９月５日〜９月１１日のオーストリアのニュース
９月５日（月）
国外ニュース
ドイツの首相候補のテレヴィ対決 メルケルにいくつかの失敗
ドイツのキリスト教民主、社会同盟の首相候補アンゲラ メルケル
は、税込み賃金と手取り賃金を取り違えたのに続いて、テレヴィ出
演中にふたたび数字を取り違えた。日曜日午後に行なわれた連邦首
相ゲアハルト シュレーダーとのテレヴィ対決で、メルケルは何度
か、政権を取った場合には大蔵大臣に就任させるつもりのパオル
キルヒホーフの4人の娘について言及した。実際にはキルヒホーフ
は、2人の娘と2人の息子の父親である。自分は、彼の息子の妻も
含めた職業と家族について論拠としてあげたのだ、とメルケルは述
べた。社会民主党は、メルケルが90年代に3才児保育の権利を導入
したとしたのは、女性・青年問題担当大臣立った自分の功績だと主
張するのは不正である、彼女は当時賛成票を投じなかったのだか
ら、として非難した。また「シュピーゲル」誌は、メルケルの最後
の訴えは、1980年にロナルド レーガンがジミー カーターとの
テレヴィ討論をしめくくる時に使った表現を思い起こさせる、と報
じた。
国内ニュース
閣議は新郵便法を決定する方針
閣議は今日、新郵便法を出発させることになる。この法律は、郵便
事業の独占の完全な解体を早ければ2009年に確定するもので、
2006年に計画されている郵便の株式市場上場計画の準備段階とみ
なされている。その他、郵便が職員増員を封印する場合には、基盤
整備大臣は拒否権を持つことになっている。連立与党国民党と未来
同盟は、新法について最後まで粘り強く話し合いを続けた。最後の
つめは閣議の場で行なわれることになっている。副首相フーバート
ゴルバッハ（未来同盟）は前日、合意に達することに自信をのぞ
かせていた。閣議での投票後、オーストリア持ち株会社監査役会が
今週金曜日に、政府に対して郵便の株式上場に向けた民営化の提案
を行なう方針である。
９月６日（火）
国外ニュース
エジプトでは大統領選挙
エジプトでは今日、複数の候補者が立つ大統領選挙が初めて行なわ
れる。8人の対立候補が、1981年以来大統領であり続けているホ
スニ ムバラクに対して立候補している。77歳のムバラクの勝利
は確実と目されている。今までエジプトの大統領は、対立候補なし
で、国民投票により就任が認められていた。米国の圧力を受け、5
月には憲法の修正が可決され、普通、秘密、直接選挙が規則とされ
た。7,200万人のエジプト人のうち約3,200万人が有権者登録を行
なった。約9,800カ所の投票所は現地時間の7時から19時まで開か
れている。
国内ニュース
シュッセル「郵便の株式市場上場は2006年までに」
連邦首相ウオルフガング シュッセル（国民党）は、オーストリア
郵便株式会社の株式市場への上場は2006年秋の国民評議会の選挙
前に行なう予定である。上場がいつ行なわれるかの見通しは彼は述
べなかった。国民党と未来同盟は昨日の閣議で、新郵便法に合意し
た。しかし決定は来週まで延期された。国民党経済同盟は、さらな
る話し合いを行なうように求め、現在の法案は、自由化に関しては
あまりに内容が乏しく、EUの方針と一致しない、と述べた。郵便
労働組合は、これは「国民の財産の怠慢な放棄」である、と述べ
た。同労組会長ゲアハルト フリッツは、職場が大幅に削減され、
さらに郵便局が閉鎖される、との見込みを述べた。
９月７日（水）
国外ニュース
ホドルコフスキーは国会議員選挙に立候補すると公式に発表
逮捕されたロシアの石油業界の大立て者ミハイル ホドルコフスキ
ーは、正式にロシア議会議員に立候補する、と届け出た。関連書類
は選挙委員会に発送した、とインターファクス通信は昨日彼の弁護
士アントン ドレルの言葉として報じた。ロシアの巨大石油企業ユ
コス社の設立者である彼は、5月に異論もある裁判で、背任および
