5月29日〜6月4日のオーストリアのニュース



5月29日(月)

     国外ニュース

プローディはイタリアの主要都市の選挙で勝利の見込み

イタリアの地方選挙で、首相ロマーノ プローディの中道左派連合
は、少なくとも主要な3都市で勝利しそうな勢いである。昨日の得
票予想によれば、左派陣営の候補者は、首都ローマ、トリノ、ナポ
リではっきり優位に立っている。北部の都市ミラノは伝統的に保守
派の拠点であり、右派保守派の候補者の勝利は確実であった。2日
間に渡って1,260の市町村で行なわれた選挙は、4月に国会議員選
挙でかろうじて多数を獲得した首相プローディに対する、初めての
信任投票と見られていた。この選挙で敗れたベルルスコーニは、有
権者がプローディ陣営にお灸をすえることを期待していた。専門家
は投票率が低かったのは、ベルルスコーニに対する罰である、と評
価している。有権者のわずか71.2%しか選挙に行かなかったが、5
年前には80.6%が投票していた。保守派が支持者の動員に失敗し
た、と専門家は見ている。

     国内ニュース

会計検査院はウィーン労働市場局を批判

会計検査院は昨日公表された報告書の中で、ウィーン労働市場局
と、2002年に始まった労働市場局の抜本的な組織再編成の実施に
ついて批判した。赤字はいくつかの分野、特に中規模の会社の経営
に関する分野で生じている、とのことである。2000年に行なわれ
た再編成は、情報、看護、助言の各分野での事業の改革である。情
報分野に関しては、果たしている仕事の割に、職員の数が多すぎ
る、他の2分野は調査した範囲では、協力が不足している、と会計
検査院は記している。




5月30日(火)

     国外ニュース

米国はイラン問題で早期に合意が成立すると信じる

米国大統領府は、国連で拒否権を持つ5カ国とドイツが、イランの
核計画に関連して共通の立場を取ることで早期に合意できる、と楽
観的な姿勢を示した。米国政府は、今までは無理であったが、共通
の対処法に関してウィーンで署名ができると期待している、と米国
外務省広報のショーン マコーマックは昨日ワシントンで述べた。
「我々はウィーンに行く準備は十分できている、との感触を持って
いる」と彼は付け加えた。米外務大臣コンドリーザ ライスは、お
そらく水曜にオーストリアに向かう、とも述べた。ブッシュは、独
首相アンゲラ メルケル、仏大統領ジャック シラク、露大統領ウ
ラジミール プーチンと電話会談を行なった。ウィーンでの会議
は、明日行なわれる。

     国内ニュース

未来同盟「未来同盟・ウェステンターラーの名簿」から立候補

未来同盟は、秋の国民評議会選挙で、「未来同盟・ペーター ウェ
ステンターラーの候補者名簿」から立候補する予定である。これは
未来同盟の筆頭候補で、次期党首ペーター ウェステンターラーが
昨日のテレヴィ番組で述べた。「我々は真の復活を果たす。我々こ
そがみんなが知っている自由党である。党の色はオレンジ色にかわ
り、『未来同盟・ウェステンターラーの候補者名簿』という名前で
はあるが。そして私たちもこの党から立候補する」と彼は予告し
た。ハイダーは透明からはずれたことになる。またウェステンター
ラーは、シャイプナーが理想的な会派長であり、この職に留まって
ほしい、と述べた。




5月31日(水)

     国外ニュース

最終報告書「ミロシェヴィッチの死は自然なもの」

昨日国連戦争犯罪裁判所が発表した、ユーゴスラヴィア大統領スロ
ボダン ミロシェヴィッチの死の原因に関する報告書は、ミロシェ
ヴィッチが裁判所の収容所で死亡したのは、自然な死因によるもの
であることを、今一度確認した。3月11日に死亡した彼の遺体から
は毒物や化学物質は検出されなかった、と同法廷副長官ケヴィン 
パーカーは彼の最終報告書の中で明言した。この記述は、ミロシェ
ヴィッチは心臓発作で死亡した、との4月の暫定的な報告を再確認
している。ミロシェヴィッチの友人や親戚は、死を引き起こしたの
は裁判所である、と主張していたが、パーカーはこれを否定し、ミ
ロシェヴィッチは医師の助言に反した行動を取り、血圧を上げる薬
を服用していた、と指摘した。ミロシェヴィッチは同法廷での裁判
で4年目を迎えていた。彼の容疑は90年代初めにクロアチア、ボス
ニア・ヘルツェゴヴィナ、コソヴォとの紛争で、人権違反を行なっ
たことであった。病気のため繰り返しこの裁判は中断していた。

