10月30日〜11月5日のオーストリアのニュース



10月30日(月)

     国外ニュース

EUはトルコに悪い評価を下す

EUは来週、発表される予定のトルコの状況改善に関する報告書の
中で、悪い評価を与える。「経済新聞ドイツ版」の情報によれば、
EU委員会はこの報告書の中で、拷問の廃止、軍に関する管理を行
なおうとする努力、自由な意見の公表の可能性がトルコには欠けて
いる、と一覧表を作った。同委員会は軍に対する管理が欠けている
証拠として、トルコ軍が今なお「国内および国外政策、クルド人問
題、宗教と国家の分離」について見解を表明していることを挙げて
いる。意見発表の自由はさらに不十分であり、刑の執行を行う場所
の他にも、虐待や拷問に関する報道がある、と指摘している。また
同紙によれば、汚職、少数派の不十分な保護、司法の独立が不十分
であることも指摘されている。さらにトルコ政府は空港と港をキプ
ロスに開いていないことも批判されている。これは義務である、と
EUは見ている。キプロスは、これが行なわれるまではすべての交渉
を阻止する、と威嚇した。

     国内ニュース

シュタイアーマルク州社民党は予算案を一党で可決

シュタイアーマルク州政府には衝撃が走った。2007年州予算は、
国民党が反対投票をする中、社会民主党の賛成だけで可決された。
社会民主党は、予算に関する州議会の会議までにさらに交渉が行な
われる可能性がある、と強調した。州首相フランツ フォーフェス
と首相代理クルト フレッカー(共に社会民主党)は同州は今年度
と来年度、連邦から1億1,600万オイロの資金を得られる、と述べ
ている。また可決された予算案では新たな負債は8,700万オイロ
で、同州大蔵大臣ブーフマンがもともと計画していた1億5百万オ
イロを大きく下まわっている。




10月31日(火)

     国外ニュース

ブレアは下院でイラクに関する採決が否決

英国首相トニー ブレアは下院で、彼のイラク政策に対する採決で
否決された。下院は火曜午後に、イラク調査委員会の設置を求める
野党の動議を、25票差で否決した。ただし労働党所属の国会議員
数人は、同党所属の首相の方針に反対した。本来なら下院では労働
党が60票上まわっている。この動議は、イラク紛争の状況を政界
の要人に調査させる、という内容であった。新たな調査の要求は、
スコットランドとウェールズの地方政党2党によって議会に提案さ
れていた。両党の広報は、政府は2003年以来続いている出兵の背
景を隠そうとしている、と見ている。投票を前に外務大臣マーガレ
ット ベケットは、政府が多数を確保するべく妥協案を呈示してい
た。彼女は、対立を解消させ、英国兵を帰国させれば、イラクに関
する調査を行なうことができるとの見解で、現時点では7千人を越
える英兵の士気を低め、蜂起勢力を勢いづかせる、と指摘した。

     国内ニュース

世論調査では50%が選挙を支持

社会民主党と国民党の間で行なわれている連立交渉が、事実上決裂
したら、有権者の多数が即時再選挙を行なうことを支持している。
これは「オーストリア」紙が発表したギャラップ社の世論調査の結
果である。それによれば、50%がもう一度選挙を行なうことを主張
し、25%が社会民主党が少数政権を取るべきであるとし、13%が社
会民主党と緑の党、自由党の3党による連立に賛成している。同様
の結果がオーストリア放送のためにOGMが行なった世論調査でもで
ており、こちらでは48%が再選挙に賛成している。この調査では、
再選挙が行なわれれば、社会民主党がさらに支持を拡大し、緑の党
が大幅に票を伸ばすと見られている。社会民主党、国民党、緑の
党、自由党の支持率はそれぞれ、37%、34%、14%、10%で、未来
同盟は国会議員を出すことができない支持率である。




11月1日(水)

