1月9日〜1月15日のオーストリアのニュース



1月9日(月)

     国外ニュース

シャロンはゆっくり目覚める

イスラエル首相アリエル シャロンは、人工的な催眠からゆっくり
と目覚め、処置を行なっている医師が与える刺激に初めて反応し
た。脳卒中を起こしてから5日、77歳のシャロンは自発的な呼吸も
開始した。にもかかわらず医師団は、彼が危機的な状況にあること
を思い起こさせた。シャロンの代理を務めるエフド オルメルト
は、実施が決まっている国会議員選挙のためにシャロンが作ったカ
ディマ党の筆頭候補になることは、ほぼ確実である。オルメルト
は、東イスラエルでパレスチナ人の選挙が行なわれる時にも、投票
を認めるかどうか決定しなければならない。

     国内ニュース

EU評議会の委員25人がウィーンで会合 膨大な要求

EU委員会はウィーンを訪れ、終わりそうもない長い要求の一覧表
を提出した。それによれば、EU評議会議長国オーストリアは、困
難な問題であるEU憲法にようやく再び手がけるだけでなく、ヨー
ロッパの経済成長を促す火種に着火することになっている。オース
トリア首相ウォルフガング シュッセル(国民党)は、これらすべ
てに努力し、「国民の懸念」に応える、と約束した。一方、議長国
オーストリアはこの会合では期日を守ることには失敗した。




1月10日(火)

     国外ニュース

米国はイランに対して「軍事的な手段を行使する可能性」を持つ

イランが核研究計画を再開した場合には、米国は軍事的な介入を行
なう可能性を完全には除外しない方針である。現在のところ攻撃計
画があるわけではないが、「軍事力を行使するという選択肢」も協
議される、と大統領府広報マクレランは述べた。また彼は、米政府
はイランが核兵器を開発するのを阻止するために、軍事的な手段を
利用するのか、との問に答えて、大統領ジョージ W. ブッシュは、
イランはイラクではないと明言した、と述べた。米国は世界各国と
協力して、この対立を平和的に解決する方針であるが、「どんな案
も」除外しない、とマクレランは強調した。

     国内ニュース

シュッセルは「ヨーロッパを経験させる」方針

オーストリアがEU評議会議長国を務める間の目標は、「できるだ
け具体的にヨーロッパを体感させる」ことである、と連邦首相ウォ
ルフガング シュッセル(国民党)はテレヴィの生番組の議論の中
で強調した。「空疎な修辞的な言葉を離れて、具体的な回答」たと
えば中小企業の育成のためのの措置や、エネルギー供給の確保、さ
らなる研究費余蘊演出などの措置を、3月のEU首脳会談で決定する
ことが求められている、と彼は述べた。またEU憲法の今後に関す
る質問をシュッセルは再び回避した。当面国民を巻き込んだ将来に
関する議論を行なうべきで、国民は不満感を表明した後ようやく、
憲法の文言に関する議論に進めるのだ、と述べた。EU憲法を既に
断念している連立与党の未来同盟の立場に関して、この問題に関し
てはヨーロッパの中でもさまざまな意見がある、と述べた。




1月11日(水)

     国外ニュース

国連は鳥インフルエンザ対策で11億オイロを要求

鳥インフルエンザとの戦いを進める国際支援国会議は、来週14億
ドル(11億オイロ)を調達することになる、と国連は見ている。
この額は、鳥インフルエンザを沈静化させるために世界各地で取る
対策に必要な金額である、と国連主席調整官デイヴィッド ナヴァ
ロが水曜日にニュー ヨークで述べた。ただしこれは「序幕」に過
ぎず、この病気がどこかで人から人へ感染した場合には、さらに多
くのお金が必要になる、とも語った。この会議は1月17日と18日
に中国、EU、世界銀行が北京で開催する。90を越える国、25の国
際機関が出席する見込みである。

     国内ニュース

ガスティンガーはシュッセルの欧州裁判所批判に共感

法務大臣カーリン ガスティンガー(未来同盟)は、連邦首相ウォ
ルフガング シュッセル(国民党)の欧州裁判所批判を支持した。
彼女は、欧州裁判所がオーストリアの憲法裁判所とは反対に、判決
を実施に移すための移行期間を認めていないことも、「問題であ
る」と見ている、と木曜日にウィーンで始まるEU内相、法相協議
会を前に「シュタンダルト」紙との対話の中で述べた。ただし彼女
は、この影響を議論するのは、首相や大統領であって、法務大臣で
はない、とも述べた。シュッセルは昨年末のインタヴューの中で、
欧州裁判所の役割の再検討を求めていた。彼の批判の主眼は、この
法廷は「原則的に過去に関する判決だけを下すもの」であり、同裁
判所の判決によって「各国の権限を破壊している」という点であっ
た。




1月12日(木)

     国外ニュース

核をめぐる対立でイランはEUの警告に動ぜず

イランは、EUの交渉役3ヶ国(独仏英)が核計画をめぐる対立で国
連安全保障理事会を介入させる、との計画になんの影響も受けてい
ない、との姿勢を示した。そのような場合には「私たちの国民が立
ち上がる」と核問題の副特使アブドルレザ ラフマニ ファスリが
テヘランで述べた。同国の責任者は、イランが国連安保理で「同国
の姿勢の正しさ」を主張できるように、計画を立てることになる、
とファスリは木曜日に再び述べた。EU議長国オーストリアは、EU
三国の要請に同調している。一方米国外務大臣コンドリーザ ライ
スは、独仏英の共同声明を後押しする発言を行ない、イランはこの
対立を「わざと」激化させている、と述べた。国連事務総長コフィ
 アナンもこの交渉に介入した。彼はイランの核問題の交渉人アリ 
ラリジャニとの電話会談を行ない、イランにはあいかわらずEUと
の真剣な交渉を行なう用意がある、と述べた。

