12月12日〜12月18日のドイツのニュース



12月12日(月)

前首相シュレーダーは批判をかわす

(ベルリン)前連邦首相ゲアハルト シュレーダーは、バルト海のガス輸送管のド
イツとロシアの共同企業体の監査役に転身したが、これに対する批判を退けた。こ
の計画に協力することは自分にとって名誉なことである、とシュレーダーは「南ド
イツ新聞」に述べた。この職を引き受けたのは、ドイツ側の参加企業EonとBASF
社が、自分を任命することに賛成してから後のことであった、ともかたった。また
彼は収入に関する観測を否定し、報道されている約百万オイロの支払いは高く見積
もり過ぎである、と述べた。一方全政党の政治家は、シュレーダーが自分の在任中
に進めた計画から利益を得ている、と批判した。一方社会民主党党首マティアス 
プラツェクはシュレーダーを擁護して、彼に問題がないことは疑う余地がない、と
述べた。

     その他のニュース

金属産業労組は5%の賃上げを求める方針

(フランクフルト アム マイン)金属産業労組は、2006年の賃
上げ交渉で、金属および電気産業の340万人の被雇用者に最大で
5%の賃上げを押し通す方針である。これはフランクフルト アム
 マインで同労組幹部が公表した。この要求によって購買力が大幅
に増加する、と同労組会長ペータースは述べた。その他、昨年の賃
上げが押さえられたため、今年はそれを取り戻す必要がある、とも
述べた。全金属業使用者連合は、この要求を高すぎる、として退け
た。全金属業は週末に1.2%の賃上げを検討していた。

エレクトロルクス社はAEG工場を閉鎖

(ニュルンベルク)スウェーデンの大電機工業会社エレクトロルク
スは、長い伝統を持つニュルンベルクのAEG工場を閉鎖する。これ
を経営陣と事業所委員会がニュルンベルクで発表した。従業員
1,750人に影響が出る。これより前には監査役会がストックホルム
で、洗濯機、乾燥機、食器洗い機の製造を、必要経費面での理由か
らポーランドに移すことを決めていた。金属産業労働組合は、社会
福祉計画を実行するように求め、83年間操業を続けた同工場の閉
鎖に抵抗する、と予告した。

電信電話会社従業員は人員削減に抗議

(ボン)電信電話会社の3万2千人の人員削減計画に抗議して、全
国で数千人がデモを行なった。労組Verdiの会長代理トレムルは
6千人の従業員が参加した本社での中央集会で、同社がこの計画に
固執する場合、より激しく対処する、と威嚇した。労組会長ブシル
スキはベルリンで、改めて同社に話し合いに応じるように呼びか
け、電信電話会社は記録的な収入を上げていることから考えると、
大量解雇は受け入れられない、と述べた。労組Verdiは、解雇の代
わりに品質およびサーヴィス部門を強化するように要請した。同社
の監査役会は月曜日にボンで会合を開き、人材削減に関する話し合
いを行なうことにしている。




12月13日(火)

CIA疑惑で国会議員は批判を退ける

(ベルリン)連邦議会の秘密情報機関の管理担当が、ドイツとレバノンの国籍を持
つクハレド エル マスリが拉致された事件に関する包括的な情報を得たのは、事
件から14ヶ月も過ぎてからである、との情報がある。同管理委員会は2004年の時
点ですでにこのこの事件について情報を得ていた、との報道されているが、退任す
る管理委員会議長フォルカー ノイマン(社会民主党)は、この報道を否定した。
ドイツ通信社の情報によれば、ドイツの捜査当局と秘密情報部も、マスリが釈放さ
れてから始めてこの事件について知った、と主張しているとのことである。

     その他のニュース

欧州評議会調査官はCIA疑惑の情勢がはっきりしたと判断

(ストラスブール)CIAがヨーロッパで秘密監獄を作り、被拘禁者
を運んだとされる疑惑で、欧州評議会の調査官マーティは、容疑の
事情が固まったと見ている。いくつかの国で行なわれている捜査に
より、米国秘密情報部が人々を誘拐し、その国の法律上の規定を守
ることなく、他国に運んだことが明らかになった、とスイス人法律
家である彼の声明の中で述べられている。また、ヨーロッパの秘密
情報部はこれについて情報を与えられていたことを示す証拠もあ
り、これらの機関とCIAの協力関係は、単なる情報交換に留まるも
のではなかったと見られるが、米国はこの告発を公式には否定した
ことはない、とも記されている。彼の報告書の土台になっているの
は、人権擁護組織「人権監視団」の文書である。