脱税で9年間の拘禁という有罪判決を受けていた。先週ホドルコフ
スキーは、国会議員に立候補するという目算を始めて公にし、これ
をロシア政府に対する闘争宣言とした。彼は、裁判結果に対する請
求が認められれば、12月の選挙でモスクワ選挙区から国会議員に
なる可能性があるが、専門家はその可能性は少ない、と見ている。
彼の請求に関してモスクワの裁判所は、今月中に判断を下すものと
みられている。
国内ニュース
社民党は失業問題は統計上のごまかしであるとの懸念を持つ
社会民主党によれば、政府は「高い失業者数を減らすために」統計
上のごまかしを行なうつもりである。同党連邦執行部長ドリス ブ
ーレスは、一定の短期失業者が除外されて失業率が計算されてい
る、と述べた。確かな筋の情報によれば、最大2カ月職についてい
ない失業者で、この期間後すでに具体的な雇用の約束がある者は、
登録された失業者から除外することが計画されている。その代わり
彼らはAMSから一種の暫定支援を受けられることになっている。産
業大臣マルティン バルテンシュタイン（国民党）の広報は、これ
に関する具体的な計画はないとし、「AMSでは一連の検討が行なわ
れているが、決定を下せる段階にはない」と述べた。
９月８日（木）
国外ニュース
独CDU副党首は自民党との連立での勝利に疑い
ドイツキリスト教民主同盟副党首クリストフ ベーアは、連邦議会
選挙で、キリスト教民主、社会同盟と自由民主党が勝利を収めるこ
とを疑問視している。「選挙結果はわからない」、社会の中ではこ
の両党の立っている方針には、明確な多数が賛成してはいないよう
だ、と彼は「商業新聞」に述べた。彼の予想によれば、国民の中で
は「キリスト教民主、社会同盟が私たちにどの薬を処方するつもり
か、知っている人」という標語に物足りなさを感じている人が多
く、残った時間でこの情勢を変えるのは極めて困難だ、とラインラ
ント・プファルツ州同党主でもある彼は述べた。最新の世論調査で
は、キリスト教民主、社会同盟と自由民主党では、政権に必要な過
半数を得られなかった。キリスト教民主、社会同盟は支持を減ら
し、社会民主党は支持を増やした。Dimapの世論調査によれば、キ
リスト教民主、社会同盟は47.5%の支持、社会民主党、緑の党、左
派党を合わせると49.5%の支持である。
国内ニュース
プラスニクは米外相ライスと会談
外務大臣ウルスラ プラスニク（国民党）は金曜日、ワシントンで
米外相コンドリーザ ライスと会談する。中心議題は、オーストリ
アが2006年前半にEUの議長国になることと、両国関係である。そ
の他今回の短期間の実務訪問の間では、米議会外交委員会議長で上
院議員のリチャード ルーガー、国内治安評議会議長スティーヴン
ハドリーとの会談も予定されている。大方の見方によれば、オー
ストリアのEU議長期間には、米国の首脳部をも交えて、通常通り
EU首脳会談が、おそらくウィーンで行なわれる。
９月９日（金）
国外ニュース
パウエルはイラクに関する国連演説を後悔
元米国外務大臣パウエルは、2003年に国連で行なった、イラク戦
争を正当化する演説のことを考えると、善い心持ちになることがで
きない。あの時誤った論拠を持ちだしたのは、心苦しい、とパウエ
ルはあるインタヴューで述べた。彼は米国南部でのハリケーンに巻
き込まれ、その多くが黒人である犠牲者に対する支援に関して、極
めて批判的な調子で非難し、あまりに多くの過ちが行なわれてい
る、と述べた。彼はその背後にあるのは人種差別ではなく、巨大な
社会的な問題であるだろう、と述べた。
国内ニュース
シュタイアーマルク州選挙 社民党優勢を伝える2つめの世論調査
10月2日のシュタイアーマルク州議会選挙に関する3度目の世論調
査が今週公表される。世論調査研究所IMASに続いて、OGMの世論
調査も初めて社会民主党が第1党になるとの結果が出ている。「ク