     国外ニュース

EUはアイスランドの捕鯨に抗議

EU委員会と加盟25カ国は水曜日、アイスランドによる商業捕鯨の
再開に抗議を行なった。駐アイスランド英国大使が現地外務省に手
渡した外交文書の中では、EU25カ国はこの決定にきわめて驚いて
いる、と記されている。この中でアイスランドに、捕鯨活動を中止
し、国際的な捕鯨中止を守るように求めている。この捕鯨中止に署
名している国の中には、独、仏、蘭、西、豪、南ア、米が含まれて
いる。一方アイスランド外務局長は「我々が許可したのは、きわめ
て限定的で維持できる捕鯨である」とグレタール マール シグル
ドソンは述べた。1986年以来、捕鯨中止で商業捕鯨は禁止され、
研究目的の捕鯨だけが許可されている。アイスランドは15年以上
の中断期間を経て、商業捕鯨を再開した。30頭のミンククジラと
9頭のナガスクジラを2007年8月までにつかまえることになってい
る。

     国内ニュース

迎撃戦闘機の購入で広告費660万オイロはルムポルトの代理店へ

「ニューズ」誌の報道によれば、迎撃戦闘機オイロファイター購入
に関する広報契約は、ほぼ660万オイロである。この広報の委託は
「100%コミュニケーションズ社」に与えられているが、同社はも
と未来同盟の選挙戦の指揮を取ったゲルノート ルムポルトの所有
する会社である。未来同盟との距離が近いため、広告代理店の役割
が調査委員会で解明されることになっている。広告代理店と契約を
結んでいるのは、オイロファイターを製造するEADS社ではなく、
ニーダーエスターライヒ州の企業エアハルト P. シュタインガーの
「BOFORS オーストリア連絡会社」である、とも報じられている。
同社の経営者エーリカ ルムポルトは、総予算が660万オイロ近く
である、と見積もっている。一方社会民主党は、国民党所属の首相
ウォルフガング シュッセルが挙げた総額45億オイロの別の選択
肢に疑問の目を向けている。




11月2日(木)

     国外ニュース

メルケルはロンドンでブレアと会談

ドイツ首相アンゲラ メルケルは土曜日、英国首相トニー ブレア
と会談するために、ロンドンに向かう。ブレアは午後、ダウニング
通りにある首相府でメルケルを出迎える。両者の会談では、両国関
係の他、欧州と国際的な問題について議題に上っている。その後、
記者会見が行なわれる。夜には私的な夕食会が行なわれ、メルケル
の夫で化学者ヨアヒム ザオアーも出席する。帰国は土曜日の予定
である。

     国内ニュース

金属産業は2.6%の賃上げに合意

金属産業で働く従業員の賃上げ交渉で、会社側と労働組合はようや
く突破口にたどりついた。既に4回目となる交渉は、10時間近くに
及び、新たな集団契約と賃金体系で合意した。約18万人の金属産
業の被雇用者の現在の集団契約に基づく賃金は、11月1日にさかの
ぼって、一律2.6%引き上げられる。使用者側と被雇用者側は分割
の選択肢でも合意した。これは被雇用者が少なくとも2.4%の賃上
げを受け、代わりに個人の賃上げに年0.5%の上積みを求める、と
いうものである。企業側が被雇用者に支払わなければならない追加
の一時金は、100オイロであるが、企業の業績が悪い場合には、支
払わないことになる。伝統的に金属産業の賃上げが、他の分野の賃
上げ交渉にも、影響を及ぼしている。




11月3日(金)

     国外ニュース

イスラエルはガザ帯状地帯での軍事作戦を強化 死者18人

イスラエル軍は昨晩、ガザ帯状地帯の武装パレスチナ人に対する空
爆を強化した。パレスチナ人居住地域に対するこの軍事作戦では昨
日だけで、少なくとも18人のパレスチナ人が死亡した。最も激し
い戦闘があったのは、3日続けて手入れが行なわれたガザ帯状地帯
北部のベト ハヌンで、ここでは武装したパレスチナ人60人ほど
がモスクの中に隠れていた。パレスチナ側の情報によれば、包囲さ
れていたモスクに近づこうとするデモに参加していた女性2人も、
射殺された。夜にはイスラエル軍はヘリコプターを用いて、ガザ帯
状地帯を攻撃した。最大の攻撃は海岸地域北部で行なわれ、ここだ
けで救急車の運転手を含め6人が死亡した、とのことである。その
他自動車をミサイルで攻撃し、3人の武装戦闘員とハマースの戦闘
員を殺害した。イスラエルの作戦「秋の雲」が水曜日に始まってか
ら、35人の死者が出ている、とパレスチナ厚生省は集計している。

