9月18日〜24日のオーストリアのニュース



9月18日(月)

     国外ニュース

イラク北部で自殺攻撃 21人が死亡

イラクでは昨日自殺攻撃が行なわれ、21人が死亡、一般市民17人
が負傷した。警察の情報によれば、犯人がイラク北部のとしテル 
アファルの市場で身体に巻き付けた爆弾に点火した。近所では多く
の人々が列を作ってガスボンベを買おうとしていた。西イラクの都
市ラマディでは、軍に入隊を希望している人たちの列の中で爆弾攻
撃が行なわれた。通信社エル アラビヤの報道によれば、この事件
では13人が死亡した。

     国内ニュース

選挙戦 訴えはますますがらがら声になるが内容は乏しい

今までの選挙よりも声を張り上げていはいるが、その割に内容が多
いわけではない。専門家が現在行なわれている選挙戦に対して発行
した鑑定書は、否定的な内容のものである。事実に関する問題を棚
上げにして、政治的な「いさかい」ばかりが行なわれている、特に
労働と経済銀行問題が、政治的な対立に、暗い影を投げかけてい
る、というのが主な意見である。この問題に関しては週末にもまた
はげしいやりとりが行なわれた。社会民主党は、国民党が「ほこり
をまきちらす選挙戦」を行なっていると改めて述べたのに対し、国
民党は社会民主党は「焼夷弾を巻きちらす選挙戦」を行なってい
る、と反撃した。




9月19日(火)

     国外ニュース

日本の与党は小泉の後継者を選ぶ

日本の与党は水曜日、新党首を選ぶ。調査によれば、官房長官安倍
晋三が、首相の後継者で従って次期首相として確実視されている。
国会は次期首相を来週に決定することになっている。自由民主党が
過半数を持っているため、同党の党首が事実上そのまま首相につく
のが伝統となっている。安倍は小泉純一郎の後継者となり、この2
つの職を5年間務める。木曜日に52歳になる安倍は、第二次世界大
戦後生まれの初めての日本の首相である。保守的な政治家である彼
は、日本が独自の外交方針を持つことに賛成した。彼は日米関係を
変革し、韓国および中国との関係を改善するつもりである。安倍は
来月にも中国を訪問し、大統領胡錦濤と会談する見通しである。

     国内ニュース

ファン デア ベレンとシュトラーヒェがテレヴィ対決

緑の党の連邦代表アレクサンダー ファン デア ベレンと自由党
党首ハインツ・クリスティアン シュトラーヒェが、8回目のテレ
ヴィ対決に登場したが、予想通り実質的な問題に関して共通点を産
み出すには至らなかった。国民評議会選挙で第三番目の勢力の座を
めぐって戦っている両者の中で、最も大局的なのは外国人政策であ
る。この議論では部分的には激しい応酬となり、「放火犯」や「憎
しみを宣伝している」といった発言がでた。




9月20日(水)

     国外ニュース

核をめぐる対立でイランへの期限を延長する見通し

外交官筋の情報によれば、イランのとの核をめぐる対立で、6カ国
側は交渉による解決に向け、10月上旬までの時間的猶予を与える
方針である。ニュー ヨークで行なわれた会合で、国連で拒否権を
持つ5ヶ国とドイツは、イラン政府にウラン濃縮を停止する新たな
期限を設定することで合意した、と欧州側の外交官がニュー ヨー
クで述べた。それによれば、EU外交委員ハヴィエル ソラナとイ
ランの主席交渉役アリ ラリジャニは10月の第1週までに、新たな
交渉のための時間的猶予を持つことになっている。米国政府代表に
よれば、同国外務大臣コンドリーザ ライスは、ただちにイランに
制裁を迫っていた米国政府の態度とは一線を画していた。ライス
は、ソラナとラリジャニに圧力をかけ、新たな交渉を可能にするこ
とに賛成していた、とのことである。イラン政府は8月末に設定さ
れたウラン濃縮中止の最終通告を無視した。米国はその後厳しい制
裁を課すようにとの要求を強めていた。

