1月23日〜1月29日のオーストリアのニュース



1月23日(月)

     国外ニュース

シラクは核攻撃問題で事態の沈静化をはかる

フランス大統領ジャック・シラクは、テロ国家に対しては核兵器を
使用する可能性があると発言したことに関して、ドイツをなだめよ
うとしている。彼は昨日午後ヴェルサイユで独首相アンゲラ メル
ケル(キリスト教民主同盟)と会談した後「ドイツの誰もごくわず
かの心配もする必要がない」と述べた。メルケルは、イランの核計
画をめぐる対立では、あらゆる外交的手段を取らなければならな
い、と強調した。シラクは彼女に賛成した。彼はフランスが核を使
用すると述べたことで、何かが変わるわけではない、この威嚇はフ
ランスのみならずヨーロッパ全体で、私たちが積極的に活動するた
めの生命を保証するためのものである、と述べた。メルケルは、シ
ラクが先週木曜日に行なった発言に対して批判をする理由はない、
と判断した。

     国内ニュース

ウィーンの50キロ走行規制で社民党に対する不信任動議

社会民主党所属のウィーンの交通大臣ルドルフ シッカーと環境大
臣ウリ シーマに対して、市評議会では不信任動議が提出される。
国民党と自由党は、問題となっているウィーン市の道路で時速50
キロの制限をめぐって、不信任動議を出した。しばらく前からウィ
ーンでは全域にわたって最高速度が50キロとされた。例外になる
のは、高速道路と郊外に通じる道路いくつかだけである。この不信
任動議は、社会民主党が過半数を持っているため、否決される見通
しである。




1月24日(火)

     国外ニュース

パレスチナでは国会議員選挙

約140万人の東エルサレムを含む西ヨルダンランドとガザ帯状地帯
のパレスチナ人は、新議会を水曜日に選ぶ。立法評議会の132議席
に、728人の立候補者が7つの候補者名簿から名乗りを上げてい
る。うち85人が女性である。治安部隊の約5万8千人は既に数日前
から投票を行なっていた。二大政党は現与党の大統領マハムード 
アッバスのファタハと、候補者名簿としては「変化と改革」という
名前を用いている急進派イスラームのハマースである。ファタハは
現在立法評議会で3分の2の多数を握っている。この両党は選挙
後、連立を結成する用意がある、との方針を最近示した。アッバス
はパレスチナ人に対して、投票を行なうように呼びかけた。十年ぶ
りのこの選挙は、外国の監視団の監督を受けている。ノーベル賞受
賞者元米国大統領ジミー カーターもその1人である。EUの監視団
は、ベルギーのヨーロッパ議会議員ヴェロニク デ カイザーが指
揮している。

     国内ニュース

国会新年を開始

国会の2006年は水曜日に始まる。両院の総会が行なわれる予定で
ある。国民評議会では、自動車運転免許証の取り消しとなるのは、
時速180キロとすることが決定されるほか、大蔵大臣カール・ハイ
ンツ グラサーのホウムペイジに関する会計検査院の報告書も議論
される。連邦評議会では、特別会議が行なわれ、社会民主党と緑の
党の多数で、再び一連の法律に異議が申し立てられる。その中には
新国籍法も含まれている。国民評議会総会の冒頭では、自由党と未
来同盟の会派が「障碍者政策・万人に同じ権利を」という議題が選
ばれた。




1月25日(水)

     国外ニュース

パレスチナ選挙では急進派ハマースがファタハと接戦

10年ぶりに行なわれたパレスチナ国会議員選挙では、急進派イス
ラームの「ハマース」が、大統領マハムード アッバスの与党「フ
ァタハ運動」と接戦を繰り広げている、との予想が出ている。アン
・ナジャフ大学の有権者の調査では、ハマースは約40%の票を獲得
する可能性がある。これは、約46%と予想されるファタハに極めて
近い数字である。ラマラにあるビル・ザイト大学の予想によれば、
ファタハは国会にあたる立法評議会の絶対多数の議席を失う可能性
があり、全議席132のうち63議席をファタハ、58議席をハマース
が獲得するかもしれない、とのことである。一方米国は、正式結果
が出てハマースが優勢だった場合には、ハマースを政府に入れない
ように求めた。今回の選挙の投票率は高く、140万人の有権者のう
ち73%以上が投票を行なった、と見られる。