     国内ニュース

フォーフェス「国民党との交渉を続ける意向」

フランツ フォーフェス(社会民主党)は本来であれば金曜日に、
シュタイアーマルク州首相として1年間の総括をするつもりであっ
た。しかし、予算をめぐる交渉が中断したことをうけ、社会民主党
は国民党と今後も交渉を続ける意向を明言した。国民党は妨害策を
取っているが、シュタイアーマルク州の比例配分の構成上、各党が
決められたせ利欲で機械的に閣僚を出し、野党の政策を実施に移す
ことができるのだから、この妨害策は可能であるに過ぎない、とも
述べた。そのため社会民主党は金曜日に、比例割合の制度を止め、
自由に組閣できるようにするための州議会動議を提出した。この修
正は州議会で3分の2の賛成が必要ではあるが、国民党が賛成した
場合にのみこの数に達する。




11月4日(土)

     国外ニュース

2万人がロンドンでさらなる気候保護を求める

国連気候会議がナイロビで開かれるのを2日後に控え、ロンドンで
は2万人を越える人が、環境政策にもっと積極的に取り組むように
訴えた。各国首脳は、温暖化を食い止めるために全力をあげなけれ
ばならない、とロンドンの中心部にあるトラファルガー広場で彼ら
は要求した。この大集会は、米国大統領ジョージ W. ブッシュが、
既に成立している温暖化ガス削減のための京都議定書の批准を拒否
していることに抗議して、米国大使館脇を通り抜けた。このデモを
組織した「気候の荒廃を阻止」連合のアショク シンハは、1年前
には考えられなかったほど多くの人がこの問題に関心を示してい
る、政府に対する圧力を強めて、地球の破壊を終わらせなければな
らない、と述べた。

     国内ニュース

グーセンバオアーはシュッセルに新たな提案を行なうと発表

社会民主党党首アルフレート グーセンバオアーは、「エスターラ
イヒ」紙に、来週初めには国民党の方針に対して新たな提案を行な
う予定だと述べたが、国民党にまたも対立を持ち込む。「唯一の意
見の違いは、国民党が連邦首相の座をあきらめる気がない、という
点であると思う。」内容的には2週間あれば準備は整う、とグーセ
ンバオアーは述べた。社会民主党議長団の内部では、党幹部はもう
一回、社会民主党の交渉の準備を「具体化する」方針である。グー
センバオアーはその直後に、国民党党首ウォルフガング シュッセ
ルに電話をして、協議を行なうように提案することを求めている。
組閣はクリスまでには完了する、とのことである。オイロファイタ
ー委員会はまだ終わってはいない、とグーセンバオアーは3ヶ月間
の期間を設定した。彼はこの購入計画を中止することに関して、国
民投票を行なうことに賛成している。




11月5日(日)

     国外ニュース

ベイルートでは警察の営舎で爆弾が破裂

日曜夜レバノンの首都ベイルートでは、警察の営舎近くで爆弾が破
裂した。治安担当筋の情報では、爆発が起きたのは、主としてスン
ニー派のイスラーム教徒が住む一角タレク ジデイデフである。負
傷者がいるかどうかに関する報告は、今のところない。最近ベイル
ートでは数回に渡って警察の派出所が攻撃目標になっていた。

     国内ニュース

空軍司令官ウォルフ「オイロファイターは18機で十分」

オーストリア空軍の司令官エーリヒ ウォルフは、上空警戒のため
に迎撃戦闘機オイロファイターを購入することに強く賛成した。政
府が予定している同型機18機の購入は、「首脳会談を行なう場合
に必要な領空の持続的な安定には十分である。ただし訓練のために
準備を行なわなければならない」とウォルフは「クリール」紙に述
べた。彼はオイロファイターの性能について、他の飛行機と比較し
て説明した。オイロファイターは地上1万メートルまで上昇できる
が、グリペンは6,600メートル、ドラケンは3,500メートルであ
る、等と述べた。またオーストリアの領空を毎日約3千機が離着陸
し、横断しているので、地上から特定することはできなくなってお
り、7分間での2機の編隊による緊急発進は年間150回ほどであ
る、と説明した。




今日のニュースへ

過去のニュース(目次)へ inserted by FC2 system