     国内ニュース

学校問題で振興策に対する批判

学校関連法案の実施で親側の代表は、特によい成果を上げられてい
ない。教育省が公布した対策は、確かに歓迎すべき価値を持ってい
るが、そのうちの多くは義務教育の期間内には達成できない、と見
られている。このため両親の代表の間では、意見の調査が行なわれ
ている。それによれば、学校のようやく3分の1だけが、この学校
振興策に取り組んでいる。追加提案と育成授業をさらに増やすこと
を、両親は求めているが、そのために、おそらくさらに資金が不足
することになる。




6月1日(木)

     国外ニュース

ブッシュはハディタ報告書を公表すると予告

米兵によってイラクの一般市民が大量に殺害されたとされる事件
で、米国大統領ジョージ W. ブッシュは、この事件の全面的な解明
と、調査の完全な公表を約束した。この容疑は自分と軍を深く憂慮
させている、と閣議後にブッシュは述べた。もしこの容疑が真正な
ものであれば、罪人は罰する、軍には高い道徳的な基準と厳密な規
則が適用される、とも述べた。ブッシュは3月から事情を知ってい
たことが明らかとなった。一方「ワシントン ポスト」紙は、米兵
が意図的に間違った報告を行ない、真相をもみ消していた、と報じ
た。調査報告書によれば米海兵隊の下士官は当初、イラク人15人
は海岸にしかけられていた爆弾で死亡した、と報告していた、との
ことである。

     国内ニュース

労働と経済銀行はペントハウスの家具代を支払っていた

労働と経済銀行元幹部の屋上高級アパートに関して、現在の銀行幹
部のなかでも疑問が持たれている。同銀行頭取のエーワルト ノウ
ォトニーは、損害賠償請求の裁判を既に検討している、と木曜午後
APA通信に述べた。「オーバーエスターライヒ通信」紙の報道によ
れば、同銀行は元経営陣ヘルムート エルスナーにたいし、銀行本
部の上にある彼の屋上の高級アパートの家具代も支払っていた。同
銀行はこの事実を木曜日確認せざるをえなかった。国民党事務長ラ
インホルト ロパトカは、労働会議議長ヘルバート トゥンペルは
不適格であり、社会民主党党首アルフレート グーセンバオアーは
行動を起こす必要がある、と批判した。社会民主党は全面的な解明
を行なうように求めた。




6月2日(金)

     国外ニュース

米軍はイラクのイシャキでは誤った行動を取っていないと発表

イラクの村落イシャキで一般市民数人が殺害された事件を調査して
いる米軍の調査官は、現地の米軍兵士が誤った行動をとった、との
非難は当たっていない、と述べた。調査によれば、兵士は射撃を受
けながらある建物に近づいた際には、普通の態度を取っていたこと
が判明した。兵士は、この盾のの中にはアル カーイダのテロリス
トがおり、空からの支援も要請していた、とも述べた。軍の犯罪調
査を担当する部局は、調査結果を確認し、これ以上の調査を続行す
る理由はない、と判断した、と国防省の係官は述べた。バグダード
の北にあるこの村での事件では、11人の住民が死亡した。米国に
よれば死亡したのは男1人、女2人、子供1人の4人である。シーア
派が主として住むサマラ近郊この地域での攻撃では、家1軒が破壊
された。イラク人一般市民を大量に殺害したとして、米兵に対する
非難の声が強まっていた。

