8月7日〜13日のオーストリアのニュース



8月7日(月)

     国外ニュース

イスラエルのベイルート空爆で少なくとも20人が死亡

イスラエルは月曜夜に、レバノンの首都ベイルートのシーア派が
住む郊外地域を空爆し、少なくとも20人が死亡した、とレバノ
ンの国営通信社ANIは報じた。レバノン赤十字は、死者は8人で
ある、と発表した。レバノン警察の発表によれば、ベイルートの
南の郊外ジジャーは、今まで攻撃を受けておらず、住民は完全な
準備ができていなかった。報道によれば、数件の建物が炎上し
た、とのことである。一方レバノンの国連部隊の広報によれば、
イスラエルのフラ村空爆による犠牲者の数は5人、負傷者20人
で、同部隊の兵士は午後にフラ入りし、犠牲者の救出に協力し
た。レバノン首相ファード セニオラは当初死者は40人と述べ
ていたが、下方修正し、1人が死亡した、と述べた。

     国内ニュース

相続税をめぐり選挙戦で議論

選挙戦の争点は増えてきている。ある相続人が憲法裁判所に、お
金と物の相続で、税制面での不公平な取り扱いがあるとして、土
地や住居の相続を優遇するいわゆる「等価」の廃止を求めて訴訟
を起こして以来、政界はこの問題に対処する必要があると見てい
る。大蔵大臣は、相続税の廃止に賛成している。野党はその背景
には金持ちの優遇がある、と見ている。社会民主党と緑の党は、
「小さな」遺産の負担軽減を求めているが、寄付金や「大きな」
遺産を除外することは求めていない。これらの要求を行なってい
るのは未来同盟と自由党である。




8月8日(火)

     国外ニュース

コソヴォのセルビア人は少数派民族の会談に出席せず

セルビア人とコソヴォのアルバニア人が、コソヴォの将来に対して
さまざまな見解を持っているため、火曜日には国連の意向を打診す
る話し合いがウィーンで行なわれたが、お互いに全くの衝突状態で
あった。コソヴォのセルビア人の代表は、国連が仲介して行なうセ
ルビア人少数は保護に関する話し合いを欠席した。それ以外のセル
ビアの代表は、少数派民族の問題をアルバニア人と議論することを
拒否した。「この問題に関する両者の立場の違いは、極端に大き
い」と国連の仲介役は数時間に渡った会議後の記者会見で認めた。
セルビア人の代表は、「一つの国民が国内に少数派を持つことはあ
り得ない」という立場である。コソヴォのアルバニア人の代表は、
少数は保護のための提案を含む50頁の文書を提出した。今後この
会議がどのようになるかははっきりしていない。

     国内ニュース

WEGA職員に対する非難が再び

21歳のナイジェリア人はフランクフルトで国外退去をさせられた
際に、ナイジェリアに行きの接続便経の乗り換えを拒否した。その
際WEGAの職員3人が、国内捜査局BIAが呼ぶところの「使用可能
な身体的な力を行使」して、飛行機に乗せようとした。在留資格の
ないこのナイジェリア人は人差し指に裂傷を負った、との同局は発
表した。国外退去は中止となり、ドイツ警察の車でオーストリアに
送り返された。この騒ぎではドイツ人警官もケガを負った。このナ
イジェリア人は不法入国者の収容施設でも、虐待を受けたと述べて
いる。弁護士は、事件が解明されるまでは、彼の国外追放を行なわ
ないように要請した。




8月9日(水)

     国外ニュース

アフガニスタンで交戦 蜂起勢力19人が死亡

アフガニスタン東部では米軍が蜂起勢力の基地に対して攻撃を行な
い、19人を殺害した、との情報がある。この部隊は水曜夜に攻撃
を行なった。ヌリスタン州ののカムデシュで1時間の銃撃戦を行な
い、その間に米軍機は爆弾も投下した。一方ヘルマンド市では、
NATOの保護部隊の英兵が誤って、私服のアフガニスタン人警官を
射殺した。ロンドンの国防省は、この兵士は蜂起勢力の拠点の前で
死亡した、と発表した。また北西部では、対立する勢力の民兵4百
人が戦闘を行ない、4人が死亡した。この地域に住んでいた数百人
は、難民となった、とアフガニスタン軍当局は発表した。

     国内ニュース

西高速道路での最高速度100キロ制限をめぐって激しい議論

オーバーエスターライヒ州の西高速道路の3車線の区間での最高速
度を百キロに制限する案は、国内政治上の激しいやりとりが行なわ
れる懸念がある。オーバーエスターライヒ州の国民党と緑の党は、
これは「必要な措置」であると述べたのに対し、交通大臣フーバー
ト ゴルバッハ(未来同盟)はこのような命令は馬鹿げた思いつき
であり、これを停止する方針を示した。議論はまだ終わりそうにな
い。というのもニーダーエスターライヒ州でも既にA1高速道路で
の百キロ制限が検討されているからである。




8月10日(木)

     国外ニュース

ソラナはレバノンとイスラエルを訪問

EU外務委員ハヴィエル ソラナは金曜日から、レバノンおよびイ
スラエル政府との会談を行ない、現在の危機的状況をときほぐす可
能性を探る方針である。最初に訪れたベイルートでソラナはレバノ
ン政界の要人と情勢について協議する予定である。日曜日にはさら
にイスラエルおよびパレスチナ人居住地域に入り、さらに会談を行
なう。EUの情報によれば、彼は持続的な解決にむけた政治的な枠
組みを作りだすための過程を、前に進めるつもりである、とのこと
である。ジュネーヴでは金曜日に国連の人権評議会が開かれ、情勢
について協議を行なう。この会議はイスラーム諸国が、イスラエル
非難を期待して提案したものであった。

