4月10日〜16日のオーストリアのニュース



4月10日(月)

     国外ニュース

ド ヴィルパン「方針転換は封鎖の解除のため」

フランス首相ドミニク ド ヴィルパンは、改革の政策を進める中
で、政府の方針転換は「封鎖を解くために」必要なものだ、と述べ
た。労働法改革に反対する抗議の波は「実際の試練であり、極めて
困難な時期であった」と月曜午後に認めた。金曜日にド ヴィルパ
ンは、今回発表した内容の規定を拒否していたばかりであった。ま
た彼は大統領就任の座への意欲を持っていない、と述べた。2007
年春の選挙でジャック シラクの後継者になることを望む気持ち
は、内務大臣ニコラス サルコジ同様ド ヴィルパンも持っている
と噂されていたが、今回の危機でその可能性が下がった。また11
週間にわたる解雇からの保護規定の撤廃に反対する抗議活動で、大
統領シラクは 労働組合に譲歩した。「首相ド ヴィルパンの提案
に従って、問題の規定を、不利な扱いを受けている若者の就職促進
のための規定と置き換える」とシラクは述べた。学生の指導者カー
ルシュトッケルは、「歴史的な動員を行なって歴史的な勝利をおさ
めた」と述べた。

     国内ニュース

ハーバーツェトルは労組同盟の要職を直接選挙で選ぶのに賛成

鉄道労働組合会長ウィルヘルム ハーバーツェトルは、「ウィーン
新聞」で、オーストリア労働組合同盟の要職を直接選挙で選ぶこと
に賛成だ、と述べたが、より具体的なことは述べなかった。いずれ
にせよ、迅速に抜本的な対策を取らねばならず、労組同盟はすべて
の手続きを民主的なものに刷新する必要がある、と述べた。彼は今
回の労組の危機を、刷新のための絶好の機会であると見ているが、
なお関係者すべてがことの緊急性を意識しているかどうかは疑わし
い、事態がしばらく落ちついているのがかえって不安である、と述
べた。また彼は将来鉄道、商業、観光の労働組合が合併し、自分が
その会長になることを否定した。




4月11日(火)

     国外ニュース

ブッシュの支持率は再び最低に

米国大統領ジョージ W. ブッシュの支持率は、最低記録を更新し
た。昨日公表された「ワシントン ポスト」紙とテレヴィ局ABC
の世論調査によれば、有権者のわずか38%の支持しか得られなかっ
た。これは先月と比べて3%低い数字である。ブッシュの政党の支
持率も悪かった。共和党の国会内での業績を肯定的に評価するのは
35%に留まった。55%は、11月の議会選挙では野党民主党に投票
するつもりだ、と応えた。現在共和党が上下両院で過半数を持って
いる。このような評価の主たる原因の一つは、イラク戦争であるよ
うである。62%がブッシュのイラク政策に満足していない、と述べ
ている。また74%がガソリン代の高騰の責任は彼にあり、59%が彼
の経済政策を批判している。また移民政策は61%が拒否している。
ブッシュは、今まで違法に移民してきた人たちのために外国人労働
者計画を押し進めている。

     国内ニュース

BAWAG事件後労組連盟から脱退者多数との報道

労働と経済銀行BAWAGの事件以降、個人企業労働組合だけでも千
人以上の脱退が出ている。同労組会長ウォルフガング カツィアン
は、「クリール」紙に、ここ数十年で最大の脱退件数である、と述
べた。脱退しているのは、労働組合に何らかの異論を持っている人
ではない、BAWAG事件が原因で人々は被害を受けている、加盟者
はこのことを自分たちの利益の代表者にはっきり理解させたのだ、
「あなたたちは方向性がはっきりしていない」等という言葉が聞か
れた。一方緑の党の社会福祉の専門家カール エリンガーは、ルー
ドルフ フンツトルファーを同労組連盟の会長の後継者に選んだの
は、規約違反である、と述べた。




4月12日(水)

