9月19日〜9月25日のオーストリアのニュース



9月19日(月)

     国外ニュース

北朝鮮には核武装解除の準備がある

世界は、危険な脅威から逃れられるかもしれない。北朝鮮は、その
核兵器計画を破棄する用意がある、と述べた。困窮している独裁国
家北朝鮮は、粘り強い交渉のなかで、大規模な電力供給と経済支援
の代わりに、ようやくこの約束を口にした。ただし、交渉担当は手
放しで楽観的になっているわけではない。北朝鮮の元首金正日は、
2年前には核武装を突然宣言して、彼の気まぐれな態度を立証して
いた。

     国内ニュース

シュタイアーマルク州選挙 州首相は「明確な勢力図」に期待

シュタイアーマルク州首相ワルトラウト クラスニク(国民党)は
再来週の日曜日に行なわれる同州議会選挙で、勢力の関係がはっき
りすることを望んでいる。日曜日に彼女が望んでいなかったことが
あれこれ起きたドイツとは違っていてほしい、とクラスニクは月曜
午後ウィーン葉巻クラブで述べた。彼女は、シュタイアーマルク州
では責任の所在が明確になるよう期待している、と述べた。また彼
女は共産党が州政府入りすることがないように、と警告した。問わ
れているのは「見開いた眼と責任感」であり、政治は遊びではな
い、州民がこのことを理解している、と期待している、とも語っ
た。選挙後に誰と協力するかは、口外しなかった。




9月20日(火)

     国外ニュース

EUはキプロス問題で共同宣言を出せるか?

トルコのEU加盟交渉開始の予定をほぼ2週間後に控え、加盟諸国は
最終的にキプロス問題に関して共同の歩調を取ることで合意した、
とギリシャは発表した。「文字どおり一語一語」争う長く困難な交
渉を経て解決が見いだされた、とギリシャ外務大臣ゲオルギオス 
クームーツァコスは火曜午後に発表した。「予想外のこと」がこれ
以上起こらなければ、水曜日にはEU加盟各国政府による共同声明
が採択される。この声明ではトルコによるキプロス承認問題を扱う
ものである。これより前にはキプロス問題に関する声明の、EU閣
僚会議の議題としての受け入れが取り消されていた。キプロスが同
意を拒否していたためである。EU加盟各国の政府は、10月3日の
トルコの加盟交渉開始前に、キプロス問題に対するトルコ政府の声
明に共同の回答を採択する方針であった。その声明の中で7月末に
トルコは、分割されたキプロス島の問題を全面的に解決する前に
は、キプロスの承認が欠かせない、と強調していた。

     国内ニュース

法務委員会は犠牲者保護に関する新規定を可決

国会の法務委員会は火曜日、刑事訴訟法の犠牲者保護の改善を決定
した。重要な点は、暴力行為で特に情動面で影響を受けた犠牲者が
裁判に同伴者を求める権利と、法廷で犠牲者が置かれている状況の
改善である。これらの点は既に、2008年に発効する新刑事訴訟法
に含まれているが、2006年初めから前倒しして実施される。犯罪
の犠牲者はこれに依り、刑事裁判の中でより強い立場を得ることに
なる。その他被告人が未決勾留から釈放される場合には、犠牲者に
は情報が与えられることになっている。




9月21日(水)

     国外ニュース

メキシコ治安維持相のヘリコプター行方不明

メキシコの首都近くで、同国治安維持相をラモン マルティン フ
エルタを乗せたヘリコプターが行方不明になっている。政府の情報
によれば、メキシコ・シティの西側の山脈の森林地帯で、ただちに
捜索が始まった、とのことである。軍の2個大隊がこの作戦に当た
っていた。メキシコ・シティは海抜2,200メートルにある。まわり
を取り囲む山は3,700メートルの高さがある。フエルタには8人が
随行しており、そのなかには連邦警察長官トーマス ヴァレンシア
も含まれている。

     国内ニュース

シモン ウィーセンタールの追悼式

オーストリア代表と数百人の追悼式の参加者は、ウィーンの中央墓
地で質素な式を行ない、シモン ウィーセンタールと別れを告げ
た。96歳の彼は火曜日にウィーンで死去していた。ホロコースト
を生き延びたユダヤ人として、彼は自分の人生をナチ犯罪者の追求
と、その忘却との戦いに捧げた。ウィーセンタールはホロコースト
の実行犯と被害者に関する包括的な資料の膨大な文書を残してい
る。彼の遺志はウィーン研究所で引き継がれることになっている。




9月22日(木)

     国外ニュース

メルケルは連立協議で緑の党と会談

ドイツでは各政党の意向を打診する一巡目の話し合いは、金曜日に
終わる。キリスト教民主、社会同盟の党首、アンゲラ メルケルと
エドムント シュトイバーは緑の党の幹部と会談を行なう。過去数
日間、両者ともキリスト教民主、社会同盟、自由民主党、緑の党か
らなるいわゆる「ジャマイカ連立」について集中的に議論が行なわ
れていた。3党が連立すれは、計算上は連立政権を作ることが可能
である。緑の党側からは、党代表クラオディア ロートとラインハ
ルト ビューティコファーが協議に出席する。シュトイバーとメル
ケルは、昨日、社会民主党党首フランツ ミュンテフェリングと連
邦首相ゲアハルト シュレーダーと会談し、大連立の可能性をはか
っていた。この両者による話し合いは来週も続けられることになっ
ている。この話し合いで両党は、それぞれメルケルとシュレーダー
が首相になるべきだ、と主張した。外務大臣で緑の党の筆頭候補ヨ
シュカ フィッシャーは、大連立が組まれる可能性がもっとも高
い、と見ている。

