9月25日〜10月1日のオーストリアのニュース



9月25日(月)

     国外ニュース

EUはルーマニアとブルガリアの加盟を決定

EUは火曜日に、ルーマニアとブルガリアのEU加盟を決定する。外
交官筋の情報では、EU委員会が2007年1月1日の両国の加盟を勧告
することに疑問はない。ただし両加盟希望国には、かつてEUが加盟
希望国に関してかしていた条件の中で、最も厳しい条件が科される
ことになっている。両国加盟後、EUは27カ国体制になる。ブルガ
リアとルーマニアは6カ月ごとに監視を受けることになっている。
両国では、法務の欠陥および汚職との戦いが続けられる。今後の改
革の方針とは別にEU委員会は、特別保護条項を科すことになって
いる。これは巨額の農業補助金の凍結から裁判所の判決を受けいれ
ないことにまで及ぶものである。食料品確保と経済の分野でも、
EU当局は制裁を課す可能性がある。EU委員会議長ジョゼ マヌエ
ル バローゾは、ブルガリアとルーマニアの加盟後、EUは憲法制定
問題が決着するまで、拡大を中断するつもりである、と述べた。

     国内ニュース

カープは携帯電話会社モビテルに関する実情報告を行なう

社会民主党国会会派長ヨーセフ カープは、ブルガリアの携帯電話
会社モビテル社をめぐる取り引きで、連邦首相ウォルフガング シ
ュッセル(国民党)が、元国民党会派長ヨーセフ タオスを支援し
たのではないか、と推測している。シュッセルはソフィア訪問の際
に、ブルガリア政府の中に「後押しするような風」が吹くように配
慮した、と彼は昨日ウィーンで述べた。モビテル社の購入および売
却に関して、カープはウィーン検察に、相手は不明のまま背任の教
唆および幇助容疑で事情を説明した。労働と経済銀行総支配人のエ
ーワルト ノーウォトニーは、この非難は的外れである、と述べ
た。




9月26日(火)

     国外ニュース

米国ではパキスタン人にテロ幇助で18年の刑

カリフォルニアの裁判所は火曜日、テロリスト支援のための犯罪者
組織を立ち上げた容疑で、ある男に18年の刑を言い渡した。サン 
ディエゴ裁判所は、この被告は大量に薬物を販売し、その金でウサ
マ ビン ラーディンの組織アル カーイダあるいはアフガニスタ
ンのタリバーンのためにミサイルを買ったことが証明された、と判
断した。この55歳のパキスタン人は、この訴えに関して有罪である
ことを認めている。共犯の2人は4月に5年間の拘禁刑を言い渡され
ていた。パキスタン人2人とインド系の米国市民1人は、2002年
9月に米国人仲介者と、持ち運び可能なスティンガー・ミサイル4
発の代金として、5トンのハシシと6百グラムのヘロインを売る、
との交渉を行なっていた。この仲介者は実際には捜査員であった。

     国内ニュース

テレヴィ対決でマルティンと共産党は「金持ち連合を打破」

国民評議会選挙前のテレヴィ対決でハンス・ペーター マルティン
と共産党の筆頭候補ミルコ メスナーは、たいていこの番組が対立
になっていたのに反して、落ち着いた議論を行なった。この中で両
者はそれぞれの立場を打ち出そうとしていた。マルティンは、国民
に国会で演説する権利を与え、直接民主制を強化し、中高年のため
に健康増進の施設を作って、職場を産み出すことを主張した。メス
ナーは労働時間を週30時間に短縮することを主張した。両者は、
「金持ちたちが仲間になっている状態」を打破することが必要だ、
という点で合意した。ただしメスナーが国営企業の民営化問題で
は、郵便や水の備蓄等で再国有化を訴えたのに対し、マルティンは
それはユートピア的な空想だ、と述べた。




9月27日(水)

