12月26日〜12月31日のドイツのニュース



12月26日(月)

津波から一年 犠牲者の追悼

20万人以上の死者を出し、ほぼ2百万人が自分の持ち物すべてを失った南アジアの
津波は、途方もなく大きな悲しみを引き起こした。被災から1年、月曜日には多く
の国でこの津波の犠牲者の追悼が行なわれた。

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津波が来るのを見た男 ワインシュタイン

2004年12月26日の朝、インド洋で大地震が起きた時、地質学者
スチュアート ワインシュタインはハワイの研究所の観測機器の前
にいた。彼はこの巨大な津波の最初の情報を入手した。しかし彼に
は警告を伝えることができる相手がいなかった。

連邦政府の任務の検討 ハルツ改革はほぼ完全にむなしい結果に

ハルツ法は、以前の社会民主党と緑の党の連立政権の自慢の計画の
一つになるはずであった。当初この改革は再三再四修正を加えら
れ、この法律の名前の持ち主の考え方とはほとんどなんの関係もな
くなるまでになった。多くの法律が効力を発しないままに留まった
原因を検討する。

ズザネ オストホフはイラクに戻る方針

ドイツ人女性ズザネ オストホフは、いろいろな警告を受けたが、
イラクに戻る方針である。これは考古学者である彼女がアラブ系の
放送局アル ジャジーラとのインタヴューで述べたものである。彼
女の誘拐は1週間前に解決した。連邦政府は彼女がイラクの戻るの
を思いとどまるよう求めている。




12月27日(火)

ハルツIV法ではソフトウェアで巨額の費用が必要との報道

(ベルリン)いわゆる第二種失業給付金を扱う行政のソフトウェアに欠陥があるた
め、2005年には数億オイロ単位で過剰な支出が行なわれた。ベルリンの「ターゲ
スシュピーゲル」紙の報道によれば、連邦労働紹介所は、コンピューターのプログ
ラムが法律で定めた加入料の値下げ分を含めておらず、計算することができなかっ
たため、約3億オイロを健康保険に支払いすぎた。連邦労働紹介所の発表によれ
ば、この問題は数ヶ月前に発表されていたが、新年そうそうにも訂正が可能であ
る、とのことである。

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健康保険組合の数を明確に減らす方針

(ベルリン)連邦厚生相シュミットは、健康保険組合の数をさらに
はっきり減らす方針である。彼女が厚生相に着任してから、既に組
合は170減少した、と述べた。連邦全体で30ないしは50の健康保
険組合に減らすように努力しており、この数の健康保険組合であれ
ば、十分に競争する機会を与えることができる、とも述べた。さら
に彼女は、必要があれば合併を強制しなければならない、とも付け
加えた。彼女は来年、広い層に対する払込金の値上げは予定してい
ない、との情報もある。新聞報道によれば、今までに13の健康保
険組合が払込金の値上げを決定している。シュミットは、健康保険
改革が後手に回っているため生じていることを擁護し、これによっ
て40億オイロの黒字がでており、負債の返済に当てられる、と述
べた。

経済大臣グロスは賃上げに賛成

(ベルリン)連邦経済相グロス派使用者側に対して、間近に迫って
いる賃上げ交渉では、被雇用者の購買力を軽視することがないよう
に、と訴えた。小売り業と手工業等の産業の重要な部分の今後は、
購買力のある需要に左右されるのであり、よい労働を行なった人に
対しては、よい賃金で報われなければならないし、支出ができるよ
うにしなければならない、と述べた。首相の諮問機関であるいわゆ
る「経済賢人」ボーフィンガーは、政府の諮問機関の専門評議員と
して、賃上げでは今後も慎重な態度を取ることは、5つ星ホテルが
安い価格でお金のない人を顧客に取り込もうとするのと同じよう
に、自滅的な行為である、と述べた。

クリスマス期の売り上げはきわめて満足の行くもの

(ベルリン)ドイツ小売り業界は、今までのクリスマスの商店の売
り上げにかなり満足している、と発表した。ベルリンの小売店中央
連合の調査によれば、11月と12月の同業種では昨年とほぼ同様の
売り上げがあり、多くの人が小切手を現金化すれば、大晦日までの
日々がこの時期の売り上げを押し上げることになる。多くの人が、
オーディオ機器、装身具、化粧品に支出をしているが、家具や衣料
品は昨年の売り上げに届いていない、と同連合は発表した。




12月28日(水)

