8月22日〜8月28日のオーストリアのニュース



8月22日(月)

     国外ニュース

イラクの憲法案が提案 投票は延期

イラクの憲法をめぐる争いはさらに続く。バグダードの憲法委員会
は月曜日午後、憲法案を提案したが、これは重要な問題で今なお大
きな亀裂が残っている。国会議長ハシム エル ハッサニは、「こ
の憲法の父母」は改めてこの問題を議論するために3日間の猶予を
持っている、と述べた。特にバグダードの中央政府とそれぞれの地
域の間での権力の分割問題が残ったままである。

     国内ニュース

ベームドルファーは鉄道監査役会に入る

元法務大臣ディーター ベームドルファーは、オーストリア連邦鉄
道の監査役会に入る。基盤整備省広報マルティン シュタンドル
が、これをAPA通信に昨夜認めた。オーストリア連邦鉄道監査役会
の会議後、同会は結成されなおした、とのことである。ベームドル
ファーとともに、投資会社ECP資本パートナー社社長ヨハネス シ
ュトローマイアーも監査役会入りする、とシュタンドルは発表し
た。シュトローマイアーは、オーストリア国立印刷所の監査役でも
ある。オーストリア信用供与銀行理事のレギーナ プレホーファ
ー、トライバッハ産業の理事ラインハルト イーロは、監査役から
はずれた。




8月23日(火)

     国外ニュース

イランとの核交渉は当面行なわれない

ヨーロッパ側とイランは、イラン政府の核計画に関する対立で、当
面同じテーブルにつくことはない。フランス外務省は昨日、8月31
日の予定されていた期限までには、話し合いは行なわれない、イラ
ンはパリ協定の実施を延期する決定を下したためである、と述べ
た。この協定の中で昨年11月にイランは、ウランの濃縮は当面凍
結する、と述べていた。今月初めにはイランは、ウラン加工を断念
するのであれば、国外から核燃料を得られるようにする、とのヨー
ロッパ側の提案を拒否していた。一方イランの学生数百人は独、
英、仏の大使館前でデモを行ない、「ウランの転換中止は裏切り
だ」「ウラン濃縮を再開せよ」との発言を行なった。数人はイスラ
エルと米国の国旗に火をつけた。警官は彼らが大使館の敷地内に入
るのを阻止した。

     国内ニュース

健康保険診療券の電子化が今度は生徒のなかで問題に

電子化された健康保険診療券Eカードの導入をめぐって、今度は生
徒と大学入学資格保有者の間で問題が生じている。社会保険会社主
要連合は、これに関する「プレッセ」紙の報道をみとめた。生徒と
学生は、18歳に達すると、それ以前に在学確認や履修届けの提出
確認を、健康保険組合に提出していない場合、健康保険の保護を失
う。社会保険会社は、この電子化された制度を即時修正する、と予
告している。




8月24日(水)

     国外ニュース

ドイツ総選挙をめぐる裁判の判決が発表される

ドイツの連邦議会選挙は予定より早期に行なわれるが、これをめぐ
る対立に、連邦憲法裁判所が木曜日午前に判断を下す。専門家は、
同裁判所第二部は、連邦議会議員ヴェルナー シュルツ(緑の党)
とイエレナ ホフマン(社会民主党)の起こした訴訟を多数で退け
る、と見ている。シュルツとホフマンは、連邦首相ゲアハルト シ
ュレーダー(社会民主党)が狙いどおり信任投票で信任されず、連
邦大統領ホルスト ケーラーが9月18日に選挙を行なうよう命じた
ことにより、任期の短縮によって国会議員の権限が侵害された、と
捉えている。同法廷は既に2つの小政党が連邦議会選挙の早期実施
に反対して起こした訴訟を退けていた。

     国内ニュース

モルテラーは借金による減税に反対

国民党党首ウィルヘルム モルテラーは、「借金をしてまでの」減
税は問題にしていない。彼は税制改革問題に関して、副首相フーバ
ート ゴルバッハ(未来同盟)の考え方に反対した。ゴルバッハ
は、個人的な意見として、最大3%の国家財政の赤字が出ても、減
税をすることに賛成である、と述べていた。その他に「オーバーエ
スターライヒ通信」紙とのインタヴューで、元国民党の政治家エア
ハルト ブーセクとハインリヒ ナイサーに対する叱責も行なわれ
た。この2人は党幹部の若返りに賛成である、と述べていた。




8月25日(木)

     国外ニュース

マラウィの食糧危機が深刻な事態に

国連の情報によれば、ニジェールに続いてマラウィでも、食糧危機
がさらに規模を拡大する可能性がある。「今年初めにニジェールの
情勢に関して行なったのと同じ状況が、マラウィでも起きていると
の懸念を今日述べなければならない」と国連支援物資輸送調整官ヤ
ン エーゲラントが昨日ニュー ヨークで述べた。人々がこの問題
で、間違いを犯したり、アフリカの情勢に対する自分の警告を無視
してはならない、と彼は述べた。エーゲラントは、国連もニジェー
ルの食糧不足に十分迅速対応してこなかったことを認めた。これは
火曜日に支援組織「国境なき医師団」が表明した批判を認めたもの
である。アフリカ南部のマラウィに関して、エーゲラントは高いエ
イズ感染率をも指摘し、これにより働き盛りの人間の数が足りなく
なっている、とも述べた。

