10月31日〜11月6日のオーストリアのニュース



10月31日(月)

     国外ニュース

ブッシュとベルルスコーニは両国の友好関係を強調

月曜日には米国大統領ジョージ W. ブッシュとイタリア首相シルヴ
ィオ ベルルスコーニは、ベルルスコーニの批判的な発言があった
にもかかわらず、友好関係を強調した。「イタリアと米国の関係は
太い。両国関係は重要である。この関係は米国社会にとって重要で
ある。そして私は両国間の防疫が盛んであることを喜ばしく思って
いる」とベルるしこーにとともにワシントンの大統領府に現れたブ
ッシュは述べた。ベルルスコーニは、イタリアは「米国と友好関係
にあって、民主主義と自由を世界に拡大する側にあることを」誇り
に思っている、と述べた。イタリア政府が、軍をイラクから撤退さ
せることを検討するかもしれない、と言ったことをうかがわせる言
葉は述べなかった。

     国内ニュース

ゴルバッハ「プレルは携帯電話の柱問題で恥をかいた」

携帯電話のアンテナ用の柱に対して課税するという計画が崩れたこ
とで、ニーダーエスターライヒ州首相エルウィン プレル(国民
党)は良いことをした。少なくとも基盤整備大臣フーバート ゴル
バッハ(未来同盟)は、それを確信している。「手抜かりのある法
案」を成立させないことで、ニーダーエスターライヒ州民は「技術
的な屈辱を受けずにすんだ」と述べた。同州の法律が撤回されたこ
とから教訓を得ることが、他の州にとって重要である、とゴルバッ
ハは私見を述べた。現在既にある設備を用いて、企業との申し合わ
せに基づいて、社会基盤を共同で利用できるようにするかどうか、
よく考えなければならない、とも述べた。ニーダーエスターライヒ
州国民党は、この税金に関する合意を成果である、と評価し、他の
政党に対する批判を行なった。世論調査によれば、すべての同州住
民の88%が、携帯電話会社との間での今回の合意は、よい解決であ
った、と見ている。




11月1日(火)

     国外ニュース

アハティサーリがコソヴォ主席交渉人に

国連は水曜日、元フィンランド大統領マルティ アハティサーリを
コソヴォ会談の仲介役に任命した。事務総長コフィ アナンは、安
全保障理事会の15カ国にあてた書簡の中で、この任命を伝えた。
その中でアハティサーリは、セルビア州の最終的な地位に関する話
し合いを運営するように委託された。コソヴォの多数派であるアル
バニア人は独立を求めている。セルビア政府は、1998年から9年
のコソヴォ戦争以来国連によって管理され、NATO軍が安全を確保
しているこの地域の分離を拒否している。国連代表部は同州の州都
プリスティナで、アハティサーリはウィーンからこの会議を開始す
る、彼が新たな役職についてコソヴォ入りするのは11月下旬にな
る模様である。国連安保理はこの交渉開始を10月24日に決定し
た。多人種の民主的国家コソヴォを建国し、この地域に安定に寄与
させることが目標である、とされている。68歳のアハティサーリ
はこの夏にはインドネシアで、アチェ州の反乱勢力と政府に和平協
定を結ばせていた。彼は6年前にEU特使として、当時のユーゴスラ
ヴィアの権力者スロボダン ミロシェヴィッチに、NATOの空爆を
中止する条件を伝えていた。

     国内ニュース

フィンツは「営業税」に賛成

大蔵政務次官アルフレート フィンツ(国民党)は、未来同盟党首
イエルク ハイダーが検討している「営業税」を「よい着想であ
る」と見ている。「これは考慮する価値がある、これには万人を公
平に扱うという利点がある」とフィンツは「クリール」紙に述べ
た。ただしフィンツは、2008年前に新たな税制改革を行なうこと
はあいかわらず拒否した。連邦首相ウォルフガング シュッセル
(国民党)は、オーストリア放送局の夏の会談では、経済界に対す
る一律の税率は魅力的な考え方である、と述べていた。連立内部の
税制改革担当班の未来同盟の主席交渉役で副首相フーバート ゴル
バッハと会派長ヘルバート シャイプナーが、全企業に対するこの
一律の税率を提案するなら、フィンツは大蔵省に検討させる方針で
ある。




