８月２１日〜２７日のオーストリアのニュース
８月２１日（月）
国外ニュース
イタリアにはレバノン国連部隊の指揮をとる用意がある
イタリアは、南レバノンに派遣が計画されている国連平和部隊の指
揮をとる用意がある、と首相ロマーノ プローディは述べた。この
ことは国連事務総長コフィ アナンに既に伝えた、週末にはこれに
関する決定を下す、と述べた。この部隊はレバノン戦争後の不安定
な停戦を監視するためのものである。米大統領ジョージ W. ブッシ
ュはこれより前に、国連和平部隊を南レバノンに早期に駐留させる
よう促した。国連軍の駐留は緊急に必要で、部隊の指揮権に関する
決定も早くに行なわなければならない、とワシントンでの記者会見
でブッシュは述べた。同時に彼は、米国が支援を行なうと提案し、
緊急支援に2億3千万ドルと小麦2万5千トンを調達する、と述べ
た。
国内ニュース
クラスニクはシュッセルに関連する介護の事例を擁護
「老人の世話と介護」を主要な問題として取り扱う国民党の労働問
題の専門家集団の議長で、シュタイアーマルク州元首相ワルトラウ
ト クラスニクは、連邦首相ウォルフガング シュッセル（国民
党）の周辺の介護の事例が問題となっていることに関連して、この
事例を擁護した。4万人と見積もられる外国人が違法にオーストリ
ア国内で介護の仕事をしているが、これを早急に合法化する必要す
るため、法律の改正を数ヶ月以内に行なう、と予告した。シュッセ
ルは、「シュタンダルト」紙への投稿で、妻の母親が違法労働のス
ロヴァキア人の介護士にわずかな額を支払って介護を受けている、
と批難されていた。
８月２２日（火）
国外ニュース
コンゴでは停戦に合意
コンゴの首都キンシャサでは昨日午後、対立する両派の停戦合意が
発効した。コンゴのEU部隊の広報で陸軍中佐ペーター フース
は、日曜日夜から銃撃戦がずっと行なわれてきたキンシャサで、戦
闘が行なわれていることを示すものはない、ドイツ国防軍の落下傘
部隊130人がガボンから到着したことで部隊が増強されたのが、強
い兆しとなっていた、とドイツ通信に述べた。大統領ジョゼフ カ
ビラと、大統領代理で政敵のジャン・ピエール ベムバの間で成立
した停戦協定は、いかなる敵対行為もとらないことを含んでいる。
両者は歴史的な出来事と評価された四十数年ぶりの自由選挙で、筆
頭候補として得票を伸ばし、10月末の決選投票で対決する。選挙
結果発表の直前には、両者の武装した治安勢力が戦闘を行ない、一
部は重火器を持ち出した。
国内ニュース
未来同盟が連邦選挙局入り 政治学者から厳しい批判
連邦政府は、自由党ではなく未来同盟に連邦選挙局の席と票を与え
る決定を下した。インスブルック大学の政治学者がこれに対して厳
しい批判を行なった。政治学者フリッツ プラサーは「ティロール
日刊新聞」の中で、これは「軽はずみな決定である」と述べた。イ
ンスブルック大学の同僚で国民党の元会派長ハインリヒ ナイサー
は、月曜日の閣議でのこの決定は、オーストリアの「法治主義がだ
めに」なり、「オーストリアの民主主義にとって恥であり、破滅で
ある」と述べた。政治学者アントン ペリンカも驚いており、これ
ほどの暴力的なやり方で、政治的な利益が追求されるのは、オース
トリアにとって過去のことであったはずだ、と述べた。一方10月
1日の国民評議会選挙をにらんだ世論調査によれば、2百万人がまだ
投票する政党を決めていない、ただしこれには選挙権を持たない人
も含んでいるが、この人たちが二番目に大きな勢力となっている。
８月２３日（水）
国外ニュース
米国「イランの回答は国連の条件を満たしていない」
