3月27日〜4月2日のオーストリアのニュース



3月27日(月)

     国外ニュース

テロ容疑者ムサウイ「米大統領府もテロの目標だった」

2001年9月11日のテロ攻撃野容疑で訴えられているザカリアス 
ムサウイは、同じ日の攻撃は大統領府も狙って計画していた、と月
曜になって突然告白した。彼はワシントン近郊のアレクサンドリア
の裁判所で昨日、自分は早期からこの攻撃について知っていた、と
述べた。この事件ではニュー ヨークとワシントン、さらに乗っ取
った4機の飛行機が墜落して、あわせて3千人以上が死亡してい
た。ムサウイは、いわゆる自動車爆弾犯リチャード リードと共
に、旅客機を乗っ取り、米国大統領府を破壊するつもりであった、
と述べた。本来ならこれは2001年9月11日の攻撃と同時に行なわ
れることになっていた。モロッコ系フランス人ムサウイは、2001
年8月に逮捕されていた。リードは2001年12月22日にパリからマ
イアミに向かう飛行機の中で、靴の中に隠していた爆弾に点火しよ
うとして、逮捕された。

     国内ニュース

オーストリアとEUの通行料をめぐる対立で妥協

長年にわたる議論を経て、EU加盟各国は最終的にEU内部でのトラ
ックの通行料に関する合意に達した。EU加盟各国の交通大臣は月
曜日にブリュッセルで、ヨーロッパの自動車通行料金の関する新た
な方針で合意した。ポルトガルとマルタが反対したものの、必要な
過半数が得られた。オーストリアとEUの間の通行料をめぐる対立
は、これによって昨年の原則的な合意に続いて、正式に調整がつい
た。ギリシア、フィンランド、エストニアは棄権した。道路の必要
経費に関する基本方針と共に、EU全体に統一的な通行料金が導入
される。オーストリアは山岳地域で、新路線を拡大する財源として
追加料金を徴収することができる。これによって、以前から導入さ
れていたブレナー峠の標準的な通行料が後ればせながら認められ
る。




3月28日(火)

     国外ニュース

アラブ連盟は原発建設を呼びかけ

アラブ連盟はスーダンで首脳会談を行ない、事務長アムル ムサ
は、加盟各国に対して原子力の利用を呼びかけた。彼はスーダンの
首都ハルツームで、原子力の利用は、核兵器流出阻止の条約に署名
したすべての国が持つ権利である、と強調した。彼のこの呼びかけ
は、イランが核計画は原子力発電だけを目的としていると述べてい
るにもかかわらず、国際的に激しい議論の的になっている点で、極
めて影響力が大きい。ただしイランは秘密裡に核兵器を製造しよう
としている、との疑いが持たれている。またムサはアラブ連盟の事
務長を今後5年間務めることが、全会一致で認められた。

     国内ニュース

世論調査ではBAWAG銀行疑惑の解明を求める声が多数

オーストリア人の44%が、オーストリア労働組合連合会長フリッツ
 フェアツェトニッチュが辞任した後も、オーストリア労働経済銀
行BAWAG疑惑の責任追及を続けて行なうことを求めている。これ
はOGM研究所の世論調査の結果である。また主として経営の責任が
求められている。ただしオーストリア労働組合連合から脱退する意
向であるのは、わずか4%である。労働組合連合が同銀行を今後も
保有すべきかどうかについては、意見が分かれており、31%が賛
成、29%が反対、40%には特に意見がない。一方24%が十分責任追
求は行なわれた、と考えている。




3月29日(水)

     最新ニュース

国連の拒否権を持つ国々はイラン声明で合意

国連安全保障理事会の常任国5カ国は、数週間にわたって争ってき
た問題となるイランの核計画に関する声明で、合意に達した、と英
国の国連大使エマイル ジョーンズ パリーは発表した。この声明
の中では、イランに対してウラン濃縮を中止するように訴えられて
いる。