     国内ニュース

国会議員選挙戦 緑の党と未来同盟は激しい対決

水曜夜に緑の党の党首アレクサンダー ファン デア ベレンと未
来同盟党首ペーター ウェステンターラーは、それぞれ国民評議会
選挙前、最後のテレヴィ対決を行ない、激しく対立し、最後には敵
意をあらわにした。1時間の議論の中で、どの論点でも意見が一致
することはなかった。特に激しいやりとりがあったのは、外国人政
策と麻薬の取り扱いであった。ファン デア ベレンは、未来同盟
は30万人をオーストリアから追放するという「追放計画」を持って
いるが、これはつむじ曲がりで受け入れられない、と非難した。一
方ウェステンターラーは、自分が強硬な姿勢をとっているのは、ウ
ィーンでは既にいくつかの地区で、子供たちが遊び場に入れるよう
に見張りを雇わなければならない事態になっているためである、と
述べた。




9月21日(木)

     国外ニュース

パキスタン「米国は9.11後に攻撃を行なうと威嚇している」

米国は2001年9月11日の攻撃後、パキスタンを爆撃すると威嚇し
た、と同国大統領ペルヴェズ ムシャラフは述べた。昨日公表され
た米国のテレヴィ局CBSのインタヴューの中でムシャラフは、米国
は、アフガニスタンにいる急進派イスラーム教徒のタリバーンとの
反テロの戦いに、パキスタンが参加するように求め、もしこれを受
け入れない場合には、パキスタンは爆撃を受け「石器時代に送り返
される」ことになると言われていたことを、と明らかにした。この
威嚇は米副外相リチャード アーミテイジが、秘密情報部部長に言
われたことだ、とムシャラフは述べた。ムシャラフは国家の利益の
ために、この威嚇に応じた、とも付け加えた。彼は「テロとの戦
争」と米国が呼ぶものの中で、もっとも密接な同盟国の1つである
と目されている。

     国内ニュース

「自動車を使わない日」は気候保護を訴える

オーストリアの市町村279では金曜日、7回目となる「自動車を使
わない日」が実施される。9月16日から22日までの「ヨーロッパ
移動週間」の一環として、今回は「気候保護」を標語に掲げて行な
われる。多くの催しが、自動車以外で環境に優しい交通機関に注意
を集めようと、この日オーストリア全土で行なわれることになって
いる。「自動車を使わない日」の先頭に立つのは、ニーダーエスタ
ーライヒ州で、74の市町村が参加する。昨年とは違って今年はウ
ィーン市も参加する。フォアアルルベルク州とニーダーエスターラ
イヒ州は、自転車利用活動を行ない、ティロール州では「一人では
なくみんなで車を使おう」との標語を掲げて、公共交通の利用を訴
えている。シュタイアーマルク州とケルンテン州では、「境界を越
えた気候保護活動」が行なわれ、スロヴェニアの各都市に向け2日
間の旅行を行なう。




9月22日(金)

     国外ニュース

米国官庁はノートパソコン千百台を情報ごと紛失

米国商務省から過去5年間で、1千1百台以上のノートパソコンが盗
まれ、あるいは行方がわからなくなっている。行方がわからなくな
ったコンピューターの4台に1台は、個人情報を含んでいるが、今
のところ悪用された事例は報告されていない、と同省は発表した。
別の調査では、同省では2003年以来、ノートパソコン、USBメモ
リー、あるいは文書に重大な個人情報がなくなった約3百の事例が
見つかっている。6月には国防省が、220万人分の兵士の個人情報
が政府職員の家から盗まれたことを発表していた。これより前には
2,650万人の退役兵の情報が盗まれていた。

