5月22日〜28日のオーストリアのニュース



5月22日(月)

     国外ニュース

ブッシュはイラク政府により大きな責任を委ねる方針

イラクで組閣が行なわれたことを受け、米大統領ジョージ W. ブッ
シュは、ペルシャ湾岸の同国から部隊を撤退させる具体的な計画を
発表することを回避した。ただし彼は昨日のシカゴでの演説の中
で、米国はバグダードの政治の指導部に段階的に管轄権と責任を委
ねることができるだろう、との期待を述べた。「イラク新政府が信
頼と実行力を増せば、米国は徐々に補助的な役割に移行する」とブ
ッシュは述べた。これより前、英国政府の代表は、イラクから外国
人兵士の撤退に関する具体的な日程を初めて発表した。英国政府の
代表は名を明かさずに、4年後にはすべての外国人部隊がイラクを
去ることになる、と述べた。米国議会選挙を数ヶ月後に控えたブッ
シュは、イラク政策が原因で国内の政治で強い圧力を受けている。
2千4百人を越える米兵がイラクの戦闘や襲撃で死亡した。現在
13万3千人の米兵が、武装蜂起に揺れるイラクに駐留している。

     国内ニュース

国民評議会は石油を用いない発電に関する法律を可決

国民評議会は火曜日、石油を用いない発電に関する新たな法律を可
決する。これには発電総量の上限を設定することが含まれており、
緑の党はこれに反対している。また石油によらない発電の割増料金
の負担が、将来的に工業界から離れて、国家財政の負担増につなが
るのではないか、との意見も出ている。また国会の議決のうち2番
目に重要なものは、KMU小法である。これはいわゆる収入と支出を
計算する人、たいていは中小企業であるが、3年間の間の赤字を確
認することによって、税制面での優遇を行なう、というものであ
る。また大統領のホーエン ワルテの元邸宅の売却問題について、
今日決着がつく。その後、医学部学生の入学割合に関する新規定と
オーストリア持株会社のさらなる分割に関する連邦評議会の拒否
を、無効にする採決が行なわれる。緊急質問か提出されるかどうか
は、月曜夜の段階では不明である。




5月23日(火)

     国外ニュース

EUは船と飛行機をアフリカ人移民対策に派遣

EUは、アフリカからの違法移民との戦いで、スペインを支援す
る。EU加盟のいくつかの国が飛行機と船を出して、スペイン政府
を支援する方針である。EU委員フランコ フラティニは、EU国境
警備の任務につく「電撃介入部隊」をカナリア諸島に派遣する、と
予告した。カナリア諸島ではコア個数実、数千人の移民が上陸して
いた。スペイン副大統領マリア テレサ フェルナンデス デ ラ
 ヴェガは、EUに緊急の支援を要請し、ヨーロッパにとって緊急
事態である、と述べていた。

     国内ニュース

居住権法案と管財人法が国会で可決へ

国民評議会は水曜日、あわせて36のさまざまな議案を処理しなけ
ればならない。その中には居住権法と新管財人法が含まれている。
作業部会の会議を前に、国民評議会はEUの問題、つまり「ヨーロ
ッパの社会福祉のための提案」と「ヨーロッパの安全保障協力態
勢」を議題にする。火曜日には国民評議会では、異論も出ている石
油以外を用いた発電に関する新法が承認された。緑の党はこの法律
を厳しく拒否した。




5月24日(水)

     国外ニュース

CIAはビン ラーディンの新たな親書を本物と判断

テロリストの指導者ウサマ ビン ラーディンの新たな録音による
親書を、米国秘密情報部CIAは本物と判断している。技術絵来な分
析を行なった結果、この録音の声は、ビン ラーディンのものであ
ることが判明した、と情報部広報がワシントン近郊ラングリーで発
表した。この録音は昨日イスラーム系のウェッブサイトのエル サ
ハブで公表されたものである。ビン ラーディンはそのなかで、米
国で終身刑が言い渡されたフランス人ザカリアス ムサウイの容疑
を晴らそうとして、彼は2001年9月11日の攻撃には加わっていな
かった、と述べた。また自分がこの攻撃の首謀者であり、19人の
実行犯に攻撃を指示したが、ムサウイはこの攻撃ではいかなる役割
も果たしていない、と発言した。

