8月29日〜9月4日のオーストリアのニュース



8月29日(月)

     国外ニュース

シャローンはさらなる入植地蜂起を検討

イスラエルはパレスチナ人との和平条約締結の際には、現在存在し
ている西ヨルダンランドのユダヤ人入植地すべてを保持することは
ない、とイスラエル首相アリエル シャローンは昨日午後のテレヴ
ィ局「11チャンネル」のインタヴューで述べた。ただし、大きめの
入植地は維持する、とも強調した。今までシャローンは国際的な批
判にもかかわらず、これ以上入植地を明け渡す計画はない、と強調
していた。先週イスラエルはガザ地区21カ所、西ヨルダンランド4
カ所の入植地から撤退していた。これにより、イスラエルは自分の
国家用に獲得した土地を初めてパレスチナ人に引き渡したことにな
る。この計画はシャローンの側から一方的に実施されたものであ
る。

     国内ニュース

連邦評議会廃止論でブルクシュタラーは論争に加わる

ザルツブルク州首相ガービ ブルクシュタラー(社会民主党)が多
くの政治家に心中をどのように語ったのか、は明らかにされない。
彼女は、現在の形での連邦評議会を廃止して、代わりのものは作ら
ないと提案したが、これは内政上激しい議論を巻き起こした。これ
はオーストリアの連邦制度という原則を疑問視するものだ、確かに
連邦評議会は、本来の意味での連邦制に対して、ごくわずかしか寄
与する点はないのではあるが、との見方を取っている人が多い。社
会民主党内部でも、ブルクシュタラーの声高な主張以外を喜ぶ者も
多い。




8月30日(火)

     国外ニュース

パリの火災 警察は被害を受けた一画を整理

パリでは新たな火災が発生し、ある移民の住居は完全に荒れ果てた
が、パリの警察の管区長は、「最も大きな被害を受けた」建物を取
り壊す方針である、と予告した。数日後には、市当局と協力して、
緊急体制をとって、これ以上の火事が起こらないようにする、と当
局は昨日発表した。そのため、極めて危険な家屋から人を追い出す
ことになる、第10区の占拠されている建物の明け渡しは既に終了
した、とのことである。さらに安全対策が不十分な家屋の持ち主に
は、改めて厳しい条件を守り、決められた期日までに建物を修復し
なければならない、と求めた。消防は疑わしい家屋を調査する、と
のことである。

     国内ニュース

シュッセルはトルコに「私たちは旗幟を鮮明にする」

連邦首相ウォルフガング シュッセル(国民党)はトルコのEU加
盟交渉が10月3日に開始されることに賛成である、と述べた。しか
し同時に彼は完全な加盟の代わりに別の選択肢を求めるよう強調し
た。「私たちが対話を行なうことに反対できるものは誰もいない。
しかし私たちが交渉を開始するのであれば、トルコに対して次のこ
とを明らかにしなければならない。長期的には加盟は可能である。
そうでない場合意味のある別の選択肢も存在する」とシュッセルは
「クライネ新聞」のインタヴューで述べた。EUは加盟を認めるか、
認めないかではなく、別の選択肢を考えなければならないのであっ
て、オーストリアはこの問題で旗幟を鮮明にしている唯一の国であ
る、とも述べた。「目標は確固としている。私たちはトルコをイス
ラーム世界の中で飢えさせておくつもりはない。ただし、私たちは
労働市場を開放するつもりもない。トルコのような国に条件をつけ
ずにこの自由を与えることは考えられない」とも語った。




8月31日(水)

     国外ニュース

キプロスはトルコのEU加盟交渉を阻止すると威嚇

トルコのEU加盟交渉を開始するかどうかが、2日間の日程でウェー
ルズのニューポートで木曜日に始まるEU外相会談の中心議題であ
る。この会議を前にEU加盟国キプロスは、トルコ政府が同国を外
交的に承認するための予定表を出すように求めた、と議長国英国は
昨日発表したキプロスはこの問題でEU同盟国が厳しい態度を取る
ことを要求し、それが認められない場合にはトルコとの加盟交渉を
阻止する、と威嚇している。トルコがキプロスのギリシア側の政府
を承認することを拒否していることに対して、満足の行く回答が得
られない場合には、トルコのEU加盟交渉をそもそも議論しない、
と同国政府広報は述べた。そのほかイランの核計画も議題になる。

