11月7日〜11月13日のオーストリアのニュース



11月7日(月)

     国外ニュース

EUはドイツの赤字解消までの猶予を2007年まで与える方針

EU委員会は、ドイツがオイロ安定法の規則を再び守るために、
2007年末までの時間的な猶予を与える方針である。次期大連立の
代表者との会談を行なってこれを明確にしたい、とEU通貨委員ヨ
アキン アルムニアは月曜午後、ブリュッセルで述べた。オイロ使
用地域の蔵相会議の議長で、ルクセンブルクの首相兼大蔵大臣ジャ
ン・クロード ユンカーは、ドイツは2007年にはふたたびオイロ
安定法のすべての義務を果たさなければならない、と述べた。

     国内ニュース

微細粉塵法をめぐる論争

環境委員会では午前中に、2週間後には国民評議会でも取り上げら
れるが、政府は、環境相が各州が微細粉塵との戦いをさらに進めて
いけるようにするための新たな法律を可決することで合意した。た
だし緑の党と社会民主党は、大臣プレル(国民党)を冷たく批判し
ている。「拙速なやっつけ法律は交通大臣と経済界の介入をうけた
ため、大幅に効果のないもの」となり、改善するのではなく、新た
にできた法律は「問題となるような後退」を生むものである、と述
べた。




11月8日(火)

     国外ニュース

北朝鮮との新たな交渉

明日中国の首都北京に、北朝鮮、韓国、中国、日本、ロシア、米国
の代表が集まり、いわゆる北朝鮮の核計画に関する6ヶ国会談を行
なう。3日間の予定で行なわれる今回の交渉では、北朝鮮の核兵器
の段階的な廃止計画について決定されることになっている。同国が
9月には粘り強い交渉の後、突然核兵器計画の断念を発表したにも
かからず、参加者は今回の交渉が困難なものになる、と見ている。
北朝鮮あるいは米国が最初の一歩を踏み出すかどうかははっきりし
ない。米国は即時武装解除を要求しているが、北朝鮮は米国が約束
の発電用軽水炉型反射炉の建設を開始するように期待している。

     国内ニュース

人種差別的な攻撃は2005年に少なくとも3倍に増加

今年人種差別的な事件の発生件数は新記録となった。「プレッセ」
紙の報道によれば、2004年には907件が報告されている。今年は
11月8日の時点で、既に950件が記録されている、とウィーン反人
種差別団体ツァラが発表した。2003年には、差別、侮辱、実力に
よる攻撃は330件しか報告されていなかった。ツァラの代表ヒクメ
ット カヤハンは「人種差別主義はより目に見えるものになり、図
々しいものになっており」、特に市町村の建物の中で、この傾向は
強まっている。「近所の人とのいさかいが大幅に増え、ウィーン市
の建物の中でこの種の事例が10件を越えている」とも彼は述べ
た。ウィーン市住宅建設評議会の広報ウェルナー ファイマンは同
紙に、このような事例が報道されるのは良いことだ、仲裁によって
対立をやわらげることが可能だ、と述べた。




11月9日(水)

     国外ニュース

ドイツの連立交渉は最終局面に

ベルリンで開かれているドイツのキリスト教民主、社会同盟と社会
民主党の連立交渉は、木曜日には決定段階に入る。両者は午後に
は、改めて対立している点について交渉し、決定に至る方針であ
る。その際主に問題になるのは、国家予算の歳入不足と、予想され
る増税である。この会議はおそらく一晩中かかるものと見られてい
る。金曜日午後には、最後の会議が予定されており、連立協定の詳
細はそこで投票にかけられることになっている。その後キリスト教
民主同盟、キリスト教社会同盟、社会民主党がそれぞれ党大会を開
き、採決しなければならない。