     国内ニュース

グラサーはすべての企業に一律の新型経営税KoeStを創設する方針

大蔵大臣カール・ハインツ グラサーは、個人経営の会社を含め、
すべての企業に対し一律の新型KoeStを作る方針である。彼は「経
済新聞」紙のインタヴューで、これは経済の基準として経営税を作
る明確な声明である、と述べた。今後は各企業が税率25%の新型
KoeStという名前の税金を払うことになる。特に現在は25%以下の
税率である中小企業にも、これを適用することとなり、極めて小さ
な企業に対しても企業税の課税で負担軽減になる、とグラサーは述
べた。




8月11日(金)

     国外ニュース

国連はレバノン決議に関する投票を行なうと予告

国連安全保障理事会は土曜夜にも、フランスと米国が提案したレバ
ノン決議に投票を行なう。これは国連安全保障理事会議長ネーナ 
エファ・アペンテングが金曜日にニュー ヨークで発表した。米国
の国連大使ジョン ボルトンは、この決議が全会一致で承認される
よう期待している、と述べた。これより前にカタール外相シャイク
 ハマド ビン ヤシム ビン ジャベル アル タニは、アラブ
連盟を代表して楽観的に「我々は合意と極めて近いところにいる」
と述べた。

     国内ニュース

バルテンシュタインは違法介護に対し「警告だけにとどめる」

経済大臣マルティン バルテンシュタイン(国民党)は金曜日各州
に向けて、違法介護に関する刑罰は当面課さないように求めた。彼
の考えでは、ボヘミア人の介護士は実際には労働市場に対して、悪
影響を与えてはいないので、この提案は法律的な裏づけもある。バ
ルテンシュタインの要請に反して、外国人の介護士の違法労働に関
して、すでに刑罰が科されている。ニーダーエスターライヒ州の住
人は、数週間前恒例の良心の介護を外国人2人に任せた件で2千2百
オイロの罰金を支払わなければならなかった。ウィーンのノイシュ
タットの地区の首長がこの事例を確認している。この事例では外国
人雇用法に従って、最低の罰金違法労働者1人あたり1千オイロが
課された。




8月12日(土)

     最新ニュース

アナンは停戦を月曜日朝に約束

国連事務総長コフィ アナンは、イスラエルとレバノンとのレバノ
ン戦争での休戦の時期で合意した。アナンは土曜日夜遅く、この戦
闘は中央ヨーロッパ時間の月曜朝7時に終了する、と発表した。両
国の首相がそれに合意した、と発表して幸いだ、と彼は述べた。ア
ナンは、戦争を即時中止するようにと敵対する両者に迫った。「望
ましいのは戦闘を今止め、国連決議の目標を尊重すること」であ
り、一般市民の生命を守り、両者の一般市民が堪え忍んでいる苦痛
をなくすことである、と述べた。国連軍は、決議が履行されている
かどうかを監視するために、両国と協力することになる、とも語っ
た。

     国外ニュース

ドイツでは45年前の8月13日の壁建設の記念式

日曜日にはドイツでは、礼拝を行ない、花輪を供えて、ベルリンの
壁建設45周年を記念する。首都ベルリンではドイツ内務大臣ヴォ
ルフガング ショイブレ(キリスト教民主同盟)とベルリン市長ク
ラオス ヴォーヴェライト(社会民主党)が、ベルナウアー通りの
壁の記念施設で、ドイツ分割の犠牲者に花輪を供える。これより
前、以前死を生んだ壁にある和解礼拝堂で礼拝を行ない、人間の苦
難と抵抗を思い起こす。旧東ドイツが1961年8月13日にベルリン
の西側との境界を遮断して始まったドイツの分割は、28年以上経
った1989年の11月9日に壁が崩壊して終了するまで続いた。

     国内ニュース

州議会選挙未来同盟は「自由主義」の名称を使う

未来同盟は連邦議会選挙を担当する官庁にある自由党の事務所を自
分たちで使うことを求めて、自由党と対立しているが、自由党の国
会の会派長ヘルバート シャイプナー(未来同盟)は、得票の第3
位の座と「自由主義」の表現を未来同盟が使うことに関して弁護の
発言を行なった。テレヴィ番組に招かれた彼は、今日具体的な決定
を下すように要請した。




8月13日(日)

     国外ニュース

バグダードで連続攻撃 死者47人以上

イラクの首都バグダードでは流血の連続攻撃が発生し、昨日夜少な
くとも47人が死亡、148人が負傷した。国防相の情報によれば、
同市の南東の一画に対する攻撃は、カチューシャ・ミサイルが命中
して始まった。数分後には近くで自動車爆弾が破裂した。5階建の
建物が倒壊した。数時間後もう一発の爆弾が破裂し、2つめの建物
が倒壊した、との情報もある。その直後、自殺攻撃犯が急いで移動
していた住民のまん中で、爆薬に点火した。官庁の情報によれば、
バグダードでは毎日50人ほどが死亡している。先週初めには、バ
グダードの治安計画は2番目の段階になっていたが、これは毎日の
暴力を食い止めるためのものである。

     国内ニュース

一部分を告白か ホルンガーハーの休職処分は続く

「クローネ新聞」によれば、警察の責任者ローラント ホルンガー
ハーは、尋問で「部分的な告白」を行なった。彼は最近、内務省内
部の容疑者を追求したり汚職職員の問題を明らかにする内部案件事
務所BIAおよび労働と経済銀行事件の検察から事情聴取を受けた。
彼には、職権乱用および禁止されている贈り物の受けとりの容疑が
かけられている。




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