10月17日〜10月23日のオーストリアのニュース



10月17日(月)

     国外ニュース

EU外相特別会議

フランスの意向を受けて、EU加盟各国の外務大臣は火曜日にルク
センブルクで特別会議を行ない、間近に迫った世界貿易会議につい
て話し合う。この会議と並行して、鳥インフルエンザの拡大につい
ても話し合う方針である。担当のEU委員マルコス キプリアヌ
は、ヨーロッパ全体で鳥インフルエンザ拡大を阻止し、協力を強め
ていくために現状について報告する方針である。ただし何らかの決
定が出ることは期待されていない。また大臣たちはアジア南部での
地震の影響についても話し合う方針である。ただし会議の中心は、
12月13日から18日にかけて香港で開かれる世界貿易機関の次回閣
僚会議の準備である。フランスは、EUが他の加盟国に農業補助金
の廃止で、大きな譲歩をする可能性があるのではないか、と懸念し
ている。EU貿易委員ピーター マンデルソンは、米国も譲歩した
場合には、貿易をゆがめる農業補助金を最大で7割削減する準備が
ある。フランス政府は、マンデルソンはこの種の譲歩をするために
EU各国から権限を任されていない、と主張している。EU委員会
は、これに対して異論を唱えている。

     国内ニュース

シュタイアーマルク州政府が成立

州議会議員選挙から15日、社会民主党と国民党は月曜日、連立政
府の活動に関する協定で合意をした。この協定は、同州社会民主党
党首フランツ フォーフェスを州首相に選出することを含んでい
る。またこの合意では「新たな協力関係」の礎石が据えられた、と
も述べられている。この協定は23項目からなっている。主席交渉
役のフォーフェスとヘルマン シュッツエンホーファー(国民党)
は、この協定に満足の意を示した。




10月18日(火)

     国外ニュース

サッダーム フセイン裁判がバグダードで始まる

厳重な警戒態勢の元、バグダードでは水曜日に、イラク元大統領サ
ッダーム フセインに対する裁判が始まる。審理の初日には、訴訟
手続きに関する疑問点が解消され、訴状が朗読されることになって
いる。最初の訴訟では、1982年にシーア派の住む町ドゥジャイル
で起きた大量殺戮が取り上げられる。サッダーム フセインには死
刑が言い渡される可能性がある。この裁判にあたっては、厳しい警
戒態勢が取られており、5人の裁判官の名前は秘密にされている。
サッダーム フセインの支持者たちは、前から暴力の波を起こす、
と威嚇している。一方憲法に関する国民投票の結果発表は、週末ま
で延期された。

     国内ニュース

国民評議会は新免許証と年金の引き上げを採決

国民評議会は水曜日の会議で、身寄りのない年金受給者に対する調
整追加金の増額を決定する。現在の663オイロを今後は690オイロ
にひきあげて、いわば最低年金として支給される。小切手振り出し
保証カードと同じ形式の新たな運転免許証と、郵便局の閉鎖の歳に
は政府に対して拒否権を行使することができるようにする郵便法
も、議題に上がっている。7月に可決されたばかりの外国人法の見
直しは、激しい議論が予想されている。具体的には自営業者の許可
の際には、雇用促進につながることが強制事項でない点が修正され
る。




10月19日(水)

     国外ニュース

アッバスはブッシュを訪問 会談は困難が予想される

パレスチナ大統領マハムード アッバスは木曜日、ワシントンの大
統領府で米大統領ジョージ W. ブッシュと会談する。困難な話し合
いになることが予想される。アッバスが自治区内での建設計画に、
米国の支援を期待しているのに対し、米国政府は、パレスチナ人急
進派の影響力があいかわらず強いとの不安に悩まされれている。ア
ッバスは、ガザ帯状地帯とエジプトの国境の解放とガザ帯状地帯と
西ヨルダンランドの輸送路の建設の計画に支援を求めている。さら
にイスラエルがパレスチナ人に対して課している通行の制限を、よ
り緩和することを求めている。米国政府はアッバスに対して、テロ
と暴力により厳しい措置を取るよう迫る方針である。

