11月14日〜11月20日のオーストリアのニュース



11月14日(月)

     国外ニュース

EU道路経費要綱に関する方針が交通委員会を通過

欧州議会の交通委員会は月曜午後、計画されているEU全体の統一
的に適用されるトラック通行料(道路経費要綱あるいはユーロヴィ
ネット)に関する投票が行なわれ、予想より大きな修正が承認を受
けた。もともとほぼ上限の通行料を課している国々は例外として、
通行料の義務が3.5トン以上のトラックに対して既に適用されるだ
けでなく、EU委員会が、環境および健康維持に関する経費支払い
の導入提案を、発効後遅くとも5年後に呈示できないのであれば、
最大で60%の割増金が通行料として自動的に加算されることにな
る。大会派が、この議論の中であらかじめ譲歩をすることで合意し
ていた。EU議会では12月に投票を行なう。国民党所属のEU議員
ラインハルト ラックは、この動議が必要な過半数を得られる可能
性はほとんどない、と見ている。

     国内ニュース

閣議は新公民権を承認

閣議は火曜日、新公民権を承認する。これによって、早期に市民権
を与えるための例外条項が統一されることになる。今後は承認を受
けた難民、配偶者、EUならびにヨーロッパ経済圏の国民は、最低
でも6年間旅券発行を待たなければならない。今までは0年から5年
間の待機期間が必要であった。ドイツ語と国の情報に関する試験に
合格することが、市民権を得るための条件である。その他、意図的
に犯罪行為を犯した後には自由刑は課されないことになる。その他
の閣議の議題は、治安警察新法である。大集会や2008年のサッカ
ー大会の競技場周辺の監視措置の土台づくりが、眼目となってい
る。




11月15日(火)

     国外ニュース

イラクでは収容所の中での虐待が再び非難

バグダードでは秘密収容所が発見されたが、イラク政府は火曜日、
収容所での虐待容疑の調査を開始した。政府の発表によれば、米兵
は日曜日に内務省の建物の中の手入れを行ない、未登録の173人の
収容者を見つけた。拘禁されていた人の数人は、拘禁中には虐待が
行なわれ、十分な食事を得られなかった、と述べている、と首相イ
ブラヒム ジャアファリは発表した。彼は迅速な解明を行なうと予
告し、自分の代理人を委員長とする特別委員会がこの件を調査し、
2週間後には最初の成果を発表する、とも述べた。駐イラク米国大
使ザルマイ ハリルザードと多国籍国際部隊の上級司令官ジョージ
 ケイシーは、この収容者の虐待は「全く受け入れられない」と述
べた。政府の情報によれば、この収容者の多くは、少数派スンニー
派に属している。そのためイラクの民族集団相互の間で情勢がさら
に緊迫する可能性がある。

     国内ニュース

微細塵法案が国民評議会で審議

国民評議会は、水曜日の会議で、ナチ犠牲者に対する賠償金の支払
いを早期に行なう可能性を決議する。その他国会では、必要な決議
の手続きが認められ次第、ホーエン ワルテの元大統領の別荘を売
却することを明確にする。野党から最も必要なものを欠いている、
と批判された「微細塵防止法」は、大きな議論になる見込みであ
る。この法律で、各州首相は、微細塵を取り除く対策を取ることが
できるようになる。しかしこの恒久的な事業には、担当大臣の賛成
を得る必要がある。オリンピック委員会、サッカー連盟、上部組織
がより多くの資金を得られるようにするための、スポーツ振興新法
は全会一致で承認される見込みである。




11月16日(水)

     国外ニュース

イランはウラン鉱石からの転換を開始した模様

イランはウラン濃縮を開始した模様である。水曜日には鉱石を入れ
た最初の容器が、イスファハンの核施設で加工された、と国際原発
機構の監察官からの情報であるとして、ある外交官が夜にウィーン
で発表した。別の外交官もこの情報を確認した。これによって、濃
縮することで最終的には核爆弾の製造に利用できるガスが発生す
る。外交官の情報によれば、イランは50トンのウラン鉱石を転換
する方針である。先週既に37トンのウランが加工され、これは核
爆弾を10発製造することが可能である、とのことである。9月には
ウラン濃縮を中止するようにとの決議がでていた。イラン政府は、
イラン向けのウラン濃縮をロシアに任せるように、との提案を先日
拒否した。

