11月13日〜19日のオーストリアのニュース



11月13日(月)

     国外ニュース

シュベイルはパレスチナ首相に就任する意向

ガザのイスラーム大学学長モハマド シュベイルは、パレスチナ首
相への任命を受け入れた。彼は、現在のイスマイル ハニヤに変わ
って首相に就任する用意がある、とパレスチナ人の代表が述べた。
60歳の彼は、現在政権を持つ急進派イスラーム教のハマースが、
西側からの制裁を回避するために提案した複数の候補者の一人であ
る。この立候補は今後、大統領マハムード アッバスの承認を得な
ければならない。アッバスは対立する穏健派ファタハ運動に属して
いる。

     国内ニュース

政府はおそらく最後となる閣議を行なう

国民党と未来同盟の政府は、火曜日おそらく最後となる閣議を行な
う。議題には、ようやく決着を迎える今年度の公務員給与の問題が
取り上げられる。その他、年金を2007年に1.6%引き揚げることと
労働市場部局AMSの予算の増額も決定される。後者は、連邦予算の
不足によって同局の活動が狭められることがないようにするための
ものである。公務員の給与引き上げは2.35%で、これに関しては大
蔵次官アルフレート フィンツと公務員労組会長フリッツ ノイゲ
バオアーが前夜に合意していた。ただしこの合意は今後閣議と国民
評議会で承認される必要がある。




11月14日(火)

     国外ニュース

ラムズフェルドはドイツで告発を受ける

米国の人権擁護派は、元国防大臣ドナルド ラムズフェルドと米国
高官を、カールスルーエの連邦検事総長に告発した。米国国会議員
選挙で共和党が敗北したことを受け、退任したラムズフェルドは、
イラクとキューバの収容所での虐待事件に責任がある、との告発で
ある。米国防省広報は、この告発は真面目なものではない、として
批判した。連邦検事局は火曜日に、3百ページを越える告発を受理
したことを認めたが、検討する前にはこれについて何も述べようと
はしなかった。告発されたのはラムズフェルドの他11人の米国の
高官で、CIA元長官ジョージ テネット、将軍リカルド サンチェ
スに加え、政府と軍の高官である。

     国内ニュース

公務員の給与と年金受給者の受給額が増額

おそらく最後となる国民党と未来同盟の移行政府の最後の閣議で
は、前日に交渉がまとまった公務員の給与引き上げと、年金の増額
が、計画通りに承認された。それに加えて労働市場部局AMSの予算
も増額されることになる。ウォルフガング シュッセル(国民党)
の退任する閣僚は、辞任に向けて人気取りの行動を取っている。ま
た選挙が再び行なわれるかも知れないと見られる中、選挙戦は既に
始まっている、と専門家は見ている。




11月15日(水)

     国外ニュース

フランス社会党は大統領候補を選ぶ

フランスでは野党社会党が木曜日、大統領候補者を決定する。同党
の約22万人の党員が、第1次選挙の投票を行ない、22時までに3人
の候補者のうちから1人を決定する。優位に立っているのは53歳の
地方政治家で元環境大臣セゴレーヌ ロワイヤルである。元経済お
よび大蔵大臣ドミニク ストロース・カーン(57歳)と元首相ロー
ラン ファビウス(60歳)が、彼女の対立候補である。この投票
で誰も50%以上の票をとれなければ、上位2人が11月23日の決選
投票に臨む。勝者は2007年4月に、現職の保守派ジャック シラ
クの後任の座をめぐって戦うことになる。

     国内ニュース

国民党の幹部は連立交渉をめぐって協議

国民党の連邦党役員は木曜日、社会民主党との今後の連立協議に関
して話し合いを行なうために、会合を開く。このところ特民党から
はさまざまな方針が示されており、会談を完全に決裂させるか、そ
れとも一定の条件下で交渉を再開するか、意見が分かれている。国
民党が交渉をこれほど長期にわたって中断させている決定を下して
いる情勢、つまり迎撃戦闘機オイロファイターや労働と経済銀行の
問題の調査委員会が続いていることを強調するだけの可能性もあ
る。一方連邦大統領ハインツ フィッシャーは、来週に今後の方針
を決定するつもりである、と予告した。




11月16日(木)

     国外ニュース

フランスの政治家が代表選手多数の黒人がいることを問題視

フランス社会党のラングドックルション知事ジョルジュ フレッチ
ェは、フランスのサッカー代表の中に黒人選手が多数含まれている
と指摘して、怒りを買った。彼は地方政治家を前にして「この代表
ティームの中には11人のうち9人が黒人選手である。普通なら3人
から4人というところだろう。これはもしかすると社会に反映する
かもしれない。ここにあまりに多くの黒人がいると、最後には白人
はいなくなってしまう」と述べた。大統領ジャック シラクは、報
道されたこの発言を批判して、共和国は生まれや宗教の違いを等閑
視し、市民の平等を保証する」と述べた。