     国内ニュース

OMV社合併をライトルは断念せず

経済会議議長クリストフ ライトルは、石油および天然ガス会社で
あるオーストリア石油管理OMV連合の合併が破綻した件に関して、
一方的に責任を追及されていることを厳しく退けた。彼はテレヴィ
番組の中で、自分はこれには関与していない、と主張した。自分の
考えでは、この合併計画を断念していない、数ヶ月後には関係全方
位が合意できる解決策が見いだせる、と述べた。各州首相が求めて
いる電力燃料供給会社の再国有化は、ライトルにとって最後の手段
である。にもかかわらず懸念を真面目に受け取らなければならない
し、解決策が探られなければならない、水力発電で電力を確保する
ことは可能である、とライトルは述べた。




5月25日(木)

     国外ニュース

EUロシア首脳海岸 燃料資源問題では意見の一致をみず

EUとロシアは黒海沿岸で首脳会談を行なったが、今後のヨーロッ
パの燃料資源供給に関する枠組みで、合意することはできなかっ
た。会談が行なわれた措置で、ロシア大統領ウラジミール プーチ
ンは、EU委員会ジョゼ マヌエル ドゥラン バローゾ、オース
トリア首相ウォルフガング シュッセル(国民党)とEUの主席外
交官ハヴィエル ソラナに対し、EUの燃料市場にロシアの企業を
参入させるように求めた。今年初めにロシアとウクライナのガスを
めぐる対立がおきてから、燃料の安定的確保をめぐる問題が重要視
されている。EU諸国はロシアからの供給の安定性に疑問を抱いて
おり、ロシアに依存しないですむか不安が増大している。そのため
EU諸国は、ロシアのガスプロム社が、ヨーロッパの購入者に直接
販売することに批判的な態度を取っている。

     国内ニュース

クホールはOMVと連合に政府が介入することに賛成

国民評議会議長アンドレアス クホール(国民党)は、オーストリ
ア石油管理OMVと連合の合併後、政府が同社の51%を持つように求
めた。「私は政府がオーストリア石油管理・連合の過半数を持つべ
きだ、という各州からの提案は意義深いものだと思っている。最終
的な決定が下されていないからである」とクホールは「クリール」
紙に述べた。ニーダーエスターライヒ州首相エルウィン プレル
(国民党)は、外国の投資家が「我々の水を国外に持ち去ることは
許されない」と述べているが、これに対してクホールは、発電所の
中で問題とされているは、水力発電だけであって、水そのものでは
ないことに注視しなければならない、血が特別な液体であるよう
に、水も特別な液体である、と述べた。




5月26日(金)

     国外ニュース

米国議事堂の銃撃は空気ハンマーによるものか

米国国会議事堂の建物が狙撃されたと見られる事件で、5時間にわ
たる捜査が行なわれ、警察は昨日の捜査を成果なく終えた。議事堂
となりにある建物の駐車場で銃撃音が聞こえたとの電話があり、大
規模な警戒が取られた。その後武装部隊が建物全部から不要なもの
を撤去したが、発砲が行なわれたことを示す証拠は見つからなかっ
た。テレヴィ局CNNは、治安当局の情報として、この音は作業員が
空気ハンマーを使った際に起きたものであろう、と報じた。この電
話後、武装した警官がレイバーンの記念館のまわりに配備され、隣
の議事堂ともども封鎖された。

     国内ニュース

ウィーンでのEU外相会談で憲法について協議

EU加盟各国の外務大臣は、土曜と日曜にウィーン近郊のクロスタ
ーノイブルクで、EUの将来について話し合う。議長を務めるオー
ストリアの招待で行なわれる議論の中心は、EU憲法で、フランス
とオランダが昨年拒否してから後、この憲法がこの後どうなるかま
だ不明である。6月に行なわれる首脳会談の準備を行なうこの会談
では、その他にEU拡大について話し合う予定である。外務大臣ウ
ルスラ プラスニク(国民党)は日曜お昼には、会議の成果に関し
て記者会見で報告する方針である。