     国内ニュース

連立政権は入国査証委員会設置を拒否

水曜日の国民評議会の予定の議事の最後に、社会民主党と緑の党は
入国査証の疑惑の調査委員会設置を提案したが、これは拒否した。
自由党の議員バルバラ ローゼンクランツとラインハルト ベシュ
だけが、野党社会民主党の提案に同調した。ただし彼らも緑の党の
動議には反対した。社会民主党の執行部長ヨーセフ カップは、与
党がこれを拒否したのはおそらく外務大臣ウルスラ プラスニク
(国民党)の辞任に繋がりかねない情勢に終止符を打つためだ、と
推測している。国民党と未来同盟は、この攻撃からプラスニクを擁
護した。




11月17日(木)

     国外ニュース

米民主党は初めて即時イラクからの撤退を要請

米国では、大統領ジョージ W. ブッシュに対して、イラクから米軍
を引き揚げるようにとの圧力が強まっている。野党民主党から米国
議会に提案された決議案では、初めて米軍の湾岸地域からの即時撤
退が要求されている。「米国はイラクでは軍事的にはこれ以上何か
も達成することはできない。兵士を家に戻すべき時期が来ている。
今後は外交的な手段でイラクの治安と安定を実現しなければならな
い」と国会議員で国防問題の専門家ジョン マーサは下院で述べ
た。ブッシュと副大統領ディック チェイニーは、イラクに関する
方針の批判を改めて退けた。

     国内ニュース

ライトルは自由党との連立の可能性を強く否定

連邦首相ウォルフガング シュッセル周辺の国民党幹部が主張して
いる戦略、2006年の国民評議会選挙の前には、連立相手を特定し
ない、という方針は崩れる。内務大臣リーセ プロコプ(国民党)
が既に国民党と自由党の連立に反対したのに続いて、国民党の経済
連合会長クリストフ ライトルは「ザルツブルク通信」紙に、国民
党と自由党の連立の可能性を厳しく否定し、大連立が好ましい、と
述べた。ウィーン市での選挙戦で「自由党自身がこの争いから降り
たのだ」とライトルは述べた。「政権を担当する責任を引き受ける
つもりのある政党は、国全体のことに責任を持たなければならない
し、基本的な立場がかけ離れている国民党と自由党の間では、それ
は不可能のように私は思う」とも語った。




11月18日(金)

     国外ニュース

ザルカウィはヨルダンの結婚式攻撃を弁護

1週間少し前ヨルダンの首都アンマンの西側経営のホテルが自殺攻
撃を受けたが、テロリストの指導者アブ ムサブ エル ザルカウ
ィは、この攻撃を擁護した。結婚式の集まりを「意図的に」選び出
したわけではなかった、と金曜日に公開された録音テープの中で述
べた。これらのホテルを選んだのはむしろ、「信徒でない者たち」
が集まる場所だからである、とイラクで作戦行動を取るヨルダンの
テロリストの指導者であるザルカウィは述べた。結婚式の集まりに
対する攻撃は、特にヨルダン人の怒りをかい、大規模な抗議を招い
ていた。約2万5千人のヨルダン人が、テロに抗議するデモを行な
った。まだ専門家がザルカウィのものとは断定していない今回の発
表の中では、さらなる攻撃と、アメリカの友人国王アブドゥラ2世
を直接に名指しして暗殺を行なう、と威嚇している。

     国内ニュース

児童預かり所に関してラオホ・カラットに対する批判

野党は、女性問題担当大臣マリア ラオホ・カラット(国民党)が
企業の幼稚園をよりたくさん作ることに賛成である、と述べたこと
に関して、企業と被雇用者に責任を押しつけるものである、と非難
した。彼女はこの問題でみずから今後何も行なわないので、「つま
らない言い逃れ」をするしかないのだ、と言うのである。社会民主
党の家族問題の専門家アンドレア クンツルは金曜日に、「この発
言はこれで終わりにしなければならない」と述べた。緑の党の家族
問題の専門家サビーネ マンダクは、企業の幼稚園を増やすのは、
公的なものの補うものでしかない、と述べた。未来同盟の女性問題
担当エルケ アハライトナーは反論して、社会民主党はウィーン、
ザルツブルク、ブルゲンラントの州首相を出しているのだから、彼
らに問い合わせるべきだ、子供の面倒を見る場所を十分に設置する
義務は州首相にあり、この問題解決は主として州に求めるべきだ、
と述べた。