     国内ニュース

ヒルシュマンはシュタイアーマルク州国民党を攻撃

シュタイアーマルク州国民党の元閣僚ゲアハルト ヒルシュマン
は、10月に行なわれる地方議会選挙に独自の候補者を立てて立候
補するが、以前の党友に対して激しい非難を浴びせた。自分を候補
者からはずすために、自分には国民党の元幹部から年間30万オイロ
を次の任期の期間中に支払う、という呈示があった、というもので
ある。ヒルシュマンは昨日午後、グラーツで開かれた選挙集会で、
これに関して同州オーストリア放送局に語った発言を繰り返した。
どの国民党元幹部がこれに関ったかについては、彼は明らかにしな
かった。




9月1日(木)

     国外ニュース

アル カーイダはロンドン攻撃を行なったことを認める

テロ組織アル カーイダは、50人以上の死者を出した、ロンドン
の地下鉄とバス攻撃を行なったことを認め、さらに攻撃を行なう、
と予告した。アラブ系の放送局アル ジャジーラは、昨日午後、爆
弾事件の実行犯の1人モハメド シディク カーン(30歳)と同組
織の第2位であるエジプト人アイマン エル ザワヒリが相前後し
て写ったヴィデオを放送した。パキスタン人の実行犯カーンは7月
7日にロンドンの地下鉄駅エッジウェア ロードで爆死したが、一
種のテロリストの遺言書となるヴィデオのなかで、ロンドンとマド
リード攻撃、2001年9月11日のテロに責任があるのは西側の人間
である、と述べていた。ザワヒリはヨーロッパで新たな攻撃を行な
う、と予告し、ヨーロッパの政府がウサマ ビン ラーディンが約
1年前に提案した「停戦」を拒否したのは間違いであった事をヨー
ロッパ人は今後経験するだろう、と述べた。

     国内ニュース

大学入学定員問題でゲーラーはEU教育委員と面会

オーストリアの大学への入学問題で、EU各国の市民に対する入学
規定を撤廃するように、との判決が欧州裁判所から出されたことを
受け、金曜午後には教育大臣エリサベト ゲーラー(国民党)と
EU教育委員ヤン フィゲルはウィーンで会談を行なう。この会談
の正式な主題は、間近に迫ったオーストリアのEU議長国就任であ
る。ただし関心の中心は、ドイツ人の学生がオーストリアの特定の
学部に押し寄せる懸念である。ゲーラーは、外国人の割合を決める
あるいは、母国で学籍を得た学生を受け入れるという古い制度に戻
るなどの解決策を探る方針である。ドイツの文部省政務次官ヴォル
フ・ミヒャエル カーテンフーゼンとの水曜日の会談では、ドイツ
は、この計画に関する問題を取りあげるオーストリアを支持する準
備を進めている、と述べていた。




9月2日(金)

     国外ニュース

エジプトでは選挙を裁判官が監視する方針

エジプトの裁判官は、来週水曜日に迫った大統領選挙を監視する方
針である。5月には彼らは選挙で不正が行なわれる恐れがあるとの
理由で、選挙に不参加を表明していた。カイロの裁判官連合は金曜
日、裁判官たちは投票に参加し、突発的に不合理なことが起きた場
合にはそれを明らかにする、との声明を出した。そのような事態に
なれば選挙が完全に行なわれないということがはっきりしている、
と同連合会長サカラヤ アブデル アジスは述べた。9月7日には
1981年以来続けて大統領の座にあるムバラクが初めて対立候補の
出馬を許している。あわせて10人の候補者が立っている。批判的
な人たちによれば、ムバラクが再選されることは間違いない、との
ことである。政府は、野党の一部が求めていた国外からの選挙監視
団の入国を拒否した。