     国内ニュース

微細粉塵対策法が環境委員会を通過

微細粉塵に関する新たな法律が、水曜日に連立両党の賛成で、環境
委員会を通過した。この法律が「わずかな技術的な修正」をしただ
けで、採決されたため、野党社会民主党の環境問題の専門家カイ・
ヤン クライナーは改めてこれを批判した。緑の党の環境問題の担
当者エーファ グラウィシュニヒは、この法律は「環境政策にとっ
て手痛い後退である」と述べた。クライナーは、微細粉塵の大量放
出を食い止めるために、対策を取れないような事例がたくさんあ
り、たとえば、工業、トラック、建設機械、農業用車両が「法律的
にも実際的にも」この法の適用から除外されている、と批判した。
また彼は、この新法は予告とは異なり、各州の採決を受けなかった
点も批判した。




11月10日(木)

     国外ニュース

アンマン攻撃をアル カーイダは正当化

イラクのテロ組織アル カーイダは昨日午後、2度目の声明をイン
ターネット上で公表した。その声明は、アンマンで起きて56人の
死者を出した爆弾攻撃に対するヨルダン住民の抗議に答えたものと
みられる。その中では、アル カーイダは「なぜ聖戦がこの洞穴に
向けられるのか」の理由の一部を、イスラーム教徒に向けて説明す
るつもりのようである。アル カーイダは、これらのホテルがイス
ラームに対する戦争の中心地である、と確信したので、攻撃を行な
った、と述べている。また同組織は今後も攻撃を行なう、と予告し
た。テロ攻撃から1日、ヨルダンの治安部隊は数多くの容疑者が逮
捕され、その中にはヨルダン人の他、イラクなどの他のアラブ諸国
の住民も含まれている。

     国内ニュース

入国査証問題でプラスニクは専門家委員会設置を予告

外務大臣ウルスラ プラスニク(国民党)は昨日、国会の外務委員
会の会合の後、オーストリアの国外代表部が入国査証を不当に発行
したと非難されている典に関して、外部に専門家の委員会を設置す
る、と予告した。元外務大臣ペーター ヤンコウィッチュを委員長
とし、その他に元クロアチア、シリア、アルゼンチンのオーストリ
ア大使を務めたハンス クニテル、長期にわたって領事の経験があ
る外務省の元職員エマヌエル ヘーリゲとローベルト ロイが、入
国査証分野の調査を行なうことになっている。彼らは「具体的にい
つ、どのような不正が行なわれたのか、そもそも不正はあったの
か、を厳密に調査する」ことになり、それに基づいて今後付せいが
起きないような態勢を作るための、改善の提案が行なわれる、とプ
ラスニクは記者会見で述べた。




11月11日(金)

     国外ニュース

パリでは集会禁止で暴動を阻止

パリ警察は、暴動が発生する懸念があるため、週末にはパリでの集
会禁止措置を課した。15日間の暴動の夜に続いて、土曜日にも暴
動が計画されている、と警察署長は述べた。市の中心部も危険であ
る。フランスが1918年の戦争終了を祝う祝日である今日は、警察
が警戒態勢を強めていた。警官部隊が爆薬を見つける犬を連れて、
市街を巡回し、大統領ジャック シラクも出席する凱旋門のとろこ
で行なわれる式典の準備を監視した。暴動に反対してエッフェル塔
のところで行なわれたデモは、予想より小規模であった。フランス
内務大臣ニコラス サルコジは、フランスの郊外の若者を「ならず
者」と呼んだが、この発言を擁護した。

     国内ニュース

同性同士の結婚をめぐって新たな対立

最新の憲法をめぐる判断で、同性同士の結婚問題をめぐって、政府
内部では新たな対立が燃え上がった。今回は法務大臣ガスティンガ
ー(未来同盟)は、同性同士の結婚に最終的に同等のものとする方
針であるが、彼女に反対している国民党のマリア フェクターはこ
れを断固阻止するつもりである。両者は、自分たちから決定権が奪
われる可能性が十分にある、ということを見落としている。差別の
問題では、最高裁判所が進むべき方向をあらかじめ指示する、とい
うことが再び示された。本来であれば今ごろは既に、この方針が示
されているところである。




