7月3日〜9日のオーストリアのニュース



7月3日(月)

     国外ニュース

オルメルトはガザでの軍事攻勢を続行するように命令

イスラエル首相エフド オルメルトは昨日、ガザ帯状地帯での軍事
攻勢を続行することを認めた。オルメルトと彼の政権の国防大臣ア
ミル ペレツは協議を行なってこれを決定した、とイスラエル軍放
送は報じた。同時に政府は、イスラエル兵ギルアッド シャリッド
を誘拐した犯人からの最終通告を却下した。パレスチナ側の情報に
よれば、夜の早い時間に、軍は攻撃を続けた。ガザ帯状地帯でのミ
サイル攻撃で、1人が死亡した。逮捕者の釈放についての交渉は行
なわれない、イスラエルは、パレスチナ自治当局あるいはハマース
政府による恐喝には関り合いを持たない、とイスラエルの声明の中
では述べられている。3つの急進派パレスチナ人組織は、イスラエ
ルに対して自らの要求を実行するまで24時間の最終期限を突きつ
け、パレスチナ人逮捕者を火曜日の5時(中部欧州時間)までの解
放するよう求めていた。これらの組織は1週間ほど前、イスラエル
兵を誘拐していた。

     国内ニュース

フィンツは公務員の民間並みへの改革への賛成の論調を弱める

政務次官フィンツは、公務員改革問題での自らの主張を弱めた。
「プレッセ」紙が報じたような法律案は存在せず、「専門家による
作業用の文書」があるだけだ、と述べた。これは民営化をほぼ全面
的に否定する内容を含んでいる。新たに雇用される公務員は、個人
事業者法の元に置かれることになる。フィンツはこれらすべては、
「交渉の対象である」と考えている。労働組合はこれに徹底抗戦の
かまえで、フィンツはこの問題の担当ですらない、と述べている。
連立相手の未来連合も、これに抵抗している。




7月4日(火)

     国外ニュース

北朝鮮は長距離ミサイルの試験を実施した模様

複数の報道によれば、北朝鮮は国際的な警告にもかかわらず、現地
時間の水曜朝に、長距離ミサイルの試験を行なった。ただしこの試
験は失敗に終わった、とロイター通信社に対して当局は述べてい
る。米国の放送局CNNによれば、これはテポドン2で、米国のアラ
スカまで到達する能力を持っていると考えられている。その他北朝
鮮は2発の小型ミサイルの試験も行なった。その内の1発は日本本土
から約6百キロの日本海に墜落した、と日本の放送局NHKは報じて
いる。数日前には米国大統領ジョージ W. ブッシュと日本首相小泉
純一郎は、長距離ミサイルの試験を行なわないように、緊急の警告
を行なったばかりであった。このミサイルに関連して、米国と北朝
鮮の緊張は高まっていた。北朝鮮は1998年に、事前の警告なしに
数段階にわたって切り離すテポドン1型の発射を行なって、震撼さ
せていた。このミサイルは太平洋に落ちる前に、日本の領土上を飛
んでいた。

     国内ニュース

二カ国語による村落名標は2012年にようやく設置か?

連邦政府の村落名標に関する提案が提出された。今まで公表されて
いなかったが、一部の村落名標の設置には長期的な期間が設定され
ているため、実際の設置は2012年間でかかる可能性がある。一方
社会民主党党首アルフレート グーセンバオアーは、ケルンテン州
の村落名標問題の憲法問題に同党が賛成することに関して、自信を
持っている。国民党が伝えてきた提案を法律の専門家が検討してい
るが、国会で社会民主党が一致して行動できると信じている、ただ
し7月11日の憲法委員会の場で最終的な決定が下される、とグーセ
ンバオアーは述べた。憲法の条文は水ももらさぬものでなければな
らない、と時間がかかっている理由を述べた。与党両党の合意は、
よい最初の一歩である、とも語った。




7月5日(水)

