11月27日〜12月3日のオーストリアのニュース



11月27日(月)

     国外ニュース

アナン「イラクは内戦直前」

国連事務総長コフィ アナンは、イラクでは内戦の危険性が高まっ
ている、と緊急の警告を行なった。この状況を迅速かつ断固、抑え
込まなければならない、とニュー ヨークの国連の会議でアナンは
月曜日に述べた。アナンは、イラク情勢はさらに悪化しており、内
戦に陥ることがないようにと警告し、「実際に私たちはゆっくりし
すぎている」と年末で事務総長から退任するアナンはイラクに関す
る態度表明の中で述べた。イラクの国連使節アシュラフ カシは、
イラクでは暴力沙汰が増えていることから、内戦に発展しかねな
い、と警告し、現状は「大虐殺」と「行き当りばったりの報復」の
様相を呈している、と述べた。ここ3年間で最も激しい爆弾攻撃
が、バグダードのシーア派の住む一角サドル・シティで発生し、先
週末にはこれに対する報復攻撃が行なわれ、約250人が死亡してい
た。

     国内ニュース

連立政権に向け教育に関する交渉は今週も続けられる

社会民主党と国民党の間で、教育に関する議論が今週も行なわれ
る。ただしはっきりした日程は発表されていないが、小人数で交渉
を行なうのが目標である、とブルゲンラント州首相ハンス ニース
ル(社会民主党)が声明を出した。会談前後には、この会議で話し
合われた内容について情報を発表することはない、とも述べた。ニ
ースルは、一学級あたりの生徒の人数を減らし、全日制の学校形態
を増やすことに賛成である、と述べた。社会民主党党首アルフレー
ト グーセンバオアーと連邦首相ウォルフガング シュッセル(国
民党)によって、労使双方に対して委託された文書が、具体的な話
し合いの土台になる、とのことである。社会民主党連邦執行部長の
ノルバート ダラボスは、「我々はすべての点において譲歩するつ
もりはない。選挙公約はあいかわらず有効である」と述べ、この交
渉が困難なものになるが、両党が検討して、12月20日までには結
論がでると思う、と語った。




11月28日(火)

     国外ニュース

ムラジッチはセルビアで軍にかくまわれているとの情報

ボスニアのセルビア人の軍隊の元司令官ラトコ ムラジッチが、
2002年5月までどこに滞在していたか、当局は知っていた、とベ
オグラードの裁判所で行なわれているムラジッチの逃亡を助けた
11人に対する裁判で、証人が述べた。それによれば、戦争犯罪者
とされるムラジッチは、ユーゴスラヴィアの兵舎に滞在していた。
デン ハーグの国連裁判所は、ムラジッチに対してボスニア戦争
(1992年〜95年)の期間中の数多くの犯罪容疑で、訴えを起こし
ている。セルビアは、将軍ムラジッチが国内に潜伏しているとの情
報をずっと否定していた。主要な政治家や軍幹部、たとえば元ユー
ゴスラヴィア大統領で現在首相のコシュトゥニッツァや暗殺された
セルビア首相ジンジッチ、元参謀長ネボイサ パヴコヴィチ、軍報
同局長アッア トミッチなどもこれについて知っていた、と証人の
元ユーゴスラヴィア陸軍中佐ニコリッチは述べた。一方ジンジッチ
はムラジッチをデン ハーグの裁判所に自らの意志で出頭するよう
に働きかけていた、ともニコリッチは述べた。

     国内ニュース

子女手当に関するハオプナーの条例をめぐって混乱

社会福祉省の条例が混乱を引き起こしている。テレヴィ番組の報道
によれば、合法的にオーストリアで暮らしている外国人の子供たち
には、暫定的に子女手当の支払いを取り消す。また遡及的な支払い
も不可能となる。社会民主党、緑の党、労働者会議は激しい批判を
行ない、この措置はEU法に違反している、と見ている。社会福祉
大臣ハオプナー(未来同盟)は、この問題は重要でないと見てお
り、単に特殊な事例であって、修正をするような問題ではない、と
の考えである。




11月29日(水)

     国外ニュース

米国はアフマディネジャドの書簡を欺瞞的な宣伝と判断

米国政府は、イラン大統領マハムード アフマディネジャドが米国
民に対する新たな書簡を、軽視する。この書簡は欺瞞的な宣伝で、
新たなものをたくさん含んでいるわけではない、と外務省広報トム
 ケイシーはワシントンで述べた。アフマディネジャドはこの公開
書簡の中で、イラクでの戦争に反対するように呼びかけていた。米
国の軍隊が駐留しているため、数十万人のイラク人が命を犠牲にし
た、「アメリカ国民が国家予算のなかからこの軍事的な冒険のため
に毎年数十億ドルの支出をすることに賛成しているとは私には思え
ない」とこの「アメリカ国民にあてた親書」の中でアフマディネジ
ャドは述べている。一方ケイシーは、イラン政府はイラクのテロリ
ストの支援を行なっている、と非難した。

     国内ニュース

国民評議会「社民党と国民党は協定を結ぶ」

1カ月以上にわたって、国民評議会の会議は、社会民主党と国民党
の間の連立交渉で危機に陥っている。社会民主党が緑の党と自由党
と共に、2つの調査委員会の設置に賛成した後、国民党は話し合い
を一時中断した。2週間前から、再び交渉が行なわれているが、国
民評議会の会議が進展するかどうか、緊迫感をもって見守られてい
る。前日には激しいやりとりが起きたが、意図的にそれも収められ
た。




11月30日(木)