     国内ニュース

シュタイアーマルク州では選挙の期日前投票始まる

シュタイアーマルク州選挙は、再来週の日曜日10月2日に行なわれ
るが、いわゆる期日前投票が実施され、有権者は今日から投票を行
なえる。それぞれの司法村で、主として夜、少なくとも一ヶ所の投
票所が1時間開かれる。グラーツでは17カ所の投票所が使用でき
る。最も長く開かれている投票所は、グラーツ・ターラーホーフ空
港の投票所である。開票は10月2日の普通の投票とともに行なわれ
る。




9月23日(金)

     国外ニュース

IAEAのイラン決議をめぐって粘り強い論争

国際原発機構IAEAの各管区評議会では、英国、フランス、ドイツ
が昨日午後、イランの核計画に関する決議にむけた新たな草案を提
出した。争点となっているのは、国連安保理へこの問題を持ち込む
かどうかであった。今回の草案には、国連安保理への通報は間接的
なものを含んでいる。またその草案の中では、イランは同機構の規
約を「守っていない」と非難されている。規約の12条Cでは、イラ
ンがこれを守らない場合には、ただちに国連安保理に付託を行なう
ことが含まれている。同評議会は、この草案の提出の後、話し合い
のために中断された。土曜日には、この決議に関して採決が行なわ
れることになっている。特にロシアと非同盟諸国が、国連安保理へ
の委託に強く反対している。イランは、同機構がこの決議を実際に
採択するならば、核分裂を起こすウランの濃縮を行なう、と威嚇し
ている、との情報もある。もしこれが行なわれれればイランは核爆
弾に必要な原料を持つことになる。

     国内ニュース

シュタイアーマルク州の有権者の4%近くが既に投票を済ます

シュタイアーマルク州の有権者は、州議会選挙で「期日前投票」を
用いて選挙権を行使する機会を初めて得た。同州の住民あわせて
36,859人つまりすべての有権者の3.93%が金曜日に、この機会を
利用した。最も高い率であったのは、ムーラオちくで、1,500人、
6.24%の有権者が投票を行なった、と州選挙当局の代表ハインツ 
シレは述べた。最も低かったのは、グラーツ市の4,177人、2.31%
であった。




9月24日(土)

     国外ニュース

イスラエルはガザ帯状地帯を空爆

イスラエル空軍は土曜日、ガザ帯状地帯の攻撃目標を再び攻撃し
た。イスラエルとパレスチナ双方は、ガザ帯状地帯南部のカン ユ
ニスが攻撃を受けた、と発表した。首相アリエル シャローンを中
心とするイスラエル治安内閣は、昨日午後ガザ帯状地帯での軍事作
戦を拡大することを承認した。イスラエルのインターネット報道機
関のynetの報道によれば、小規模の閣議が、行方が追求されている
武装パレスチナ人の逮捕、急進派組織の装備に対する攻撃などの一
掃作戦の再開で合意した、とのことである。これは、各大臣が国防
省および軍幹部の勧告に従ったものである。金曜夜んいは、武装パ
レスチナ人がイスラエルに向けて十数発のミサイルを発さした。教
会にある町スデロットの住民数人が負傷した。その後、イスラエル
はガザ市に対して空爆を行ない、急進派イスラーム組織ハマース運
動の2人を殺害した。

     国内ニュース

シュタイアーマルク州選挙 世論調査では社民党優勢

10月2日に行なわれるシュタイアーマルク州選挙に関する世論調査
がまた行なわれ、同州では政権交代が行なわれる可能性が高まって
いる。OGM研究所は、現在社会民主党が国民党を2%上まわってい
る、と見ている。この世論調査は9月21日とその翌日、699人の有
権者を対象として行なわれた。ワルトラオト クラスニク率いる国
民党は、37%の支持で、5年前の前回選挙から10%減らしている。
一方社会民主党は39%の支持で、前回と比べるとほぼ7%の増加で
ある。自由党は4%で、8%減、緑の党は7%で2%上積みした。未来
同盟とヒルシュマンの候補者同盟はそれぞれ2%の支持であった。




9月25日(日)

     国外ニュース

ハマースはイスラエルに対する攻撃終了を予告

急進派イスラームのハマース組織は昨日午後、イスラエルに対する
ミサイル攻撃を中止する、と予告した。今後イスラエル南部に対す
るカッサム・ミサイルの発射はもはや行なわれない、とハマース広
報マハムード エル サハルはガザ地区で報道関係者を前に述べ
た。イスラエルに向けられたガザ帯状地帯でのハマースの作戦もす
べて中止されるが、この決定は「パレスチナ民族のもっとも高次の
利益」をにらんで下されたものであるので、ハマースは今後もカイ
ロで結ばれた停戦協定を守る、とサハルは述べた。一方、来週日曜
日に予定されていた、パレスチナ大統領マハムード アッバスとイ
スラエル首相アリエル シャローンの会合は中止された。アッバス
が準備の時間が必要である、と要請したためである、とイスラエル
は発表した。

     国内ニュース

社会民主党議員団は非公開会議を行なう

社会民主党の国会議員は、月曜午後からウィーンで2日間にわたり
秋の非公開会議を行なうが、その中心議題は教育と雇用である。同
党の国会議員団の執行部長ヨーセフ カップが口火を切り、国会の
活動の展望を行なう。引き続き「成長と雇用のための積極的な計
画」を主題として議論を行ない、活動に関する基本方針が議題とし
てあがっている。2日目は全部を費やして「どの新設学校を残す
か」と「大学の未来」について議論する。



今日のニュースへ

過去のニュース(目次)へ inserted by FC2 system