4月3日〜9日のオーストリアのニュース



4月3日(月)

     国外ニュース

第三次産業の労働市場の指針に関してEUは新たな提案を行なう

EU委員会は火曜日、ヨーロッパの第三次産業の市場を解放するた
めの基本方針の改定案を提案する。担当しているEU域内市場委員
チャーリー マクリーヴィーは、欧州議会の提案に大幅に従う方針
である。春の首脳会談では各国首脳は、この提案に前向きな姿勢を
示した。そのためEUの3つの組織が早期に合意する見込みである。
欧州議会は、異論も出ていた出身国の原則を撤回していた。この提
案によれば、第三次産業の従事者は、EU域内の他国でもより容易
に仕事ができるように、多くの官僚主義的な障壁が取り除かれるこ
とになっている。ただし老人介護、保健衛生などの社会福祉業務や
臨時雇用は、この例外となる。この従事者が、公共の安全や秩序、
環境保護あるいは健康維持の問題に関する場合には、今後も働こう
としている国の規定が適用されることになる。

     国内ニュース

オーストリア労働組合連合会長決定は最終段階に

新オーストリア労働組合連合会長は、今日にも決まるかもしれな
い。社会民主党の労働組合加入者が中心となる会派の委員会が、ま
ずお昼に議長団内部で、その後幹部会で、フリッツ フェアツェト
ニッチュの後継者問題を協議する。今までのところ、暫定議長ルー
ドルフ フンツトルファー、個人企業労働組合議長ウォルフガング
 カツィアン、鉄道労組会長ウィルヘルム ハーバーツェトルの3
人の有力候補が上がっている。ドルッカー労組代表フランツ ビッ
トナーは蚊帳の外である。ただし実際に決定が出るかどうかははっ
きりしておらず、まだ時間がかかる可能性もある。




4月4日(火)

     国外ニュース

フランスの抗議の日には3百万人がデモに参加

解雇からの保護規定の撤廃に反対する抗議の日は5日目に入り、フ
ランスの労働組合と学生連合は火曜日、再び数百万人を動員した。
ル アーヴルからマルセイユ、ナントからランスの間で行なわれた
集会には、3百万人以上が参加した、と上部期間であるフランス労
働総同盟CGTは発表した。それによれば、労働市場改革に反対する
5日目の抗議集会への参加者は、今までの抗議の中で最大だった先
週の310万人に匹敵する。一方ストへの呼びかけに応じた人は、先
週よりも少なかった。いくつかの都市では、抗議活動が暴力的な衝
突へと発展し、警官や記者を含め数人が負傷した。労組と学生連合
は、この抗議活動で、職についたばかりの人を解雇から保護する規
定を廃止する法律を、「死に追い込む」方針である。大統領ジャッ
ク シラクは日曜日、この法律を、適用しないとの条件づきで発効
させていた。

     国内ニュース

警官の代表選挙始まる

労働と経済銀行とオーストリア労働組合連合の疑惑が暗い影を投げ
かける中、水曜日には執行機関の公務員の代表者選挙が始まる。明
日までに3万人を越える国務院が、自分の声を示すように呼びかけ
られている。この投票は、2005年7月1日に警察と地方駐在連邦警
察隊の合併が効力を持つために、必要となった投票である。最大勢
力は、社会民主党労働組合会派であり、2004年12月の前回選挙で
は、警官の50%近くの票を集めた。今回は過半数が得られるかどう
か、緊迫した情勢である。




4月5日(水)

     国外ニュース

バーデン・ヴュルテンベルク州の労働契約をめぐる対立は調停

バーデン・ヴュルテンベルク州の地方自治体の公勤務従事者の労働
契約をめぐる紛争は、1ヶ月に渡る対立を経て決着した。同州の市
町村の22万人の被雇用者は今後、毎週39時間働かなければならな
い。昨日午後シュトゥットガルトで公勤務の労使双方が、労働時間
を合計で毎週半時間延長することで合意した。労働紛争はスト開始
9週目にして終わりに近づいている。既に使用者側はこの合意を支
持している。労働組合側は、組合員全員による投票で、この決定を
受け入れ、ストを終わりにするかどうかを決定する。