ライン新聞」の委託を受けて行なわれたこの世論調査は500人を対
象として水曜日と木曜日に行なわれた。それによれば社会民主党は
39%、国民党は37%の支持を集めた。5年前の前回選挙と比べる
と、社会民主党は約7%の支持増、国民党は約10%の支持減であ
る。自由党は前回の支持者の3分の1を失ない、わずか3%である。
緑の党は前回同様の5%、未来同盟は3%の支持である。この世論調
査によれば、第3党は共産党で、10%の支持を集めた。
９月１０日（土）
国外ニュース
米国は9月11日のテロ攻撃を追悼
ハリケーン「カトリーナ」が引き起こした国民的な悲劇のさなか、
米国は日曜日に9月11日のテロ攻撃の4周年を迎える。破壊された
ニュー ヨークの世界貿易センターの場所には、昨年まで行なわれ
ていたのと同様、乗っ取られた飛行機が双子ビルに追突し、その後
この摩天楼が崩壊した時間に合わせて、4回の黙祷が行なわれる。
その他ニュー ヨークで死亡した約2,750人の名前が読み上げられ
る。ワシントンでは、政府が「自由の行進」を行なう。これは乗っ
取られた飛行機が国防省に突っ込んだ場所の近くを出発し、市の中
心部まで行進する。数千人の参加者があるものとみられている。
国内ニュース
シュタイアーマルク州 社民党と共産党は連立を組む可能性がある
国民党にとって10月2日のシュタイアーマルク州議会選挙の日曜日
は、暗黒の日曜日になる可能性がある。最新の世論調査によれば、
社会民主党と共産党が勝利を収める可能性がある。そうなれば、社
会民主党党首フランツ フォーフェスは、共産党からも州首相に選
ばれる可能性がある。共産党も話し合う準備がある、としている。
「アイセンシュタット宣言」では、社会民主党は共産党と協力しな
いと述べられていた。フォーフェスは、これは1968年のもので、
連立にあたっては障害にならない、と語った。
９月１１日（日）
国外ニュース
イスラエル軍はガザ帯状地帯を離れる
明け渡された入植地ネーヴェ デカリムのイスラエル軍本部の旗が
下げられて、イスラエルは昨日午後、38年間にわたるガザ帯状地
帯の占領を象徴的な形で終えた。朝までに最後のイスラエル兵がガ
ザ帯状地帯を退去していた。これに先立ちイスラエル政府は、ガザ
帯状地帯の軍事行政府を廃止し、パレスチナ人居住区からの最終的
な撤退を認めていた。パレスチナ警察は既に午後から、この地域の
管轄を引き継ぐ態勢に入っていた。当初予定されていた引き継ぎ式
典は、撤退のやり方をめぐる対立で取りやめになった。イスラエル
内閣が引き渡した入植地にあるシナゴーグの撤去に反対する決定を
下したため、パレスチナ側は、式典参加を取りやめていた。
国内ニュース
シュッセルは「大規模農業」に対する補助金を抑制する方針
国民党の収穫感謝祭が日曜日にウィーンで開かれ、農業に対する補
助金をめぐるヨーロッパ全体での議論に影響される。連邦首相ウォ
ルフガング シュッセル（国民党）は「大規模農業」に対する補助
金の減額に賛成である、と述べた。ヨーロッパの農業にはあまりに
巨額のお金が流れ込んでいるが、農業振興への配分は「正当」なも
のであるとの考えを彼は述べた。ただし大規模農業などの振興策は
抑制することができるが、小規模農業、家族経営、鉱業などは支援
を必要としている、とも語った。「ヨーロッパの農業に対する補助
金を半減」させようとする人は、田園地帯の数百の雇用を危険にさ
らす人である、ともシュッセルは述べた。農業補助金の再編は、
EU元農業委員フランツ フィシュラーの改革計画の核心であった
が、オーストリアもこれを拒否した。来年オーストリアがEUの議
長を務めることに関して、「拡大したEUの中で好機を得られる、」
古いウィーンのことわざ「死を恐れる者は死ぬ」を指摘して「未来
を恐れる者は、いつか後に収穫を得るための種子をあまりにわずか
しか蒔かない」が、これは政治にもあてはまる、と述べた。