     国外ニュース

セルビアの民族主義者セセリは重体に

デン ハーグの国際法廷で戦争犯罪者として訴えられているセルビ
アの民族主義者ヴォイスラフ セセリは、19日間にわたるハンガ
ーストライキのあと、重体に陥った。同法廷は声明の中で、「深刻
な懸念」を表明した。52歳の彼が今なお党首を務めるセルビア急
進党SRSは、セセリは市の機権威さらされている、と見ている。彼
には1990年代のユーゴスラヴィアの内戦で、重大な戦争犯罪を犯
した、との容疑がかかっている。セセリに対する裁判は、被告が欠
席する中、月曜日に開始されていた。彼の政治的および私的な遺言
状が公開される予定である、と党首代理が述べた。

     国内ニュース

銀行委員会はクリスマス後も続行

連立交渉に参加している両党が本来目指していた、銀行調査委員会
の活動は、クリスマスまでには決着がつく予定であった。「クリス
マスの期間は開催されない」と国民党会派長ギュンター シュトゥ
ムフォルは、木曜午後に行なわれた会派の代表の会談後に認めた。
その理由として委員会議長マルティン グラーフ(自由党)は、官
庁および裁判所による書類の調査が長引いていることを挙げた。




12月1日(金)

     国外ニュース

プローディ政権に反対する大規模な抗議集会が呼びかけられる

イタリアの野党連合「自由の家」は、ロマーノ プローディ政権に
反対して土曜日に行なわれる大規模抗議集会に参加するように呼び
かけた。ローマで行なわれるこの抗議集会には、イタリア全土から
数十万人が参加する見込みである、と報じられている。今回の抗議
は中道と左派の連立である現政権の国家財政計画と税制に関する政
策に向けられている。野党の指導者シルヴィオ ベルルスコーニ
は、脱力状態になって、水曜日に退院したばかりであるが、この集
会に参加する意向である。

     国内ニュース

オイロファイター調査委員会はさらなる混乱

迎撃戦闘機オイロファイター購入をめぐる調査委員会では、ある人
物をめぐってすべてが展開している。それは大蔵大臣カール・ハイ
ンツ グラサーである。社会民主党と緑の党は、グラサーが大蔵省
の上級公務員に圧力をかけようとした、と非難していたが、国民党
と未来同盟は昨日これに対して、グラサーを擁護した。今のところ
は連立政権である両党は、緑の党所属の同委員会議長ピルツを攻撃
した。国民党にとっては「毒のあるピルツ(キノコ)が発生してい
る」状態である。




12月2日(土)

     国外ニュース

サウディ・アラビアのアル カーイダに打撃

テレヴィ報道によれば、サウディ・アラビア治安部隊は、139人の
急進派と目される人物を逮捕し、これにより自殺攻撃計画を阻止し
た。内務省の情報によれば、この逮捕はアル カーイダの隊員と見
られる人物に対するものである。全土で手入れが行なわれた、と国
営通信社SPAが内務省の発表として昨夜報じた。それによれば、彼
らの多くはサウディ・アラビア出身で、外国人は21人である。逮
捕された中には、自殺攻撃、誘拐暗殺を計画していたテロ組織網
で、31人の隊員を持つ組織も含まれていた。この組織の4人が外国
人であった、とのことである。

     国内ニュース

国防省はオイロファイターの1月引渡を否定

「クローネ新聞」は、迎撃戦闘機オイロファイターの一号機が1月
にもオーストリアに引き渡される、と報じたが、国防省は土曜日こ
の報道を否定した。オイロファイターの輸送計画には修正はなく、
引渡は来年半ばに始まる、と同省は発表した。緑の党所属の国会議
員ペーター ピルツはこれより前、オイロファイター調査委員会で
自分が議長を務めることを擁護して、自分は正解に留まっている
が、公平かつ客観的なやり方をする、委員会は裁判所ではない、と
ラジオ番組の中で述べた。一方大蔵省からでた電子メールに関し
て、大きな対立が起きている。部長ゲアハルト シュテーガーに対
する懲罰手続きには「法的な根拠」がなく、大蔵大臣カール・ハイ
ンツ グラサーがこの委員会を操作しようとしているだけだ、とピ
ルツは述べた。




12月3日(日)

     国外ニュース

ベイルートで始めての衝突 死者1人

反レバノン政府の大規模なデモが行なわれる中、日曜日には若者1
人が死亡した。医師の話によれば、デモ隊が首都ベイルートのスン
ニー派が住む一角を横切った際に、そこでは多数派の反シリアの住
民と衝突し、20歳のこの若者が射殺され、3人が負傷した。治安部
隊がこの衝突を終結させた。一方親シリアの野党の支持者約15万
人が、首相フアド セニオラに対する抗議活動をベイルート中心部
で続行した。反シリアの政府多数派は、この反対派が元首相ハリリ
暗殺を解明するための国際法廷設置計画を阻止しようとしている、
と非難した。この暗殺にはシリア秘密情報部員が関与していた、と
の噂がある。

     国内ニュース

日曜日の開店を求めツァッハは署名活動を開始

社会民主党会派の自由主義者アレクサンダー ツァッハは、商店を
日曜日にも開店することを認めるように闘う方針である。日曜日に
は彼はこれに関する活動を開始し、住民発議を可能にする500人の
署名を集める、その後には「市民発議」の動議を国会で議論させる
ことが目標だ、と述べた。オーストリアは開店時間を厳しく制限し
ていることで、毎年多くの観光客を失っている、と述べた。「商店
はクリスマス期間だけでなく、毎日曜日13時から19時まで開店で
きるようにすべきである。これは妥協案で、誰もが日曜日の礼拝に
はこれで行けるようになり、その帰りにパン屋で買い物ができる」
とツァッハは述べた。年間に8日間だけ日曜日に営業ができるとい
う規則を彼は拒否しており、それでは客が混乱しかねない、これは
義務の規則ではなく、権利の規則である、とも語った。




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