     国内ニュース

グーセンバオアーは緑の党との連立を保証するつもりはない

社会民主党党首アルフレート グーセンバオアーは、金曜日に迎撃
戦闘機オイロファイター購入の取り消しと、大学授業料の撤廃の方
針を確定した。彼はオーストリア放送局の番組「夏の会談」で、こ
の2つの案件は次期政権で連立を組むための条件である、と述べ
た。彼が選挙後たとえ第2番目の勢力に留まった場合も、首相の座
を目指すかどうか、という問には確言しようとしなかった。彼は国
民党との大連立では副首相に就任する可能性がある、ということに
ついてはグーセンバオアーはこれを否定した。




9月3日(土)

     国外ニュース

メルケルとシュレーダーはテレヴィで対決

連邦議会選挙を2週間後に控え、独首相ゲアハルト シュレーダー
(社会民主党)とキリスト教民主、社会同盟の首相候補アンゲラ 
メルケル(キリスト教民主同盟)は、今日初めてで1回だけの直接
のテレヴィ対決を行なう。両党とテレヴィ局は、90分間のやりと
りを各放送局が中継することで合意した。各テレヴィ局を代表して
4人が質問を行なう。シュレーダーが最初の質問に答え、メルケル
が最後の発言を行なう。これは討論のきっかけとなる。両者は約
10の主題で、態度表明を行なう。この対決のやり方は、2002年の
ときと比べると、厳しいものとなった。今回は話したいだけ長い間
話すことができるが、メルケルとシュトイバーが最終的に、それぞ
れ35ないし40分の発言時間を持つことができるようにするため、
制限時間を表わす時計も使われる。

     国内ニュース

シュッセルは移民を減速させる

オーストリアでは失業者の割合を下げ、労働市場の負担を軽減する
ために、連邦首相ウオルフガング シュッセル(国民党)は、移住
および家族の呼び寄せに関する規定をより厳しくするように求め
た。「クリール」紙のインタヴューでこれに関連して、市民権を厳
格化する計画を歓迎した。「よい知らせは、2004年と比べて、就
業率は1%上昇したというものである。つまり32,000人分の職場が
できた。悪い知らせは、失業者の数がこの1年で12,500人増えた
というものである。うち8000人が国民、4,500人が外国人であ
る」と述べた。また移民の大規模な流入は続いており「私たちは、
これを抑制すべきかどうか、そして家族の呼び寄せの規定をどうす
るべきか、十分考えなければならない。市民権を新たな形にしてい
くことも検討している。自由な人的交流を行なうまでの移行期間は
続いている」とも述べた。




9月4日(日)

     国外ニュース

プーチンは海軍大将クロイエドフを解任

太平洋での潜水艦事故から1カ月、ロシア大統領ウラジミール プ
ーチンは海軍大将ウラジミール クロイエドフを解任した。昨日ク
レムリンはこれを発表した。7人の乗組員とともに小型潜水艦が海
底で動きが取れなくなったが、事故から3日後の8月7日、外国の支
援を受けて救助されていた。クロイエドフは、死者118人を出した
「クルスク」の2000年の沈没事故でも批判を受けていた。

     国内ニュース

ブルゲンラント州社会民主党の選挙活動が始まる

ブルゲンラント州社会民主党は日曜日、パムハーゲンで集会をとサ
ッカーの試合を行ない、州議会選挙にむけた選挙戦を正式に開始し
た。この集会には同党支持の約2千人が出席した。彼らは筆頭候補
ハンス ニースルが感情をかき立て、選挙戦に望む気力を充実させ
るような論争的な演説を耳にした。社会民主党の選挙の目標は18
番目の議席を獲得することである。ニースルは、連邦首相シュッセ
ル(国民党)が連邦では民営化をより効率的に行なおうと考えてい
た、として批判した。主たる攻撃目標は、迎撃戦闘機購入問題であ
る。



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