     国内ニュース

緑の党は国家市民権の全面的改革に賛成

最近未来同盟は、国家市民権の厳格化を要求したが、緑の党はこれ
を拒否し、「別の方針に基づく」全面的な改革を行なうよう求め
た。オーストリアは厳格な法律を用いて、外国人を「作り出し」そ
れによってさらなる問題を引き起こしている、との警告を同党は発
した。ウィーン緑の党のアーレフ コールンは昨日、移民問題の専
門家テレツィヤ シュトイシツとともに、市民権を得るための待機
期間を、現行の10年から5年に短縮するように求めた。その他緑の
党は、合法的に同国に滞在している外国人の子供は誕生の際に国家
市民権が獲得できるようにすることを求めた。




8月26日(金)

     国外ニュース

フランスでは移民居住区での火事のあと抗議活動

パリの移民が住む家で17人の死者を出した重大な火災をうけ、金
曜日には数百人の人が火事の瓦礫の前で、フランスの移民政策に抗
議の活動を行なった。パリの南東部でのデモでは、政府は移民の扱
いでやるべきことをやらなかった、と非難し、この火災で家を失っ
た生存者との連帯を宣言した。警察によれば、約300人のデモ隊が
「大臣は800平方メートルを使うが、移民は8平方メートルにすぎ
ない」などと叫んだ。夜に起きたこのアフリカからの移民が住む家
の大火災では、少なくとも17人が死亡、うち14人は子供であっ
た。負傷者は30人である、と消防は発表した。4月上旬にはパリで
同じような火災が起き、14人が死亡していた。検察によれば、こ
の火災の原因は、まだ不明である。

     国内ニュース

ハイダーは減税要請を強調

ケルンテン州首相で未来同盟党首イエルク ハイダーは、金曜午後
オーストリア放送局の番組「夏の対談」の中で、自分の政党は減税
を行なうように要請している、と強調した。この改革を行なっても
財源は確保できる、とハイダーは述べた。彼は、財源確保のために
大きな負債が生じることは拒否した。一方、そのためにオーストリ
ア持株会社やオーストリア国民銀行の不動産部門の株などの資産の
評価を行なうべきだ、とも語った。この減税で利益を得るのは、子
女養育費の控除を受ける家族と中流階級である、と述べた。また彼
は、自由党と未来連合の分裂を擁護した。




8月27日(土)

     国外ニュース

イラク憲法 スンニー派は対案を提出

新イラク憲法案の採決の予定日を翌日にひかえ、今度はスンニー派
の交渉役が、シーア派とクルド人の憲法案に対する対案を取りまと
めた。「私たちは、統一された強いイラクを求めている人々が、こ
の憲法案に賛成するはずだ、と信じている」と主席交渉人サレフ 
エル モトラクは昨日、スンニー派の各組織との協議を終えた後バ
グダードで述べた。新しいスンニー派の提案は、北部のクルド人居
住区だけが、自治権を持ち、それ以外のイラクには、地方が限定さ
れた全権を持つ、地方分権的制度が予定されており、イスラームを
「立法の主たる源泉」とし、公用語はアラビア語で、クルド人居住
地域は例外となる、といった内容である。スンニー派の提案によれ
ば、今後は「人種差別的」あるいは「テロリスト的」な思想を広げ
る全ての政党の活動が禁止される。サッダーム フセインの政党で
あったバース党にはっきり言及した部分を、シーア派とクルド人の
憲法案から抹消している。さらに、いらくは「アラブとイスラーム
世界の一部」である、とも述べている。

     国内ニュース

税制改革でプリンツホルンは電信電話会社を売却の方針

自由党の国会議員団の予算および経済の専門家トーマス プリンツ
ホルンは、次回の税制改革の財源として、電信電話会社の国が持っ
ている株の残りを売却するように求めた。この25.2%の売却で「た
やすく」20億オイロを調達できる、と述べた。その他に、郵便お
よびOeMVについても議論の対象となりうる、とプリンツホルンは
昨日のテレヴィ番組で述べた。国が持っている株式の売却で得られ
る資金で、彼は運営資金の負担をなくなくすつもりである。税制改
革の次の段階は、2006年の選挙前に決定しなければならない、と
彼は述べた。




8月28日(日)

     国外ニュース

「タイム」誌はザルカウィは欧州攻撃を計画と報道

米国での報道によれば、ヨルダンの急進派の指導者アブ ムサブ 
エル ザルカウィの監視下で、テロ分子がヨーロッパで攻撃の準備
を行なっている。他のアル カーイダの要人と接する中で、ザルカ
ウィはトルコとイランには現在活動を中止している構成員がいると
述べた、と「タイム」誌は昨日、ヨーロッパの秘密情報部の報告と
して報じた。彼らは、ヨーロッパにいる孤立した急進派組織との接
触を取っている可能性がある。フランスのテロの専門家は同誌に、
今までアル カーイダとつながりを持っていなかった小さなあまり
経験を積んでいない組織が、ザルカウィの影響を受け、アフガニス
タンでテロ要員として要請されている可能性がある、と述べた。ヨ
ーロッパの専門家は、この情報はおそらく米国が、5月にパキスタ
ンで逮捕されたアル カーイダの代表アブ ファラジを尋問して得
られたものである、と想像している。

     国内ニュース

会計検査院のブルゲンラント銀行に関する報告の公開を要求

連邦会計検査院は、社会民主党が提出したブルゲンラント銀行清算
法案に対する暫定的な報告を行なったが、これは州議会に議員を出
す各党に大きな関心を呼んでいる。自由党と緑の党はこの報告を公
表するよう求めている。現在この報告は秘密になっている。銀行幹
部と州首相ハンス ニースル(社会民主党)だけが、情報を与えら
れている。来週にはこの報告を検討し、今後の計画を決定する、と
州首相の事務所は発表した。州は3ヶ月かけて最終報告書を仕上げ
る、とも述べた。



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