WTO会議の冒頭で意見を取りまとめるようにとの緊急提案

(香港)世界貿易機構WTOの閣僚会議は、意見の一致を求める緊急
提案を行なって開幕した。同機構の事務長ラミーは、参加149ヶ国
に対し、自由かつ公平な世界貿易が可能になるように何らかの危険
を冒すように訴えた。しかし意見の隔たりが大きいことから、香港
でのこの会議はごくわずかの同意しか得られないものと見られてい
る。特にEUと米国が農業に対して行なっている支援が、問題とな
っている。発展途上国は、自らの農業生産品を欧州および米国の市
場で販売できるようにすることを求めている。本来であればこの会
議では、関税を下げ、非関税貿易障壁を撤廃するための期間を設定
する期間を定めるためのものであった。

会計検査院は連邦と各州を分離する方針

(ベルリン)連邦会計検査院は、連邦と州の間の財政面での関係の
新たな規定を作るように求めた。業務をあまりに集中させると、国
家の行動が非効率的になる、と同長官エンゲルスは会計検査院の検
査報告書の提案で述べた。会計検査院は、現状は特に連邦に不利に
なっていると見ており、90年代半ばから、連邦が使うドイツの税
収の割合はわずか42%に減少している、とのことである。非経済的
な活動の例として、会計検査院はあまりにも巨大化しすぎた連邦道
路網をあげた。




12月14日(水)

外相はエル マスリ事件で政府に対する非難を退ける

(ベルリン)連邦外務大臣フランク・ヴァルター シュタインマイアーは、クハレ
ド エル マスリの誘拐事件に、ドイツ当局が関与していたとの非難を、はっきり
と否定した。連邦政府も連邦情報局も、憲法擁護庁も、ドイツのレバノンの国籍を
持つエル マスリの誘拐の手助けをしたことはない、とシュタインマイアーは連邦
議会で述べた。また治安当局によってエル マスリの個人情報が他人に伝えられた
ことを示す根拠もない、とも述べた。
一方内務大臣ヴォルフガング ショイブレは、連邦刑事警察庁の上級公務員が、ド
イツとシリアの国籍を持つハイダル ザマルの尋問をシリアで行なったことを認め
た。キューバの米国の逮捕者収容所グアンタナモでも、1人が尋問された、とも述
べた。

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オストホフの姉妹が連帯を呼びかける

(ベルリン)イラクで誘拐されたドイツ人オストホフのために無言
デモと署名活動を行なうように、彼女の姉妹アンヤが世間に向けて
緊急の訴えを行なった。彼女は、ドイツ国民が連帯してくれるよう
に、とベルリンで訴えた。連邦政府がこの間に間接的ながら誘拐犯
と接触を持った、との情報はまだ確認されていない。外務省は人質
の安全のために、詳細を公表しようとしなかった。ベルリンでは約
3百人ガ集まり、ブランデンブルク門で無言デモを行なった。

イスラエルはアフマディネジャドのホロコースト否定を非難

(エルサレム)イラン大統領アフマディネジャドが、言葉で新たに
攻撃を加えたことを受け、イスラエルは世界に向けイランに対する
国際的な連携するように呼びかけた。イスラエル首相シャロンの広
報ギシンは、米国がこのような連携を主導して、制裁を加え、イラ
ンの核計画を阻止しなければならない、と述べた。また彼はイラン
に対して、イスラエルの防衛の意志を過小評価しないように、と警
告した。アフマディネジャドは、ホロコーストを再び否定し、ホロ
コーストは「神話」であると見なした。さらに彼は、イスラエル国
家をヨーロッパに組み込むように再び訴えた。

