10月3日〜10月9日のオーストリアのニュース



10月3日(月)

     国外ニュース

クロアチアとのEU加盟交渉はまもなく開始

EU外相は昨日午後遅く、ルクセンブルクでクロアチアの加盟交渉
の早期開始を決定した、と外交官は発表した。この話し合いは、ト
ルコとの加盟交渉開始直後から始まる、とのことである。国連戦争
犯罪法廷の主席訴訟人カルラ デル ポンテはそれより前、同国と
の協力関係は満足の行く状態にあって、加盟にむけた話し合い開始
への道が開かれた、と述べた。本来この交渉は3月に始まっている
はずであったが、デン ハーグの国連戦争犯罪法廷に対し、クロア
チア政府が協力していなかったため、凍結されていた。このときに
は、クロアチアが戦争犯罪者と目されているアンテ ゴトヴィナの
逮捕に努力を十分していない点が批判されていた。デル ポンテの
見方によれば、この態度はこの間に変化した、とのことである。

     国内ニュース

大蔵省の建物は改築される

ウィーンの中心部にある現在の大蔵省の建物の改築は2007年に開
始される。8百人の公務員はそれに備えて、第3区の税関事務所裏
通りにある仮本部に引っ越しをしなければならない。ここは現在集
中的に建て替えが行なわれている。税関事務所裏通りの建物は、大
急ぎで改築される。元オーストリア統計局の建物の中では、数週間
前から、ほこりが舞い上がっており、大蔵省らしく見えるようにす
る作業が行なわれている。数ヶ月後にはゆっくりとではあるが、態
勢が整う。70年代の建築の鉄筋コンクリートの骨組みだけが残さ
れる。それ以外のものはすべて、ショベル車が取り壊す。




10月4日(火)

     国外ニュース

ブッシュはイラク情勢は実質的には前進していると判断

イラクでは暴力が横行しているのもかかわらず、米国大統領ジョー
ジ W. ブッシュは、情勢は実質的には改善している、と述べた。そ
の例として昨日彼は、イラク軍の再建を挙げた。80大隊のうちす
でに30が、戦闘態勢に入る場合の指揮権を引き継いだ、とブッシ
ュはワシントンで述べた。目標はあいかわらず、イラクが民主的に
安定した国家になり、テロとの戦いで同盟国となることである、と
も語った。「ロス アンジェルス タイムズ」紙によれば、米国政
府と国連は、バグダードの連立政府に対して、日曜日に可決された
選挙法を再検討するように圧力をかけた、とのことである。この法
律は、投票した有権者の3分の2だけでなく、登録した有権者の3分
の2が、18州のうち3あるいはそれ以上の州で反対された場合にの
み、憲法案を否決できる、と言う内容である。この法律の修正によ
って、スンニー派が多く住む州で憲法草案は拒否される可能性がほ
とんど取り除かれた、と同紙は報じた。

     国内ニュース

シュタイアーマルク州選挙 シェグルは自由党党首に留任

シュタイアーマルク州自由党党首レオポルト シェグルは留任す
る。1949年以来初めて自由党が同州議会に議員を送りこむことが
できないという手痛い選挙での敗退後、彼は同党の信任投票を行な
っていた。一方同州議会選挙から2日、選挙で勝利した社会民主党
党首フランツ フォーフェスと敗者国民党党首ワルトラオト クラ
スニクによる初めての2者会談が、「穏やかな雰囲気の中」火曜日
に行なわれた。両党の会談に関して、同州国民党の新幹部ヘルマン
 シュッツェンヘーファーは、国民党は「左翼とではなく」社会民
主党との協力関係に向け努力する、と述べた。




10月5日(水)

