5月1日〜7日のドイツのニュース



5月1日(月)

労組は被雇用者に新たな負担を求めることがないように警告

(ヴォルフスブルク)労働組合は5月1日の集会で、連邦政府が被雇用者に新たな
負担を求めることがないように、と警告した。ヴォルフスブルクの大式典で、ドイ
ツ労働組合連合会長ミヒャエル ゾマーは、改革の中心部分で、これ以上資本側の
利益に譲歩してはならない、と述べた。彼は特に、解雇からの保護をこれ以上骨抜
きにしたり、年金受給年齢の67歳への引き上げに関する計画を批判した。また彼
は、大連立に対し、計画中の健康保険改革は一方的に被雇用者の負担になるもだ、
と抗議した。またゾマーは、企業側がますます高い収益を求める「貪欲さ」を公然
と非難し、20%あるいはそれ以上の利益率は、まともな企業活動をしていたのでは
達成することはできない、と述べた。労組連合の情報では、5月の集会には連邦全
体で約50万人が参加した。

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連立は健康保険問題で初めて支出側の調査を行なう方針

(ベルリン)健康保険改革をめぐる戦いの中で、キリスト教民主、
社会同盟と、社会民主党は、当面支出削減の可能性を探る方針であ
る。この問題を担当する連立政府作業部会の最初の会合がベルリン
で開かれ、各党の代表は、健康保険の今後の財政を性急に確定しな
いように、と警告した。今後2週間かけて、担当する政治家がまず
支出を検討し、新たな収入のあり方を探るのはその後になるので、
現在のところ(奨励金にあたる)個人別一括概算額と民間の保険の
間で妥協を図る態勢も作らない、とのことである。一方首相府で
は、正規の連立委員会が行なわれた。主要政治家はこの席上、いわ
ゆる富裕者税と両親手当について話し合う方針である。

外相シュタインマイアーはチリ入り

(サンティアゴ)連邦外相シュタインマイアーは、5日間にわたる
南アメリカ訪問の冒頭で、チリに到着した。首都サンティアゴで彼
はまず、ピノチェト独裁政権下の秘密情報部による虐待の犠牲者を
追悼する施設を訪問する方針である。その後かれは国連経済代表団
との会談を行ない、ラテンアメリカの経済情勢について話し合う予
定である。チリでは大統領バチェレおよび外相フォックスレイとの
会談が予定されている。今回の訪問で彼はこのほか、アルゼンチン
とブラジルを訪問する。

ダルフール和平協定の期限を48時間延長

(アブジャ)スーダンの紛争地域ダルフールでの和平協定をめぐる
努力は、後退した。米国の要請を受けて、アフリカ連合の交渉人
は、交渉期限を48時間延長し、火曜日夜とした。二大反乱勢力は、
ニジェールの首都アブジャで、流血の紛争を終結させるための協定
に署名することを拒否した。彼らは、安全保障問題と石油からの収
入の分配問題での修正を要求している。アフリカ連合主席交渉人サ
リムは、反乱勢力がスーダン大統領の顧問に大きな権限を与え、今
まで1人であった大臣を2人にすることを提案した。




5月2日〜4日 お休みです




5月5日(金)

内相会議では市民権授与の規定で妥協が成立

(ミュンヘン)ドイツ市民になることを望む外国人は、今後は連邦のどこであって
も、ドイツ語の試験と市民になるための講座に合格しなければならない。連邦およ
び各州の内務大臣はバイエルン州のガルミッシュ・パルテンキルヒェンで開かれた
会議で、これを決定した。この講座には公民に関する基礎知識と、憲法の価値と原
則が教えられることになっている。最終的には受講者は試験を受けなければならな
い。はっきりした計画は、連邦移民難民局が練り上げることになっている。各州
は、この規定の実施においては、裁量権を持っている。その他各州は、憲法に対す
る宣誓を求めるか、公民の価値を支持すると公言するよう求めるか、みずから決定
することができる。

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大学病院勤務医は労働条件をめぐる対立で新たな交渉

(ミュンヒェン)大学勤務医と使用者側である各州の間で、労働条
件をめぐって対立しているが、両者はこれに決着を着けることにな
ると見られる交渉を行なうため、ミュンヒェンに集まった。この話
し合いが行なわれる直前に医師労組「マールブルク連盟」は、この
会談では7週間にわたるストライキを経て、突破口を見いだせる可
能性について慎重ながら楽観的な態度を改めて示した。労組会長モ
ンゴメリーは、勤務医のために3割の賃上げを求めることに原則的
には固執しない、との方針を示した。相手の意向を打診する話し合
いで労使双方は、問題の論点で既にはっきりとした意見の接近を見
ている。

公勤務の労使交渉は5月も続く模様

(ミュンヒェン)公勤務従事者の労働条件をめぐる対立はここ数ヶ
月間続いているが、再び動きが見えた。使用者側であるドイツ各州
は、今月中にも労働組合Verdiと交渉の席につく方針である。これ
は使用者側連合議長メルリングがミュンヒェンで開かれた蔵相会議
で予告した方針である。この発表によれば、労組Verdiとの交渉
は、おそらく5月18日に再開される。交渉は3月中旬に中断してい
た。公勤務従事者の労働時間を週あたり40時間に延長する、との
州側からの要求が、対立の中心点であった。

メルケルはイスラエルに対する責任があると明言

(ベルリン)連邦首相メルケルは、2日間の米国訪問を終え、ドイ
ツに帰国した。ワシントン訪問の最後にメルケルは、ドイツがイス
ラエルに対して特別な責任を持つ、と表明した。イスラエルの生存
権を疑問視するようなことがあってはならない、とメルケルは米国
ユダヤ人委員会の百周年記念式で述べた。イラン大統領アフマディ
ネジャドのイスラエルを敵視する発言は、「堪えられない」とメル
ケルは述べた。これより前彼女は2度に渡って米国大統領ブッシュ
と会談を行なっていた。




