2月6日〜2月7日のドイツのニュース



2月6日(月)

ムハンマドの風刺画問題でイランはデンマークとの貿易を中止

(テヘラン)イランは預言者ムハンマドの風刺画をめぐる対立で、デンマークとの
全ての貿易関係を断った。これは貿易大臣マスド ミル・カセミが発表したもので
ある。テヘランのデンマーク大使館前では、警察とデモ隊の衝突が起きた。デモ隊
は建物に向けて石と火のついたものを投げた。これより前にオーストリア大使館前
では、暴力的な抗議活動が起きていた。デモ隊は大使館の門に放火し、オーストリ
アの他ドイツと英国の旗をも火をつけていた。
ムハンマドの風刺画はデンマークのある新聞に最初は掲載された。オーストリアは
現在EU評議会の議長を務めている。
他のイスラーム諸国でも、風刺画に対する抗議が続いている。アフガニスタンでは
少なくとも4人のデモ隊が死亡した。ソマリアでは治安部隊がデモ参加者1人を射
殺した、と通信員が報告している。

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抗議活動の際には暴力を用いないようにとの訴え

(ベルリン、ブリュッセル)独首相メルケルは、ムハンマドの風刺
画に対する批判に理解を表明したが、イスラーム諸国のデモ隊には
暴力を用いないように、とよびかけた。暴力は話し合いの手段には
なり得ない、と彼女はベルリンで述べた。同様のことをEU委員会
も発表した。EU議長国オーストリアは、19のイスラーム諸国およ
び地域に、ヨーロッパ人およびその施設にたいする安全対策を強化
するように求めた。アラブ連盟は、ムハンマドの風刺画に対する抗
議を行なう際には自制するように、とイスラーム教徒に呼びかけ
た。国連事務総長アナンは、デンマークの報道界の決定を受け入れ
るように、とイスラーム教徒に訴えた。

ドイツは近東在住のドイツ国民のさらなる安全確保を要請

(ベルリン)アラブ世界でムハンマドの風刺画に対する暴力的な抗
議活動が起きていることを受け、独外相シュタインマイアーは近東
のドイツ国民保護のための対策を取る、と予告した。連邦政府は既
に、それぞれの滞在国と連絡をとっている、と述べた。また外務省
は近東を訪問するドイツ人に、より注意するように勧告した。外務
省はシリア、レバノン、サウジアラビア、パレスチナ人居住区では
人ごみやデモは絶対に近づかないように、との旅行に関する指示を
再び喚起した。

イランはウラン濃縮を早期に開始する方針

(テヘラン)核をめぐる対立で話し合いを行なう用意があると述べ
ていたのもかかわらず、イランはウラン濃縮計画を持ち続けてい
る。イラン側の主席交渉人ラリジャニは、国際原発機構IAEAに
は、ウラン濃縮再開に向けた予定表を伝えた、同機構の査察官は濃
縮再開にあわせて、間もなくイラン入りする、と発表した。独外相
シュタインマイアーはベルリンで、核をめぐる対立で改めて交渉に
向けた階段を登るというイラン政府の意向が確かなものであること
が証明されるとの希望を持ち続けている、と述べた。




2月7日(火)

ラオは国葬後ベルリンに埋葬

(ベルリン)ベルリン大聖堂で国葬が行なわれた後、死去した元連邦大統領ヨハネ
ス ラオは家族と友人に見守られて、ドローテー市墓苑に埋葬された。国葬では、
連邦大統領ホルスト ケーラーが前任者ラオを偉大な博愛的な人物であった、と賞
賛した。ラオは常に公共の幸福のために努力し、ドイツを一つにまとめてきた、特
に彼はドイツとイスラエルそしてドイツとポーランドの関係のために力を注いでき
た、とケーラーは内外からの約1,500人の葬儀への賓客を前に述べた。
ラオは1月27日に75歳で死去していた。社会民主党の政治家であった彼は、20年
間にわたってノルトライン・ヴェストファーレン州首相を、1999年から2004年
まで連邦大統領を務めていた。

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テロを支援した容疑者モタサデクは自由の身に

(ハンブルク)2001年9月11日のテロ攻撃を支援したとして、有
罪判決を受けたモロッコ人モタサデクは釈放された。連邦憲法裁判
所は、31歳の彼を未決勾留から釈放するように、と命じた。拘禁
命令を受けている間に突発的に逃亡する危険性がある十分な説明が
なされていない、とカールスルーエの同法廷は述べた。この判断に
よって、同裁判所での上告の弁論に関する決定がでるまでは、モタ
サデクは自由の身となる。学生であるモタサデクは、テロリスト組
織に加わっていた容疑で、7年間の拘留が8月にハンブルクで言い
渡されていた。裁判官は、彼が9月11日に死亡した操縦士周辺のテ
ロ組織の一員であることは証明された、と判断していた。

風刺画に反対する抗議でさらに死者

(カブール)先日デンマークで掲載された預言者ムハンマドの風刺
画に対して、イスラーム諸国で起こっている抗議活動は途切れるこ
となく続いている。アフガニスタンでは、デモ隊が国際保護部隊の
ノルウェー兵の野営地に押し寄せようとして、4人が殺された。ア
フガニスタンの他インド、パキスタン、インドネシア、フィリピ
ン、イランのいくつかの都市でも、一部は暴力を行使しながらの抗
議活動が行なわれた。デンマークとの貿易を中止するとイランが予
告したことにたいして、EU委員会はデンマーク製品を拒否しない
ように、と警告し、もしそんなことをすれば、EUを拒否したこと
になる、と述べた。デンマーク首相ラスムセンは、全世界のイスラ
ーム教徒との対話を呼びかけ、デンマークはイスラーム世界を敵視
する国ではない、と強調した。

シュタインマイアーは諸文化間の対話を行なうことに賛成

(ベルリン)外相シュタインマイアーは、風刺画をめぐる対立で、
イスラーム諸国との話し合いに取り組んだ。イスラーム諸国には、
ヨーロッパでは報道を国が監視することはできない、ということを
納得してもらわなければならない、と彼はベルリンで述べた。シュ
タインマイアーは、ヨーロッパ各国の施設に対する暴力的な抗議活
動が行なわれている、あるいは行なわれた国との外交関係を断つこ
とに反対した。



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