11月21日〜11月27日のオーストリアのニュース



11月21日(月)

     国外ニュース

メルケルはドイツ初めての女性首相に選ばれる

キリスト教民主同盟党首アンゲラ メルケルは、火曜日にドイツ初
めての女性首相に選ばれる。国会議員による秘密投票は午前10時
に行なわれる。その後、51歳のメルケルは、連邦大統領ホルスト
 ケーラーから事例を受け取り、午後2時に連邦議会で宣誓を行な
う。その後会議は再び中断し、次期閣僚とともに改めてケーラーの
もとに赴き、彼から閣僚の任命を受ける。最後に午後4時から、閣
僚はそれぞれ連邦議会で宣誓を行なう。午後には首相府で権限の譲
渡が行なわれる。その後午後7時には、メルケルの指導下で初めて
の閣議が予定されている。

     国内ニュース

シュッセルは移民問題で各州と明確な合意

連邦首相ウォルフガング シュッセル(国民党)は月曜日、新たに
持ち上がった難民の受け入れをめぐる議論で、連邦と州のあいだで
「極めて明確な合意」に達した、と述べた。彼はまた、連邦が現在
かなり多くの額を支払っていることを指摘した。クラーゲンフルト
で行なわれた記者会見で彼は、亡命希望者の面倒を見なければ、再
び彼らは「灰色の地域」に押し込められてしまいかねない、と警告
した。そうなると、彼らは何をしたらよいのかわからなくなってし
まうので、この事態を避けるために、関係者は合意に達した、と彼
は述べた。現在、新たな市民法が発効する前に、密入国を斡旋する
者たちの組織の活動が活発化するという問題が生じているが、1月
からはもはやそのような問題は存在しなくなる、とシュッセルは自
信をのぞかせた。




11月22日(火)

     国外ニュース

シリアはハリリ暗殺の捜査に協力する条件を呈示

元レバノン首相ラフィク ハリリの暗殺を国連は調査しているが、
シリアは文書の形で協定をさだめ、中心となって活動している上級
検察官デトレフ メフリスへの協力のあり方を決めるように主張し
ている。国連事務総長コフィ アナンにあてた文書の中で、シリア
外務大臣ファルーク アル シャラは、シリア国民が国連の調査委
員会の聴取の際には、弁護士を同席させることを求めた。その他に
同国政府は、調査はシリアの裁判手続きの規則にしたがって行なう
ように求めた。この書簡は昨日アナンに手渡され、火曜日にニュー
 ヨークで公表されていた。メフリスは、国連の委託を受け、2月
にハリリの他に22人を犠牲にしたベイルートでの爆弾攻撃の実行
犯と黒幕の捜査を行なっている。最初の報告書の中でメフリスは、
シリア政府が協力をしない、と訴え、政府の高官数人を容疑者の中
に含めていた。

     国内ニュース

CIAと称する飛行機が再びオーストリアを混乱

米国の秘密情報部CIAと自称する飛行機が、オーストリア上空を飛
行し、注目を浴びている。「私は抗議の声を確認していない」と外
務省広報アストリト ハルツは「ベルリン新聞」の報道に関して、
APA通信に述べた。それによれば、ウィーン市当局は米国に、許可
なく軍事目的で上空を飛行したため、正式に苦情を申し入れた、と
のことである。同紙の報道によれば、過去数年数回にわたってCIA
機は、ドイツ上空を秘密裡に離着陸していた。今回の飛行機はオー
ストリア上空を飛行中、上空監視網に引っかかり、2機の迎撃機が
出動し、国境を出るまで追跡した、とのことである。




11月23日(水)

     国外ニュース

メルケルは独米関係を強化する方針

ドイツ連邦新首相アンゲラ メルケル(キリスト教民主同盟)は、
再び米国との関係を改善し、フランス政府との密接な連携を育む方
針である。彼女が着任して初めての国外訪問で水曜日、フランス大
統領シラクとパリで会談した後、独仏両国の「関係は友好的かつ強
いものでなければならないと深く確信している、と述べた。また彼
女はNATO事務長ヤープ デ フープ シェファーとブリュッセル
で会談し、独米関係を修復しなければならないかとの質問に答え
て、「関係をさらに発展させていけると信じている」と述べた。ま
たNATOはさらにより強い同盟になり、重要な政治問題を論議でき
る場にならなければならない、とも述べた。また、ドイツはイラク
に兵を派遣しない、とも強調した。