11月12日(土)

     国外ニュース

メルケルは方針決定を自ら担当する方針

次期ドイツ首相アンゲラ メルケル(キリスト教民主同盟)は、大
連立では、必要な場合には自分の方針をみずから決定する権限を行
使することになるだろう、と述べた。自分は、持っているすべての
実現力を行使するつもりだ、と彼女はベルリンで述べた。コール政
権で8年間にわたり閣僚として働いてきたメルケルは、「方針を決
定する権限」という言葉を今まで聞いたことはない、とも付け加え
た。「社会民主党所属の大臣が、私のこの現現を拡大するよう要請
する時がくるだろう」と冗談を交えながら述べた。社会民主党党首
フランツ ミュンテフェリングは、基本法の中にはたしかに方針決
定の権限という項目はあるが、それを行使しなければならないわけ
ではない、と述べた。両党の幹部は、大連立は期限つきの協力関係
である、と述べた。次期社会民主党党首マティアス プラツェク
は、大連立は「相思相愛の関係」ではなく、実務目的の結婚であ
る、と述べた。

     国内ニュース

ファン デア ベレンが筆頭候補に選ばれる

緑の党の連邦代表アレクサンダー ファン デア ベレンは、イン
スブルックで土曜日に開かれた連邦集会で、国民評議会選挙の筆頭
候補に選ばれた。彼は、最後の最後まで対立候補が活動したにもか
かわらず、票のほぼ88%を獲得した。いわゆる連邦候補者名簿の第
2位に名前が乗るのは、副党首エーファ グラーウィシングに決ま
った。第3位は、フォアアルルベルク州のサビーネ マンダクが、
51.05%の賛成で、連邦執行部長のミヒャエラ スブルニーを破っ
て獲得した。




11月13日(日)

     国外ニュース

フランスでの暴動の件数は減少

1968年の学生の反乱以来、フランスで最も激しい騒乱は、17日間
続いた後、終わりに近づいている模様である。過去数日間の流れが
続けば、急速に事態が完全に沈静化すると予想される、と昨日フラ
ンス警察長官ミシェル ゴディンは述べた。金曜夜には374台の車
が、木曜夜には502台が炎上した。この社会的な騒乱が最も激しか
った時には、1千4百台の車が、移住者を多く含む郊外の若者たち
によって、放火されていた。プロヴァンスのカルパントラでは、老
人ホームが攻撃を受け、リヨンの中心部では、若者が警官に投石を
行なった。リヨンのいくつかの街区では、昨日集会禁止が課され
た。EU委員会議長ジョゼ マヌエル バローゾは、この騒乱で被
害を受けた都市に対して5千万オイロの財政支援を提案した。内相
ニコラス サルコジは、外国人の暴徒を国外に追放する、と述べて
反論を買っていたが、今週初めから、国外追放を開始する、とも述
べた。

     国内ニュース

緑の党の筆頭候補ファン デア ベレンは貧困の半減を主張

週末に緑の党の連邦代表に再選されたアレクサンダー ファン デ
ア ベレンは、次回および次々回の任期中の目標として、貧困を半
減することを挙げた。インスブルックで開かれた同党の連邦集会
で、ファン デア ベレンは、この分野で連邦政府は活動的でな
い、との考えを述べた。「貧困からの脱却 さらなる税金の公正
を」という満場一致で採択された動議には、収入の均衡をとった上
での労働時間の短縮も求められている。これは書類上は「いまだ検
討中」であることが指摘されている。その他に約250人の参加者が
全員一致で採択したのは、「石油と核からの脱却 太陽の時代への
旅立ち」に関する動議であった。副党首エーファ グラウィシュニ
ヒは、首相シュッセル(国民党)政権のエネルギー政策は、環境を
破壊するものだとして、激しく非難し、「2050年からはヨーロッ
パは完全に、推力、風力、動植物廃棄物によって電力が供給できる
かもしれない」とも述べた。



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