     国内ニュース

国民評議会は入国査証疑惑調査委員会の設置を拒否

予想通り、水曜日午後国民評議会の総会の最後で、社会民主党と緑
の党が提出していた入国査証疑惑の調査委員会の動議が否決され
た。自由党の議員バルバラ ローゼンクランツとラインハルト ベ
シュだけが、この要求に同意した。これより前、社会民主党会派の
執行部長ヨーセフ カップは、これは事件のもみ消しを計っている
もので、未来同盟に対して、野党とともに外務省の「沈黙という
壁」を突破しようと呼びかけたが、無駄であった。一方自由党と未
来同盟の共同会派長ヘルバート シャイプナー(未来同盟)は、こ
の事件がはっきりと解明されると期待している、と述べた。




1月26日(木)

     国外ニュース

イスラエルは1996年にビン ラーディンを殺害するつもりであった

イスラエル秘密情報部は、2001年9月11日のテロ攻撃の5年も前
に、アル カーイダの創立者ウサマ ビン ラーディンを殺害しよ
うとしていた、との報道が行なわれた。当時ビン ラーディンはス
ーダンに拠点を置く急進派組織を率いていた、とのことである。イ
スラエルの新聞「イエディオット アハロノト」は、エジプト大統
領ホスニ ムバラクの暗殺計画に関連した捜査で、1996年に秘密
情報部はビン ラーディンの行方を追っていた、と報じている。同
紙によれば、秘密情報部は名前をあげていないがある国と協力し
て、ビン ラーディンの腹心に彼を殺害するように説得した。この
依頼を受けた女性はイスラエルと秘密裡に接触を保つある国の生ま
れである、とのことである。エジプトもこの計画を知っており、賛
成していた、とも報じられている。

     国内ニュース

経済研究所「国はクリムトの絵画を買う余裕がある」

オーストリア共和国は、クリムトの絵画を予算で大量に購入すべき
であり、また購入することができる、と経済研究所の専門家エーワ
ルト ワルタースキルヒェンと元会計検査院長官フランツ フィー
ドラーは木曜日のテレヴィ番組「エコ」で述べた。購入価格の2億
オイロは、国内総生産の1.9%ないし2%に上る、とワルタースキル
ヒェンは述べた。「現在の状況で政府は購入する気があるかどう
か」が問題であるが、共和国はこれをこうにゅする余裕はある、と
も述べた。この絵画の価値は上昇すると見なすことができる、と彼
は述べ、迎撃戦闘機オイロファイター購入を引き合いに出した。
「オイロファイターを購入すれば、数年後にはまたこれを繰り返さ
なければならない」と述べた。




1月27日(金)

     国外ニュース

米国はパレスチナ支援を再検討「テロリストに払う金はない」

米国は、急進派イスラーム組織ハマースが選挙で勝利したことを受
け、今まで行なっていたパレスチナ人居住地域に対する財政支援を
再検討する方針である。「ハマース政権が生まれることになれば、
そしてそうなりそうであるが、私たちは、米国の政策と法律に基づ
いて支援計画の全ての面を再検討する」と米国大統領府は発表し
た。米国外務省によれば、同国は2005年にあわせて3億8千万ドル
をのさまざまな支援をパレスチナに対して行なった。2006年には
2億4,400万ドルの予定であった。EUも、間接的ながら、今後財政
支援を続けるかどうかは、ハマースが和平政策に従うかどうかによ
る、と述べた。

