12月19日〜12月25日のオーストリアのニュース



12月19日(月)

     国外ニュース

ブッシュは報道機関がCIA疑惑で機密漏洩を行なったと非難

米国大統領ジョージ W. ブッシュは、米国に対する秘密の盗聴が露
見したのは、「恥ずべき行為」であり「秘密の漏洩」である、述べ
た。彼は月曜日ワシントンで、「ニュー ヨーク タイムズ」紙が
報道し、問題になっている秘密情報部国家安全保障局の盗聴を擁護
した。動詞は、ブッシュが法的な許可を得ることなく米国市民を盗
聴したことをすっぱ抜いた。「通常の敵ではない」テロ組織アル 
カーイダとの戦いには、「新たな思考法と行動」が必要である、と
ブッシュは述べた。この措置が明るみに出たことで、米国の反テロ
の戦いは損害を受けた、とも述べた。

     国内ニュース

憲法の専門家は時速160キロ制限は法律違反と判断

ケルンテン州のタウアーン高速道路上での時速160キロの試験区間
は、法律違反である、と憲法の専門家テーオ エーリンガーは見て
いる。来年5月に行なわれる試験期間の最初の時点で、州政府とそ
の安全性に懸念を持つ自動車運転手が、憲法裁判所に訴訟を起こす
かもしれない、と彼は述べた。連邦は事故が起きた場合に責任を取
ることになる、とも語った。交通省はこれを退け、エーリンガーの
見解は実際には役に立たない、と述べた。




12月20日(火)

     国外ニュース

ボリヴィア新大統領はコカ栽培許可を国民投票にかける方針

次期ボリヴィア大統領エヴォ モラレスは、問題となっているコカ
栽培を許可するかどうかを、国民に決定させる方針である。ただし
モラレスは今日、コカインの原料となるコカの栽培を無条件で許可
することはない、とも述べた。コカ栽培地域の住民が、この問題を
みずから決定することになる。「人々の意見に耳を傾けることが重
要だ」とモラレスは述べた。社会党の彼は、「コカインはだめ、麻
薬はだめ、でもコカやコカ農家はだめではない」と述べて、選挙戦
を戦った。「米国の悪夢」を自称している彼は、米国大統領ジョー
ジ W. ブッシュをののしり、ブッシュは「自分が知っている唯一の
テロリスト」である、とアラブ系テレヴィ局アル ジャジーラに述
べた。

     国内ニュース

国民評議会と連邦評議会はクリスマス休暇に入る

国会は水曜午後に終了し、クリスマス休暇に入る。ただしその前に
は重大な仕事が残っている。国民評議会も連邦評議会も、2005年
最後の会議を行なう。国民評議会の重要議題は、間近に迫ったEU
議長国就任に向けた連邦首相ウォルフガング シュッセル(国民
党)による声明に関する議論である。連邦評議会は、「微細粉塵防
止法」に対する拒否権を行使する。交通大臣フーバート ゴルバッ
ハ(未来同盟)は、160キロ制限と自分の事務所が緊急自動車を申
請した件で、緑の党が基盤整備大臣でもある彼に不信任動議を提出
する。これには社会民主党も同調する。




12月21日(水)

     国外ニュース

サッダーム フセイン「米国人から拷問を受けた」

イラク元大統領サッダーム フセインは、拘留中に虐待を受けたと
して、米国を非難した。「私は米国人たちによって全身を殴られ、
拷問された」とバグダードの特別法廷で水曜日に彼は述べた。一緒
に訴えられている元副大統領タハ ヤシン ラマダンは、彼は数日
間にわたり氷のように冷たい水をかけられ、頭を覆うように袋をか
ぶせられた、とも述べた。フセインは出席しない、と威嚇していた
が、この法廷に現れた。この法廷で行なわれているのは、シーア派
虐殺をめぐる彼とその他7人の容疑者の裁判である。主席裁判官で
あるクルド人のアミンは虐殺の目撃者5人の召喚を行なうつもり
だ、と述べた。

