10月24日〜10月30日のオーストリアのニュース



10月24日(月)

     国外ニュース

ドイツCDU/CSUと社民党は支出削減の必要で合意

ドイツのキリスト教民主、社会同盟と社会民主党は、ドイツの国家
予算の支出削減の規模で合意した。ヘッセン州首相ローラント コ
ッホ(キリスト教民主同盟)が昨日、双方がベルリンで二度目の連
立交渉を行なった後に、このように述べた。それによれば、2007
年には約350億オイロの支出を減らし、EUが定めた赤字の上限を
再び守れるようにする。2006年予算では、約150億オイロが削減
される。支出削減は、大連立政権成立に向けて「大きな課題」を突
きつけている、とコッホは述べた。また彼は双方にとってこの交渉
は厳しいものになっている、と述べたが、詳細については言及しな
かった。現在「歴史的に劇的な状況」にあり、不利をこうむらずに
成果を上げることはできない、とも語った。補助金の削減に関して
彼はたかだか20億オイロの支出削減である、と述べた。

     国内ニュース

入国査証問題はキエフにまで拡大

ウクライナの首都キエフのオーストリア大使館職員も、「申請者の
多い入国査証の不正な取り引きを行ない、多額を徴収していた」と
ウィーンの無料新聞「ホイテ」が報じている。同紙は、このやり方
で「数百人の犯罪者のEU入国が可能になった」と伝えている。キエ
フでも規則違反が行なわれていた可能性が高い、とこの入国査証疑
惑を発見した元オーバーエスターライヒ州議会議員ヘルムート エ
ーデルマイアの言葉として報じている。ベオグラードの事件では、
調査陣は領事館職員と貿易会社の代表に集中して捜査を行なってい
る。「彼らは2002年にセルビアの首都でいわゆる経済会議をおこ
なって、それには入国査証の取り引きを取り仕切る者たちが出席し
ていた」とエーデルマイアは述べた。




10月25日(火)

     国外ニュース

EUと米国はイラク憲法承認を歓迎

EUは昨日、イラク憲法の受け入れを、同国が民主主義と安定に向
けて進んでいく上で、「重要な一歩である」として歓迎した。英国
のEU評議会議長ストローは、イラク国民の勇気を賞賛し、投票の安
全確保のために果たした外国の部隊の意義を強調した。米国大統領
府は、これはイラクの歴史上「画期的な出来事である」と述べた。
選挙管理委員会によれば、この憲法案はあやうく否決されるところ
であった。10月15日の投票の最終結果公表はたびたび延期された
のは、特にスンニー派の猜疑心をかき立てた。彼らは新たな国家構
想で、自分たちが隅に追いやられていると感じ、最初から投票は歪
曲されている、と述べていた。

     国内ニュース

建国記念日を軍の行進と国会開放で祝う

さまざまな行事を行なって、オーストリアは正式に記念の年の建国
記念日を祝う。この祭典が最高に盛り上がりを見せるのは、ウィー
ンの環状道路で行なわれる連邦国軍の50周年記念の大規模な軍事
行進である。これには兵士4千人と戦車と装甲車約180台、飛行機
とヘリコプター100機が参加する。国会は、改修を行なった入り口
の部分とエプシュタイン宮殿を「扉を開く日」としてお披露目す
る。連邦大統領ハインツ フィッシャーと首相ウォルフガング シ
ュッセル(国民党)を中心とする連邦政府は、この日にまず、両世
界大戦の戦死者をたたえて、恒例となっている花輪を捧げる。一方
野党社会民主党と緑の党は、建国記念日に関連するこうしたが行事
が、1955年10月26日の中立法の議決を記念するには不足してい
る、と見ている。




10月26日(水)