     国外ニュース

国連法廷はハリリ殺害をさばく

レバノン元首相ラフィク エル ハリリ暗殺の責任者に、国際裁判
所で弁明させる意向を、国連安全保障理事会は持っている。安保理
は水曜日ニュー ヨークで、特別裁判所の設置を反対なしで決定し
た。シリアに批判的な政治家であったハリリは、昨年2月14日に暗
殺の犠牲となった。同時に22人が死亡していた。国連事務総長コフ
ィ アナンが任務を任せた委員会は、ベルリン地方裁判所主席検事
デトレフ メフリスが議長を勤めていたが、暫定的な結論に達し、
レバノンとシリアの秘密情報部がこの攻撃を実行した、と述べてい
た。ただし最終的な判断は出ていない。アナンはレバノン政府と、
この裁判所設置にむけた詳細を交渉することになっている。この国
際裁判所は、2003年以来レバノンで起きた政治的な暗殺14件の関
係者の責任も問うことになっている。

     国内ニュース

犯罪捜査官が職権乱用で休職

いわゆるサウナ疑惑に関与したとされる刑事警察の高官が、水曜日
に休職となった。ウィーンの連邦警察管理部門が水曜午後に通達を
出して、これを発表した。具体的には、職権乱用が問題となってい
る。あいかわらず無罪推定の原則が適用されてはいるが、この高官
に対しては暫定的に休職が命じられ、規律委員会への通知が行なわ
れる、とのことである。




3月30日(木)

     最新ニュース

バーレーンで観光船が事故

バーレーン沿岸で、約150人の客を乗せたフェリーが事故にあっ
た。客の中には西側の外国人もいた、と米国の放送局CNNが木曜日
に報じた。この船は沿岸からさほど離れていないところで事故を起
こした。報道によれば、生存者を救出するため、救助船が活動して
おり、この地域に駐留している米海軍のヘリコプターと潜水夫が事
故現場に派遣された。このフェリーは通行の多い航路上で事故にあ
った、とのことである。この船が完全に沈没したかどうかは不明
で、まだ船体が岸辺から見えるとの報告もある。

     国外ニュース

フランスでは解雇からの保護法が確認

フランス憲法評議会は、問題となっている就職したばかりの人を解
雇から保護する規則の緩和を定めた法律が、有効であると判断し
た、と憲法の最高監視人がパリで発表した。これにより大統領ジャ
ック シラクが署名すれば、ただちに発効する可能性がある。フラ
ンスの法律によれば、シラクには9日間の猶予があるが、彼は国会
に修正をあらためて支持する可能性がある。政治の専門家の見方に
よれば、これによりストライキと抗議活動によって圧力がかかって
いる首相ドミニク ド ヴィルパンは、労働市場改革をめぐる対立
で面目を失うことなく、難局を乗り切る可能性が出てきた。

     国内ニュース

ハイダーは村落名標の撤去を擁護

ケルンテン州の村落名標の撤去は、あいかわらず高い波を起こして
いる。憲法裁判所長官カール コリネクは、連邦首相ウォルフガン
グ シュッセル(国民党)と連邦大統領ハインツ フィッシャー
は、調停を行なうように要請した。しかしケルンテン州首相イエル
ク ハイダー(未来同盟)は、自分のとった措置は適法であった、
と主張し続けている。




3月31日(金)

     国外ニュース

シラクは労働市場改革を修正を加えて通過させる

労働市場改革計画に反対する激しい抗議が行なわれているにもかか
わらず、フランス大統領ジャック シラクは、この法律に固執して
いる。金曜日夜のテレヴィの演説で彼は、これに関する法律案に署
名する、と予告した。同時に彼は法案の規定を緩める、とも約束し
た。シラクのこの発言は、新たに職を得たばかりの人を解雇させい
ないようにする規定を弱める法案を提出し、内政面で圧力を受けて
いる首相ドミニク ド ヴィルパンを後押するものである。ド ヴ
ィルパンは、若者の高い失業率対策としてこの法律を作るつもりで
あった。今まで26歳以下の従業員は2年間は解雇できない、との規
定があったが、これを廃止するのがこの法律の中心部であった。こ
の法律によって、新たな雇用が容易になるはずであるが、恣意的に
解雇が行なわれる可能性がある、との批判もあった。シラクは解雇
禁止期間を1年間にする、と約束した。また理由のない解雇は認め
られないことになる。これより前にフランス憲法評議会は、この法
案をそのまま承認していた。