     国外ニュース

ブッシュ「北朝鮮は国際的にさらに孤立」

米国大統領ジョージ W. ブッシュの意見によれば、北朝鮮はミサイ
ル実験に失敗したが、さらに核兵器計画という課題にさらに邁進せ
ざるをえない。ブッシュは昨日ワシントンで、今回の実験で共産主
義体制はさらに孤立する、と述べた。また彼は、米国はこの紛争を
多国間交渉で解決するつもりである、とも述べた。米国外務大臣コ
ンドリーザ ライスは北朝鮮に対し、6カ国による交渉の席に戻る
ように訴え、北朝鮮は国際社会がこれに対する対応で合意しない方
に賭けるという読み違いをしている、と述べた。一方日本は国連安
保理に、北朝鮮にミサイル実験に対する決議案を提出した。北朝鮮
は国際的な警告にもかかわらず、長距離ミサイルのテポドン2を含
め、複数のミサイル実験を行なった。韓国、日本、米国はこの実験
をきわめて厳しく非難し、これは「挑発行為」である、と述べた。

     国内ニュース

初めての同性同士の結婚

憲法裁判所は内務省の性転換に関する命令を破棄した。その結果オ
ーストリアでは初めて2人の女性動詞が結婚した。このきっかけと
なったのは、既婚男性が出生登録簿の中で性転換後に女性として登
録されルことを求めたが、拒否された事件であった。憲法裁判所
は、性別の証明書は、既婚か未婚かによって支障を受けてはならな
い、と確定した。これにイオって、少なくとも一時的には、オース
トリアでは2人の女性の同性同士の結婚が存在していることにな
る。




7月6日(木)

     国外ニュース

ガザ帯状地帯への軍事侵攻で激しい戦闘

イスラエルが1週間ほど前にガザ帯状地帯へ軍事侵攻を始めてから
最も激しい戦闘が行なわれ、木曜日には少なくとも19人のパレス
チナ人と1人のイスラエル兵が死亡した。いるされう分は戦車と地
上部隊で、ガザ帯状地帯北部へも侵攻し、昨年撤退したイスラエル
人入植地まで迫った。先週水曜日に始まった「夏の雨」作戦で最も
多くの血が流れた日であった。急進派イスラームのハマースに属す
るパレスチナ内務大臣サイード シアムは、治安部隊を警戒態勢に
置いた。彼は治安部隊に対して、イスラエルの侵略を迎え撃つよう
に求めた。新たに作られた国連人権評議会はジュネーヴで、現地の
人権に関する状況を調査するため、代表団のパレスチナ人居住区へ
の派遣を決めた。同評議会が採択した決議の中で、イスラエルは人
権を侵害した、と非難されている。パレスチナ人政治家の拘留、官
庁への軍事行動、橋、給水、発電所の破壊が、その人権侵害の内容
である。木曜日にはイスラエルはさらにパレスチナ人政治家で国会
議長代理ハッサン クライシェフを拘留した。

     国内ニュース

労働組合は社民党に屈する

社会民主党労働組合は、社会民主党の要求に屈伏し、今後は国民評
議会には筆頭代表を送らない。これは木曜午後3時間にわたって開
かれた、社会民主労働組合会派の幹部会で、全会一致で決定され
た。同時に鉄道労働組合の会長ウィルヘルム ハーバーツェトル
を、同労組の会長に指名した。1月にハーバーツェトルが次回の連
邦会議でこの職に今後もとどまるかどうか、そして彼が国民評議会
議員に立候補するかどうかは同じく未定である。木曜日に採択され
た文書は、月曜日に社会民主党労働組合会派の議長団内部で、3票
の反対票があって、辞任に追い込まれた暫定会長ウィルヘルム ベ
ックのものとほとんど同じ内容である。修正されたのは若干の言い
回しに関するもので、言葉の選択の問題だ、とハーバーツェトルは
述べた。労働組合の幹部は立候補を断念するのではなく、国民評議
会議員を送り込まないということだ、と強調した。




7月7日(金)

     国外ニュース

ポーランド首相辞任

ポーランド首相カジミエシュ マルチンキエヴィチは金曜日、辞任
届を提出した。与党「権利と公正」はこれに関するポーランド国内
での報道を確認した。彼の後任には党首ヤロスラフ カチンスキが
就任する。カチンスキは右派保守派の同党首で、大統領レフ カチ
ンスキの双子の兄弟である。おそらくこの首相交代は、合意の上で
計画されたされたものではない。かなり長期間引き伸ばした後、党
は彼の辞任を確認した。すでにマルチンキエヴィチは、党内での話
し合いに参加するため、今日からのクロアチア訪問を中止してい
た。報道によれば、マルチンキエヴィチとヤロスラフ カチンスキ
の溝は深まっていた、との観測が流れていた。ポーランド政府は最
近ヨーロッパ内部で、ますます国民主義的な外交政策を強めている
として、焦燥感をあおっていた。「権利と公正」党の連立相手は、
発言と態度が憂慮すべきだとして批判した。

