1月16日〜1月22日のオーストリアのニュース



1月16日(月)

     国外ニュース

外交筋「イランとの核対立は安保理の場へ」

外交筋の情報によれば、EUはイランとの核対立を国連安全保障理
事会の場に持ち込むために、最初の具体的な手続きを取った。EU
の委託を受けたドイツ、英国、フランスはイランの問題視されてい
る核計画に関して、交渉を行なっていたが、この作業を国際原発機
構の決議案に沿ったものとし、この紛争の解決を国連にゆだねた、
とEUの複数の外交官が述べた。「我々は決議案の作成を開始した。
これは短いもので、国際原発機構長官モハメド エルバラダイに対
して、イラン問題を国連安保理に持ち込むことを求めるものであ
る」と匿名の外交官が述べた。EUの3カ国は米国同様、イランは原
子力兵器を作ろうとしている、と推測している。イラン政府はこれ
を否定した。

     国内ニュース

ウィーンでの最高速度50キロ制限は取り消し

ウィーンは問題となっていた、最高速度を全面的に50キロに制限
する規則を再び取り消した。建設が行なわれていない地域にある主
要幹線道路では、今後は元どおりもっと速度を出せることになる。
この措置が取られるのは、トリースター通り、西アオスファール
ト、西アインファールトからアオフホーフ通りまで、ワルグラーム
通り、州境からホーホフェルト通りまでのブリュナー通りである。
これらの場所では70キロ制限となる。州境からフリートホーフヴ
ェークまでの南ブルナー中央通りは80キロで走ることができる。




1月17日(火)

     国外ニュース

シュッセルはEU議会で議長としての予定を説明

オーストリア首相ウォルフガング シュッセル(国民党)は、EU
評議会議長として、水曜日にオーストリア政府の今後半年間の計画
を呈示する予定である。この演説後、彼は議員たちに説明を行な
い、その後さらに記者会見で、世界各国の記者からの質問に答え
る。オーストリア自身が設定した重点項目は、さらなる雇用の増大
と経済成長を目指すいわゆるリスボン戦略にてこ入れを行ない、西
バルカン諸国との関係を強化することである。その他オーストリア
は2007年から13年にかけての長期的なEU予算についての合意を
取りまとめなければならないが、これは容易ではない。またEU憲
法をめぐる議論の今後の計画も練りあげることになっている。

     国内ニュース

フェアツェトニッチュは国が過半数を持つ保証を取りつけられず

オーストリア労働組合総同盟会長フリッツ フェアツェトニッチュ
は、郵便の部分民営化問題では、国の持ち分が51%以下には下がら
ない、との保有に関する保証を取りつけることができない。「我々
が51%以下に陥ることは望んでいないと述べる人に、それを保証す
ることはできない」と火曜夜のテレヴィ番組で彼は述べた。今まで
の部分民営化に関連するかぎり、必ずしもすべてがうまく運んでい
るわけではない、と彼は見ている。「民営化前の職員のうち20%
は、もはや同じ会社にはおらず」、利益を得たのは「おそらく株
主」である、ともフェアツェトニッチュは述べた。




1月18日(水)

     国外ニュース

ドイツ情報部はイラク派兵に関する情報を提供

ドイツ連邦議会の国会監視委員会は水曜日、数時間にわたって連邦
情報局の職員2人に質問を行なった。彼らはイラク戦争中にバグダ
ードでドイツ政府のために情報を収集していた。委員全員の意見に
よれば、2人の情報部員は、2003年4月7日のマンスール地区の食
堂爆撃にいかなる形でも協力したことはない、と請け合った。これ
は同委員会議長ノルベルト レットゲン(キリスト教民主同盟)が
夜に伝えた内容である。その中で彼は、米軍がバグダード入りする
までいかなる時点においても、この情報部員は米国代表部と直接的
な接触を持ったことはない、と述べた。この食堂は、当時の権力者
サッダーム フセインとその息子が潜伏しているとされ、攻撃目標
となったが、その後事実はそうではなかったことが分かった。

     国内ニュース

郵便労組は大蔵省に抗議行進

木曜午後にはウィーン1区は、オーストリアで最も郵便局員が集中
する場所になる。郵便労働組合が16時に、同社の一部民営化計画
に反対する抗議のデモを呼びかけている。デモは、ドミニカ稜堡を
出発し、ヒメルプフォルト通りの大蔵省まで進む。そこでは花輪を
捧げ、無言デモを行なう予定である。参加者は8百人と警察には報
告されているが、実際に何人集まるかは明言されていない。労働組
合側は、郵便局員のほか、一般市民からも参加者がでるとよい、と
期待している。治安部隊は、このデモは問題なく行なわれる、と見
ている。既に火曜日午後には、大蔵大臣カール・ハインツ グラサ
ーと労組幹部が会談した。オーストリア持株会社とも話し合いが行
なわれた。大蔵省での会談の結果、郵便局員に対する株の割り当て
10%が確認された、とラジオ局は報じた。




1月19日(木)

     最新ニュース

KFORの兵士48人を乗せた飛行機がハンガリーで墜落

48人を乗せたスロヴァキア軍機が木曜夜、ハンガリーの北東部で
墜落した。ハンガリーのラジオ局の報道によれば、乗客の中には、
NATOが指揮するコソヴォ保安部隊KFORのスロヴァキアの兵士が
含まれている、とハンガリー内務省は発表した、とのことである。
生存者1人が救出されたが、その状態についての情報はない。ハン
ガリーの空域安全局によれば、同期は最後まで緊急信号を発せず、
19時半頃墜落した、とのことである。