     国内ニュース

世論調査では社民党と国民党は同程度の支持を受ける

BAWAG銀行とオーストリア労働組合連合疑惑の結果、社会民主党
と国民党は、有権者の支持に関しては同程度である。世論調査機関
フェッセルGfkの調査結果が「プレッセ」紙に掲載され、両大政党
とも38から40%の支持であった。緑の党は10ないし11%の支持、
自由党は6から7%、未来同意名は3%の支持であった。未来同盟は
連邦全体では4%の障壁にかかるが、村落名標問題のおかげでケル
ンテン州では土台となる議席を獲得できる見通しである。




4月1日(土)

     国外ニュース

大規模な抗議活動を受けタイでは国会議員選挙

タイでは2カ月間にわたり、首相タクシン シナワトラに反対する
大規模な抗議活動が行なわれてきたが、日曜日には新国会議員を選
ぶための選挙に、有権者4千5百万人が臨む。野党が投票を行なわな
いように、と呼びかけているため、多くの地域ではタクシンの政党
「タイ ラク タイ(タイ人はタイ人を愛する)」だけが投票の対
象である。世論調査によれば、国民と広範な支持を受けて、タクシ
ンは投票の過半数を得られるものと見れれる。彼に反対の意志表示
をするのは、低い投票率あるいは多くの無効票だけである。独裁的
な手法が批判にさらされているタクシンは、投票の50%以下しか得
られなかった場合には、辞任する、と予告していた。

     国内ニュース

未来同盟はティロール州にも州組織を作る

金曜日午後、ティロール州はオーストリア未来同盟の州組織を持っ
た。州の中で未来同盟がなかったのはティロール州だけであった。
およそ60人の党員および関心を持つ人が、インスブルックでの設
立集会に集まった。執行部長フーバート ゴルバッハも設立集会に
到着した。エプス市長ハンス イエルク シュトックが党首に、代
理には今まで州広報と国民評議会議員を務めていたクラウス ウィ
ッタウアーが就任した。フロリアン フレプスが広報となる。




4月2日(日)

     国外ニュース

ベルルスコーニとプロディは最後のテレヴィ対決

イタリアで中道右派勢力「自由の家」を率いる首相シルヴィオ ベ
ルルスコーニと、中道左派同盟「連合」のロマーノ プロディが、
イタリア国会議員選挙戦で、二度目で最後となるテレヴィ対決を日
曜夜行ない、有権者の声を左右する。両候補は、4月9日と10日に
行なわれる投票で最大で25%いるまだだれに投票するかを決めてい
ないイタリア人の支持を得ることを期待している。両筆頭候補が公
共放送RAI1で21時15分から放送されるテレヴィ番組への出演に、
熱をこめて準備しているのも当然のことである。今回のテレヴィ対
決は、米国のそれを模範とするもので、2人の記者が8つの質問を
両候補にし、回答は最大で2分半で行なわなければならない。番組
終了時点で両者はそれぞれ2分半の訴えを有権者に行なえる。視聴
者はスタジオに入ることはできない。テレヴィ局は第1回の放送同
様、サッカーの国代表の試合以外では得られないほどの記録的な視
聴率になると予想している。

     国内ニュース

ライトルはトゥンペルを厳しく批判

経済会議議長クリストフ ライトル(国民党)は日曜日、オースト
リア労働組合連合と労働と経済銀行BAWAGが、多額の損害を出し
た同行のカリブ海の営業所から生じた結果の責任を取ることに賛成
である、と述べた。テレヴィ番組「報道の時間」で彼は、オースト
リア労働組合連合とBAWAGとの分割を歓迎した。彼はこの事件に
よって労使双方の協力関係が弱まることはない、と見ているが、労
働会議議長ヘルバート トゥンペルをはっきり批判し、もっとうま
く管理すべきであった、と述べた。ただし彼は、トゥンペルの辞任
は要求しなかった。




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