     国内ニュース

シュッセルはゲーラーを選挙後も政府内にとどめる方針

国民党党首で連邦首相ウォルフガング シュッセルは、国民評議会
選挙後に、大臣エリサベト ゲーラーを閣内に留めるつもりであ
る。ブレーゲンツ出身の彼女は、政府の鍵を握る人物で、彼女には
大いに感謝している、と述べた。一方秋に行なわれる選挙の期日を
めぐる難題の話し合いは、来週まで続くことになりそうである。国
民党は連邦同党幹部会に続いて、今日この問題に関して何の情報も
発表しなかった。事務長ラインホルト ロパトカは、選挙期日はも
っぱら国会の案件である、国民党にとってはどの期日でもよいが、
社会民主党、未来同盟、緑の党および連邦大統領ハインツ フィッ
シャーに関して、早い日程が望ましいと思っていることは誰もが知
っていることだ、と述べた。




7月8日(土)

     国外ニュース

国際原発機構主席査察官はイランの要請により解任されたか?

国際原発機構IAEAの総監督モハメド エル バラダイは、イラン
の強い圧力を受けて、イランの核計画を調査する主席査察官クリス
 シャリエの権限を奪った。「ヴェルト アム ゾンターク」紙が
最新号でこれを報じ、「4月から私はイランに行くことが認められ
ておらず、イランの核施設に近づいていない」とシャリエは同紙に
述べた。同機構の広報の1人は、イラン政府はこのベルギー人主席
査察官の解任を求めた、との新聞報道を確認した。数週間前からウ
ィーンでは、イランは査察官の仕事を大規模にじゃましている、と
の噂が流れていた。6月初めの報告書の中でエル バラダイは、イ
ラン政府の協力が不足している、と非難していた。同紙の報道によ
れば、イランが秘密の核計画を進めているとシャリエは考えてい
る、とのことである。

     国内ニュース

多数の人が社民党の危機管理を否定的に評価

労働と経済銀行とオーストリア労働組合連合の事件に関連して、社
会民主党の危機管理の態勢に、国民の中ではよい評価が与えられて
いない、と報道雑誌「プロフィル」の委託を受けた市場調査が発表
した。それによれば、質問を受けたうち57%が、社会民主党の現在
の危機管理を最低である、と評価している。社会民主党のこの問題
の対処がよかったとしているのは、わずか22%だけで、19%は評
価するつもりはない、あるいは何の意見もない、と答えた。




7月9日(日)

     国外ニュース

サッダーム裁判で弁護士の最終弁論が始まる

イラク元大統領サッダーム フセインの裁判は、最終曲面に入る。
月曜日にはバグダードで数週間に渡る中断を経て、弁護側の最終弁
論が始まる。6月19日の会議では検察側は、サッダーム フセイン
および彼とともに訴えられている2人に対して、シーア派の村ドゥ
ジャイルで住民148人を殺害した件で、死刑を求刑していた。判決
言い渡しの期日はまだ確定していない。ただしサッダームに対する
2件目の裁判、北イラクでのクルド人の民族殺戮の裁判は8月21日
に始まる。専門家によれば、1件目のドゥジャイル村裁判の判決
は、これより前に言い渡される可能性がある、とのことである。

     国内ニュース

国民党「ドイツ語の知識が不十分な子供のためのクラス」

国民党は、ドイツ語の知識が不十分な移民の子供に、1年間の独自
の外国人クラスを設置する方針である。「国籍に関らず、就学期間
中にあるいは義務教育期間中に国内にやってきた移民を中心とし
て、ドイツ語が十分できない人たち全てを市中に集める」と国民党
の科学分野の専門かゲルトルーデ ブリネクは「クリール」紙に述
べた。また彼女は、ドイツ語を母国語としない子供がたくさんいる
郡では、1クラスあたりの生徒数を現在の30人から15人に減らす
ようにする方針である。教員選択にあたっても文化的な背景を考慮
するように求めている。特にトルコ系の子供たちには、成果を上げ
るためは男女平等を指導しなければならないので、2あるいは3世
代上の男性が好ましい。また彼女は両親向けの学校も検討してい
る。




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