7月24日〜30日のオーストリアのニュース



7月24日(月)

     国外ニュース

5年ぶりのWTOの会議はさしあたり失敗

ほぼ5年ぶりに行なわれた粘り強い交渉の末、世界貿易に関する話
し合いはいったんは失敗に終わった。世界貿易機関WTO事務長パス
カル ラミーは月曜日にジュネーヴで、加盟各国に対して、真剣な
検討の時間を与えるために、話し合いの「中断」を勧告する、これ
が必要なことは全くはっきりしている、と述べた。また彼は、現在
は本格的な交渉を望む政治的な意向を持つ国はおそらくないだろ
う、とも述べた。いくつかの国はこの話し合いが失敗した原因は米
国にある、としている。これに先立ち同機構加盟の主要6カ国の間
では、意見の取りまとめが改めて試みられたが、失敗に終わってい
た。この6カ国は日曜日から、行き詰まっていた交渉からの出口を
探そうとしていた。米国政府は、今回の交渉失敗の責任は米国にあ
る、との非難を退けた。主として対立の原因になっているのは農業
補助金である。また専門家は、今後欧米で自国の経済を守る動きが
強まる可能性がある、と見ている。

     国内ニュース

ガオクは自由党を相手取った裁判で勝利

元自由党の政治家でナチの研究者ラインハルト ガオクは数年前か
ら自由党を相手とする法廷闘争を続けてきたが、これに勝利した。
第一審では党が彼に35万2千オイロを支払うようにとの判決が出て
いたが、この判決は確定していなかった。2002年には彼を党内に
とどめて置けなくった同党は、彼に辞任をうながすために、彼に毎
月1万オイロの年金を約束した、とガオクは述べていた。自由党は
その後この支払いを拒否したため、彼は裁判を起こした。判決は自
由党と未来同盟の新たな対立を引き起こす可能性がある。




7月25日(火)

     国外ニュース

マリキはブッシュを訪問 バグダードの米軍増強で合意

バグダードでの暴力が続いていることを受け、米国はさらに兵士を
派遣する、と米国大統領ジョージ W. ブッシュは火曜日にイラク首
相ヌリ エル マリキとのワシントンでの会談後に予告した。バグ
ダードの外での情勢は安定してきているので、兵士をその地域から
首都へ移すことは可能である、とブッシュは述べた。同市では毎日
約百人が襲撃やその他の暴力行為の犠牲者になっている。マリキと
駐イラク米軍最高司令官ジョージ ケイシーは、来週にバグダード
駐留の米軍とイラク軍を増強することで合意していた、とブッシュ
はエル マリキと共に出席した記者会見で述べた。マリキは、ブッ
シュとの会談を実り多く、広い範囲にわたるものである、と評し
た。両者はテロとの戦いに勝利することで、心を決めている。米国
は蜂起勢力との戦いで、イラクの側に立つ、とブッシュは約束し
た。マリキはブッシュおよび米国民の協力に感謝した。

     国内ニュース

未来同盟党首「法相がシュタイアーマルク同党の筆頭候補」

未来同盟党首ペーター ウェステンターラーは昨日のテレヴィ番組
で、法務大臣カーリン ガスティンガーが、シュタイアーマルク州
同党の筆頭候補である紹介した。世論調査によれば未来同盟は国会
に党員を送りこむことができるか、そして4%条項を越えることが
できるか心配しなければならない、という結果が出ているが、国民
評議会選挙のなりゆきに関してウェステンターラーはこの世論調査
を否定し、自分の目標は左派政権、彼は社会民主党と緑の党の連立
ないしは国民党と緑の党の連立のことを念頭においているのだが、
これを阻止することである、と述べた。外交政策に関して自由党の
元会派長を務めた彼は、数年後にはオーストリアにいる外国人は現
在よりも3割少なくすることを再び求めた。




7月26日(水)

     国外ニュース

CIA長官は問題の盗聴計画を擁護

CIA長官マイケル ハイデンは水曜午後米国上院で、問題となって
いる諜報機関NSAの盗聴計画を擁護した。許可を取らないで、アル
 カーイダの急進派と目される人物の盗聴を行なうことは正し
い、と上院の法務委員会で述べた。米大統領ジョージ W. ブッシュ
は、普通の状態であれば許可が必要な米国国民の国際電話を盗聴す
る許可をNSAに与えていた。政府を批判して、このような秘密のス
パイ行為は現行法に違反する、とする人たちもいる。