     国内ニュース

ゴルバッハに対する不信任動議は否決

水曜日午後には2005年最後の国民評議会の会議では、緑の党が提
出した副首相フーバート ゴルバッハ(未来同盟)に対する不信任
動議が、予想通り否決された。時事問題を取り扱う論戦の中では、
これより前野党は、ゴルバッハが認めた高速道路の160キロ走行の
方針が詳細に検討された。緑の党の連邦代表アレクサンダー ファ
ン デア ベレンは、ゴルバッハは「不愉快かつ厚かましい大臣」
である、と述べていた。社会民主党の議員ガブリエレ ビンダー・
マイアーは、「副首相はもう結構」と述べた。ゴルバッハ自身は、
「半分だけ真実で歪曲されている」として、これらの批判を否定し
た。国民党も副首相を支持している。




12月22日(木)

     国外ニュース

ドイツはテロ捜査での拷問を甘受

ドイツの官庁は、容疑者の尋問の際に拷問が行なわれたことを知っ
ており、第三者による拷問が行なわれたのを甘受した、と元テロ捜
査係が述べた。数週間にわたってドイツ当局はレバノンの軍事秘密
情報部と協力関係にあった、とARDの雑誌「コントラステ」は元連
邦刑事警察庁のテロ捜査官ラルフ トレーデの言葉として報じた。
彼は両国の情報部の間で質問の一覧表が交換されるのを取りまとめ
ていた。ドイツ側の質問に対する回答は、レバノン情報部の施設内
で拷問によって得られたものである、と彼は述べた。ドイツの国家
保安部も、質問するためにその場にいた、虐待をこれらの職員は知
っていた、とも語った。ドイツ検事総長カイ ネームは調査の必要
がない、と見ている。

     国内ニュース

フィッシャー「自由党のEUに関する国民発議は問題を解決しない」

連邦大統領ハインツ フィッシャーは、トルコのEU加盟とEU憲法
に反対する自由党主導の国民発議が成立する見込みは少ないのでは
ないか、と述べた。この国民発議の文面では、問題は解決されな
い。オーストリアは不自由である、と言って、みんながそれに賛成
すれば、より自由になる、というほど物事は単純ではない」と彼は
「クリール」紙のインタヴューで述べた。彼はオーストリアでEU
を疑問視する声が高まっているとの世論調査が出ていることに関し
て、「ヨーロッパの情勢について十分に情報が与えられていないと
感じる人が多くいるが、それはヨーロッパで事態を前に進めるのは
きわめて複雑であるからだ」と述べた。フィッシャーは周知の通
り、社会民主党の欧州政策に関する国民党の批判を支持していな
い。「社会民主党はEUに批判的なわけではなく、EUの政策の特定
の側面を批判しているのである。野党は、うまくいかないと思うこ
とについて批判をすることができる。欧州統一という目標そのもの
を疑問視するのであれば、私はそれに反対することになろう」とも
述べた。




12月23日(金)

     国外ニュース

イスラエルはガザ帯状地帯に安全地帯設置を計画との報道

イスラエルは目下、ガザ地区北部に安全地帯を設置することを検討
している模様である。イスラエルテレヴィが昨日、パレスチナから
のミサイル攻撃からイスラエルを守るために、軍は境界線の近くに
「誰のものでもない土地」を設置する方針である、と報じた。権利
を持っていないのにここに滞在する者を射殺する、と軍は警告して
いる、とのことである。この安全地帯は、特に8月から9月にかけ
てガザ地区からの撤退で人が住まなくなった元ユダヤ人入植地に沿
って作られる、とも報じられた。国防副大臣セエヴ ボイムは、今
後もミサイル攻撃が続くようであれば、このような地域を設置する
ことに賛成する、と軍ラジオで述べた。イスラエル参謀本部は、ガ
ザ帯状地帯に安全地帯を設置することを、9月の末から検討してい
る。大蔵大臣エフド オルメルトはパレスチナ人に、攻撃が行なわ
れた場合には厳しい措置をとると昨日警告したばかりであった。