米国外務省は、核をめぐる対立で諸外国からの提案に対するイラン
の回答は不十分である、と見なしている。この回答は、制裁回避の
ために国連が課した条件を満たしていない、と同省は昨日発表し
た。同省広報は、米国政府は国連安保理の国々と、イラン政府への
回答について、そして今後取る措置について協議する、と述べた。
イランの主席交渉人アリ ラリジャニは、「真剣な交渉」を行なう
用意があると表明したが、ウラン濃縮問題については何も述べなか
った。国連安保理で拒否権を持つ5ヶ国とドイツは、イラン政府に
対し6月に提案を行なっていた。この提案には、ウラン濃縮を中止
する見返りとして、原発建設支援や今まで科されていた貿易上の制
約の撤廃などの経済振興策が含まれている。6ヶ国はイランに対し
て8月31日までの回答期限を設定していた。
国内ニュース
マルティンは原則的に連立参加の方針
ハンス・ペーター マルティンは、国民評議会選挙後に彼の党「民
主主義、管理、公正を目指す候補者名簿」と共に連立政府入りする
可能性を否定しなかった。EU議会議員である彼は昨夜のテレヴィ番
組に出演し、ただしそのためには、重要な分野すべてで「完全に情
報を公開する」ように求めた。また自分にとって重要なのは、オー
ストリアを「荒廃から救う」ことである、とも述べた。連立相手に
関しては、「不愉快な人間嫌い」をまきちらせる政党を除外した。
彼の見方では未来同盟と自由党のことである。
８月２４日（木）
国外ニュース
イスラエルはガザ帯状地帯北部を空爆
イスラエル軍は、ガザ帯状地帯北部の難民収容所に対して、空から
の攻撃を行なった。空軍は難民収容所ジャバリヤにある建物に対し
て、木曜夜にミサイル2発を発射した、とパレスチナ安保筋は発表
した。この4階建の建物は、急進派のアル・アクサ旅団の支持者の
所有物で、これが倒壊したが、負傷者が出たかどうかは当初は不明
であった。軍は攻撃の数分前に、住民に警告を行なっていた、との
情報がある。軍広報は、この建物の中には武器がたくわえられてい
た、と発表した。誘拐されたイスラエル兵士ギラド シャリットを
解放し、パレスチナからのイスラエル南部に対するミサイル攻撃を
阻止死するために、軍は6月末にガザ帯状地帯への攻撃を開始して
いた。
国内ニュース
ハイダーは「幼稚な選挙戦」を懸念
ケルンテン州首相イエルク ハイダーは木曜午後、同州未来同盟の
幹部に、集中的な選挙戦を行なうように命じた。彼は10月1日の投
票で成果を収めることには「重大な意義がある」と強調した。彼は
特に「幼稚な選挙戦」を懸念し、他の政党が「共同井戸の選挙戦」
を行なっている、と述べた。他の政党はみな協力して、反未来同盟
の活動を行なっており、ケルンテン州では「基本となる1ないし2
議席」を獲得しなければならない、とハイダーはサンクト ファイ
ト・グランでの非公式な選挙戦の出陣式で述べた。
８月２５日（金）
国外ニュース
米国で飛行機の乗客が爆薬の痕跡があったため逮捕
当局の発表によれば、昨日米国のテキサス州のヒューストン空港
で、旅客1人が衣服に「爆薬の残りかす」が付着していたため逮捕
された。この男は、ブエノス アイレス発のコンティネンタル航空
機でヒューストンにやってきた。同機はこの乗客とその荷物を下ろ
して、安全監視管理官が徹底的な検査を行なった後、さらにニュー
ジャージー州のニューアークまで飛行を続けた。逮捕された男は
現在連邦警察FBIに拘留されている、とのことである。彼はCNN
に、自分は鉱山会社で働き、毎日爆薬を使って仕事をしている、と