米国とEUの対立はWTOの交渉と重なる

(香港)農業補助金と最貧国支援をめぐる大西洋をはさんだ対立
が、香港で開かれている世界貿易か意義にも持ちこまれている。
EUを代表する貿易委員メンデルスゾーンは、閣僚会談は既に縮小
された目標すらも達成できない危険にさらされている、と警告し
た。米国は、世界貿易機構の今回の協議で前進が見られなければ、
保護主義に陥る、と警告した。一方アフリカ諸国は、農業分野です
べての補助金の打ち切りの期日を確定するように、強く求めた。こ
の交渉と並行して、デモ隊と治安部隊の衝突が再び起きた。




12月15日(木)

EU首脳会談で合意の可能性があるとブレアは判断

(ブリュッセル)ベルギーの首都ブリュッセルで開かれているEU首脳会談では、
加盟25ヶ国の首脳が、財政をめぐる対立を打開する道を探る。英国首相で現在EU
評議会議長であるトニー ブレアは、最初の会談の後、合意の可能性が実際にある
と見ている、と述べた。首脳会談開始前には、英国が提案した財政案が大きな批判
を受けているにもかかわらず、数ヶ国の首脳は解決を見つけたい、とほのめかして
いた。ドイツ首相アンゲラ メルケルも、妥協の用意があると強調したが、ただし
ドイツはどんな犠牲を払っても合意を取りまとめるというつもりはない、と述べて
いた。
2007年から13年の期間のEUの財政制度をめぐる対立では主として英国のEU分担
金の割引が問題となっている。

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イラクでは国会議員選挙が行なわれる

(バグダード)厳しい安全確保の対策が取られる中、イラク人は独
裁者サッダーム フセインが失脚してから初めて、4年間の任期す
べてを務める国会を選んだ。約15万人のイラク兵士と警官、およ
び多くの米兵が、攻撃を防止するために配置についていた。散発的
な攻撃が投票所に対して行なわれたのを除けば、投票は比較的平静
な中で実施された。当局は、1月の移行国会の選挙には投票しなか
ったスンニー派を含めて、高い投票率であった、と発表した。有権
者が投票するのを待っていたため、いくつかの投票所は投票時間を
延長した。首相イブラヒム アリ ジャアファリは今回の投票を成
功であった、と見ていた。今回の結果は早ければ2週間以内に発表
される見通しである。

連邦議会は持ち家購入の補助を廃止

(ベルリン)大連立が開始してから3週間以上経ったが、連邦議会
は最初の法律を制定し、大きな優遇税制を廃止した。国会は、1月
1日から持ち家購入の補助の廃止と、高額の損失を出した場合に優
遇を行なう税金減免基金の廃止を可決した。蔵相シュタインブリュ
ックは、この法律を、国家財政の健全化のために新政権が初めて示
した方針である、と述べた。

政府はシュレーダーの転身に関する態度表明を拒否

(ベルリン)元首相シュレーダーがドイツとロシアのガス輸送管建
設共同企業体に入社する計画に対して、何らかの態度を表明するこ
とを拒否した。副首相ミュンテフェリング(社会民主党)は連邦議
会で、政府は多国籍企業の社長に誰が就任するべきか、そして誰が
就任すべきでないかを述べる立場にはない、と述べた。野党自由民
主党、緑の党、左派党は批判を強めた。シュレーダーはこの共同企
業体の監査役会会長の職を引き受ける方針である。首相時代に彼
は、このバルト海の輸送管計画を決定的に進める役割をになってい
た。




12月16日(金)

シラクはEU首脳会談は合意に向け前進していると見る

(ブリュッセル)EUの財政をめぐる対立で、加盟各国の首脳はそれぞれに歩み寄
りを見せているようである。英国首相トニー ブレアには、懸案となっている英国
の分担金の割引額の減額する用意がある、と外交筋は述べた。フランス大統領ジャ
ック シラクは、交渉は前むきに進んでいる、と述べた。彼は、ドイツ首相アンゲ
ラ メルケルには、英国の分担金割引は2013年以降は廃止するとの提案を説明
し、イタリア、スペイン、ポーランドもこの提案を支持するだろう、と語った。こ
の首脳会談では、2007年から13年にかけてのEU財政計画について話し合うほ
か、非公開会議の形で、2013年までの主として農業に対する補助金の再検討が行
なわれる可能性がある。