11月19日(土)

     国外ニュース

カイロでイラク会議 対立が印象づけられる

イラク政府の代表が土曜日、アラブ連盟の仲裁のもと、初めて野党
側と会談した。カイロで開かれる3日間の会議の冒頭では、イラク
での暴力と参加者の構成をめぐって激しいやりとりが行なわれた。
エジプト大統領ホスニ ムバラクは、対立する勢力に、国民として
和解するように呼びかけ、若いが米国が指揮する軍隊の撤退のため
の条件であル、と述べた。一方イラクでは流血の攻撃が、昨日も続
いた。国会議員選挙を4週間後に控え、自殺攻撃犯はバグダードの
北東にあるバァクーバ市で、葬式に参列している人々の間で自動車
爆弾に点火し、シーア派30人を殺害した。またバグダードの人通
りの多い広場で攻撃があり、13人が死亡した。

     国内ニュース

ハイダーと「クライン新聞」の対立激化

数ヶ月前から燃え上がっている、「クライン新聞」のケルンテン州
編集部とケルンテン州首相イエルク ハイダー(未来同盟)の対立
は、さらに激しくなった。未来同盟の州政府は、この新聞に反対す
る広告戦術を指導させている。この地方新聞の4面にわたる広告の
なかで、同紙はハイダーを「壊滅させる」つもりである、との非難
が行なわれている。「個人的な嫌悪感」のために、同紙は「反ハイ
ダー作戦の中でひどい嘘、邪推、間違った情報を住民に」ひろめて
いる、とも書かれている。またこの広告の中では、同紙の記者によ
る個人的な中傷も行なわれている。未来同盟の側は、動詞も同じよ
うな手段を取っている、として自らを正当化している。記者側は、
自分たちは圧力を受けても批判的な報道を断念しない、との声明を
出した。




11月20日(日)

     最新ニュース

イスラエル軍ラジオ「シャロンがリクード党を離党」

イスラエル首相アリエル シャロンは、自らの政権党リクード党を
離党することを決意した、とイスラエル軍ラジオが日曜夜、同党筋
の情報として報じた。シャロンは長時間にわたり協力者と話し合っ
て、彼が設立者の1人であるリクード党からの撤退を決めた。次回
の選挙では、みずから候補者名簿を立て、そこから立候補する方針
である。投票は3月に行なわれる見込みである。

     国外ニュース

テロの指導者ザルカウィは手入れの際に死亡したとの観測

厳重な治安対策が講じられる中、米軍はイラクの都市モースルの1
軒の家を封鎖した。その中ではテロ組織アル カーイダの隊員と見
られる8人が数日前に死亡していた。ワシントンの米国政府のテロ
防衛の専門家は、死亡した者たちの身元は判明していない、と発表
した。彼は、この中にヨルダンのテロリストの指導者アブ ムサブ
 エル ザルカウィが含まれているかどうか、との質問に答えて、
ザルカウィが殺されたかどうか突き止めるべく努力している、と述
べた。

     国内ニュース

憲法裁判所長官「政治家は罵倒するのではなく考えるべきだ」

憲法裁判所長官カール コーリネクは、憲法裁判所の裁判官たちに
政治的な決定が押しつけられている、と嘆いた。政治が「あらかじ
め熟考し、正しく行動すべき」で、後から憲法裁判所を罵倒しては
ならない、とコーリネクは日曜のテレヴィ番組で述べた。彼は、非
軍事役務従事者に対する食事に関する最近の判決によって、自分の
批判の根拠とした。法律では、食事の代金は「適切な額」にするこ
とが定められているだけで、政治は「形式的な妥協案」で合意でき
るため、細かい問題が憲法裁判所に押しつけられかねない、と述べ
た。



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