     国外ニュース

イスラエルで攻撃 死者5人 負傷者30人

イスラエルの都市ハデラでは水曜日に爆弾攻撃が発生し、少なくと
も5人が死亡、30人が負傷した。イスラエルのラジオ局は、重傷者
数名もいると報じている。また、この事件はパレスチナ人の自殺攻
撃犯が爆死して起きたものである、とも伝えている。警察は攻撃現
場を広域にわたって封鎖した。爆発は大きな損害をもたらし、商店
5軒が爆風で大幅に損傷を受けた、とのことである。イスラエル軍
は、この攻撃は急進派パレスチナ人組織「イスラーム ジハード」
の報復攻撃である、と見ている、とも報じられた。この組織は犯行
直後に、犯行声明を出していた。イスラエル軍は日曜日午後に、西
ヨルダンランド北部のトゥルカレムでこの組織の主要人物を殺害し
ていた。本来であれば急進派パレスチナ人組織は年末まで停戦を守
ることになっていたが、イスラエル兵によってルアイ サアディが
射殺されてから、イスラーム ジハードは、平安な局面は「消えう
せる」かもしれない、と予告していた。

     国内ニュース

建国記念日にフィッシャーは国連とEUの役割を評価

連邦大統領ハインツ フィッシャーは、建国記念日の演説で、国連
とEUの活動は、平和を確保するために貢献してきた、と評価し
た。国連は国際政治の中で大きく、貴重な進歩をもたらし、国連の
平和確保への寄与は、どれほど高く見積もっても過大評価にはなら
ない、とも語った。フィッシャーはその演説の中で、自分自身のこ
とを「信念のあるオーストリア人ではあるが、同時に信念のあるヨ
ーロッパ人でもある」と自己規定した。連邦憲法制定50周年記念
日を直前にしたこの演説の中で彼は、オーストリアの中立が重要で
あるとの指摘を行なった。




10月27日(木)

     国外ニュース

イスラエルはガザを空爆 死者数人

イスラエル軍が木曜午後ガザ北部を空爆し、少なくとも7人のパレ
スチナ人を殺害した。その他10人以上が負傷した、と病院は発表
した。この攻撃は急進派パレスチナ人組織「イスラーム ジハー
ド」の隊員に対するものだと見られている。イスラエル首相アリエ
ル シャローンは、パレスチナ人自殺攻撃犯に対する報復として、
「限定をつけず、集中した反テロの活動」を行なう、と予告した。
イスラエル軍ラジオの報告によれば、国防大臣シャウル モファズ
はここ数日で、パレスチナ人急進派を狙って殺害する許可を発し
た。水曜日にはハデラ市が攻撃を受け、イスラエル人5人が死亡、
26人が負傷した。「イスラーム ジハード」が犯行声明を出して
いた。米国外務大臣コンドリーザ ライスは、パレスチナ指導部に
対して、テロ組織に対し断固たる措置を取るように求めた。彼女は
パレスチナ大統領マハムード アッバスに対して、イスラエルに対
するテロ攻撃を止め、最終的には近東和平計画の中で予定されてい
るテロ組織網の武装解除に取り組むように求めた。と外務省広報シ
ョーン マコーマックはワシントンで述べた。アッバスは、過去数
ヶ月間近東であらゆる事態の進展を阻止しようとしたパレスチナ人
組織に対して、対策を講じなければならない、とマコーマックは述
べた。

     国内ニュース

ニースルはブルゲンラント州首相就任を宣言

連邦大統領ハインツ フィッシャーは、ウィーン王宮で木曜日午
後、憲法に基づき、ハンス ニースル(社会民主党)正式にブルゲ
ンラント州首相に就任したことを宣言した。フィッシャーは、この
誓約式の中で、各州首相が連邦行政にそして連邦に対して間接的に
果たす役割を賞賛した。連邦政府の側からは副首相フーバート ゴ
ルバッハと内相リーセ プロコプが出席した。州議会の設立会議で
は、ハンス ニースルが36票のうち32票を獲得して州首相に選ば
れた。




10月28日(金)

