6月26日〜7月2日のオーストリアのニュース



6月26日(月)

     国外ニュース

武装パレスチナ人がさらなる誘拐をしたと発表

武装パレスチナ人組織が、占領されている西ヨルダンランドで、さ
らにイスラエル人を誘拐した、と主張している。「民族抵抗委員
会」は、昨日ユダヤ人入植者1人を自らの勢力下におさえた、と西
ヨルダンランドとガザで発表した。イスラエル軍広報はこれに関し
てテル アヴィヴで、誘拐事件に関する報道は調査されているが、
確認は取れていない、と発表した。イスラエル兵が武装パレスチナ
人に前日にガザ帯状地帯で誘拐されたことを受け、情勢は緊迫の度
を増している。地上部隊が攻勢をかける準備をするため、イスラエ
ル軍はガザ帯状地帯の周辺部に、部隊を進行させた。同時に身柄の
解放を求めた外交的努力を行なっている。イスラエル首相エフド 
オルメルトは、交戦の可能性を排除しなかった。

     国内ニュース

憲法裁判所は村落名標の撤去は違法であると叱責

ケルンテン州首相イエルク ハイダー(未来同盟)が提案した「村
落名標の撤去」は、違法である。昨日発表された判断の中で、憲法
裁判所はブライブルクとエーベルスドルフに対して、二カ国語によ
る村落名標を設置するように求めた。ハイダー自身はこれに関して
何も知らない、と主張しており、憲法裁判所の判断後に、これに関
る村落では間もなく村落名標自体が存在しなくなる、と述べた。




6月27日(火)

     国外ニュース

パレスチナ人はイスラエルを間接的に承認

対立するパレスチナ人組織ファタハとハマースは、昨日イスラエル
との紛争を、2つの国家を併存することで解決することに、原則的
に合意した。パレスチナ人拘留者が作ったこれに関する文書が、主
要組織によって受け入れられた、とガザのパレスチナ代表部が述べ
た。急進派組織である「イスラーム ジハード」だけが、これに賛
成していない、とも述べた。この「拘留者の合意」はイスラエルを
間接的に承認するものと見られている。ただし今までこれを拒否し
てきたハマースのうち、少なくとも国会議員サラフ エル バルダ
ヴィルはいまもなお拒否している。ファタハの代表イブラヒム ア
ブ ナジャは、パレスチナ大統領マハムード アッバスがこの文書
に署名しなければならない、と述べた。アッバスは7月26日に設定
されている国民投票は、交渉によってそれ以前に各会派が合意して
いれば、実施されない、と繰り返し述べていた。この提案には、パ
レスチナ国家建国計画と、イスラエルに対する攻撃中止が含まれて
いる。また国内問題ではハマースがPLOに加盟することになってい
る。この合意はアッバスを後押しするものと見られている。

     国内ニュース

ハイダーは村落名標の早期解決に期待

ケルンテン州首相イエルク ハイダー(未来同盟)は、村落名標問
題の解決が数日後、「おそらくは明日か、あさって」に得られる、
と期待している。テレヴィで放送された連邦緑の党の代表アレクサ
ンダー ファン デア ベレンとの対決の中でハイダーは、連立が
この問題で瓦解するのではないか、との問に答えて、自分には「州
内の社会的平和を守る義務」がある、と述べた。連邦首相ウォルフ
ガング シュッセル(国民党)が出した命令は、「真剣に聞くに値
する提案」であるが、自分としては全体的な解決が図られることに
期待している、と述べた。彼が提案した18の市町村では2カ国語に
よる村落名標をそもそも増設しないつもりなのかという質問に対し
ては、彼は何も答えなかった。




6月28日(水)

     国外ニュース

米国上級裁判所がグアンタナモ裁判の判決を言い渡す

米国の被拘禁者収容所グアンタナモにいるテロ容疑者に対し、軍事
特別裁判所が有罪判決を言い渡す計画をめぐる対立で、米国の最高
裁判所の原則となる判断が今日言い渡される予定である。裁判官
は、米国大統領ジョージ W. ブッシュが2001年9月11日のテロ攻
撃以降に招集した裁判が適法であるかどうか、判断を示すことにな
っている。この裁判はグアンタナモの拘留者である、テロの代表ウ
サマ ビン ラーディンの元お抱え運転手が起こしたものである。
彼の弁護士は、この裁判所は三権分立の原則に違反している、と主
張している。いわゆる軍事委員会は、国防省の完全な支配下にあ
り、国防に関しては制限された権利しか認めていない。

     国内ニュース

薬店およびたばこの最低価格に対するEUの裁判

オーストリアでは多くの規則が定められて、薬店を競争から保護し
ている。とりわけそのため、オーストリアでは1平方キロあたりの
この分野の売り上げが最大である。EU委員会はそのため、2カ月以
内に措置が取られなければ、オーストリアを相手取って、競争を阻
害しているとの訴訟を起こす方針である。EUが特に問題視してい
るのは、一つの会社が一つしか薬店を保有できない、という条項で
ある。既にEUは昨日、オーストリアに対したばこの最低価格をめ
ぐる裁判を起こした、とEU税制委員コヴァクスは述べた。