     国内ニュース

シュテンツェルはウィーン中心部に「騒音禁止区域」の設置を主張

ウィーン市中心部の区の役員であるウルスラ シュテンツェル(国
民党)は、シュテファン広場の周辺に「尊重された区域」を作るよ
うに主張している。彼女は、ルプレヒト教会裏にある魔の三角地帯
の騒音も減らす方針である。シュテファン大聖堂周辺に瞑想地域を
設置すれば、この地区はかつてのように戻り、大聖堂の美しさをさ
らに強調することになる、その理由としてあげている。もしこれが
実施されれば、ここでは教会関係の行事だけが許されることにな
る。




9月23日(土)

     国外ニュース

ブダペストで反政府デモ 4万人が参加

土曜日午後約4万人の政府反対派が、ブダペストの国会議事堂前の
コッスト広場で集会を行なった、とハンガリーのラジオ局が伝え
た。参加者の数は、それ以上に増えることはなく、暴力事件にも発
展しなかった。この引き金となったのは、警察および裁判所が、路
上での暴力沙汰に参加した犯罪者の逮捕と判決言い渡しの際に、断
固とした態度を取ったためである、と警察は発表した。サッカーの
フェレンツェバロシュの応援団百人ないし2百人も、それまでは冷
静な態度を取っていたが、コッスト広場に入った。彼らには警察の
特殊部隊が同行していた。火曜日から木曜日にかけて起きた衝突で
は、サッカーの応援団が暴徒化していた。

     国内ニュース

社民党党首「EUとトルコ問題では右派と争わない」

社会民主党党首アルフレート グーセンバオアーは、「クリール」
紙のインタヴューで、EU拡大とトルコのEU加盟問題で同党は、右
派政党と「ヨーロッパを敵視する発言をめぐって一戦」交えるつも
りはない、と述べた。「EU拡大は、内部に制度的な条件を整えな
ければ、賭博になってしまう。新たな拡大を行なって変動させるこ
とは危険であると思う」とグーセンバオアーは述べた。「トルコに
関して言えば、同国の人権の情勢は受け入れられない。オーストリ
アにいるトルコ国民が亡命を希望し、亡命権を得ている間は、トル
コはEUに加盟することはできない」とも述べた。




9月24日(日)

     国外ニュース

労働党党大会でブラウンが衝撃的な演説

英国労働党党大会での演説で、大蔵大臣ゴードン ブラウンは日曜
日に、首相トニー ブレアの後継者には自分がなるとの発言を行な
う。ブラウンの演説は特に緊張感をもって見守られていた。ブレア
は週末に、首相の後継者として彼を正式に後押しすることを拒否し
ていたからである。ブレア自身は、今回が首相としての最後の党大
会であり、来年にはこの職から離れるつもりである、と予告してい
た。後継者問題は不明のままで、労働党内部では緊迫感が高まって
いる。ブラウンに反対する者も支持する者も、自分たちの党に対す
る影響力を行使しようとしている。ブラウンの演説は13時に予定
されている。ブレアは月曜日に発言することになっている。

     国内ニュース

ハンス・ペーター マルティンは政界入りを後悔

EU議会議員ハンス・ペーター マルティンは、国民評議会選挙の
候補者名簿をだしているが、政界入りを後悔している。「人生を決
めるような決定を撤回できるなら、もし1999年に政界入りしてい
なかったら、よかったのに」と元記者である彼は「エスターライ
ヒ」紙に述べた。自分は政界入りしてから後ろ向きに変わった、自
分は以前より「厳しい」態度をとるようになったからだ、と彼は述
べた。その他にこのインタヴューで彼は、国民評議会選挙で失敗し
た場合には、自分はEU議会議員に留まり、「国内政治には新たな
提案をこれ以上は行なわない」とも述べた。またマルティンは「国
民省」創設に賛成した。彼は国会議員になれたら、自分の候補者名
簿を組織を持つものにするつもりだが、その時には党内の選挙には
かるつもりだ、とも述べた。




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