     国外ニュース

シラクはテロ国家には核兵器を使用すると威嚇

イランの核計画をめぐる危機のただ中、フランス大統領ジャック 
シラクは昨日注意を促した。シラクはテロ国家には核兵器を用いた
報復攻撃を行なう、と明確に威嚇した。「私たちに対してテロ的な
手段で攻撃を行なう国、および大量兵器の使用を何らかの形で検討
する国の指導者は」は、フランスからのそれにふさわしい返答を覚
悟しなければならない。この返答は、通常兵器によるものに限定さ
れない、と彼は述べた。米国ではこの発言は極めてわずかな反応し
か引き起こしていないが、ドイツでは大きな批判を招いてる。

     国内ニュース

シュッセルはハイダーの村落名標の移動に反対

連邦首相ウォルフガング シュッセル(国民党)は、村落名標問題
で、ケルンテン州首相イエルク ハイダー(未来同盟)を批判し
た。シュッセルは、ブライブルクの村落名標を移動させるというハ
イダーの計画に強く反対した。そのような行動では解決にならない
し、ハイダーのやり方は、憲法裁判所の下した条件を満たしていな
い、とシュッセルは述べた。また彼は定められた期限内に実施する
ように支持した。一方ハイダーは、自分のやり方に固執しており、
すべては「法的に完全に正しい」と述べた。




1月20日(金)

     国外ニュース

ザワヒリの新たな録音が公開

インターネット上で、アル カーイダの副官アイマン エル ザル
カウィの新たな声明が公表された。その中で彼はアフガニスタン、
パレスチナ等での殉教者を賞賛した。この録音がいつ行なわれたの
かを示す手がかりはなかった。米国が1月13日にパキスタンで行な
い、4人のアル カーイダの要人を殺害した空爆には、言及がなさ
れなかった。木曜日には1年以上ぶりに、世界で最も重点的に行方
を追われているアル カーイダの首領ウサマ ビン ラーディンの
録音による親書が放送された。米国秘密情報部CIAは、最初の調査
結果から見て、ビン ラーディンの声である可能性が「極めて高
い」と見ている。

     国内ニュース

オーストリアはEUの付加価値税をめぐる対立で妥協

EU蔵相会談では、問題となっている労働集約型の仕事に対する付
加価値税の引き下げで合意ができる見通しが高まっている。AFP通
信社はオーストリアが妥協案を呈示した、と報じた。EU議長国の
この提案は、フランスが強く求めている飲食店での付加価値税率の
引き下げは含んでいないが、現在引き下げられている税率を2010
年まで維持することを内容としている。今までの暫定的な規則は
2005年に失効しているため、合意が緊急に必要である。オースト
リアの妥協案は、この税率の1ないし2年の延長を提案するもので
ある、との情報がEU評議会議長筋からはもたらされている。ドイ
ツがこの試験的な規則の延長に反対しており、オーストリアはドイ
ツに対して妥協するよう働きかけをしている。火曜日の大臣会議で
は、このほかにオイロの安定策、英国の赤字、エネルギー供給野問
題が取り上げられる。




1月22日(日)

     国外ニュース

ポルトガル大統領選 カヴァコ シルヴァが勝利の見通し

保守派ののアニバル カヴァコ シルヴァが、ポルトガル大統領選
挙で、50%以上の得票率をあげている、との中間発表を選挙委員会
が公表した。投票所のほぼ93%の集計が終わった日曜夜の時点で、
カヴァコ シルヴァが票の50.89%を集めた。大都市の投票所の集
計がまだ終わっていないため、66歳の社会民主党の候補者が絶対
多数を取れず、決選投票が行なわれることになる可能性があるとす
る専門家も多い。最大の対立候補である社会主義者で国会議員で詩
人のマヌエル アレグレは、無所属で立候補していた。元ポルトガ
ル首相、大統領、社会党の創設者である81歳のマリオ ソアレス
も立候補していた。シルヴァは1985年から95年にかけて、首相を
務めていた。世論調査によれば、国民は66歳の経済学教授である
彼に、同国を不景気から脱却させる、と期待している。

     国内ニュース

イタリア大統領は南ティロールに腹立ち 訪問延期

イタリア大統領カルロ アゼリオ チャンピのオーストリア公式訪
問の延期は、週末のローマを混乱させた。今回の訪問が延期された
のは、最近オーストリアが南ティロール問題での態度に怒りを覚え
たためであると見られている。不満は、国民評議会議長アンドレア
ス クホール(国民党)が取りあげた計画が原因となっている。こ
の計画は、オーストリアが南ティロール地方の利益を守る役割を担
うことを新憲法の前文に書きこもう、というものである。その中に
は自治に関する議論を開始する試みも含まれている。正式にはオー
ストリア政府もイタリア政府も、3月2日に計画されている訪問
が、オーストリアに対する怒りのゆえに延期された、ということを
認めてはおらず、次回選挙の期日が近づいていることを理由として
いる。チャンピの次に大統領に選ばれる者が訪問を行なうことにな
っている。ただしイタリアでは、今回の延期は拒絶であると理解さ
れている。与党フォルツァ イタリアはオーストリアの態度を批判
した。右派の連立与党アレアンツァ ナツィオナーレは、南ティロ
ールに改革が必要であれば、それはイタリアに有利になる、と述べ
た。



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