2月27日〜3月5日のオーストリアのニュース



2月27日(月)

     国外ニュース

テロリストカルロスはインタヴューの件で法廷へ

有罪判決を受けたテロリストのカルロスは、テロを賞賛する発言を
行なったため、強化ラ・フランスで始まる裁判を受ける。テレヴィ
局M6で放送された2004年3月のテレヴィインタヴューでカルロス
は、テロには「無実の犠牲者はいない」と述べていた。また彼は、
ウサマ ビン ラーディンを「光あふれる人物」と賞賛した。「テ
ロを正当化した」場合にはフランスでは、最高5年の拘留あるい
は、4万5千オイロの罰金刑になる。本名をイリッチ ラミレス 
サンチェスというカルロスは、かつては世界でもっとも重点的に行
方を追求されていたテロリストであった。彼は1975年12月のウィ
ーンの石油輸出国機構事件で、90年代末にフランスで終身刑を
言い渡されていた。

     国内ニュース

「ナ コロスコ」の表示がウィーン市境に

ケルンテン州の村落名標をめぐる対立が、ウィーンにも波及した。
南高速道路A2に何者かが、「ケルンテン方面」を表わす表示板
に、スロヴェニア語に訳して「ナ コロスコna Korosko」と付け
加えた。




2月28日(火)

     国外ニュース

イラクの兵士の3分の1が心理治療を受ける

米国の兵士のおよそ3人に1人が、イラクへの派兵から帰還後、心
理学的な治療を受けざるを得ない。これは3月に発表される米国の
医師会の専門雑誌JAMAのなかで発表される最新研究の結果であ
る。これによればイラクの米兵の間では、心理学的な問題が拡大し
ており、アフガニスタンやその他の派兵地などと比べても大きく広
がっている。同誌によれば、武装対立している地域の派兵に関する
以前の研究でも、精神的な傷による変調、重いうつ、薬物乱用、仕
事中や社会生活での機能不全に陥る危険性が高いことが分かってい
た。

     国内ニュース

医科大への入学割り当ての新規則が国民評議会で審議

国民評議会は水曜日、医科大学への入学割り当てに関する新たな規
則を決定する。ドイツ人学生がオーストリアの医科大学へ大量に押
し寄せることに歯止めをかけるために、2006年の冬学期から、オ
ーストリアの高校卒業資格を持つ人に対して、定員の75%があらか
じめ取っておかれることになる。この解決がEUの規則と一致する
かどうかは、EUはあらかじめ見通しを述べようとはしなかった。
たばこの最低価格導入を厚生大臣にゆだねるとの国会の決定も、ヨ
ーロッパ法との間で問題になる可能性もある。また、非合法労働に
関する審議も行なわれるほか、教育大臣エリーサベト ゲーラーに
対して精鋭向け大学に関する質問も行なわれる。




3月1日(水)

     国外ニュース

イランはIAEA会議でのいかなる譲歩も拒否

国際原発機構が決定を下す会議を数日後にひかえ、イランは核をめ
ぐる対立で一切の譲歩を行なわない、と述べた。マレーシア訪問中
のイラン大統領マハムード アフマディネジャドは、同国がウラン
濃縮を行なう権利を持っている、と主張した。イランがこのように
かたくなな態度を取っているため、モスクワでの交渉も失敗に終わ
った。安全保障を担当するイゴール イワノフとアリ ラリジャニ
は、ウランをイランのためにロシア国内で濃縮するとのロシアの妥
協案について、4時間にわたって話し合ったが、成果は得られなか
った。米国大統領ジョージ W. ブッシュも、カブールで、イランが
核保有国になる可能性がある、との緊急警告を行なった。

     国内ニュース

国民評議会で教育相はグギング精鋭大学を擁護

緑の党は精鋭向け大学グギングに関して緊急の質問を行なった。教
育大臣エリーサベト ゲーラー(国民党)はこれに答えて、クロス
ターノイブルク近郊のニーダーエスターライヒ州の市町村にこの大
学を設置する決定を擁護した。「あらゆる改善をずっと行なってき
たが、クロスターノイブルクが最もよい提案を行ってきたことはは
っきりしている」と述べた。どの州にこの大学が設置されることに
なろうとも、公正な決定が下されることが唯一重要なことである、
とも彼女は語った。今後の計画の進展に関連して彼女は、まだ自分
の見解すべてを述べていない。




3月2日(木)

     国外ニュース

核をめぐる対立でEU三ヶ国はウィーンでイランと会談

独、仏、英のいわゆるEU三ヶ国の外相は金曜日に、イランの意向
を受け、ウィーンでイランの核に関する交渉役アリ ラリジャニと
会談する。ウィーンのヒーツィングにあるドイツ大使公邸で、この
会談が行なわれる。3日後には、国際原発機構が、問題となってい
るイランの核計画に関する重要な協議を行なうことになっている。
また同機構管区評議会は月曜日にウィーンで、この核をめぐる対立
の国連安保理への訴えについて協議する。EU三ヶ国とイランとの
間での核をめぐる交渉は、イランがウラン濃縮を再開したため、昨
年8月に決裂していた。三ヶ国の政府は、ウィーンでの会議では、
ウラン濃縮を中止するとの「明確に公に表明するよう」イランに求
めている。木曜日にモスクワで行なわれた、ウラン濃縮をロシア領
土内で行なうとの妥協案に関する協議は成果を上げることなく終了
した。