5月6日(土)

医師の勤務条件に関する交渉はあとわずかのところで成立せず

(ミュンヒェン)ミュンヒェンで行なわれていた26時間にわたる交渉でも、大学
病院と州立病院に勤務する医師の賃上げを求める対立は、また解決されていない。
ただし意見の相違はかなりの幅で埋められた、と公勤務の使用者側の交渉の代表ウ
ルリヒ コンスタンティン リーガーは述べた。とはいえ中心となっている賃金体
系に関する問題では、まだ開きが大きい、とも語った。話し合いは火曜日にケルン
で引き続き行なわれる。医師労働組合「マールブルク連盟」は失望を表明し、スト
ライキを続行する、と予告した。労組側は約2万2千人の勤務医の大幅な賃上げと
労働条件の改善を求めている。

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シュトイバーは新たな移住規定を作る方針

(ミュンヒェン)内相会議で連邦全体に通用する市民権獲得の基準
を定めることで合意が成立したため、キリスト教社会同盟党首シュ
トイバーは、移住に関する政策でも新たな方針を作るように求めて
いる。6月末に連邦首相の元で融合首脳会談が計画されているが、
この席上で関連する提案を行なうつもりである、と「日曜日の世
界」紙でシュトイバーは述べた。ドイツで生活するための土台は、
現在ドイツで広く行なわれている日常の文化を身につけ、受け入れ
ることでなければならない、と彼は述べた。融合を拒否する者たち
は、長期にわたってドイツに滞在することは認められない、とも語
った。

メクレンブルク・フォアポメルン州WASGは独自候補者を立てる

(ギュストロ、ベルリン)左派党と「労働と社会的公正を求めるも
う一つの投票先」WASGの合併をめぐる内部の対立は、さらに激し
さを増している。メクレンブルク・フォアポメルン州WASGはベル
リンの組織同様に、連邦同党の意向を無視し、9月の州議会選挙で
左派党に対立する候補をたてる。これはギュストロで開かれた党員
集会で賛成多数で決定された。同党の連邦の幹部は、さらに責任を
追求することはない、と予告した。一方左派党はベルリンで、同州
WASGの方針を厳しく批判した。対立候補をたてることは、新たな
左派の歴史的な計画を危険にさらすことになる、と筆頭候補ヴォル
フは述べた。

バーデン・ヴュルテンベルク州自民党はCDUとの連立協定を承認

(フリードリヒスハーフェン)バーデン・ヴュルテンベルク州自由
民主党は、キリスト教民主同盟との連立協定に賛成した。フリード
リヒスハーフェンで開かれた州党大会で、約4百人の出席者の過半
数が、この合意を承認した。これより前の時点で同州キリスト教民
主同盟は、1996年から続いているこの両党による連立を続けると
の方針を示していた。3月末に行なわれた同州議会の選挙では、キ
リスト教民主同盟が単独で絶対多数を得ることができていなかっ
た。




5月7日(日)

安保理でのイラン決議はまだ合意に至らず

(ニュー ヨーク)イランとの核をめぐる対立では、拒否権を持つ五ヶ国とドイツ
の外務大臣が月曜日に会合を持つ前に合意に達する、との望みは打ち砕かれた。土
曜日の国連安保理での協議では、参加者は再び共同決議で合意をすることはできな
かった。安全保障理事会が軍事攻撃を含めた制裁を科せるようになる国連憲章第7
条を適用することに、中国とロシアはあいかわらず強く反対している。外交官から
の情報では、話し合いは「前進」したが、中心的な課題は何も変わっていない。来
週中に決定を下す努力が行なわれている中、イラン政府は国連安保理に対し、決議
を行なってイラン政府の核計画に対し制約を科すことがないように、と再び警告し
た。

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ブッシュはイランをめぐる対立の外交的解決を支持

(ベルリン)米国大統領ブッシュは、イランとの核をめぐる対立
で、外交に大きな信頼を寄せている。たしかに時間はかかるが、現
在は外交交渉の終わりではなく、始まりの時点である、とドイツの
放送局に彼は述べた。現在のところロシアと中国から、イランに対
する制裁をも含む国連決議に賛成を引き出すことは難しい情勢にあ
ることをブッシュは認めたが、安保理は一つの意見にまとまらなけ
ればならない、さもなければ外交的な解決ができなくなるからであ
る、とも述べた。「ビルト日曜版」紙とのインタヴューでブッシュ
は、イランに対する軍事攻撃という選択もある、と語った。

イラクは大規模な暴力の日を経験 死者30人

(バグダード)イラクではまた、自動車爆弾による攻撃で多数の人
が死亡した。警察は死者30人、負傷者70人以上と発表した。その
内の多くは攻撃を受け、ケルベラで死亡した。イラクは日曜日に
は、ここ数週間で最も激しい暴力を経験したことになる。シーア派
の聖なる都市ケルベラでは、バス乗り場近くで自動車爆弾が爆発し
ていた。その他バグダードでは24時間の間で、虐待の痕跡のある
遺体42人分が発見された。詳細はまだ不明である。

英国議会はブレアに圧力をかける

(ロンドン)イラク南部の都市バスラで英国のヘリコプターが墜落
したことを受け、首相ブレアに対する圧力た強まっている。各政党
の政治家は、首相が今後のイラク政策に関する情報を呈示するよう
に求めた。土曜日の墜落では、英兵4人が死亡した、と報じられて
いる。その後バスラでは騒乱が起き、その際には少なくとも5人の
イラク人が殺害された。その後情勢は落ち着きを取り戻した。イラ
ク警察が課した外出禁止令は、再び破棄された。




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