6月30日(金)

     国外ニュース

フィンランドはEU評議会の議長をオーストリアから引き継ぐ

フィンランドは土曜日にオーストリアからEU評議会議長を引き継
ぐ。EU拡大がフィンランドが議長を務める期間の最大の課題の一
つとなる見通しである。一方EU憲法をめぐる議論では、あまり進
展は期待できず、この問題ではすべてが次のドイツが議長を務める
2007年半ばまでに集中して行なわれる。フィンランド首相マッテ
ィ ヴァンハネンは、トルコとの加盟交渉を続行するが、これはお
そらく最も困難な課題になる、と評価した。この問題に関しては秋
に情勢調査が行なわれる予定である。ヴァンハネンはEUがトルコ
政府に向けて最近圧力を強めている、と述べた。一方議長を終えた
オーストリア政府は、業績を自画自賛しているが、野党は批判して
いる。諸外国での報道では、賞賛の声が上まわっている。

     国内ニュース

政府の妥協案で新たな村落名標は11だけに

国民党と未来同盟で成立した合意によれば、ケルンテン州では
2009年までに50の新たな村落名標を作ることになっている。ただ
し実際に問題になるはうち11箇所だけで、その他の39箇所は青い
縁どりのない小さな白い表示だけである。ケルンテン州首相の事務
所の情報によれば、村落名標を追加して設置するのではなく、フェ
ルラッハ市ではワイディッシュの村落表示だけ、シーフリング市で
はテヒェルスヴェークの村落表示だけが設置される。一方ドイツ語
とスロヴェニア語による村落名標が追加される3ヶ所は、ヴィラッ
ハラント郡のサンクト ヤーコプ イム ローセンタールと、ミュ
ールバッハ、マリア エーレントである。フェルカーマルクト郡で
は8つの名標、ブライブルク、エーベルスドルフ、ロイバッハ、バ
ート アイセンカペル、リュッカースドルフ、シッタースドルフ、
グラーベルスドルフ、ウンターナラッハが新設される。社会民主党
党首アルフレート グーセンバオアーは、この妥協案を受け入れる
用意がある、と示唆している。




7月1日(土)

     国外ニュース

メキシコでは大統領および国会議員選挙

メキシコ人は今日、次期大統領および国会議員を選挙する。再選が
認められていない現大統領ヴィセンテ フォックスの後継者は5人
の候補者の中から選ばれるが、当選の可能性があるのは3人だけで
ある。左派のアンドレス マヌエル ロペス オブラドル(民主革
命党)、フェリペ カルデロン(国民行動党)、ロベルト マドラ
ソ(制度化された革命党)がそれである。今回の選挙は特に緊迫感
をもって見守られているのは、ロペス オブラドルが初めて左派の
政治家として、同国の指導者となる可能性があるからである。ただ
し左派で元メキシコ・シティの市長を務め人気のあった彼は、少数
与党となる議会で政権を担当しなければならないためん、メキシコ
で地滑り的勝利をする可能性は低い。この選挙の最初の集計結果
は、明日午前中に発表される。多くの国外の監視人がこの選挙に合
わせて現地に到着しており、EUからは65人の専門家が参加してい
る。

     国内ニュース

グーセンバオアーは労働組合連合から労働大臣を出さないと警告

社会民主党党首グーセンバオアーと労働組合連合の間の対立は、さ
らに強まっている。社会民主党が政権に参加した場合には、社会福
祉大臣は今までとは異なり、オーストリア労働組合連合出身者では
なくなるかもしれない、とグーセンバオアーはラジオ番組で述べ
た。「永久小作権はない」と彼は述べた。ある立場でさまざまな影
響力が絡み合う時期はもう過ぎた、労働組合が圧力という形で選挙
戦に関与することはもうない、とグーセンバオアーは見ている。




7月2日(日)

     国外ニュース

ドイツ連立政権は健康保険改革について決定を下す

ドイツの健康保険改革に関する決定を下す連立与党の首脳会談は、
日曜日にベルリンで、緊迫感をもって見守られている。月曜午前中
までに最後まで問題になっていた改革の中心部分について疑問に、
回答が出揃うことになっている。首相アンゲラ メルケル(キリス
ト教民主同盟)は、健康保険の経費を支える財源として増税は行な
わない、としてきた。数時間にわたる話し合いの後、メルケル、キ
リスト教社会同盟党首エドムント シュトイバー、社会民主党党首
クルト ベックは交渉の成果について発表する方針である。

     国内ニュース

フィンツは連邦職員法案を提出

大蔵政務次官アルフレート フィンツ(国民党)は、今回の任期中
にも、新たな連邦職員法の法案を提出する、と「プレッセ」紙は報
じた。この法案は、裁判官および亡命評議会議員を除いて、すべて
の連邦の職員に、個人職員権を与える、つまり民営化の完全な終了
を行なうものである。連立与党は残りの2項目で合意が得られれ
ば、理論上は9月の国民評議会で決定し、2007年1月1日から発行
させることができるが、その際には職員労働組合の評価および話し
合いを行なわねばならない。




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