5月15日〜21日のオーストリアのニュース



5月15日(月)

     国外ニュース

米国はヴェネズエラに武器禁輸措置を科す

米国は、ヴェネズエラに対する武器およびその他の武装物資の禁輸
措置を課した。この措置を取る理由として、米国外務省広報は、南
米の同国が国際テロ組織との戦いで、十分な協力を行なっていない
ことを挙げた。4月末のテロ報告書の中で同省は、ヴェネズエラは
反テロの戦いでの協力を「実質的に中断した」と断言していた。同
国は国内のテロリストに対して寛容であり、イランやキューバ等の
諸国との関係を維持している、と述べた。米国はイランとキューバ
をテロ組織の支援者と目している。米国とヴェネズエラの関係は、
ここ数年間緊迫している。ヴェネズエラ大統領フーゴ チャヴェス
は繰り返し、米国大統領ジョージ W. ブッシュの政治を激しく批判
し、ラテンアメリカの左派の指導者としての地位を確立しようとし
ている。またヴェネズエラは米国の最も重要な石油輸入相手国の一
つで、国内で使う約15%の石油をヴェネズエラに依存している。

     国内ニュース

シュッセルは選挙戦を開始

国民党党首で連邦首相ウォルフガング シュッセルは「国の情勢に
関する演説」を行なって、国民評議会選挙にむけた同党の選挙戦を
開始した。労働と経済銀行事件後のシュッセルの選挙戦での基本方
針は「落ち着きと自覚」である。彼は自らが率いる政府が挙げた成
果を大きなものである、と賞賛した。一方未来同盟は、シュッセル
は未来同盟の挙げた成果を自らのものであると称している、と批判
した。社会民主党は、首相の現実とかけ離れた姿勢を批判した。




5月16日(火)

     国外ニュース

ド ヴィルパンは不信任案を乗り越える

フランスの社会党は昨日、首相ドミニク ド ヴィルパンを現在起
きている中傷事件を理由として、不信任動議を出して追い落とすこ
とに失敗した。ただし、今まで市民勢力が支持の中心であった中央
党UDFの一部を、自分の陣営に引きこむことには成功した。この動
議には577人の国民議会議員のうち190人が賛成した。この票は賛
成票だけが数えられている。この動議は「中傷と嘘」を追求すると
の名目で提出された、投票は「政府に対するもの」ではなく、「法
治国家が弱体化したこと」に向けられたものである、とド ヴィル
パンは国民会議の一部は白熱した議論の終わりで述べた。一方社会
党党首フランソワ オランドは、この動議は政府の陣営の中に深刻
な危機があるために提出した、と述べた。

     国内ニュース

連邦大統領の邸宅の売却は確定

財政委員会は、ホーエン・ワルテにある連邦大統領の元邸宅の売却
を認める方針を決定した。最近までここにはトーマス クレスティ
ルが住んでいた。この大統領の邸宅の次の所有者は、約5百万オイ
ロを支払わなければならない。この建物は修理の必要がないため、
完全な市場価格で売却される。




5月17日(水)

     国外ニュース

ガザ帯状地帯にアッバスは治安部隊を派遣

ハマスが主導する政府との対立で、パレスチナ大統領マハムード 
アッバスは、昨日午後治安部隊に、自治区の都市でハイチにつくよ
うに命じた。アッバスはできるだけ早期に各都市の秩序を回復し、
治安を確保するように、との命令を下した、とパレスチナ高官は述
べた。その他治安部隊には、彼の指示にのみ従うように、との命令
が出された。これはアッバスが、内務大臣サイード シアムの急進
派イスラームのハマースが支配下におさめている新たな治安部隊
が、ガザ帯状地帯での任務を再開させる、との予告に応えたもので
ある。ガザ市ではアッバスのファタハ運動の支持者2百人が、内務
省配下の3千人規模の新たな部隊に反対してデモを行なった。一方
ロシア大統領プーチンは、ドイツ首相メルケルとフランス大統領シ
ラクと、近東情勢について電話で話し合った。ロシア政府によれ
ば、メルケルとプーチンは、情勢の悪化を防ぎ、迅速に事態を正常
化し、近東和平を前進させるために、国際社会は多角的な努力をす
る必要性がある、と強調した。シラクとは、人道的、財政的、政治
的支援を調整することが重要だ、と話し合った、とのことである。

     国内ニュース

オイロファイター購入をめぐる国会の特別会議

迎撃戦闘機オイロファイター購入をめぐる国会の5回目の特別会議
が、社会民主党の要求に従って、木曜日に開かれる。直接のきっか
けとなったのは、購入契約の売り手側の部分が雑誌に公表されたこ
とである。野党は改めて、少なくともこの部分を国会に呈示するよ
うに求めるものとみられる。連立与党と国防大臣ギュンター プラ
ター(国民党)は、これを改めて拒否する見込みである。プラター
とオイロファイター製造元のEADSは既に、職務上の機密保持を損
なう恐れがあるとして、公表しない、と予告している。社会民主党
はプラターに緊急質問を行なう予定である。これは、契約の即時解
除と調査委員会の設置を求めるものである。




5月18日(木)

     国外ニュース

イタリア新政府の信任投票実施

イタリア上院は金曜日、ロマーノ プローディ率いる新政府の信任
投票を行なう。内閣には25人の閣僚が属しており、水曜日には宣
誓を行なっていた。その中には外相マッシモ ダレーマと6人の女
性閣僚が含まれている。プローディの中道左派連合は、上院では過
半数を2上まわる議席を持っている。木曜日に行なわれた上院での
初めての演説でプローディは、イタリア兵をイラクから撤退させる
と予告すると同時に、各政党が「強調の精神」を持つよう訴えてい
た。月曜日にはプローディは下院で発言する方針で、下院での信任
投票は火曜日に行なわれる計画である。