     国内ニュース

ハオプトが障碍者の代弁者に就任

元社会福祉大臣ヘルバート ハオプト(未来同盟)は、社会福祉省
の障碍者の代弁者に就任する。社会福祉大臣ウルスラ ハオプナー
(未来同盟)が金曜日の通達でこれを発表した。この役職は、障碍
者同権法の枠組みの中で創設され、公平な取り扱いの問題で関係者
の相談を行なうことになっている。そのためハオプトは国民評議会
の議員を辞職し、彼にかわってエルマー リヒテンエッガー(未来
同盟)が国会議員となる。




12月24日(土)

     国外ニュース

ラテン典礼派総大司教が隔離壁の撤去を求める

数千人の巡礼者が土曜日、クリスマスを祝うためベツレヘムを訪れ
た。エルサレムのラテン典礼派総大司教ミシェル サバハは、エル
サレムを出発し、わずか8キロしか離れていない西ヨルダンランド
のベツレヘムへむかう祭列の先頭に立った。すべての来訪者は、イ
スラエルが西ヨルダンランドに沿って建設した隔離壁にある検問所
を通らなければならなかった。「私たちはこの壁を取り去り、平和
と愛の掛け橋をこの地点に据えなければならない。この壁がベツレ
ヘムを巨大な監獄とした」とサバハは述べた。クリスマス期間中に
最大で3万人がベツレヘムを訪問する、と見られている。2度目の
蜂起が始まってからのここ5年間をはるかに越える観光客の数に市
行政の代表者と商店主は喜んでいる。過去数年と異なり、冷たい雨
にもかかわらず、町はお祭りの雰囲気であふれている。1999年以
来となるクリスマス市も行なわれ、手工芸品や伝統的な料理が売ら
れている。

     スポーツニュース

パーションとロッカがアルペンスキーの最多賞金獲得者に

スウェーデンの女性スキー選手アニヤ パーションとイタリア人選
手のジョルジオ ロッカが、今までのスキーのワールドカップの試
合で、最も多くの賞金を獲得した。3種類のスラロームを製したロ
ッカは暫定的な結果で、ボーデ ミラーとベンヤミン ライヒを越
えて一位を走っている。パーションはミヒャエラ ドルフマイスタ
ーとヤニカ コステリッツをおさえて首位に立っている。




12月25日(日)

     国外ニュース

シャロンはガザ帯状地帯に隔離地帯を設置する方針

イスラエル首相アリエル シャロンは、武装パレスチナ人が、ガザ
帯状地帯からイスラエルの都市に向けてミサイルで攻撃するのを阻
止するよう、軍に指示した。そのため約2.5キロの幅の隔離地帯を
ガザ帯状地帯に設置する方針である。これはパレスチナ人が立ち入
ってはならない場所である。ここに許可を受けずに留まる者は射殺
される可能性がある、とされている。一方国防大臣シャウル モフ
ァズは、武装パレスチナ人の指導者たちを今後空から狙って攻撃す
ることは中止する、との声明を出した。これより前にシャロンは、
軽い卒中の発作を起こしていたが、政府の仕事に復帰し、閣議を行
なった。報道によればシャロンの体重は百キロを越えている、との
ことである。閣僚に対してシャロンは、油であげたお菓子とじゃが
いもに手を伸ばすように勧めた。これはイスラエルでは伝統的にハ
ヌーカ祭で食べられるものである。「ただし食べ過ぎないように」
と付け加えた。

     国内ニュース

寄付の税は今後は免除されるか?

オーストリア人は多額の寄付をし、また寄付をするのが好きである
が、クリスマスはなおさらである。多くの国と違って、私的な寄付
はオーストリアでは税金が免除されることはない。ただしそれも今
だけである。大蔵省の作業班は、これに関する提案を練り上げてお
り、これが実施に移されるのは時間の問題である。それによれば、
収入の10%を上限として私的な寄付は税が控除されるが、それは社
会福祉、慈善、環境保護を目的にした寄付に限られる。



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