     国内ニュース

国民党は正式に選挙の年に突入

国民党は金曜日にリンツで新年の集会を行ない、正式に選挙の年を
開始した。同党首で連邦首相ウォルフガング シュッセルは出席者
を前に、同党の立場を中心として説明をした。主催者である同州首
相ヨーセフ ピューリンガーも発言を行なった。この集会を前に既
にピューリンガーはインタヴューの中で、選挙戦ではシュッセルに
だけ頼っていてはいけない、国民党はこれが厳しい意見交換はある
が、課題は少ないことを明らかにしなければならない、と警告して
いた。シュッセルはテレヴィ番組の中で、これは選挙戦の最初の活
動ではない、と述べていた。大蔵大臣カール・ハインツ グラサー
と教育大臣エリサベト ゲーラーは時期政府では入閣しない、とい
うことを彼は否定しなかった。




1月13日(金)

     国外ニュース

サッダーム裁判の裁判官は辞任の意向

司法筋の情報によれば、元イラク大統領サッダーム フセインの裁
判の主席裁判官は、辞任する意向である。これにより既に混乱して
いる裁判は、さらに収拾のつかない状態に陥る可能性がある。今ま
での計画では、クルド人の主席裁判官リスガル アミンは、1月24
日に次の公判を行なうことになっていた。次の裁判を彼は行ない、
辞任の理由を発表するとのことである。この裁判は戦争犯罪と人間
性に対する犯罪をさばくもので、既に数人が暗殺されている。サッ
ダームと共に訴えられている被告の弁護士のうち2人も殺害されて
いる。既に裁判官が1人辞任している。

     国内ニュース

ガスティンガーはEUの刑事裁判手続きで最低限の基準作成に賛成

EU加盟諸国の間で、刑法および民法が一部分調整されることにな
る。法務大臣カーリン ガスティンガー(未来同盟)が各国の法務
大臣と内務大臣の非公式会談で、ヨーロッパ全体に容疑者の権利を
守るために、「最低限の基準を作成」するべきである、との意見を
述べた。オーストリアがEU議長国を務める期間で初めての非公式
協議の2日めは、この問題を扱っておわった。その他には環境権に
関する刑罰に関する欧州裁判所の影響について議論が行なわれた。
その前には、亡命権の統一についても協議を行なった。刑事裁判の
手続きで最低限の基準を作る計画を提案したのはオーストリア、ス
ウェーデン、フィンランドで、他の加盟国で課された自由刑を相互
に承認し、執行するという内容である。




1月14日(土)

     国外ニュース

サッダーム裁判の裁判官は辞任の意向

元イラク大統領サッダーム フセインの裁判の主席裁判官は、政府
の圧力に抗議して、辞任したとのことである。クルド人裁判官リス
ガル アミンは、辞任の決意を数日前に裁判所に伝えていた、と彼
に近い人物がロイター通信に述べた。ただし同裁判所は辞任を受け
入れず、辞任を思いとどまるよう話し合いをしている、とのことで
ある。同裁判所の広報にはまだ、話が伝わってきていなかった。こ
の裁判官が辞任すると、この裁判をめぐる混乱はさらに深まる可能
性がある。今までに弁護士2人が死亡し、裁判官1人が辞任した。
辞任の意向の裁判官は、自分がサッダームとその他の被告に対して
あまりに寛大な扱いをしている、との政府からの苦情を受けてお
り、自分も裁判所全体も大きな圧力を受けている、と述べた、との
ことである。

     国内ニュース

EU評議会議長で成果を上げることがオーストリアには重要

オーストリア人の多数は、EU評議会議長をどうでもいいとは思っ
ていない。リンツの世論調査会社IMASの調査によれば、国民の
68%が、オーストリアが議長として成果を上げることが重要である
と見ている、と「新クローネン新聞」が報じた。これが特に重要で
はないと考えているのは20%、極めて重要であると考えているのが
29%、重要である見ているのは39%であった。国民党支持者では重
要だと考えているのが82%、社会民主党支持者では67%であった。
成果を上げると秋に行なわれる国民評議会選挙で、連邦首相ウォル
フガング シュッセルおよび国民党が勝利をおさめるのに役に立つ
可能性がある。




1月15日(日)

     国外ニュース

チリ大統領選挙ではバチェレが勝利

社会党のミシェル バチェレがチリ大統領選挙で勝利した。54歳
の彼女は日曜日の決選投票で53.22%の票を集めた、と投票用紙の
うち67%が開票された後、チリのサンティアゴで内務省が発表し
た。保守派の対立候補セバスティアン ピネラは、46.77%の得票
である。これによりバチェレが南米の同国初めての女性大統領とな
る。決選投票前の最後の世論調査ではバチェレは、わずかに優勢な
だけであった。12月11日の第1回投票では、バチェレは45.9%、
ピネラは25.4%の票を獲得していた。

     国内ニュース

政党助成金でさらなる透明性を要求

政党助成金では、オーストリアは国際的に首位の立場にある。最新
の使用可能な金額では、各党は2004年に公的な財源から総額1億
4,700万オイロの資金を得ていた。選挙年である2006年には、選
挙戦費用の返還が行なわれるため、この額はさらに増加する。この
ため国会では、さらに資金の透明性を高めるよう求める声が強まっ
ている。緑の党と社会民主党は、公的な資金だけではなく、党が集
めた資金の使い道も申告するように求めた。



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