聞」の報道を否定するものであ
る。「この肩書きは空想以上のものである」とブーセクはAPA通信
にアルプバッハで述べた。また彼は、シュッセルと社会民主党党首
アルフレート グーセンバオアーは「極めて疲れている」とも述べ
ていない、と語った。元副首相であるブーセクは逆に、両党は現在
の状況では若者にとって「魅力的ではない」、両党の世代交代に賛
成である、と述べた。また彼は、国民党が選挙で勝利する可能性は
あるが、連立相手を見つけることは難しい、未来同盟とでは過半数
を手にできないと思われるからだ、緑の党は、シュッセルと連立政
権を組むつもりはないだろうが、自分としては、緑の党との連立が
好ましいと見ている、とも述べた。一方社会民主党との大連立は、
まずくて決断が弱まる、とも語った。



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