5月27日(土)

     国外ニュース

コロンビアで大統領選挙

コロンビア人は日曜日にに新たな大統領を選ぶ。保守派の現職アル
ヴァロ ウリベが大勝すると予想されており、世論調査では第1回
投票で当選を決めると見られている。最新の世論調査によれば、野
党中道左派連合の民主的な対立極の候補ホアン カルロス ハヴィ
リアは23%の支持で、ウリベの支持率を30%下まわっている。大統
領は、左翼のコロンビア革命軍FARCゲリラと妥協することに断固
反対し、逮捕者と人質の交換に関する革命軍との交渉を行なうこと
を拒否している。経済的にはウリベは新自由主義政策をとってお
り、経済が成長し、失業率が下がっているにもかかわらず、国民の
大部分にはこの政策が届いていない。

     国内ニュース

シュッセルはEU憲法を救い出すように訴える

オーストリア首相ウォルフガング シュッセル(国民党)は、EU
議長の資格で、ドイツカトリック会議に参加し、EU憲法を救い出
すように訴えた。「これ以上の憲法案を見いだすことはできないだ
ろう」と彼は昨日ザールブリュッケンで述べた。この憲法案は理由
のある妥協案である、とも彼は述べた。この憲法案は昨年フランス
とオランダの憲法に関する国民投票で認められなかったことを受
け、当面凍結されている。この会議は「ヨーロッパは一つで公正
か」という議題で行なわれているが、シュッセルはEU拡大をにら
んで、バルカン諸国もいつの日にかEUに属さなければならない、
ヨーロッパの財産は文化的な多様性にある、と述べた。今週末にウ
ィーン近郊のクロスターノイブルクで開かれているEU外相会談で
は、EU憲法をめぐる深刻な危機が長引く気配が出ており、この問
題をじっくり考えるための期間を延長することが決定された。




5月28日(日)

     国外ニュース

EU閣僚は第三次産業の基本方針を作りなおす

EU加盟各国の大蔵大臣はブリュッセルで月曜日、オーストリアを
議長として、ヨーロッパの第三次産業の市場解放に関する協議を行
なう。EU議会の決定がでたため、最近加盟国相互の間でも意見の
接近が見られた。経済大臣マルティン バルテンシュタイン(国民
党)は、今日の会議に向け、交渉を取りまとめるように迫った。た
だし外交筋では、技術的な問題に関して粘り強い議論が行なわれる
と見られており、夜遅くまでの会談に備えて準備が行なわれた。新
たな方針によれば、建設会社、配管工、コンピューター・ソフトウ
ェア開発者、美容院などの第三次産業は、今後はヨーロッパ全体で
制限を受けることなく営業することができることになる。ドイツな
どの以前からのEU加盟国は、例外を設けようとしているが、新規
加盟国はこれを拒否している。妥協の提案にはあいかわらず異論が
出ている。

     国内ニュース

EUは2009年までには憲法を明確化する方針

EUは遅くとも2009年までには、フランスとオランダが拒否した
EU憲法について、態度を明確にする方針である。加盟25カ国の外
務大臣は、週末にニーダーエスターライヒ州のクロスターノイブル
クの教会の関連施設で開かれた特別会議で、このことについて合意
した。「憲法の計画はヨーロッパ全体の計画として、今後も追い求
めていく。(EU憲法に対する)死亡宣告が出されたわけではな
い」とEU評議会議長で外務大臣のウルスラ プラスニク(国民
党)は協議の終了後に述べた。2007年半ばまでドイツがEU評議会
の議長を務めるが、その時に憲法の今後の扱いについて実現可能な
提案を完成させる、と彼女は述べた。憲法をめぐる議論の中で、再
び活気が戻ってきているが、次回の会議に向けて具体的に委任する
事項はまだ決まっていない、とのことである。




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