     国内ニュース

労働組合連合幹部はフンツトルファーを会長に選出

オーストリア労働組合連合幹部会は、木曜日にフードルフ フンツ
トルファーを会長に選出する。彼は地方公勤務労働組合会長を務め
ているが、現会長のフリッツ フェアツェトニッチュが1週間前に
辞任してから、既に会長を代行しており、社会民主党労働組合とキ
リスト教労働組合から、2007年10月の次回労働組合通常議会ま
で、会長を務めることが認められている。6月に予定されていた労
働組合特別会議は、中止された。一方フンツトルファーに会長を任
せることには、金属産業中央労働組合の執行部でも承認された。フ
ンツトルファーはここ数日、2007年までに労働組合連合の組織改
革を実施に移したい、と予告していた。




4月6日(木)

     国外ニュース

プラスニクはEU特別会談で憲法について話し合うと予告

オーストリアがEU評議会議長を勤めている間に、以前から期待を
もって見守られているEU新憲法決議に向け、2回目の除草が始ま
る。外務大臣ウルスラ プラスニク(国民党)は木曜午後、EU外
相による「ヨーロッパの未来」にむけた特別会議を、5月27日と
28日にオーストリアで行なう、と予告した。その後6月中旬にブリ
ュッセルで開かれる次回のEU首脳会談で各国首脳部は、実現可能
なEU憲法の新たな予定を確定することになっている、とプラスニ
クはウィーンで開かれた国会の外交政策委員会で発言した。彼女は
これを「初めての意見の流れの変化」であり「小さいが重大な一歩
である」と評価し、いままで議論は「あまりにぎこちなく行なわれ
ていた」と述べた。

     国内ニュース

公勤務役員選挙でFCGとFSGは票を増やす

木曜午後に終了した公勤務者代表選挙では、社会民主党労働組合の
会派FSGとキリスト教労働組合会派FCGは共に若干得票を伸ばし
た。新中央委員会では、社会民主党労働組合はかろうじて絶対多数
を獲得した。自由党のAUFは大幅に票を減らしたものの、中央委員
会の議席は確保した。内務大臣リーセ プロコプ(国民党)は、投
票率が高かったことを喜んだ。治安を担当する部局の中央委員会で
投票権を持っているのは、公勤務従事者2万9千人と行政で働く3千
7百人である。今回の選挙は、警察と地方駐在連邦警察隊が合併し
たために、必要となった。




4月7日(金)

     国外ニュース

イスラエルがガザ帯状地帯を空爆 死者多数

イスラエルは、ガザ帯状地帯南部で急進派の養成施設を空爆し、6
人を殺害、14人を負傷させた、とパレスチナ人は発表した。金曜日
に行なわれたこのラファでの攻撃は、武装国民抵抗委員会の活動家
が乗っていた自動車に対するものである。同委員会によれば、死者
の中には、イスラエル国内の攻撃目標に対する攻撃に責任があると
された爆弾製造者も含まれている。この男の5歳の娘も犠牲となっ
た。イスラエル軍は、武装パレスチナ人が乗った自動車に対して、
ロケット弾を発射したことを認めた。一方EUに続いて米国も、ハマ
ースが主導するパレスチナ自治政府に対する直接の財政支援を停止
した。

     国内ニュース

学校での暴力問題でゲーラーは懸念を表明

教育大臣エリサベト ゲーラー(国民党)は、オーストリアの学校
に関して懸念を抱いている。確かに暴力は増えてはいないが、より
激しさを増している、と彼女は金曜日に述べた。ドイツやフランス
のような状況にはないが、目をそらすのではなく、目を向けること
が必要だ、問題を避けて通ってはならない、すぐに取り除かなけれ
ばならない、とも語った。彼女はそのために「公平な学校」という
新提案を行なった。未来同盟と自由民主党はゲーラーを批判し、国
外出身の生徒の上限を設定するように求めた。