     国外ニュース

独CDU/CSUと社民党は首相問題を迅速に解決する方針

キリスト教民主、社会同盟と社会民主党は、大連立結成の場合の首
相問題について、幹部会議で解決を図る方針である、とキリスト教
民主同盟党首アンゲラ メルケルは3度目の相手の意向を打診する
会議後にベルリンで述べた。ベルリンからの情報によれば、幹部会
談は木曜午後午後にも行なわれる。またメルケルによれば、内容面
では意見の一致があったが、まだ連立交渉を開始するよう勧告する
状態には至っていないが、情勢を楽観視している、と発言した。キ
リスト教社会同盟党首エドムント シュトイバーは補足して、来週
に連立交渉を開始できる、との自信を明らかにした。また社会民主
党党首フランツ ミュンテフェリングは、これ以上の意向打診は不
要である、と語った。一方自由民主党のグイド ヴェスターヴェレ
はこの大連立を「最低の今日通分母しか持たない政治」と批判し
た。

     国内ニュース

学校での暴力になすすべなし

オーストリアの学校での暴力をめぐる議論は、ウィーンのある学校
での刃物による傷害事件で死者がでて以来、劇的に現実性を増して
いる。改めて、刃物で武装した生徒が注目を浴びている。暴力防止
のためのより良い措置が必要とされ、ウィーンでは既に新たな包括
的な対策が取られた。しかし学校での暴力を全面的に防止すること
は出来ない。




10月6日(木)

     国外ニュース

ニュー ヨークの地下鉄への攻撃計画に関する情報

「今後数日の間に」攻撃を受ける可能性がある、との指摘があり、
ニュー ヨーク当局は地下鉄網の安全対策をはっきりと強化した。
連邦警察FBIの情報によれば、爆破計画の容疑がある、と同市市長
マイケル ブルームベルクは昨日述べた。攻撃の危険は「極めて明
確」なものだ、と彼は米国のテレヴィ局CNNに述べた。この警告は
既に数日前にFBIから得ておりそれを公表する決断をした、支出が
増えても厭わずに、地下鉄に警察を大量に動員する、とも述べた。
米国土防衛庁も、FBIのこの情報を真剣に捉えている、と発表し
た。ニュー ヨークの地下鉄は年間約450万人が利用し、468の駅
がある。

     国内ニュース

遺伝子技術の判決後専門家は世界から遅れると警告

欧州裁判所によって、オーストリアでの遺伝子技術の利用禁止が解
除されたが、その後もなおオーストリアでの遺伝子技術使用は行な
われる可能性は少ない。一連の規則が、オーストリアの国土での遺
伝子技術利用は実質的に締め出している。現在ウィーンにいる遺伝
子学者で細胞生物学者のヨーセフ グレスルは、国際的な進歩から
取り残される、と警告した。




10月7日(金)

     国外ニュース

ニュー ヨークのテロ警報解除

ニュー ヨーク警察は昨日、遠距離および地下鉄のペンシルヴァニ
ア駅のテロ警報を、一時的に解除した。同駅のさまざまな場所は立
ち入りが禁止され、黄色い防護服と呼吸用のマスクを着用した専門
家が、捜査を行なった。正式の報道によれば、疑わしいものは何も
見つからなかった、とのことである。同駅で「緑色の洗剤状の物質
が入った飲み物の容器が見つかったが、それが無害であると解っ
て、警戒は解除された。鉄道会社アムトラックの広報は、住民に対
する危険は全くない、と述べた。CNNの報道によれば、警察は緑色
の物質が猛毒の炭疽かもしれないとの懸念を持っていた、とのこと
である。前日にはニュー ヨークでは地下鉄の安全対策が強化され
ていた。同市市長マイケル ブルームバーグは、かつてないほどは
っきりした地下鉄攻撃の危険がある、と述べていた。

     国内ニュース

大学入学問題でゲーラーは批判を退ける

ヨーロッパ法の専門家は、政府は欧州法廷の大学入学に関する決定
をただちに実施する必要はなかった、と批判したが、教育大臣エリ
サベト ゲーラー(国民党)は、この批判を退けた。彼女は「シュ
タンダルト」紙で、新たな訴訟を起こすことを支持しており、遅く
とも春にはゲーラーは、オーストリアの教育機関の均質性が壊され
ることを証明するつもりである、と述べた。ドイツ人女性が行政裁
判所に、医学部への入学許可を求めて裁判を起こしているが、ゲー
ラーはこれは、ドイツ人入学者の数に関する材料が不足しているこ
とを欧州裁判所に伝える好機である、と見ている。欧州法廷の判決
を翌日に実施する必要はなかったの言う非難に対して、ゲーラーは
関連する特別な大学の卒業に関連する第65条は、判決が出た時点
でもう適用できなくなっており、遅かれ早かれこれにどのように対
処するかを決めなければならなかった、と述べた。