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宥和政策で緑の党と自由党が激しい応酬

地方選挙を前に、外国人政策をめぐる対立が、ますます激しくなっ
ている。テレヴィ番組の対論で金曜午後、自由党党首ハインツ ク
リスティアン シュトラーヒェは、多文化政策は馬鹿げていると述
べたが、緑の党の移民の専門家テレツィア シュトイシツは、問題
をすり替えている、と述べた。シュトラーヒェは、昨年のウィーン
地方議会選挙で15%の得票という成果を挙げたため、外国人問題は
「もはやひた隠し」にしておくことも、「美辞麗句」を弄する対象
にしておくこともできない、と強調した。一方シュトイシツは、人
権は万人、自国民と外国人の両方にあてはまるものだと述べて、自
由党と未来同盟は外国人を追放するつもりだ、と非難した。




6月3日(土)

     国外ニュース

モンテネグロは独立を宣言

モンテネグロは昨日午後、セルビアとの国家連合からの独立と分離
を発表した。首都ポドゴリツァの国会は、国家であることの回復と
独立に関する宣言を採択した。5月21日の国民投票では、有権者の
55.5%が主権回復に賛成した。この国民投票で、セルビアとの国家
連合を維持することに賛成した野党各党は、国会の会議を欠席し
た。セルビア政府首脳部も、モンテネグロの独立の祭典には出席し
なかった。議会は独立宣言後、同国を法治政治に基づく民主国家と
して定義し、人権と少数派の権利を尊重し、EUおよびNATOへの加
盟を目指す、と発表した。またセルビアとの未解決の問題は、民主
的かつ平和的なやり方で解決する用意がある、とも述べた。

     国内ニュース

世論調査で国民党は社会民主党を引き離す

リンツの世論調査機関IMASの新たな調査によれば、国民党は社会
民主党に対する優位を固め、3ないし5%優位に立っている。有権者
の39から40%が今なら国民党に投票するとしたのに対し、社会民
主党は35から38%であった、と「クローネ」紙は報じた。未来同
盟は3から5%で、4ないし6%の自由党に近づいている。緑の党は
10から12%の支持であった。調査を受けたのは7百人であった。
5月中旬に行なわれた世論調査では、国民党は39%、社会民主党は
36%、緑の党は14%、自由党は5%、未来同盟は4%の支持であっ
た。




6月4日(日)

     国外ニュース

ペルー大統領決選投票ではガルシアが優勢

ペルー大統領職をめぐって昨日決選投票が行なわれたが、投票後の
調査によれば、社会民主党の元大統領アラン ガルシアが、左派の
大衆迎合的な対立候補オジャンタ ウマラより優勢に立っている。
3つの調査がガルシアが5.6%ないし10%引き離している、とテレヴ
ィ局は伝えた。これより前に投票所は閉められている。第1回の投
票では、地下資源とエネルギー部門の国有化を否定しない43歳の
ウマラが30%を越える票を集めたが、56歳のガルシアは24%の支
持であった。ガルシアが大統領を務めた1985年から90年にかけて
は、汚職と暴力が横行し、同国は倒産直前まで追いやられた。今回
の選挙の勝利者は、5年間の任期を7月に終える現職の大統領アレ
ハンドロ トレドの後継者となる。一方ボリヴィアでは、大統領エ
ヴォ モラレスの改革が注目を集めている。大土地所有者の代表と
の会談は失敗に終わったものの、24,800平方キロの国有地を貧し
いインディオに譲り渡し、今後5年であわせて2千万ヘクタールを
分配する計画である。

     国内ニュース

40年ぶりの寒さ

過去数日の寒さはこの40年間なかったほどのものである。そして
いくつかのオーストリアの都市では、1948年以来比較できる数字
がないほどの寒さである。寒波の来襲は各地で何度も起きたことが
あるとはいえ、1948年以降では全土でこれほど寒かったことはな
い。気象学および地球動体学中央研究所の情報によれば、1948年
の記録開始以降オーストリア全土で、今年ほど連続して寒い日が続
いたことはない。過去数日の最高気温の全国平均は15度である。
ただしウィーンとアイセンシュタットでは、1997年にも同じぐら
い寒かったことがあり、それぞれ16度と17度であった。




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