     国内ニュース

シュッセルとグーセンバオアーは2者会談

金曜日には社会民主党と国民党の連立協議をそもそも行なうか、そ
してもし行なうとすればそれはいつにするかが、最終的に決定され
る模様である。社会民主党党首アルフレート グーセンバオアーと
国民党党首ウォルフガング シュッセルは、自由党が提案した年金
に関する国民評議会の特別会議と並行して、1週間半前から中断し
ている協議を再開できるかどうか、その手順について話し合う。最
近は国民党が、今までの方針とは逆に、国会の2つの調査委員会の
活動を行なう間も、新政府に関する協議を続けたいと発言して、情
勢が硬直化していた。国民党は、対立の原因となっていたオイロフ
ァイター委員会設置に同意した。社会民主党はこれについてまだ態
度を明らかにしていない。




11月17日(金)

     国外ニュース

APEC首脳会談で貿易と北朝鮮問題が取り上げられる

ヴェトナムでは土曜日に、太平洋諸国の首脳会談が始まる。これに
は米国大統領ジョージ W. ブッシュ、中国大統領胡錦濤、ロシア大
統領ウラジミール プーチンおよびその他18カ国の首脳が出席す
る。アジア太平洋経済協力閣僚会議参加の諸国にとっては、経済協
力が特に重要な議題であるが、今回の会議ではテロとの戦いおよび
北朝鮮の核に関する脅威が議論されることになっている。ブッシュ
がかつての宿敵であるヴェトナムを初めて訪問する。彼は昨日共産
党政府の幹部を表敬訪問した。米国は現在ではヴェトナム最大の貿
易相手国である。

     国内ニュース

年金問題で国会の特別会議で大量の動議が提出される

国民評議会の金曜日の特別会議で、規則に則って大量の動議が提出
された。これには新たな形の議員の配置が含まれている。あわせて
12の動議が提出されたが、そのうち11は決議される動議で、1つ
は緊急動議であった。10の動議は今回の会議の議題である年金に
関するものである。特に興味深いのは緑の党と自由党が5回にわた
って同じ投票を行なったことで、そのうち2度は自由主義者のアレ
クサンダー ツァッハも賛成した。




11月18日(土)

     国外ニュース

イラクで誘拐されたオーストリア人は生存している模様

イラクの高官によれば、木曜日にイラクで誘拐された5人の外国
人、1人はオーストリア人、4人は米国人は生存している。「彼ら
がどこにいるのかは分かっている。人質のいる地点を特定した。こ
の地域全体を掌握している。人質の早期解放に成功することを期待
している」とモハメド アリ ムサウィは土曜夜のテレヴィ番組で
述べた。「安全確保計画」があるが、これについて彼は言及するこ
とを許されていなかった。また彼は誘拐犯を「無法者」と呼んだ。
一方オーストリア外務省は、人質の滞在地に関する情報を収集して
いるが、まだ情報をつかんではいない。

     国内ニュース

ラッケンバッハで追悼集会

土曜日午前にラッケンバッハで、ロマとシンティ(いわゆるジプシ
ー)のための記念碑の前で、毎年恒例の追悼式が行なわれた。この
記念碑は、ロマ数百人がナチの絶滅収容所に送り出されたラッケン
バッハの元中継収容所前に立てられている。ナチによって殺害され
たロマとシンティは1万人に上る。火えらの多くはラッケンバッハ
から、絶滅収容所に移された、とロマ協会会長ルードルフ サルケ
ズィは述べた。彼自身がラッケンバッハ収容所で生まれている。彼
は、ロマとシンティが戦争後も長年にわたって、存在を認めてもら
うために戦わなければならなかったのは残念だ、と述べた。




11月19日(日)

     国外ニュース

イラク厚生副大臣が誘拐される

軍服を着た武装した男たちが、イラクの厚生大臣代理をバグダード
で誘拐した。彼らは日没直後に、アマル アル・サファルの家の前
に自動車で乗りつけ、彼を連れ去った、と内務省は発表した。アル
・サファルは、首相ヌリ アル・マリキ率いるシーア派のダワ党の
党員である。前日には武装した者たちが、シーア派の他の政治家を
殺害していた。週末のこの攻撃では、その他に十数人の死者を出し
ていた。急進派はイラク北部で、3人の子供を人形に隠した爆弾で
殺害していた。キルクークにあるスンニー派の飛び地の警察は、こ
の人形爆弾が爆発する直前に、何人かの武装した男たちを見かけ
た、との目撃者の話を伝えていた。目撃者によれば、子供が人形を
揺すった後に爆発した、とのことである。この爆発では子供がもう
1人負傷していた。

     国内ニュース

社民党はモスクワにオイロファイターの代替機を照会

迎撃戦闘機オイロファイターに変わる軍機を探して、社会民主党は
ロシアとスウェーデンに打診を行なった、と「ザルツブルク通信」
は報じている。ロシアは2002年末に既に、オーストリアが1オイ
ロも払うことなく、(当時は新品の)MIG29型機を30機調達する
という情報に、注意を払っていた。というのは11億4千万オイロの
代金は、ロシアの負債で清算することが可能だったためである。現
在社会民主党はロシア政府に(今回は中古の)MIG29をそれももっ
と少ない機数で照会している。支払い額を7億オイロ以下におさえ
るためである、と同紙は報じている。次期防空機の経費は、オイロ
ファイターの発注を取り消した12億オイロの手数料を含め、20億
オイロ以下である。社会民主党はスウェーデンにも中古のサーブ社
のグリペンを7億オイロ以下の値段で照会している。




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