     国内ニュース

外国人法は再び修正

7月に連立与党と社会民主党の賛成で可決されたばかりの外国人法
は、もう修正される。国民党と未来連合が賛成して、昨日午後遅く
国民評議会で、農作物の取り入れの作業員と自営業者のオーストリ
アへの入国許可が簡略化された。社会民主党は、共同で可決した法
案が、発効前に修正されたことに怒りを表明した。国民評議会によ
って緑の党と共同で異議を申し立てることがあり得る。自由党の議
員バルバラ ローゼンクランツは、この修正に賛成することを拒否
した。社会民主党は法案修正の内容だけでなく、連立与党のやり方
に対しても、衝撃を受けている、と述べた。安保問題の専門家ルド
ルフ パルニゴーニは、連立政権は自営業者のふりをしたものを増
加させ、別の国を経由してやってきた人たちがオーストリアで容易
に働けるようにするものだ、と非難した。




10月20日(木)

     国外ニュース

国連はハリリの暗殺に関する報告書を公表

緊張感をもって見守られていた元レバノン首相ラフィク ハリリの
暗殺に関する国連の調査報告が、明日ニュー ヨークで公表され
る。ハリリは2月14日に他の20人とともにベイルートで爆弾攻撃
を受け、殺害された。国連安全保障理事会が、この暗殺の調査を命
じていた。国連事務総長コフィ アナンは、ベルリンの上級検事デ
トレフ メーリスにこの調査を委託していた。メーリスはこの報告
を中部ヨーロッパ時間の午後に、安保理に手渡し、その後報道陣に
も後悔する。彼はアナンには今日中にその結果を提出する。米国の
報道界では、この報告はシリアを厳しく非難するものになり、大統
領バシャール アル・アサドのシリア政権の失脚すら引き起こす可
能性がある、と予想している。

     国内ニュース

国民党から違法労働者の規則に対する批判

国民党経済部会は、計画中の違法労働者に対する規定を疑問視する
声が上がっている。経済会議の事務長代理で国民党所属の国会議員
ラインホルト ミッターレーナーは、これは「私たちにとって多く
の厄介事を引き起こす複雑な出来事である」と述べた。彼は、使用
者側が予定通り、誰がそれぞれの企業内で、いつそしてどれぐらい
の間違法労働を行なっていたかを報告する場合似は、何らかの問題
が発生する、と懸念している。彼は「ザルツブルク通信」紙の中
で、これは複雑であるために犠牲にすることは出来ない問題であ
り、解決が期待できない、と批判した。社会福祉大臣ウルスラ ハ
オプナー(未来同盟)は年末までに、実際に違法労働という言葉で
何を指すかに関する通達を出す、との計画を立てているが、ミッタ
ーレーナーはこれとは意見を異にしており、「実用に耐えない未完
成な通達は、この問題解決には役に立たない」と述べた。彼は、微
妙な年金改革問題を選挙戦の争点としないですむように、2006年
の次期国民評議会選挙前にこの通達を改善することを期待してい
る。




10月21日(金)

     国外ニュース

ブッシュは国連安保理をハリリ報告に取り組ませる方針

米国大統領ジョージ W. ブッシュは、レバノンの元首相ラフィク 
ハリリの暗殺に関する調査報告書の公表後、国連安全保障理事会の
緊急特別会議を行なうように要請した。この会議では、緊急に対応
が必要で、極めて深刻かつ「最大級の不安を巻き起こす」この報告
が取り上げられる、とブッシュは昨日カリフォルニアのスィミ渓谷
で述べた。この犯行は、シリアの関与がなければ起こり得なかっ
た、とも語った。彼の発言によれば、国連安保理と米国政府は数回
にわたって、レバノンの案件に外国からの介入があってはならな
い、との生命を発表してきた。国連の報告は、シリアに極めて不利
なものであった。

     国内ニュース

入国査証問題でプラスニクは「徹底的な解明」を約束

オーストリア領事館での入国査証に関する疑惑で、外務大臣ウルス
ラ プラスニク(国民党)は、「徹底的な解明」を約束した。彼女
は、「普通だったら起こらないような誤解」をできるだけ早く取り
去らねばならない、内部の調査は行なった、とも述べた。「誤った
行動の責任が問われなければならない、それも専門ごとに個人で。
そして、内部にいるこの種の例外的な人物に対しては寛容な態度を
取ることはできない」とも語った。