     国外ニュース

プローディ「ベルルスコーニは家に帰るべき」

イタリア大統領カルロ アゼリオ チャンピとの話し合いを行なっ
た後にも、シルヴィオ ベルルスコーニは、自らの中道右派連合が
国会議員選挙で敗北したことを、あいかわらず認めようとしなかっ
た。逆に現首相である彼は、選挙にごまかしがあったと述べ、選挙
結果は自分に有利な方向に変わる、と自信をのぞかせた。選挙の勝
利者であると宣言をしたロマーノ プローディは、ベルルスコーニ
の非難を意に介せず、5月中旬までに行動力のある政府を作る、と
予告した。彼は、ベルルスコーニは家に帰るべきである、とけなし
た。またプローディ政権の入閣予定者が話題にのぼっている。なか
でも元ローマ市長フランチェスコ ルテリを外務大臣に押す声が上
がっている。投票に関しては、外国からの投票の開票は正しいもの
である、と選挙委員会は発表した。また8万2千票の調査を内務省
が命じた。

     国内ニュース

高水についてドゥルンクルートは集団訴訟を行なわない

ドゥルンクルート市は、ニーダーエスターライヒ州と連邦のいずれ
に対しても集団訴訟を起こさない方針である、と市長ルードルフ 
レッケンドルファー(社会民主党)は昨日午後テレヴィ局に対して
述べた。マルヒ川沿いの高水では今までに少なくとも2千3百万オ
イロの被害が出ている、と州の閣僚ヨーセフ プランク(国民党)
がサンクト ペルテンで述べた。堤防が修復されていなかった問題
について、プランクは、責任は連邦にある、と見ている。




4月13日(木)

     国外ニュース

ライス「国連はイランに武力を行使すると威嚇すべき」

米国外相コンドリーザ ライスは国連安全保障理事会に対して、イ
ランに対する武力を行使する可能性に言及した、厳しい決議を採択
するように求めた。彼女は昨日ワシントンで、安保理は国連憲章5
章に則った決議を下すべきだ、と述べた。その決議は経済的、外交
的な制裁だけでなく、「世界平和と国際的な安全保障」を危険にさ
らしているイランに対する軍事的な制裁も含むものである。安保理
は核対立をめぐ3月末に、イランがウラン濃縮活動すべてを終了さ
せるために30日間の期限を設定している。一方国際原発機構会長
モハメド エルバラダイは、ウラン235を3.5%にまで濃縮してい
るのとのイランの主張が正しいかどうか、確認できていない。

     国内ニュース

グーセンバオアーは国民党を「不快な人物の枢軸」と批判

労働と経済銀行BAWAG疑惑に関連して、国民党が社会民主党とこ
のところ攻撃している件で、今度は社会民主党党首アルフレート 
グーセンバオアーは、国民党を強く批判した。国民党は、米国の共
和党がジョン ケリーを、ベルルスコーニがプローディを「こき下
ろす手法」をまねしようとしている、と「シュタンダルト」紙で述
べた。「ブッシュ、ベルルスコーニ、シュッセル、これは不快な人
物の枢軸で、個人攻撃を行なって、特典を稼ごうとしている。これ
は急進的な保守派の特徴で、私たちはそれを指摘するつもりだ。」
彼は党友でウィーン市長のミヒャエル ホイプルにも冷たい言葉を
見つけた。社会民主党が国民評議会選挙で第一党にならなければ、
今後も野党の立場に留まらざるを得ない、とホイプルは述べたが、
グーセンバオアーはこれを否定した。




4月14日(金)

     国外ニュース

エフド オルメルトが正式にイスラエル首相に

今まで暫定首相を勤めていたエフド オルメルトは、土曜から正式
にイスラエル首相となった。これによってオルメルトは正式に、1
月4日に脳卒中で昏睡状態に陥ったアリエル シャロンの後継者と
なった。深夜には法律で定められた百日間の期限が過ぎ、職務を遂
行できなくなった首相は正式に後継者に取って代わられた。既に火
曜日に、政府は引き継ぎに向けた路線を強いていた。内閣は、金曜
日夜に暫定期間が過ぎた後オルメルトが首相になることを決定し
た。シャロンの家族は既に先週、彼の持ち物をエルサレムの首相府
から、イスラエル南部にあるシャロンの農場へと移していた。

     国内ニュース

スロエヴェニア人の権利は今後「国際問題化」するか?