元政務次官クローボクと家族がイエメンで誘拐

(ベルリン)元外務政務次官ユルゲン クローボクとその家族は、イエメンへの個
人的な旅行の最中に誘拐された。これはドイツ当局もイエメンの首都サヌアでも確
認された。アラブ国家である同国の治安当局は、クローボク、妻、息子3人はある
部族に属する武装した者によって誘拐された、と発表した。犯人は、その部族に属
する逮捕された家族の釈放を求めている。人質の生命は危険にはさらされてはいな
い、と誘拐犯側は確言した。ドイツ外務省は、緊急対策班を結成した。
65歳の元次官である彼とその家族は12月24日にイエメンに旅立った。イエメンの
元ドイツ大使の招待に応えた旅であった。

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イスラエルはガザの「安全地帯」への立ち入りを禁じる。

(ガザ市)イスラエル軍は、パレスチナ人急進派のミサイル攻撃を
阻止するため、ガザ地区北部に安全地帯を設置した。軍はすべての
パレスチナ人に対し、約4キロの幅を持つこの地域に立ち入らない
ように、と警告した。これを守らないものは、声明をもてあそぶも
のである、とのビラをまいた。イスラエル軍がガザ帯状地帯から
9月に退却してから、急進派は既に2百発を越える小型ミサイルをイ
スラエル人居住区に対して発射していた。

国連はイラクでの選挙に不正行為はなかったと見ている

(バグダード)イラクの国会議員選挙では、国連は選挙違反があっ
たと判断する理由を見つけていない。この投票は透明で、信頼に値
する形で行なわれた、とバグダードで国連代表が述べた。選挙に対
する1千5百を越える異議のうち、50件ほどがきっちりとした理由
があるだけである、と選挙委員会は見ている。一方米軍はバグダー
ドでは逮捕者が脱獄しようとしたが、9人が殺害された、と発表し
た。内務省は、囚人20人と看守1人が射殺された、と発表してい
た。

ベスランの人質事件の悲劇は防止できる可能性があった

(モスクワ)ベスランの人質事件を阻止する可能性があった、とロ
シア議会の調査委員会は見ている。現地警察は、学校の警備対策を
強化するように、との指示を無視した、と同委員会議長トルシンは
述べた。また人質解放作戦は、準備不足と調査の誤りに満ちてい
た、とも述べた。北カフカスのベスラン市はイスラーム系のテロリ
ストに2004年9月に子供と大人千人以上を人質にとった。これを
解放する作戦の中で、330人以上が死亡した。




12月29日(木)

クローボクの誘拐事件の交渉は長引く

(ベルリン)イエメンで誘拐された元政務次官ユルゲン クローボクとその家族の
解放を求める努力は、今なお全力で行なわれている。外務大臣フランク・ヴァルタ
ー シュタインマイアーは、大晦日までに決着が得られる、と自身をもって発表し
た。外務省は、イエメンからもたらされた交渉の状態に関する報告は、あまり有効
ではない、と述べた。サヌーアのドイツ大使館は、クローボクと電話で話し、65
歳の彼のその妻、3人の成人した子供は健康であることを確認した。治安部隊が暴
力を用いた解放作戦を開始しないのであれば、誘拐された5人には危害を加えな
い、と誘拐犯の1人はドイツ通信社に述べた。この人質事件の背後には、おそらく
流血の部族間の反目があるものと見られている。ある部族に属する逮捕者の釈放が
要求されている。

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ドイッチェ ヴェレのロシアでの放送が再開

(モスクワ)1週間にわたる強制的な放送中止を経て、ドイッチェ
 ヴェレはロシアでの番組の放送を再開した。局長ベターマンはロ
シア各方面に、ドイッチェ ヴェレが、放送許可と周波数使用の延
長に関する最終的な決定を前に、 ドイツ語およびロシア語の番組
を中波帯で放送することを許可してくれたことを感謝した。外務省
と在モスクワドイツ大使館の協力がなければ、この問題がこれほど
短期間に解決することはあり得なかった、とも述べた。ドイッチェ
 ヴェレの番組は12月22日から中断していた。この背景には、放
送許可の延長に関する管理上、技術上の問題があったものと見られ
ている。ドイッチェ ヴェレは数ヶ月前からロシアの担当部局と交
渉を行なっていた。

