1月30日〜2月5日のオーストリアのニュース



1月30日(月)

     国外ニュース

イラクで誘拐された米国人記者の新たなヴィデオ

テレヴィ局「アル ジャジーラ」は月曜日、イラクで誘拐された記
者ジル キャロルの新たなヴィデオを放送した。その中で彼女は米
軍とイラク内務省に、刑務所に収容されている女性すべてを解放す
るように求め、それが自分自身が解放されるのに役立つだろう、と
述べた。彼女はヴィデオの中ではヴェールをかぶっており、カメラ
に向けてしゃべっている姿が写っている。ヴィデオの日付は1月
28日となっている。彼女は「クリスチャン サイエンス モニタ
ー」紙の記者で1月7日にバグダードで誘拐された。犯人側は彼女
を殺害する、と脅した。木曜日には米軍は収容されているイラク人
女性5人を釈放する、と発表していた。ある公務員は、これはキャ
ロルを誘拐した犯人の要求と無関係である、と述べていた。

     国内ニュース

連立内部での減税に関する話し合いはまとまらず

昨日午後およそ1時間半に渡って、国民党と未来同盟が税制改革を
めぐる話し合いを行なった。その後副首相フーバート ゴルバッハ
(未来同盟)と大蔵大臣カール・ハインツ グラサーは、具体的な
成果については発表する必要はなかった。さらなる減税を行なうと
の一般的な発言、最近行なわれた税制改革への高い評価、そして
3月上旬に専門家も参加して、作業班が改めて会議を行なう、との
予告が行なわれただけであった。グラサーは「はっきりした負担軽
減を行なう」が、2008年より前に行なうことはない、と述べた。
ゴルバッハは減税は早ければ早いほどよい、と述べた。




1月31日(火)

     国外ニュース

国連とIAEA「イランはウラン濃縮を準備している」

イランは、原子力発電所や核兵器に使用できる分離可能なウランの
濃縮の準備を介した模様である。これは今日公表されたウィーンの
国際原発機構信頼できる報告書に基づくものである。現在ナタンツ
市にある濃縮施設の改修工事が行なわれている、と報告している。
問題となっているウラン濃縮の研究を、イランは再開した、とも同
報告書は伝えている。イラン政府は、同機構に対し、研究および開
発活動を「小さな規模で」開始した、との情報を伝えてきている。
一方国連安保理で拒否権を持つ大国は、イランに対する方針を厳し
くしている。これらの国々はイランの核計画に関する対立を国連の
最高機関に持ち込むことで合意した。予定が言いロシアと中国も米
国およびEUの方針を受け入れた。国連安保理は、原発機構とは別
に、イランに対する警告を行ない、制裁を課すことができる。イラ
ンは「外交は終了した」と述べた。

     国内ニュース

村落名標問題でケルンテン州ではEメールをめぐって混乱

現在ケルンテン州で、行き交っているスロヴェニア系の住民組織に
向けられたEメールが、混乱を巻き起こしている。「ケルンテン州
浄化活動」と称する者が、このメールを送りつけている。その中で
はメールを開くと、受信者には「ケルンテン州のスロヴェニア人を
1人殺した」との表示が出る。憲法擁護庁は、扇動容疑出捜査を行
なっている、と「シュタンダルト」紙が報じている。このメールを
開くとただちに、ケルンテン州のスロヴェニア人を殺害した、「ケ
ルンテン州浄化」に参加するために、このメールを転送せよ、とい
う表示が出る、とのことである。




2月1日(水)

     国外ニュース

イランの核計画に関する対立では対立姿勢

国際原発機構の各管区評議員の特別会議を翌日にhかえ、イランの
核計画に関する対立はさらに先鋭化した。EU、米国、ロシア、中
国は、イランの核計画をめぐる対立で国連安全保障理事会を介入さ
せることを含めた決議案に合意した模様である。イランは、「歴史
的な過ち」を犯さないように、と警告し、この決議が認められた場
合にはウラン濃縮を「大規模」に再開する、と予告している。EU
の独、仏、英は国際原発機構に対して正式に決議案を提出したが、
米国の外交官によれば、露、中もこれに加わる、とのことである。
イラン側は改めて警告を発した。

     国内ニュース

クリムトの絵画購入交渉は危機に

オーストリアのヴェルヴェデーレ画廊からクリムトの絵画5点を購
入する話し合いは、まとまらないかもしれない。ブロッホ・バウア
ー・エルビン マリア アルトマンの弁護士は、電子メールで、オ
ーストリア共和国が交渉の引き伸ばしを行なっており、この絵画を
購入するという選択肢をオーストリアが行使しない、と見ている、
と述べた。この絵画購入に関するオーストリアの交渉の立場は、水
曜晩に取りまとめて伝えられる予定であったが、政府はこれを明日
まで延期したが、交渉期間の7日間は既に過ぎている、とこの弁護
士は述べた。




2月2日(木)

     国外ニュース

イランとの核対立を話し合うIAEA会議

国際原発機構IAEAの管区評議会は金曜日ウィーンで、イランとの
核をめぐる対立で今後の措置を決定する。同機構の最高の委員会で
ある管区評議会には、イラン首脳部に妥協を促すために、この対立
を国連安保理にゆだねるとの動議が提出される。EU三ヶ国独、仏、
英は、中国外務大臣李肇星と、立場の調整を行なう方針である。
14時には記者会見が予定されている。外交筋の情報によれば、国
連安保理の介入が行なわれる見通しだ、とのことである。イラン政
府はこれが行なわれれば、問題となっているウラン濃縮計画を再開
する、と予告している。