10月22日(土)

     国外ニュース

イラク新憲法の国民投票では5州で「かたより」

イラク新憲法をめぐる国民投票から1週間、選挙委員会は土曜日初
めて結果の一部を公表した。それによれば、有権者は集計しおえた
13州のうち12で、憲法の受け入れに賛成したが、1州では反対し
た。その他の5州では、集計結果は「異常に高い統計上のかたよ
り」があるため、調査を行ない、数日後にようやく発表する、と同
委員会の広報は発表した。スンニー派が多く住む地域では、一部が
この憲法に強い拒否を示しているため、この国民投票の行方が緊張
感をもって見守られている。スンニー派の州サラヘディンでは、
81%が反対した、と選挙委員会が発表した。ディヤラ州ではスンニ
ー派がかろうじて多数を占めているが、52%が賛成、48%が繁多で
あった。同委員会は、反対するものとみられているスンニー派のア
ンバル州の結果を公表しなかった。この憲法は、3分の2以上の反
対がある州が3つあれば、拒否されたことになる。したがって、ス
ンニー派が多数を占めるモースルを州都とするニニヴェ州の選挙結
果に関心が集中している。選挙委員会は、首都バグダードでは78%
が賛成し、全国での投票率は64%である、と発表した。

     国内ニュース

フォーフェスはシュタイアーマルク州の人事刷新は行なわない

火曜日にはフランツ フォーフェス(社会民主党)が、十中八九、
シュタイアーマルク州首相に選ばれる。ラジオ シュタイアーマル
クのインタヴューで、同州同党主の彼は今後の予定を述べた。その
中では彼が進めている革新について言及した。彼はシュタイアーマ
ルク州の色を塗り替えるのではなく、誠実な人々を中心にした人事
を行なうつもりだ、と述べた。また彼は、政治の手法を開かれたも
のにし、透明性を高め、理解しやすいものにし、評価しやすいもに
にするつもりである、とも述べた。




10月23日(日)

     国外ニュース

メルケルは鶴の一声を発すると予告

ドイツのキリスト教民主同盟の党首アンゲラ メルケルは昨日、連
邦議会選挙でのキリスト教民主、社会同盟が悪い結果を出した責任
に関する議論が噴出したのを完全に抑え込もうとして、激しい訴え
を行なうと共に、絶対的な命令を出す、と予告した。アオクスブル
クで開かれている青年同盟のドイツ会議で、次期首相である彼女は
「性急な結論」を出さないように警告し、すべての党の派閥は、こ
の議論に巻き込まれざるをえず、それ以外の全ては私たちの国民的
な政党を破壊することになる、と述べた。これに先立ちキリスト教
社会同盟党首エドムント シュトイバーとその他の党幹部は、選挙
戦での大きな失敗を非難していた。さらにシュトイバーが大臣に就
任する経済省の管轄の範囲をめぐる対立が激しくなっている。キリ
スト教社会同盟は、シュトイバーが連邦政治に転身するのを中止す
る可能性がある、と威嚇している。またメルケルは、連立交渉を優
先する、とも述べた。

     国内ニュース

社会民主党は勝利するも有権者の動員で問題を抱える

ウィーン社会民主党は昨日行なわれたウィーン市議会議員選挙で、
票を増やし、再び絶対多数を獲得した。暫定集計結果によれば、市
長ホイプル率いる同党は、約49%の支持を集めた。第3党となった
自由党は大幅に支持を減らし、14.9%で国民党の後塵を拝し、緑の
党に大きく追い上げられた。未来同盟は悲惨な結果で、共産党を下
まわった。ただし社会民主党は、支持者を完全に動員することがで
きなかった。SORA選挙分析所によれば、2割の社会党支持者が投
票所に足を運ばなかった。自由党と緑の党の支持者からも棄権者が
でた。誰がどのように、なぜ、そのような投票を行なうのか、この
質問を世論調査研究所OGAは千人のウィーン市民に投げかけた。こ
の動機はさまざまであった。



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