     国外ニュース

セニオラはイスラエルにレバノンからの撤退を要求

レバノン首相フアド セニオラは昨日、イスラエル軍がレバノンか
らただちに撤退するように要請した。イスラエルは軍隊を「即時撤
退させ、レバノンの高権をこれ以上侵害してはならない」と午後ス
トラスブールで開かれた欧州議会で述べた。イスラエルによって占
領された南レバノンのシェバァ農園は、当面国際的な監視の下に置
かれなければならない、とも主張した。レバノンとイスラエルの間
での停戦協定は、公正で平和的な解決が見いだされるまでは不可欠
であり、イスラエルは暴力の連鎖を断ち切る時期に来ているのでは
ないか、とも語った。一方急進派イスラーム教のヒズブッラーが、
武装解除を拒否していることに、懸念を示した会派もいくつかあっ
た。欧州国民党会派の会長ハンス・ゲルト ペテリングは、レバノ
ンではヒズブッラーが、独自の軍を持つ国の中の国家となろうとし
ている、と述べた。社会党会派長マルティン シュルツは、欧州安
保協力会議を模範とする国際的な和平会議を行なうように、と提案
した。

     国内ニュース

木曜日が投票券申請の最終日

日曜日に行なわれる国民評議会選挙の投票券の申請を行なう最終日
は、木曜日である。日曜日に自分の居所の投票所で投票を行なえな
い有権者はそれぞれ、選挙券を必要とする。これは国外から投票を
行なうオーストリア人だけでなく、国内で休暇や外出をする人、投
票所に行くことができない病人や障碍者、入院患者や拘留者のため
のもである。申請は文書、電話、電子メールで担当官庁に行なう。




9月27日(木)

     国外ニュース

サルコジは欧州共通の移民法を提案する方針

フランス内務大臣ニコラ サルコジは、ヨーロッパ共通の移民法を
提案する意向である。これは、EUすべての国々で同じ基準に従っ
て新たにやってきた人を取り扱えるようにするためのものである、
とサルコジは今日からマドリードで行なわれる会議を視野に入れて
述べた。ここでは、EUの南部の諸国の内相が、主として海からEU
にやってこようとする違法移住者の扱いに関して、共通の指針を話
し合うことになっている。この問題は、EUの調整がなければ解決
できない、とサルコジは述べた。また彼は、それまでは不法移民で
あった数十万人に、滞在許可を発行したスペインを批判していた。

     国内ニュース

国民評議会議員選挙 各党は最後の追い込みにはいる

国民評議会選挙まで2日、各政党は今日再び選挙の最終局面に向
け、最後の力を注ぎ込む。すべての政党がウィーンで、正式な最終
集会を行なうが、国民党だけは明日まで正式の選挙戦を行なう。緑
の党は第3区のマルクス宮殿で党首と副党首が、社会民主党はレー
ヴェル通りの党本部の前のテントで党首が、自由党はいつも通りヴ
ィクトル・アドラー市場で、未来同盟はウィーンの他ケルンテン州
で、最後の追い込みの演説を行なう。国民党は明日、博物館区で最
後の集会を行なう。




9月29日(金)

     国外ニュース

米国議会は国防予算4,476億ドルを可決

米国議会は昨日、最終的に2007年の国防予算を承認した。下院が
3日前に賛成多数で承認したのに続き、上院はこの案を全会一致で
受け入れた。それによれば軍および武装のための支出は4,476億ド
ルである。イラク戦争のためにはわずか700億ドルだけが当てられ
る計画である。予算案の第1読会を、野党民主党の上院議員は、国
防大臣ドナルド ラムズフェルドの辞任を要求する機会として利用
した。2度目の会議では、この議論はわずかしか行なわれなかっ
た。野党は政府批判を続けた。「政府は、テロとの戦いの中心では
ないイラクで、静観を保ち、損失を出すだけの政策を続けており、
テロとの戦いの中心地であるアフガニスタンでは、逃げ出す政策を
取っている」と元大統領候補ジョン ケリーは述べた。