     国内ニュース

非公式EU環境評議会が2日にわたってブルゲンラント州で

活況を呈している環境技術分野に関して、EU加盟各国の環境大臣
がアイセンシュタットとルストで非公式会議を、金曜と土曜に行な
う。この分野は昨年オーストリアでは持続して成長を続け、十年間
で56%売り上げを伸ばした。EU評議会の議長を務めるオーストリ
アは、EU全体でも、これを問題としてとりあげる方針である。こ
のほか都市生態学についても議論が行なわれる。出席するのはEU
加盟25ヶ国とルーマニア、マケドニア、トルコの環境大臣の他、
EUの研究所の代表である。安全確保と交通整理のために200人か
ら250人の警官が配備される。警備態勢は「やや低い」段階であ
る。抗議のデモも予定されていない。




5月19日(金)

     国外ニュース

イラクはいくつかの大臣を決めないまま組閣で合意

イラクでは国会議員選挙から5カ月、州の政治の代表者が昨日、組
閣に合意した。鍵を握っていた2つの大臣の椅子は空席のままにな
る。交渉の参加者の情報によれば、内務および国防省の人事に関し
ては、後に決定されることになった。木曜日には国会議長マハムー
ド エル マシュハダニは、次期首相ヌリ エル マリキが金曜日
に正式にない各人事を公表するつもりである、と述べていた。閣僚
は職務に就く前に、議会の承認を得なければならない。多くの政党
が内閣に閣僚を送りこんでいるため、承認が得られるのは確実と目
されている。

     国内ニュース

オイロファイター購入問題で社民党は契約破棄を主張

迎撃戦闘機オイロファイター問題を扱う5度目の特別会議から1日
経った金曜日にも、また野党は、この契約を解除し、調査委員会を
設置するように頑固に要求した。これに対し国民党は予想通り、同
機の購入決定と、これに基づいて行なわれる取り引きを擁護し、役
に立たない論争であって、欠点をあげつらう論陣を張っている、と
述べた。ザルツブルク州首相ガービ ブルクシュタラー(社会民主
党)は、怪しげなこの契約を長期間にわたってみとめれば認めるほ
ど、納税者の負担は増加する、と述べた。自由党は、契約違反との
疑いが出てきているので、再調査は避けられない、と見ている。




5月20日(土)

     国外ニュース

ブッシュはイラク新政権成立を好機と見る

米国大統領ジョージ W. ブッシュは、イラクの新政府成立を、「前
進のための好機」であるとして歓迎した。イラクが民主制に移行す
る過程はこれで終わった、とブッシュは土曜日に述べた。イラクは
国が一つにまとまり、「完全な形で憲法に従う政府」を持った、と
も彼は述べた。彼は新首相ヌリ エル マリキにお祝いの言葉を述
べた。マリキは内閣人事と政権綱領を国会に提出しおえていた。一
方国連事務総長コフィ アナンも新イラク政府成立を歓迎し、組閣
が早期に最終的に完了することに期待する、と述べた。EUは2億オ
イロの支援を行なう、と約束した。

     国内ニュース

ファン デア ベレン「シュトラーヒェが最大の対立候補」

緑の党の連邦代表アレクサンダー ファン デア ベレンにとっ
て、秋の国民評議会選挙で同党が第3党の座を獲得することが重大
である。自由党と緑の党のどちらかが国会で3番目に大きな議席を
持つことは、オーストリアの空気や外部からの評価にとってだけ重
要なのではない、これは国民評議会の第三議長や(不正が行なわれ
た時に国民と官庁の間で仲介を行なう行政官監察官である)国民の
代弁者の要職を手に入れることと結びついている、と土曜日の番組
で述べた。選挙戦の中では、ハインツ・クリスティアン シュトラ
ーヒェが率いる自由党が、最大の対立候補になる、とファン デア
 ベレンは述べた。また国民党あるいは社会民主党との連立問題に
関して、彼は明言しなかった。




5月21日(日)

     国外ニュース

キプロスのギリシア人地域では共産党が最大勢力に

キプロスのギリシア人地域では国会議員選挙が行なわれ、共産党が
改めて最大勢力となった。ニコシアの中央選挙委員会が日曜午後に
ほぼすべての票を集計した後、働く国民建設党AKELが31.1%を獲
得した。第二勢力は保守的な共同民主化運動DISYが30.4%を獲得
した。投票率は87.91%であった。ただし保守的な連立政権は国会
の過半数の議席を獲得した。この選挙は大統領の信任の役割を持っ
ていた。AKELとDISYの二大政党は大幅に議席を減らした。第三党
で選挙の本来の意味での勝利者は、大統領タッソス パパドプロス
の市民民主党DIKOで、3%支持を増やし17.8%を獲得した。社会党
EDEKは8.9%で、同じく得票を伸ばした。国家に議席を持つのはこ
のほか、保守的な欧州党5.7%、生態維持党1.9%である。この結果
を受けパパドプロスは2008年までの第2期政権成立に向け努力を
行なう。

     国内ニュース

時速160キロ制限に反対してA10高速道路は2時間封鎖

日曜午後にはタオアーン高速道路(A10)のシュピタール東とヴィラ
ッハ西間で、「時速ゼロ」が行なわれた。時速160キロ制限の試験
路線に反対する人たちは、交通大臣フーバート ゴルバッハ(未来
同盟)が進めているこの計画に抗議を行なった。オーバーケルンテ
ンの「時速160キロに反対する行動共同体」が、両方向の通行を封
鎖した。この間の通行はB100を迂回することになった。参加者は
150人であった。ただしカーヴが続くこの地域では、大半の運転手
が160キロ以下で運転している。




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