     国内ニュース

ナチ犠牲者の補償に関する米国での法廷闘争は妥協

ナチの犠牲者の保証に関して米国で長く続いていた法廷闘争は、オ
ーストリアに対する最終的ではあるが未解決であった訴訟が、終了
した模様である。控訴裁判所は、オーストリア共和国の抗告を認
め、この裁判を中止した、とニュー ヨークの弁護士ジェイ ファ
イアルコフは水曜日午後APA通信に電話で伝えてきた。これによ
り、オーストリアが求めていたこれ以上裁判を起こされないという
法的保護が確保され、賠償金の支払いを始められる、とファイアル
コフは述べた。ただしオーストリア企業に対する訴訟は、企業側が
広告を行なわなかったため、今後も続く、とのことである。国民評
議会議長アンドレアス クホール(国民党)は、年内にも一般賠償
基金から賠償金の支払いが始められる、と述べた。




11月24日(木)

     国外ニュース

リクード党はシャロンの後継者を12月19日に選ぶ方針

イスラエル首相アリエル シャロンが、自らが共同設立者であった
リクード党を離党したため、同党は12月19日に新たな党首を選ぶ
方針である。党首職には6人の候補者が名乗りを上げる方針で、そ
の中にはシャロンの宿敵で元大蔵大臣ベンジャミン ネタニヤフ、
外務大臣シルヴァン シャローム、国防大臣シャウル モファズが
含まれている。シャロンはリクード等の右派との意見の違いのた
め、同党を去っていた。彼の新党は「カディーマ(前へ)」は今日
始めての会合を行なう。同党は「シャロン 和平を強く推進する
男」という標語を掲げて、3月28日の選挙に臨む。

     国内ニュース

亡命問題でプロコプは対策が遅れている州に圧力をかける方針

内務大臣リーセ プロコプ(国民党)は、亡命希望者の収容問題
で、基本的な世話に関して合意した分担金を支払う各州に、義務を
負わせる方針である、と彼女はテレヴィ番組で述べた。トライスキ
ルヒェン収容所は一杯であり、200人分の宿泊施設がこれ以外に必
要である、とプロコプは述べた。現在、ウィーン、ニーダーエスタ
ーライヒ、オーバーエスターライヒの各州だけが、連邦と州の間で
合意した分担金の支払いを行なっている。しかし内務省の見方によ
れば、ダブリン条約に従えば、約400人の亡命希望者を担当するの
はオーストリア以外の国である。トライスキルヒェン収容所の負担
を抜本的に軽くすることにつながる決定を、独立連邦亡命参事会が
下すことになっている。




11月25日(金)

     国外ニュース

EUはEU永住許可書を準備中との報道

EUは高い技能を持つ移民がヨーロッパに迎え入れるために、対策
を講じている。EU内務および法務委員フランコ フラティニは、
「プレッセ」紙に対して、米国の永住許可書と似た制度をEUに導
入する方針である、と述べた。高い能力を持つ労働者は、この永住
許可書を持っていれば、魅力的な労働および滞在許可がEU全域で
受けられることになる。「ただし、どんな種類の労働者をどれぐら
い必要としているかを決めるのは、加盟国側」であり、EUは枠組
みを定めるだけである、とフラティニは述べた。オーストリアはこ
の計画に賛成している。2006年1月には、一定の条件のもとで居
住および労働の場所をヨーロッパ全体に拡大することを移住者に認
める、EUの指針が発効する。EU委員会はこの措置では、十分な規
模と速度を持っていない、と見ている。EU加盟国のいくつかでは、
失業率が高いにもかかわらず、訓練を受けた専門的な労働力が不足
している、とEUは見ており、この問題はさらに深刻になる。ヨー
ロッパで就業可能な人口は、2010年から30年の間に2千万人減少
する見通しだからである。