     国内ニュース

選挙戦は終了

選挙戦は終了する。国民評議会選挙を翌日に控えた土曜日、最後の
集会が行なわれる。国民党はウィーンの博物館のある一角で集会を
行なうが、ここでは連邦首相ウォルフガング シュッセルが支持者
に日曜日に投票するよう今一度誓約させることになっている。同じ
場所にある施設の側からおよび社会民主党の文化都市評議員アンド
レアス マイラト・ポコルニーはらは、博物館のある区域を「政党
政治の組織が独占する」ことに対する批判が出ている。これに関し
て国民党は動じていない。また土曜日にはハンス・ペーター マル
ティンの候補者名簿もレオーベンで最後の集会を行なう。




9月30日(土)

     国外ニュース

ブラジル、ハンガリー、ボスニア・ヘルツェゴヴィナで選挙

日曜日に選挙が行なわれるのはオーストリアだけではない。ボスニ
ア・ヘルツェゴヴィナでは普通選挙が、ブラジルでは大統領と国会
議員、さらに州知事選挙が、ハンガリーでは地方議会選挙が行なわ
れる。ブラジルでは左派の労働党が2005年以降、数件の汚職事件
で揺れているものの、60歳の元大統領ルラ ダ シルヴァが圧倒
的に優勢な大統領候補である。一方ボスニア・ヘルツェゴヴィナの
選挙は、今後の民主化およびEUとの距離を近づける方針を決める
選挙になる、と見られている。この選挙では国会議員のほか、セル
ビア人、クロアチア人、イスラーム教徒それぞれ1人の議長を選
ぶ。ハンガリーの選挙は、2週間前から続く反政府活動最中に行な
われ、今年初めに再選されたばかりの社会自由主義政権に対する、
国民の審判を示すものになる、と野党は主張している。

     国内ニュース

タオスはカープを労働と経済銀行発言で訴える。

投票の前日も、選挙戦をめぐる訴訟の嵐は続いている。元国民党党
首ヨーセフ タオスの弁護士は、タオスの委任を受けて、社会民主
党会派長ヨーセフ カープが「多くの真実でなく、信頼を損ねる容
易な主張を自らかいた告発状の中で述べているため訴えた」と述べ
た。タオスは数日前にも、労働と経済銀行の事件に自分が関ってい
るとした複数の報道機関に対して、誤った報道をした、として訴訟
を起こしていた。タオスは労働と経済銀行の頭取ヘルムート エル
スナーと知り合いで、彼が逮捕される直前に彼を訪問していた。




10月1日(日)

     国外ニュース

ハンガリー地方選挙では右派野党が勝利

ハンガリーでは日曜日に行なわれた各地の地方議会選挙では、部分
的な集計結果によれば、右派の野党が勝利を収めた。右派の野党ハ
ンガリー市民連盟FIDESZが、同盟関係にある者も含めて、19の地
方議会のうち18で多数を獲得した、と選挙中央事務所が夜ブダペ
ストで発表した。全土で同党は、53.28%の票を集めたが、「嘘疑
惑」で圧力にさらされている首相ジュルチャーニの与党社会党は、
自由党および地方の同盟党をあわせても36.47%しか得られなかっ
た。野党党首ヴィクトル オルバンによれば、ハンガリーの市民は
ジュルチャーニを解任したのだ、と述べた。またブダペスト市長デ
ムスキは留任した。また大統領ショーヨムの投票所閉鎖直後に、先
日明らかになった首相の嘘を批判する演説を行なったが、これは混
乱を招いた。選挙終了後には再び反政府デモがブダペストで行なわ
れた。

     国内ニュース

国民党幹部は選挙結果を協議

国民評議会選挙の後、現在党委員会が選挙結果について協議してい
る。日曜17時にも、連邦国民党の幹部が集まった。国民党の幹部
は、選挙での敗北の原因を分析し、未来にむけた方針転換を議論し
ている。緑の党の幹部は月曜日に、社会民主党、自由党、未来同盟
は続いて水曜日に会合を行なう。




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