     国内ニュース

リンツの自由党会派長に児童ポルノ疑惑

リンツ市議会の自由党会派長で弁護士のマンフレート トラクスル
マイアに、改めて重大な疑惑が生じている。「新国民新聞」によれ
ば彼に対しては、強姦、性的脅迫および未成年者のポルノ的表現容
疑で、法律に基づく予備調査が行なわれている。トラクスルマイア
は無罪と見られているが、同紙に対し、自分に対して捜査が行なわ
れていることを認めた。自由党は、「政治的陰謀」の犠牲者であ
る、と見ている。選挙で支援し、代理人を務めた女性は、「馬鹿げ
た邪推」である、と述べたとのことである。昨年も彼は捜査を受け
た。彼の会派の事務所のコンピューターの中では、児童ポルノの写
真が見つかっていた。これ以上の捜査を行なうかどうかは、2月に
決定される予定である。




1月28日(土)

     国外ニュース

サッダーム・フセイン裁判は続行

新たな主席裁判官の下で、イラク元大統領サッダームフセインに対
する裁判が日曜日に再開される。今まで主席裁判官を務めていたリ
ツガル モハメド アミンは1月初めに、イラクと米国の政治家か
ら彼の裁判の進め方が被告に対して配慮しすぎているとの批判を受
けたため、辞任していた。後任はクルド人ラオウフ ラシード ア
ブデル・ラーマンである。サッダーム フセインと他7人の容疑者
は、10月19日以来人道に対する犯罪で責任を追及されている。裁
判の対象となっているのは、バグダードの北にあるドゥジャイル村
で、1982年に約150人の住民が殺戮された事件である。

     国内ニュース

EUはゲーラーの大学入学条件の改革案を拒否

オーストリアの大学入学には出身国の原則を適用するとの条項を再
び導入することはできない、とEU教育委員ヤン フィーゲルは見
ている。オーストリア教育大臣エリサベト ゲーラー(国民党)は
先日、この原則の一部の再導入を解決案として予告していた。「以
前と同じ原則に戻るのであれば、EUの法律に違反することを意味
する」とフィーゲルはザルツブルクで開かれた欧州会議で明言し
た。「私たちは今までの交渉から学ばなければならない、古い原則
に立ち戻ることはできない」とも述べた。また入学者の割合に対す
る規則を導入する議論でも、EUは「割合導入を好んで行なうこと
はない。受け入れ可能な解決案は、差別的でない案だけである」と
も語った。




1月29日(日)

     国外ニュース

ハロネンがフィンランド大統領に再び選出

フィンランド大統領タルヤ ハロネン(62歳)は、さらに6年間同国
の元首を務める。暫定的な集計結果によれば、日曜日に行なわれた
決選投票で彼女は、51.8%の票を集め、勝利した。対立候補サウリ
 ニイニステ(57歳)48.2%の得票であった。同国の2大市民政党か
ら支援を受けたニイニステは、既に敗亡を認めている。投票率は
77.1%で、6年前の決選投票の時の80.2%を下まわった。社会民主
党、左派党、緑の党の支持を受け、数週間前には勝利が確実と見ら
れていたハロネンは、金曜日の世論調査では、有権者の51%の支
持、保守的な立場のニイニステは49%の支持になっていた。

     国内ニュース

シュタイアーマルク州国民党と社民党は農業会議選挙で優勢

シュタイアーマルク州の農業会議には、4つの候補者名簿が名乗り
を上げている。ただし2つだけが今後も農家の立場を代表すること
になる。それは国民党農業同盟と社会民主党農家である。投票率
は、前回の2001年の選挙と比べて6%上がって、49.9%となった。
国民党農業同盟は2.1%減らして81.6%、社会民主党農家は2.9%伸
ばして、11.6%の票を集めた。自由党農業とWIRの候補者名簿は
3%台で、議員を送ることはできなかった。



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