     その他のニュース

連邦議会とEU首脳会談はアフマディネジャドの発言を非難

(ベルリン)連邦議会は、イラン大統領アフマディネジャドのイラ
ンを敵視する発言は容認できず、人間を軽視している、と非難し
た。同時に議員たちは全会一致で採択された決議の中で、イスラエ
ル国家には存在権があると主張した。アフマディネジャドは反イス
ラエル的な発言を行ない、ホロコーストの犠牲者数百万人の命運を
嘲笑した、と外務省政務次官エアラーは述べた。アフマディネジャ
ドは数回にわたって、ホロコーストを否定し、イスラエルをたとえ
ばヨーロッパに併合するよう提案していた。EU加盟25ヶ国の首脳
は、アフマディネジャドの首脳会談での発言を非難した。

元連邦大統領たちがオストホフの解放を求める

(ベルリン)元連邦大統領ラオ、ヘルツォーク、フォン ヴァイツ
ゼッカーは、3週間前にイラクで誘拐されたドイツ人オストホフを
連れ去った者たちに、緊急の訴えを行なった。その中で彼らは、人
質と彼女のイラク人運転手の無条件での釈放を求めた。誘拐はいか
なる文化でも価値観に全く反する行為であり、オストホフ女史は人
間として、そしてイスラーム教徒として、ずっとイラクのために献
身的に活動してきた、と述べた。元首相シュレーダーも署名したこ
の訴えは、アラビア語と英語で多くのアラブ系通信社とテレヴィ局
アル ジャジーラに伝えられた。

イラクの選挙が高い投票率だったことが世界で歓迎される

(バグダード)木曜日にイラクで行なわれた国会議員選挙が高い投
票率をあげ、ほぼ平和的に行なわれたことが、世界各地ではイラク
が民主化の道を歩んでいることを示すものとして歓迎された。ドイ
ツ外相シュタインマイアーは、すべての人種、宗教組織が民主化の
過程に加わることが重要であり、そうなって初めて同国の安定が達
成できる、と述べた。バグダードの選挙委員会の情報によれば、
1,500万人の有権者の7割以上が投票を行なった。結果は早ければ
2週間後に発表される。ブルガリアは、同国の3百人態勢の軍隊の
撤退を開始した。国会議員選挙が行なわれたため、作戦は終了し
た、とソフィアの同国国防省は発表した。




12月17日(土)

EUは首脳会談での財政に関する決定後は抜本的な改革に向け努力

(ブリュッセル)EUは財政に関する対立を激しい議論の末解決した後、根本的な
改革に向け進んでいく。加盟25ヶ国の首脳はブリュッセルで土曜日に、今後8年間
の財政に関する方針で合意した。それによれば2007年から13年の予算は、8,620
億オイロになる。英国は、105億オイロの分担金の割引縮小を受け入れている。そ
の代わりに2008年から農業政策に関するすべての収入と支出が検討しなおされる
ことになっている。ドイツ首相アンゲラ メルケルは6月の時点ではまだ成立し得
なかった合意成立に積極的に関与した。この首脳会議では彼女の提案の方向を目指
して、以前の英国の提案に対して、支出に関する計画が若干上積みされた。

     その他のニュース

CDU/CSUと社民党はEUの妥協を歓迎

(ベルリン)キリスト教民主、社会同盟と社会民主党の政治家は、
EU予算に関して成立した妥協を原則的に歓迎した。バイエルン州
首相シュトイバーは、ヨーロッパにとってよい一日であった、と述
べた。EU工業委員フェアホイゲンは、この結果は危機から脱出す
る道を切り開くものである、と考えている。ドイツ東部の再建を担
当する大臣ティーフェンゼーも同じく満足の意を表したが、新規加
盟国の財政支援の削減は残念である、と述べた。ドイツ政府はブリ
ュッセルでの会議では、ポーランドの利益になるように、ドイツ東
部の組織を支援するための1億オイロを断念した。

オストホフは生存しているとの報道

(ベルリン)第2ドイツテレヴィと「フォークス」誌の情報によれ
ば、3週間前イラクで誘拐されたドイツ人女性オストホフは生存し
ている。考古学者である彼女の健康状態は比較的良好である、と
「フォークス」は報じた。その報道によれば、43歳の彼女とその
イラク人運転手は、イスラーム教徒の武装分派組織の手にある、と
のことである。外務省広報は、この誘拐事件の詳細については何も
発表しない、と述べた。