11月2日(水)

     国外ニュース

アメリカ首脳会談はアルゼンチンで開幕

北、中、南米の34ヶ国の首脳は、木曜日にアルゼンチンの海岸の
町マル デル プラタで、アメリカ首脳会談を行なう。米国大統領
ジョージ W. ブッシュは、この会議後ブラジルとパナマを訪問する
方針であるが、アメリカ全体で自由貿易地帯を早急に作る可能性は
少ないと述べ、同時に二国間あるいは多国間で貿易協定を作ること
に賛成である、と述べた。アルゼンチンは約8千人の治安部隊を投
入して、この首脳会談の周辺で突発的な対立が起こらないよう、準
備を進めている。政治的な会合と並行して、約1万人が「国民の首
脳会談」という対抗する集会を行なう。

     国内ニュース

入国査証問題ではカイロでも不正使用の証拠

オーストリアの国外代表部での入国査証の不正発給問題では、在カ
イロ大使館でも入国査証が金で売られた証拠がある。元オーバーエ
スターライヒ州議会議員ヘルムート エーデルマイル(社会民主
党)がAPA通信社に、これを確認した。彼は、カイロの大使館での
入国査証販売のおよそ5年前の具体的な事例について電話で聞い
た、と詳述した。それによれば、現地のオーストリア人があるエチ
オピア人に報酬と引き換えに入国査証を作った、とのことである。
入国査証の販売が「大きな事業」になっていて報酬とひきかえにシ
ェンゲンヴィザ販売の広告が出ていたベオグラードとは違って、エ
ジプトには組織的に行なわれたことを示す証拠はない、とエーデル
マイルは述べた。




11月3日(木)

     国外ニュース

パリで騒乱 政府は厳しく対処

パリ郊外では暴力行為が激しさを増している。フランス首相ドミニ
ク ド ヴィルパンは、譲歩しない方針を貫く、と予告した。水曜
日の夜に警官と消防署員の詰め所3カ所が銃撃を受けたのに続き、
トレーラーハウス、体育館、スーパーマーケットが放火され、大パ
リ地域で315台の自動車が燃え上がった、とド ヴィルパンは木曜
日に述べた。「秩序と正義、これがフランスの最終決定である」と
も語った。パリ郊外でこのような騒乱が始まってから7夜目とな
る。

     国内ニュース

州首相は行政改革について協議

各州首相は今日からケルンテン州首相イエルク ハイダー(未来同
盟)を議長として、ケルンテン州で、秋の会議を行なう。ヘルマゴ
ル近郊のトレポラッハのホテル「カリンツィア」での会議では、さ
まざまな議題が取り上げられる。ハイダーは中でも行政改革につい
て大きな時間を割く方針である。というのもますます多くの義務が
州に押しつけられているからである。その他には、インフルエンザ
対策、高い石油価格、地方自治体の公務員の年金制度の一元化、オ
ーストリア放送の広告に対する制約、大学入学に関する欧州裁判所
の判決、学校行政府と州学校評議会の合併、公共交通機関と地方交
通の改革などが話し合われる。最後の問題に関しては、交通省政務
次官ヘルムート クーカッカ(国民党)も、ケルンテン州に赴くこ
とになっている。




11月4日(金)

     国外ニュース

アメリカ首脳会談は祭典の中開会 ブッシュに対する抗議活動も

第4回米州機構首脳会談は金曜日、アルゼンチンの海水浴場マル 
デル プラタで式典を行なって、開会した。アメリカ大陸諸国間開
発銀行の新総裁ルイス アルベルト モレノは、最初の演説者とし
て、ますます社会的な不公正をもたらす経済発展の「悪循環」を打
破するよう訴えた。この34カ国の出席する会議では、雇用の創出に
よる貧困との戦いを、主要議題とする方針である。各国の外務大臣
は、最終文書での合意には至ることができなかった。米国を中心と
して宣伝が行なわれている汎アメリカ自由貿易圏を作ることを、共
同の目標であるかどうかは異論のあるところである。一方この首脳
会談が行なわれる前から、数万人のデモ隊が、米大統領ジョージ
W. ブッシュと彼の自由貿易圏構想に反対し、抗議活動を行なっ
た。