     国内ニュース

ゴルバッハは未来同盟から選挙にでない

副首相フーバート ゴルバッハ(未来同盟)は、今度の国民評議会
選挙では、未来同盟の候補名簿には記載されない、と連邦同党首ペ
ーター ウェステンターラーは昨日ウィーンのドロテーアガッセに
ある選挙新本部のお披露目の会で確認した。選挙戦の先頭に立つゲ
ルノート ルムポルト周辺の作戦本部は、その他の点では準備をう
まく行なっており、それ以外にも人事で意外なことがあると予告し
た。




7月27日(木)

     国外ニュース

ブッシュとブレアはレバノン紛争をめぐって協議

米大統領ジョージ W. ブッシュは金曜日、英国首相トニー ブレア
と共に、イスラエルとレバノンの間の紛争について協議を行なう。
ブッシュ同様ブレアも、即時停戦要求を拒否している。両同盟国は
シーア派のヒズブッラー民兵が、2人のイスラエル兵を誘拐して、
イスラエルを挑発している、と非難した。二人はイスラエルの攻勢
を取りやめるためには、人質の解放とイスラエルに対するミサイル
攻撃を終了させなければならない、と強調している。ブレアの米大
統領府訪問はこの2ヶ月で2度目である。ワシントン訪問後、彼は
西海岸へ移動し、そこでは英国の企業をいくつか訪問する意向であ
る。

     国内ニュース

グラサーは休暇を中断し連邦議会に出席

大蔵大臣カール・ハインツ グラサーは、急遽サルディニア島での
休暇を中断し、昨日ウィーンの連邦議会に3時間登場した。社会民
主党と緑の党は会議前に、グラサーの代理を政務次官アルフレート
 フィンツ(国民党)が務めるのであれば、すべての財政に関する
議案をの審議を延期すると威嚇していた。会議の冒頭では質問が行
なわれ、グラサーに対して銀行家ユリウス マインルとヨットで旅
行したことに関する批判と、労働と経済銀行疑惑に関与している投
資銀行家ウォルフガング フレットル2世に2005年8月にであって
いた件についての批判が突きつけられた。グラサーは議会では「私
の私的な生活は私のものであり、それを変えてはならない」と弁護
した。また彼は、友人といつどこで何回会うかについては、誰の指
図も受けない、とも述べた。




7月28日(金)

     国外ニュース

イラン決議が国連安保理に持ち込まれる

国連安全保障理事会の五大国は、イラン決議案に合意した。この決
議案は昨日夜、安保理に提出された。それによればイラン政府は8
月末までの期限内に、ウラン濃縮を注視しなければならない。これ
が守られない場合には経済的および外交的制裁が課される。おそら
く来週、国連安保理はこの決議の投票を行なう。今回の決議案は、
もともと英、仏、独が米国の支持を受けて提出した案よりも緩やか
な物となっている。イランが安保理の要請に従わない場合、予定さ
れている決議によれば、即時に制裁が課されることはない。専門家
は、これは厳しい処罰で脅すことに反対していたロシアと中国にと
って成果である、と評価している。米国の国連大使ジョン ボルト
ンは、イランがこの決議の評価を誤るなら、その責任を引き受けな
ければならないと指摘し、「次の段階では国連安保理は制裁を検討
する」と述べた。

     国内ニュース

ライトルはグーセンバオアーに副首相の役割を期待

国民党経済連合会長クリストフ ライトルは、「国民新聞」のイン
タヴューで、連立問題に関する自分の立場をはっきりさせていな
い。彼は国民党と社会民主党の協力を擁護する立場の人物である、
と一般には目されている。ライトルは自分にとって極めて重要なの
は、連邦国家、健康保険制度、教育のそれぞれの改革を前に進める
意志があり、またそれを行なえる状態にあるのは誰であるかだ、と
述べた。それが社会民主党であるかどうかはこの後、はっきりする
だろう、と述べた。彼にとって国民党党首ウォルフガング シュッ
セルが首相の第一候補であり、社会民主党党首アルフレート グー
センバオアーは副首相の役割を果たしてくれると期待している、と
も語った。




7月29日〜30日

お休みです




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