ドイツはイランに関する今後の措置を国連で探る

(ベルリン)イラン大統領アフマディネジャドがイスラエルを敵視
する発言を繰り返し行なったことを受け、ドイツ政府は国連で、世
界各国の反応を調整する道を調査している。首相府長官デ メズィ
エールは、EUも一つになって対策を立てることが必要だ、と述べ
た。外相シュタインマイアーは、アフマディネジャドの態度は、火
種になりかねず、事態をゆがめるもので、この発言で近東の和平に
むけた計画だけでなく、ドイツとの関係も危険にさらしている、と
述べた。アフマディネジャドは数回にわたりホロコーストを否定
し、イスラエルをヨーロッパあるいは北アメリカに編入するように
求めていた。




12月18日(日)

ズザネ オストホフ解放

(ベルリン)11月25日にイラクで誘拐されたドイツ人女性ズザネ オストホフは
自由の身である。彼女の兄弟ローベルト オストホフとドイツ外務大臣フランク・
ヴァルター シュタインマイアーがこれを確認した。43歳の彼女はバグダードの
ドイツ大使館におり、健康状態は良好である、とシュタインマイアーは述べた。ま
た誘拐犯たちは、彼女と一緒に誘拐したイラク人運転手も解放する、と述べた。考
古学者である彼女の解放をめぐるより詳しい状況を語るつもりは、当面シュタイン
マイアーにはない。

     その他のニュース

WTO首脳会談は農業補助金をめぐる対立で譲歩を行なって終了

(香港)149カ国が参加した世界貿易機構の首脳会談は、数日間に
わたって農業補助金をめぐる対立で、粘り強く引き下げを求める話
し合いを行なった後、最後でようやく妥協点を見いだした。妥協の
中心点は、工業国は農業生産品の輸出に関する巨額の補助金を、遅
くとも2013年までに廃止する、というものである。新興工業経済
国と発展途上国は2010年までの廃止を求めていたが、EUの反対で
これは実現しなかった。また工業国は、2006年末までに木綿の輸
出補助金を廃止することになっている。貧しい国に対しては、早け
れば2008年から、関税および量的な制限を設けない形での工業国
の市場への輸出が認められることになっている。特にドイツが求め
ていた工業製品の関税引き下げは、今回の香港での会議では合意に
至らなかった。

虐待発言をめぐる対立が再燃

(ベルリン)ドイツでは、テロ防衛の上限をめぐる議論が続いてい
る。ザールラント州首相ミュラー(キリスト教民主同盟)は、国外
でテロの容疑者を尋問する際に拷問を行なったとの発言から目をそ
らすことを拒否した。テロとの戦いでは、法治国家の基本方針が尊
重されねばならないと彼は「シュピーゲル」誌に述べた。連邦内相
ショイブレ(キリスト教民主同盟)は、このような場合に拷問を容
認する発言は原則的には支持できる、と述べていたが、ミュラーの
発言はこれに対して向けられたものであった。緑の党の政治家シュ
トーカルはショイブレの立場に理解を示している。彼女は、安全保
障上の問題では、ドイツと同じ水準の法治主義を持つ国とだけ協調
して活動していくことは不可能である、と述べた。

シュトイバーは外国人法の強化に賛成

(ベルリン)キリスト教社会同盟党首シュトイバーは、大連立政権
に、外国人法を大幅に強化するように迫る方針である。「ビルト」
紙の報道によれば、バイエルン州首相でもある彼は、先に移住した
人に続いて移住する外国人の子供たちの年齢の上限を現在の16歳
から12歳に引き下げるよう求めた。その他市民権獲得にあたって
は、基本法にかけて宣誓を行なうことも求めている。シュトイバー
は、外国人が融和の講座で十分な成績をあげられなければ、在留許
可を取りあげることも支持した、と「ビルト」紙は報じている。こ
の講座自体も現在の6百時間から9百時間へ拡大しなければならな
い、とも述べた、とのことである。



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