     国内ニュース

州首相は連邦に対して戦いを挑む

ケルンテン州で開かれている各州の首相は、金曜日に秋の会議を行
なった。彼らはその席上、連邦にドイツ語を母国語としない親の子
供たちのための融合を促す担当教師を増やすことを求めた。また彼
らは「連邦の支払いに関する規範」が厳しく批判された。また近距
離交通の計画に関しては合意が成立しなかった。話し合いは、交通
の再編、インフルエンザ対策、行政改革など広範囲に及んだ。




11月5日(土)

     国外ニュース

CIA事件でブッシュは職員に支援を命令

政府高官による秘密漏洩があったのではないかとの疑惑をうけ、米
国大統領ジョージ W. ブッシュは、腹心の顧問たちに、倫理の補習
授業を受けるように命令した。大統領府の職員すべては、来週か
ら、いわゆる服務規定はどのように守らなければならないのかを、
学ばなければならならず、その中には、機密を守ることが義務づけ
られている情報の取り扱いも含まれる、と米国では報じられた。秘
密情報部CIAの女性秘密情報部員の正体がばらされた事件で、先週
には副大統領リチャード チェーニーの参謀ルイス リビーが辞任
していた。ブッシュの信頼厚い顧問カール ロウヴも嫌疑をもたれ
ており、彼が果たした役割が調査されている。

     国内ニュース

社民党は鉄道問題でゴルバッハとクーカッカの辞任を要求

社会民主党の連邦執行部長ノルバート ダラボスは、オーストリア
鉄道にとって「地獄の2人組」つまり基盤整備大臣フーバート ゴ
ルバッハ(未来同盟)と政務次官ヘルムート クーカッカ(国民
党)の辞任を要求した。彼らの責任の元、鉄道は破壊され、大きな
収入を上げていた優良企業は、損失を生む会社になってしまった、
と述べた。来週発表される予定の決算は、恐ろしいものになる、と
の情報がある。「基盤整備大臣に、彼が取った破壊的な政策の結果
が知らされれば、彼は従業員につかみかかることになるだろう」と
ダラボスは土曜日に述べた。




11月6日(日)

     国外ニュース

ドイツの連立協議は熱い局面に入る

ドイツではキリスト教民主、社会同盟と社会民主党の連立交渉が、
日曜日からベルリンで行なわれているが、これは熱のこもった曲面
に入っている。午後には両者が改めて異論のある論点に関して話し
合いを行なう方針であった。この話し合いではとくに国家財政の赤
字と増税について話し合われている。ただし、最終的な結果がでる
のは、今週末頃になると見られている。特に大きな問題と見られて
いるのは、健康保険、雇用、原子力発電政策である。

     国内ニュース

公務員の賃金交渉は具体的な要求が行なわれず

約50万人の公務員と契約公務員は、月曜午後に賃金交渉を開始す
る。ただし冒頭から、具体的な構想が行なわれるとは見られていな
い。政府側の提案も、公勤務労働組合の数字を挙げた要求も出され
ない見通しである。今回の第1回交渉では、経済研究所の専門家エ
ーワルト ワルタースキルヒェンが、経済基盤の見通しについて説
明し、この国内の経済的な条件に基づいて、今後の話し合いが行な
われることになっている。昨年の賃金交渉では、労働組合は2.3%
の賃上げを勝ち取った。この結果予算の負担は、2億1千4百万オイ
ロと見積もられている。今年はそれよりいくぶん高めになる可能性
がある。物価上昇のほか、今年の金属産業の賃上げが3.1%であっ
たためである。



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