述べた。一方米国の定期便が安全上の理由から、マンチェスターか
らシカゴへ向かう途中、マイアミに着陸し、機体の捜査と乗客の事
情聴取が行なわれた。
国内ニュース
国会選挙でグーセンバオアーはシュッセルと決着をつける
社会民主党党首アルフレート グーセンバオアーは金曜午後、同党
がウィーンで開いた選挙戦の出陣式で演説を行ない、国民党および
連邦首相ウオルフガング シュッセルと、決着をつけると述べた。
社会民主党の筆頭候補である彼は、シュッセルには「内容の濃い約
束」を守る気はさらさらない、彼が実際に行なったのは「友人たち
を好意的に見る」ことだけであった、と述べた。その根拠としてグ
ーセンバオアーは、さらなる公正を実現するために方針転換するべ
き時がきている、ということを挙げた。「シュッセルとその閣僚は
あまりに傲慢で、それを認めることができず、あまりに遊離してい
るので人の話に耳を傾けることができず、あまりに冷酷なので、普
通の人間なら持つ懸念に頭を悩ませることはない」と述べた。
８月２６日（土）
国外ニュース
レバノン和平軍は具体的な形をとりつつある
EU加盟各国の外務大臣がレバノンの国連軍に参加する決定を下し
たため、和平軍は具体的な形をとりつつある。火曜日にもイタリア
は兵士の第一陣をレバノンに派遣する方針で、最大で3千人を派遣
することを検討している。フランス兵も20日以内に現地いるする
ことになっている。「シュピーゲル」誌の情報では、ドイツ政府に
は、1千2百人以上を参加させ、フリゲート艦と高速艇を投入して
レバノンの沿岸を監視する用意がある、とのことである。国連事務
総長コフィ アナンは明日にもレバノンに出発し、駐留に関して詳
細をはっきりさせる。レバノンは、最大7千人の兵士を派遣すると
のEUの決定を、「重要な一歩」である、と高く評価した。
国内ニュース
アルプバッハ公開会議で政治会談が開始
日曜午前中にティロール州で今年のアルプバッハ公開会議の政治会
談が始まる。これは、「確実性と安全性を求めて」という統一議題
の元で行なわれる。この会議の議長エアハルト ブーセク、EU外
務委員ベニータ フェレーロ・ワルトナー、ブルガリアのヨーロッ
パ大臣メグレナ クネワが開会をとりおこなう。専門家と政治家が
水曜日までに、「政治の神学研究」、国際的な市民の軍協力、エネ
ルギーと法律の安定について議論を行なう。
８月２７日（日）
国外ニュース
イスタンブルで爆弾攻撃 負傷者6人
クルド人急進派によるものとみられる爆弾攻撃が昨日イスタンブー
ルで発生し、6人が負傷した。爆発物がバグシラー区にある知事の
事務所の近くで破裂した、とトルコ警察は発表した。負傷者の1人
は重傷である。クルド人急進派は過去に何度も、イスタンブルで爆
弾による攻撃を行なってきた。トルコ南部でのクルド人の自治を求
める分離派は、1984年以来戦闘を続け、3万7千人以上が犠牲とな
っている。
国内ニュース
オーストリア労働組合連合は年金の大規模な削減を検討
労働と経済銀行BAWAG事件によって、オーストリア労働組合連合
は資金面での不安が出てきたため、同連合の従業員にとって大きな
影響が出る可能性が出てきた。日刊紙「クリール」は、労働組合の
内部文書を引用し、同連合の職員は将来受け取る企業年金の最大7
割を失う可能性がある、と報じた。同連合財政責任者クレメンス
シュナイダーは、これの文書の存在を確認したものの、これは「最
悪の場合の話であって、労働と経済銀行の売却がずっと先になる場
合に議論されるものである」と述べた。この文書の中では同連合職
員の今後の企業年金に関するもので、法定年金には関係がない。