     国内ニュース

区間管理は適法ではないとの研究

憲法の専門家ゲアハルト クナートによれば、自動車の運転速度を
管理するために、一瞬の最高速度を計るのではなく、一定距離の平
均速度を用いる区間管理は適法ではない。連邦首相府の憲法部門に
所属する彼が「交通法雑誌」で発表した研究を引用して、「プレッ
セ」紙が報じている。ただし、この研究は個人的な見解である、と
クナートは強調している。彼によればこの規定が違法なのは、この
制度によって、認められている最高速度を越えたかどうかに関係な
く、すべての自動車のナンバーの情報を蓄積できるためである。




3月3日(金)

     国外ニュース

米大統領ブッシュは初めてパキスタンを訪問

米国大統領ジョージ W. ブッシュは金曜日、初めてのパキスタン訪
問で、イスラマバード入りした。ブッシュは土曜日にはパキスタン
大統領ペルヴェズ ムシャラフと会談する予定である。パキスタン
はテロとの戦いで、米国と協力関係にある。ムシャラフは親米路線
を歩んでいるため、国内からは繰り返し批判を受けている。ブッシ
ュ訪問を前に、極めて厳重な警戒態勢が取られた。木曜日には南部
の港町カラチの米国領事館前で、自殺攻撃犯が米国の外交官1人と
その他の3人を巻き添えに爆死していた。ブッシュの前の訪問先イ
ンドでは、抗議活動中にイスラーム教徒とヒンドゥ教徒が衝突し、
3人が死亡していた。ブッシュは初めてのインド訪問の最後に、イ
ンドは「世界的な勢力」であり、民主主義を世界に広げるように呼
びかけた。

     国内ニュース

正書法であらたなやっつけ仕事

ようやくのことで新たな正書法改革できてから9年、「多くの点で
後戻りした。」当初から異論の出ていた改革の修正になぜこんなに
時間がかかったのか、憶測を呼んでいるが、改革の改革はどのよう
に行なわれたのか、納得が行かない人たちがでる。今回は政界の反
応を見てみた。教育省がドイツからの勧告に従う一方、社会民主党
は、今回の修正を後押ししているドイツの政界と報道界が「保守的
な書き方」を好んでいる、と非難している。緑の党は、学校で新た
に学びなおすのには堪えられない、との見方である。




3月4日(土)

     国外ニュース

ムハンマドの風刺画でアル カーイダ幹部は攻撃を命ずる

アル カーイダの代表代理アイマン アル ザワヒリのものとされ
る親書の中で、急進派組織であるアル カーイダは、問題となって
いるムハンマドの風刺画をきっかけとして、西側に対する攻撃を行
なうように呼びかけた。さらにイスラーム教徒に対して、預言者ム
ハンマドに対する侮辱を行なった件で、ドイツ、デンマーク、フラ
ンスのような国の製品を買わないように、とも呼びかけた。この侮
辱は、「西側からの十字軍」戦略の一部であって、米国によって操
られている、と昨日インターネット上で広がり、ザワヒリのものと
された文書の中では述べられている。また彼はイスラーム急進派組
織ハマースに対して、イスラエルとの武装闘争を継続するように呼
びかけた。

     国内ニュース

世論調査「ハイダーはケルンテン州では社会民主党を下まわる」

州首相イエルク ハイダーの政党、ケルンテン州未来同盟は、2年
前の州議会選挙では42.5%の得票であったが、それが30%を下まわ
った、と「クライネ新聞」は報じた。最新の世論調査では、社会民
主党が新たな党首ガービー シャオニヒをたてて、40%を越える支
持を得た。OGM研究所では、同紙の委託を受けて先週行なったこの
世論調査を、社会民主党と未来同盟の連立が失敗に終わったための
ものである、と見ている。「連立の破綻がハイダーの頭にはなかっ
た。彼がケルンテン州民の間では大きな信頼をみすみす失ったの
は、この半年に徐々に進行してきた事態である」と同研究所所長ウ
オルフガング バハマイアーは述べた。




3月5日(日)

     国外ニュース

IAEA管区評議会はイランの核計画を協議

月曜日にウィーンの国際原発機構は管区評議会を開き、イランの核
計画をめぐって続いている対立を、最終的に国連安保理に持ち込む
かどうかを決定する協議を行なう。この問題に関する同機構の総裁
モハメド エルバラダイの報告は、おそらく明日あるいはあさって
議題となる。エルバラダイは、過去3年間の核計画の規模と本性に
ついて「不安」を取り除くことができなかった、との意見を持って
いる。同評議会は2月に既に、国連安保理に情報をもたらすことを
決定していた。国連安保理は、国際原発機構の会議後にこの問題に
取り組むことになっていた。ただしイランは情勢がどのようになっ
ても、ウラン濃縮計画を実施する方針である。

     国内ニュース

自由党の国民発議「オーストリアは自由であり続ける」が開始

自由党が主導する国民発議「オーストリアは自由であり続ける」が
来週3月6日から13日までオーストリア全土で登録を受け付ける。
自由党はこの発議の中で、中立を維持すること、およびEU憲法の
批准とトルコのEU加盟に国民投票を実施することを明言する憲法
条項を作るよう求めている。国民評議会でこの国民発議が取り扱わ
れるためには、10万人の署名が必要である。今までにこの条件を
満たさなかったのは、1995年の「オートバイ賛成」発議の1つだ
けである。最も多くの賛成を集めた国民発議は、1982年に140万
人が署名したウィーン会議場建設反対の発議である。




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