10月8日(土)

     国外ニュース

ポーランドでは大統領選挙

国会議員選挙で右派が大きく票を伸ばしてから2週間、ポーランド
は新たな大統領を選ぶ。大統領アレクサンデル クファシニェフス
キの後継者を選ぶ選挙戦の中で、自由党のドナルド トゥスクと保
守党のレフ カチンスキが優位に立っている。世論調査によれば、
トゥスクは有権者の40%、カチンスキは35%の支持を得ている。そ
の他の候補者としては大衆迎合政党「自衛」のアンジェイ レッペ
ルは12%、社会民主党のマレク ボロフスキは11%であった。第一
回投票でどの候補者も絶対多数を得られなければ、2週間後に決選
投票が行なわれる。投票所は6時から20時まで開かれる。

     国内ニュース

ブルゲンラント州では州議会議員選挙

シュタイアーマルク州議会選挙から1週間、日曜日にはブルゲンラ
ント州で州議会議員選挙が行なわれる。州議会としては初めて16
歳以上による投票が行なわれる。社会民主党、国民党、自由党、緑
の党のほか、7つの選挙区のうち6つで「オーストリア市民経済党」
OeBWPが候補者を立てている。有権者数は242,218人である。シ
ュタイアーマルク州で起きたような政権交代が、ブルゲンラント州
で起きる可能性は少ないが、情勢は緊迫する可能性がある。世論調
査によれば、社会民主党が今回絶対多数を取る可能性があるためで
ある。国民党は最後にてこ入れを行ない、社会民主党の絶対多数獲
得を阻止する方針である。自由党と緑の党が第3党の座をめぐって
争っている。2000年の選挙では、社会民主党が46.6%、国民党が
35.3%を獲得した。第3党は自由党で12.6%。緑の党は5.5%で初め
て州議会に議員を送り込んだ。




10月9日(土)

     国外ニュース

ポーランド大統領選挙は決選投票へ

ポーランド大統領選挙の第1回集計予想によれば、自由主義保守派
のドナルド トゥスクが、38.7%の支持を受けて、最大の得票を集
めた。しかし彼は絶対多数には達しなかったので、2週間後の決選
投票で民族主義の保守派であるレヒ カチンスキと戦うことにな
る。投票所が閉められた直後に報道放送局TVN24が報じた得票予
想によれば、カチンスキは33.2%の票を集めた。その他の10人の
候補者は大きく水を開けられている。大衆迎合政党「自衛」のアン
ジェイ リッペルは約13%、社会民主党のマレク ボロフスキは
10%に達しなかった。一方投票率は低く、49.6%に留まった。大統
領選挙の結果は、2週間前に行なわれた国会議員選挙で明らかにな
った右派の勢力拡大を確認するものとなった。決選投票に臨む2人
の候補は、いずれも保守派陣営の出身であるが、描いている社会像
は異なっている。カチンスキは56歳の法律家にして民族主義的保
守派で、社会福祉に積極的で、失業問題に積極的力を注いでいる。
トゥスクは48歳の歴史家で、企業よりの政策を取っており、減税
と経済界に対して国が介入しない方針を打ち出している。

     国内ニュース

ブルゲンラント州選挙 社民党勝利

ブルゲンラント州議会選挙では、社会民主党が絶対多数を獲得し
た。暫定の最終結果によれば、同州首相ニースル率いる社会民主党
が、票の52%以上を獲得した。国民党はわずかに票を伸ばした。最
も票を減らしたのは自由党で、得票はほぼ前回の半分であったが、
かろうじて緑の党をおさえ、第3党となった。未来同盟は議会に議
員を出すことができなかった。一方他の州の各党党首は自分の政党
の結果に関して例外なく満足している。ウィーン社会民主党は、
「すばらしい結果」である、と述べた。ただし国民党、自由党、緑
の党も楽観的な意見を示した。



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