     国内ニュース

クリムトの絵画問題でアルトマンは「悲しむべき」

オーストリアによって補修されるべきであるクリムトの絵画の法的
な所有者マリア アルトマンは、オーストリア政府がこれらの作品
を購入しない、との決定は残念である、と述べた。テレヴィ番組の
中で彼女は、「ちょっと悲しい。2枚の肖像画がオーストリアに残
る道が見つけられると期待していたのですが、オーストリアからは
残念ながら全く提案はありませんでした」と述べた。「最も高い価
格がついたのはアメリカでしたが、私たちはオーストリア人に価格
の提案を行なうよう求めたのです」とも語った。




2月3日(金)

     国外ニュース

ラムズフェルドはNATOとより密接に協力する方針

米国国防大臣ドナルド ラムズフェルドは、NATO内部の協力体制
を強化することに賛成である。「我々は共同の財源をもっと活用す
べきだと思う」とミュンヘンで開かれる安全保障会議を前に「ハン
デルスブラット」紙に述べた。NATOの前に立ちはだかる脅威に対
し、共通の理解を深めていくことも必要だ、とも述べた。彼の考え
では、NATOは世界規模へと拡大しなければならず、作戦行動にむ
けて共通の財源を作ることに賛成である、とも語った。

     国内ニュース

ウィーン市は独自の精鋭向け大学を検討

グギングが精鋭向けの大学の候補地として名乗りを上げたのに続い
て、ウィーンも新たな計画を立ち上げた。これは、ウィーン市経済
大臣セップ リーダー(社会民主党)が「今日のウィーン」と「シ
ュタンダルト」の両紙で述べている。既にウィーンには先端研究機
関が存在しているため、研究協力者となりうるような機関がなくな
ってしまっている。遺伝病理学研究所の研究部門の部長バリー デ
ィクソンは、建設地の決定は政治的な動機に基づいている、と述べ
た。オーストリア遺伝子工学研究所長ヨーセフ ペニンガー同様、
ディクソンもこの精鋭向け大学はウィーン遺伝子工学研究所の近く
に設置するのが最もよい、とみていた。




2月4日(土)

     国外ニュース

ハマース「パレスチナ政府は2月にも結成」

急進派イスラームのハマースは、今月中にもパレスチナ新政府を結
成する、との情報がある。ハマースの指導者マハムード ザハルは
昨日「我々は組閣を開始しており、2月中にも新政府ができる見通
しだ」と述べた。約2週間前の選挙の勝利者であるハマースはこれ
より前にパレスチナ大統領マハムード アッバスと会談していた。
両者は新議会は2月16日に初めての会同を行なうことで合意してい
る、とハマースの筆頭候補イスマイル ハニヤは述べた。アッバス
は、結成集会後にようやくハマースに組閣を委ねることができるよ
うになる、と述べていた。

     国内ニュース

芸術史博物館第二館長「サイペルにはスパイがついている」

芸術史博物館館長ウィルフリート サイペルに対する批判は止みそ
うにない。教育大臣エリサベト ゲーラー(国民党)は彼をかばっ
たが、彼を財務理事から解任する、と予告した。サイペルは財政検
査員から、財政に関する問題ある取り扱いを行なった、と非難を受
けていた。彼は自分の車を博物館に売却し、博物館から自分で決め
た値段で作品を購入していた、とされている。野党は、ゲーラーと
サイペルはこの問題と「サリエラ」窃盗容疑で、辞任すべきであ
る、と見ている。




2月5日(日)

     国外ニュース

9月11日のムサウイ裁判が米国で開始

米国の裁判所では月曜日、2001年9月11日のテロ攻撃をめぐる米
国で始めての裁判が始まる。モロッコ系でフランスの国籍を持つザ
カリアス ムサウイは、攻撃計画に関与していたことを認めた。彼
はボーイング747型機で大統領府に突入することになっていた、と
彼は述べた。彼は9月11日の一ヶ月前に逮捕された。この裁判では
12人の陪審員を選ぶにあたって、500人の候補者を検討しなけれ
ばならなかった。3月6日には本来の裁判が始まることになってい
る。ムサウイの自白によれば、有罪あるいは無罪が争点ではない。
ヴァージニア州のアレクサンドリア裁判所は、ムサウイを死刑にす
るか終身刑にするかを決定しなければならない。

     国内ニュース

プロコプはグーセンバオアーを首相にした連立に反対

内務大臣リーセ プロコプ(国民党)は「現状を考えて」、アルフ
レート グーセンバオアーを首相に据えた社会民主党との連立政権
を拒否した。これは彼女がテレヴィ番組の中で述べたことである。
またハインツ・クリスティアン シュトラーヒェが指導する自由党
との協力関係をこれ以上続けることもない、と考えている。移民お
よび犯罪との戦いでは、彼女は自分がとっている方針を擁護した。
政権が大多数を持っていることが最も望ましいが、国民党が選挙で
勝利をするようには思えない、グーセンバオアーが首相になった場
合には、国民党は協力する正当に落ち込むだろう、社会民主党が勧
めている方針は自分にとっては「理解できない」と彼女は述べた。




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