     国内ニュース

ケルンテン州未来同盟は自由党からの独立を再び決定

金曜夜にはフェルトキルヒェンで未来同盟・自由党のケルンテン州
党大会が開かれ、オーストリア自由党からの分離に関する動議が再
び採決にかけられた。その理由として、「秩序を維持するために」
もう一度投票にかけたい、と党は発表した。この動議の内容は、連
邦自由党から同州の組織が脱退し、未来同盟に移行し、同党の「ケ
ルンテン州自由党」へ名称を変更するものである。この3つの動議
はすべて既に4月8日にクラーゲンフルトで行なわれた特別党大会
で、採択されたものである。自由党はこの特別党大会の適法性に異
議を唱えており、裁判を起こした。自由党は、未来同盟が「自由
党」の名称を使用することを禁止することを求めていた。これに引
き続きケルンテン州首相イエルク ハイダーが99.68%の賛成で、
同党の党首に選ばれた。




11月26日(土)

     国外ニュース

EU地中海首脳会談がバルセロナで開催

EUと南地中海地域諸国との今後10年間にわたる協力関係を築くた
め、日曜と月曜に各国の首脳がバルセロナに集まる。経済と政治の
協力関係を拡大する活動計画と並んで、テロとの戦いを進めていく
ために共同行動指針が採択される予定である。その他、違法移住と
の戦いが議論される。EU加盟25カ国のほか、ブルガリア、ルーマ
ニア、クロアチア、トルコに加え、モロッコ、アルジェリア、チュ
ニジア、ヨルダン、シリア、レバノン、イスラエル、パレスチナ自
治当局がこの会議に参加している。ドイツ首相アンゲラ メルケル
(キリスト教民主同盟)にとっては、EUの会議に首相として初め
ての出席である。オーストリアを代表して連邦首相ウォルフガング
 シュッセル(国民党)が参加している。

     国内ニュース

未来同盟オーバーエスターライヒ州で設立 ハオプナーが党首に

オーバーエスターライヒ州未来同盟は土曜午後、ヘルシングで結党
集会を行なった。同党首には公開選挙で、唯一の候補者である社会
福祉大臣で連邦未来同盟副党首のウルスラ ハオプナーが、投票権
を持つ118人すべての賛成で選出された。同党広報ウーウェ ショ
イヒが司会を務めたリンツの青きドナウ川空港にあるレストランで
開かれた設立集会には、未来同盟の要人が多数出席した。その中に
は政務次官シーギスベルト ドーリンシェンク、国民評議会の会派
長ヘルバート シャイプナー、シュタイアーマルク州同党党首ゲラ
ルト グロスも含まれていた。連邦同党党首イエルク ハイダーも
出席の予定であったが、ケルンテン州の大雪のため足留めをくい、
携帯電話で未来に向けて祝辞を述べた。彼は目標として、次回の国
民評議会選挙後に再び国政に参加できるほどの勢力を得ることを挙
げた。




11月27日(日)

     国外ニュース

メルケルはトルコとのEU加盟交渉続行に賛成

ドイツ首相アンゲラ メルケルは、トルコ首相レジェップ タイッ
プ エルドアンに、トルコのEU加盟交渉を続ける、と予告した。
この協定は守らなければならない、とメルケルは日曜日にエルドア
ンと会談したあと述べた。キリスト教民主同盟党首の彼女は過去に
はずっと、トルコには、EU加盟ではなく、特権的協力関係を与え
ることに賛成していた。メルケルとエルドアンは、トルコとドイツ
が相互訪問を行なう、と発表した。エルドアンは彼女をイスタンブ
ールに招待し、「私はこの招待を受けました」とメルケルは述べ
た。エルドアンも、彼は来月ドイツを訪問するつもりである、と発
表した。

     国内ニュース

プラスニクはEU拡大を明確に支持

オーストリアがEUの議長国になるのを直後に控え、外務大臣ウル
スラ プラスニク(国民党)は、EU拡大にはっきりと賛成した。
EUが成熟するために、ルーマニアとブルガリアにも彼女は「全面
的に積極的な支援」を与える、と日曜日のテレヴィ番組で述べた。
一方ケルンテン州首相で未来同盟党首イエルク ハイダーは、これ
以上の拡大を中止するように求めた。とくに雇用政策をにらんで大
きな期待が現実のものになることはない、とハイダーは述べた。彼
はEUには、戦略が欠けており、市民に敵対的である、と述べた。
これに対してプラスニクは、EU拡大でオーストリアは利点を得たこ
とを指摘した。EUの南ヨーロッパ特使のエアハルト ブーセクは、
EUはいずれにせよ関係国の住民に「今後の展望」を与えなければな
らない、と述べた。



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