オーストリアのスロヴェニア人少数派の問題は、最近関係が緊張し
ていることから、二国間の問題からさらに広い範囲の国際問題にな
る可能性がある、とスロヴェニア外務大臣ディミトリ ルーペルは
見ている。スロヴェニアはEU加盟国であり、国際条約に基づいたス
ロヴェニア少数派の権利を保護しているが、ヨーロッパの少数派の
基準を守る義務がある、と彼は昨日首都リュブリャーナでオースト
リア大使ヴァレンティン インツコと会談を行なった際にこのよう
に強調した。また彼はスロヴェニア少数派がその言葉を使う権利を
実現するのをスロヴェニア国民が静観しているが、ケルンテン州で
予定されている住民投票は、両国間の関係にとって危険になりつつ
ある見ていると述べた、とスロヴェニア外務省は発表した。




4月15日(土)

     国外ニュース

ベルルスコーニの同盟者は開票の手違いがあると見る

まだイタリア首相であるシルヴィオ ベルルスコーニの同盟者は、
国会議員選挙の集計に手違いが見つかった、自分が下院議員選挙で
落選したのは間違いだ、と主張している。彼は中道左派政党陣営ア
レアンザ ロンバルダに対する投票45,580票が不正なものである
ことに気がついた、と土曜日北部同盟のロベルト カルデロリが述
べた。一方ベルルスコーニは選挙に不正があったとして、正式な得
票数を無効として、投票用紙の調査を行なうように求めていた。土
曜日に公表された書簡の中で、ベルルスコーニは野党候補のロマー
ノ プローディに、時間的に限定した協力を申し入れた。プローデ
ィはこれを拒否し、ベルルスコーニに対して、「奇妙な喜劇」を止
めるように求めた。

     国内ニュース

プロテスタントの社会福祉活動は貧困との戦いを求める

プロテスタントの社会福祉活動は、オーストリアに貧困が蔓延する
ことを憂えている。オーストリア統計庁によれば、多くの子供を含
む43万人のオーストリア人が、「かなり厳しい貧困」の中で生活
している。社会福祉団体会長ミヒャエル シャルプカは昨日「来客
日誌」のなかで、「このような状態を甘受することはとてもできな
い」と述べ、2年以内にこのような人の数を半分に減らすように求
めた。




4月16日(日)

     国外ニュース

イスタンブールで爆弾事件 負傷者30人を越える

イスタンブールでは爆弾が破裂し、警察の情報では、少なくとも
31人が負傷した。巨大都市イスタンブールのヨーロッパ側の一画
バキルケイのゴミ容器の中で爆発が起こった、とイスタンブール警
察署長ツェラティン ツェラハは述べた。これより前には、この爆
発はガス爆発だとの話であった。爆弾をおいたのは隣人である、と
非難する男たちが出たため、警察が介入を行なわなければならなか
った。NTVのテレヴィの映像には、警官が警棒を使って、群集を蹴
散らしているようすが写っている。過去数週間イスタンブールでは
一連の爆破事件が起こり、急進派クルド人組織の責任とされてい
る。トルコ南東部では2週間前クルド人居住地区で紛争が起こり、
少なくとも17人の生命を犠牲にしていた。

     国内ニュース

イランは在オーストリア大使を交代

ウィーンの国際原発機構で今までイラン代表を務めていたアリアス
グハル ソルタニエフが、新たな在オーストリア大使となる、と副
外務大臣メフディ モスタファヴィが日曜日にテヘランで発表し
た。ソルタニエフは、今までの大使セイエド モフセン ナバヴィ
と交代する。この任命は、イラン政府が計画している同国政府の外
交団の抜本的な人事刷新の一部である。モスタファヴィは、60人
の大使が交代になるが、これは政治的な動機があるものではなく、
大使の転任である、と述べた。マハムード アフマディネジャドが
大統領に選ばれてから、同国政府は40人の大使を新たに着任させ
た。政治の専門家は、新政府の首脳部は、穏健な前政府の信奉者を
解任し、新政府の支持者を着任させるつもりだ、と推定している。




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