     国外ニュース

国連はイランの反イスラエル発言を非難

国連安全保障理事会は昨日、イラン大統領マハムード アフマディ
ネジャドが行なった、イスラエルを敵視する発言を非難した。彼は
水曜日にイスラエルは地図から抹消されねばならない、と求めてい
た。世界各国からの抗議にもかかわらず、彼はこの発言を変えてい
ない。イランでは金曜日、数万人が参加する反イスラエルのでもが
行なわれた。イラン首脳部がこの大規模デモに参加するように呼び
かけていた。1979年のイラン革命以来、断食月ラマダンの最後の
金曜日に、毎年このデモは行なわれている。大統領アフマディネジ
ャドはイスラエルを敵視する発言を金曜日にも繰り返し、「イスラ
エルは地図上から抹殺されねばならないとの呼びかけは、正しく適
切なものである」と述べた。

     国内ニュース

ケルンテン州では新社会民主党党首が選ばれる

土曜日にはクラーゲンフルトの見本市ホールで、社会民主党の党大
会が行なわれる。この党大会では新党首が選ばれる。2回の投票が
行なわれるものとみられている。5人の候補者のうちから選ばれた
人が、2009年の州議会選挙まで、同党の舵取りの役を引き受ける
ことになる。同党大会は、党首ペーター アンブロズィが短い報告
を行なった後、連邦同党主アルフレート グーセンバオアーが政治
に関する中心となる報告を行なう。




10月29日(土)

     国外ニュース

CIA疑惑でブッシュはどん底に

秘密情報部員の女性の身元をばらした事件をめぐるCIAの疑惑が進
行する中で、副大統領チェーニーの顧問に対する訴訟が起こされた
ことを受け、米国政府はますます強い圧力を受けている。たとえ大
きな変動が発生せず、ブッシュの主席戦略官ローヴが、訴訟を逃れ
たとしても、これは「重大な調査である」と米国大統領ジョージ
W. ブッシュ自身が述べた。その他チェーニーも法廷に立ち、参謀
リビーに対する訴訟で発言および質問に答えなければならなくな
る、と見られている。

     国内ニュース

携帯電話のアンテナ用の柱税は導入されず

携帯電話用のアンテナを設置する柱に対する税金を仮に導入すれ
ば、州と市町村は年額4千5百万オイロを得られることになってい
た。この税の半分が市町村の物になるはずであった。しかし今では
この予定は役たたずである。地方自治体の反応はさまざまである。
国民党の市町村連合会長アルフレート リードルは「確定した税収
についての発表はなかった。自分たちがほしい額を述べるとすれ
ば、間違いになる」と述べた。社会民主党は、この額の財政的な補
償を求めた。この税金は導入されないことが決定された。州と携帯
電話会社は木曜日夜にこれに関して合意に達し、金曜日午前中には
署名が行なわれた。




10月30日(日)

     国外ニュース

イラン元大統領は反イスラエル発言が大きな影響を及ぼすと警告

イラン大統領マハムド アフマディネジャドが、イスラエルを敵視
する発言を行ない、それに対して世界各国が激しい批判を行なった
ことを受け、元大統領モハメド ハタミは、慎重になるように呼び
かけた。彼は「我々は、イランが世界的に政治あるいは経済的な問
題の原因となりかねないような発言を行なうべきではなかった」と
日曜日にイランの通信社ISNAに述べた。「世界全体と私たちの目
標を一致させることは私たちの使命ではないし、世界全体をイスラ
ーム教徒で一杯にするということも私たちの使命では全くない」と
も述べた。一方イラン政府は、これ以上影響の拡大が広がらないよ
うに努力している。国連安保理は金曜日午後に、アフマディネジャ
ドの「イスラエルという汚点をイスラーム世界から取り除く」とい
う発言を非難していた。現在の議長ミフネア ヨアン モトッチ
(ルーマニア)は、国連加盟国に対し、他国の領土的および政治的
独立に対する威嚇を中止するように勧告した。

     国内ニュース

携帯電話のアンテナ用柱をクーカッカは多目的に利用する方針

政務次官ヘルムート クーカッカ(国民党)は日曜日に、連邦全体
で携帯電話のアンテナ用の柱を、他の用途とも共有するように法律
で義務づけることを提案した。ただしこれを実現するためには、新
たな電話通信に関する法律が必要になる。



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