メルケルは未来に向けて共同の行動をとるように国民に呼びかけ

(ベルリン)連邦首相メルケルは国民に対し、一つにまとまって力
強い行動をとって、今後の課題を克服するように呼びかけた。「ド
イツが勇気を持って人間性を重視しつつ、前進させて下さい」とメ
ルケルは年末の公開書簡の中で述べている。その中で彼女は、
2006年には失業との戦いが連立政権の課題として最重要項目であ
る、そのためにも市民が変化に備えることが必要であり、そうなっ
て初めて、今後の若い世代のために幸福と高い社会福祉の水準が維
持できる、とも書いている。さらに首相は、数日後には連立協定の
中で合意した、より高い経済成長と雇用のための緊急対策に、あわ
せて250億オイロを越える予算を決定する、と述べた。

パレスチナ人自殺攻撃犯が4人を殺害

(トゥルカレム)西ヨルダンランドの監視所のところで、自殺攻撃
犯が爆死し、パレスチナ人2人とイスラエル兵1人を巻き添えにし
た。この攻撃の直後、イスラエル軍は急遽隣町ジェニンに押し寄
せ、武装パレスチナ人と銃撃戦を行なった。その他に、新たに設置
されたガザ帯状地帯北部の緩衝地帯に対する攻撃を続行した。




12月30日(金)

イエメンの人質事件はまもなく解決の見込み

(ベルリン、サヌア)イエメン政府筋、部族の長とイエメン報道社の言葉として、
イエメンで誘拐された元政務次官ユルゲン クローボクと彼の家族の解放は間もな
くである、と複数の通信社が報じている。外務省とサヌアのドイツ大使館は今のと
ころこの報道について何も述べていない。ただしイエメン大統領アリ アブドッラ
ー サーレハは、外務大臣フランク・ヴァルター シュタインマイアーに、早期解
放を目指して交渉が行なわれている、と伝えていた。イエメン政府はドイツ政府に
対して、暴力を用いずに解決する努力を行なう、と確約していた。クローボク、
妻、3人の成人した息子は水曜日に誘拐されていた。人質犯たちは逮捕されている
自分たちの部族の仲間を釈放するよう求めている。

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カイロの難民収容所明け渡しの際に死者発生

(カイロ)カイロの国連の建物の前に一時的に設置されている難民
収容所を暴力的に撤去する際に、少なくとも10人のスーダンから
の難民が殺害され、多くのものが負傷した。。数千人の警察官が抗
議行動を行なう難民を前に行動にでた時のことであった。通信社の
情報によれば、警察が群集に対して放水器とゴム製警棒を使用した
際に、群集が混乱状態となった、とのことである。9月末からスー
ダン人が数百人が、カイロの国連難民支援組織の建物の前でテント
生活を送っていた。彼らの祖国であるスーダンでは和平条約が結ば
れているために、国連難民高等弁務官事務所は難民の地位をもう与
えていない。しかし亡命希望者は第三国に出国するために、この地
位を必要としている。国連は警官の大量投入を厳しく非難した。

ガザの国境通過地点ラファが再び開かれる

(ガザ市)ガザ帯状地帯とエジプトを結ぶ国境通過地点ラファは、
パレスチナ警官が抗議のため押し寄せてから一時的に閉鎖されてい
たが、再び開かれた。パレスチナ自治当局は警察の交渉の中で、閉
鎖を終了するとの意志を押し通すことができた、とパレスチナ側が
正式に発表した。ここには木曜日に家族間の対立で同僚1人が死亡
した後、パレスチナ警察数十人がこの監視所を包囲していた。彼ら
はこの封鎖によって、犯人がエジプトに逃げるのを阻止しようとし
たものと見られている。国境通過地点ラファはEU治安部隊の監視
を受けており、この部隊は暴力行為によって中断された活動を今後
も続ける方針である。

ロシアはウクライナとのガスをめぐる対立で厳しい姿勢を崩さず

(キエフ)ロシアは、ウクライナに対するガス供給を大幅に値上げ
することで生じた対立で、厳しい姿勢を保ち続けている。ウクライ
ナ大統領ユシュチェンコは1月10日まで価格を凍結する、との提案
を、ガス独占企業ガスプロム社は拒否した、とRIA・ノーヴォスチ
通信が伝えている。ロシア政府は、隣国ウクライナがガスの価格を
ほぼ5倍の値上げを受け入れないのであれば、ガス供給を日曜日に
中止する、と威嚇している。現在天然ガス1千立法メートルは現在
の42オイロから194オイロに値上げされることになる。これはほ
ぼ現在の世界市場の価格に見合ったものである。EU委員会は1月
4日に、加盟諸国のガス供給に影響があるかどうか、協議を行なう
方針である。EU向けのロシア産天然ガスの大部分は、ウクライナ
を通じる輸送管を通じて西側へ送られているため、供給が停まるこ
とが懸念されている。



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