4月8日(土)

     国外ニュース

イスラエルはガザ帯状地帯を空から攻撃 再び死者発生

ガザ帯状地帯をイスラエルが土曜日午後に空から攻撃し、パレスチ
ナ人7人が死亡、数人が負傷した。イスラエルの戦闘用ヘリコプタ
ーがー、カン ユニスの「アフメド アブ エル リシュ大隊」の
訓練所をロケット砲で攻撃した、とガザの病院の医師が伝えてい
る。ファタハを支持する軍事組織が作った民兵隊は、ガザ帯状地帯
で活動している。イスラエル治安担当は、この攻撃を行なったこと
を認めた。数日前からイスラエルは、イスラエルの村落を狙ってパ
レスチナ人がロケット砲で攻撃するのを阻止するため、ガザ帯状地
帯の数ヶ所を目標として攻撃している。金曜日午後と土曜日午前の
イスラエルの攻撃で、8人のパレスチナ人が死亡した。パレスチナ
人居住区で政権を持つ急進派イスラームのハマースの広報は、この
攻撃を非難し、「大量殺戮」である、と述べた。

     国内ニュース

ハーバーツェトルは労組を「あまりに卑劣」と批判

労働と経済銀行BAWAGをめぐるオーストリア労働組合連合の事件
は「あまりに卑劣」である、と鉄道労働組合会長ウィルヘルム ハ
ーバーツェトルは労組連合を激しく非難した。彼は労組連合元会長
フェアツェトニッチュを批判して「信じられないこと」が起きた、
労組連合そのものが「石のように冷たくなって」いるが、戦う力を
取り戻さなければならない、現在は「衝撃を受けて麻痺している」
とも述べた。彼は重大な改革を行なうように求めた。また彼は、自
分が属する社会民主党にも全く満足していない。




4月9日(日)

     国外ニュース

ペルー大統領選挙では国民主義者ウマラが優位

ペルーの大統領選挙では、国民主義者オジャンタ ウマラは、第1
回の得票予想で、優位に立っている。ただしテレヴィ局チャンネル
4の最終集計予想によれば、必要な50%には届かないので、決選投
票が必要になる可能性が高い。この予想によればウマラが29.6%の
得票率で、中道左派の候補者で元大統領アラン ガルシアの24.5%
が続いている。第3位には保守派の候補者ルルデス フロレスが
24.2%である。選挙後の世論調査によれば、ウマラは29ないし
30%である。ガルシアとフロレスの第2位争いは接戦である。ウマ
ラは、ヴェネズエラ大統領フーゴ チャヴェスの同盟者で、1968
年から75年までペルーを左派の軍政府を率いた将軍フアン ヴァ
レスコを賞賛している。世論調査で彼が優位に立っていることで、
同国の金融市場は不安視している。一方フロレスは経済界を代表す
る候補者と見られている。

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フィッシャー「オーストリアを犠牲者とする記述は誤っている」

連邦大統領ハインツ フィッシャーは、オーストリアの歴史的像を
批判した。彼は「シュタンダルト」紙のインタヴューで、とりわけ
1938年にナチ態勢のドイツへの併合は奇襲的な出来事であった、
との記述を非難し、これは「歴史的に誤っている」と述べた。
1943年のモスクワ宣言で示されたようなオーストリアを犠牲者と
する誤った記述が今なお行なわれている、とも述べた。さらに彼は
オーストリア独立宣言に関しても、歴史的に誤った考察が行なわれ
ており、この中ではユダヤ人犠牲者のための言葉はなく、啓蒙、和
解の努力と国外追放者を呼び戻しがなぜ行なわれなかったのか、を
述べる宣言であった、と語った。




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