12月4日〜10日のドイツのニュース



12月4日(月)

シュタインマイアーはシリアが建設的な役割を果たすように要請

(ダマスカス)ドイツ外務大臣フランク・ヴァルター シュタインマイアーは、シ
リアが近東で建設的な役割を果たすように要請した。彼はシリア大統領バシャル 
アル・アサドと会談し、シリアは、アラブとイスラエルの紛争を平和に導く過程を
再び活性化させる上で、貢献することができる、そのためにシリア政府は、急進派
イスラーム教徒のパレスチナ人組織ハマースに、影響力を行使するべきである、と
述べた。さらにシュタインマイアーは、レバノンを不安定にする可能性があること
すべてを行なわないように、と訴えた。シリア外務大臣ワリド アル・ムアレム
は、宗教に関する紛争を解決する上で、ドイツが中心的な役割を果たすように求め
た。シリアは4日間にわたるシュタインマイアーの近東訪問の最後の滞在地であっ
た。

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ベイルートのスンニー派の居住区に追加派兵

(ベイルート)レバノン軍は、首都ベイルートのスンニー派が住む
地区に兵士を追加して駐留させた。その理由として、親シリアのシ
ーア派のデモに参加者が日曜日に死亡したため、衝突が発生する懸
念があるためである、と述べた。現在はセニオラ政権に退陣を迫る
意向のデモ隊数千人が、3夜続けて政府の建物前のテントに泊まり
込んだ。銀行や商店の多くはあいかわらず閉鎖されている。同国の
ヒズブッラーが指導する親シリア勢力の圧力に屈することはない、
とセニオラは先日述べたばかりであった。シリアとイランに支援を
受けたヒズブッラーと、そのそれに同盟する勢力は、政府への影響
を強めるように求めている。

アナンはイラクは既に内戦状態にあると見る

(ニュー ヨーク)イラクは既に内戦状態にある、と国連事務総長
アナンは見ている。イラク情勢は、レバノンなどの以前の状態と比
べてもはるかに悪い、とアナンは英国の放送局BBCに述べた。現地
の多くの人が置かれている情勢は、失脚した大統領サッダーム フ
セイン支配下時代よりも悪化している、とも語った。また彼はイラ
ク政府が独力でこの暴力を抑え込むことができるか疑問である、と
も述べた。アナンは改めて国際イラク会議を行なうように提案し
た。

ボルトンは国連の米国大使を退く

(ワシントン)米国国連大使ボルトンは退任する、と米大統領府が
発表した。米大統領ブッシュは、数日後に米国議会の任期が切れる
のに合わせて辞任したいとのボルトンの決意を受け入れた、とのこ
とである。ボルトンの任命は、上院で承認されねばならないが、上
院では民主党が多数派を握っている。民主党はボルトンが秘密情報
部の情報を操作していた、と非難している。




12月5日(火)

辞任するラムズフェルドの後任は米国はイラクで敗北との見方

(ワシントン)次期国防大臣に就任するロバート ゲイツに見方によれば、米国は
イラクでの戦争に勝利しないだろう。上院で彼の就任手続きの冒頭で、ゲイツはこ
れに関する質問に、明確に否定の回答をした。また秘密情報部CIA元長官である彼
は、この紛争はこの地域全体に拡大しかねないと警告し、米国のイラク政策の戦略
を全面的に修正する用意がある、と述べた。ゲイツは、イラクの暴力を終結させる
ために、政治的な解決を目指すように促した。
63歳のゲイツは、前任者ドナルド ラムズフェルドが辞任した直後に、大統領ジ
ョージ W. ブッシュによって国防大臣に任命されていた。彼が上院で国防相に就任
することが承認されるのは、確実と見られている。ゲイツは大統領の家族の信頼が
厚い人物である。

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軍幹部はレバノン情勢が悪化すると警告

(ベイルート)レバノンで首相セニオラ政権に反対する抗議活動が
行なわれていることを受け、治安部隊の最高指揮官は、事態が激化
するかも知れない、と警告した。情勢を掌握できなくなる危険性が
ある、といくつかの新聞が将軍スレイマンの言葉を引用して報じて
いる。政治的な解決が失敗に終わり、さまざまな民族組織の間での
暴力が強まれば、軍の資源と中立が守れなくなる、とも述べた。首
都ベイルートでは、親シリアのヒズブッラーの支持者による反シリ
ア政府に対する抗議活動が数日にわたって続いており、情勢はあい
かわらず緊迫している。ベイルートでは数千人の人々が、日曜日に
反政府の抗議活動中に射殺された若いデモ参加者の追悼式に参加し
た。

カンダハルではISAF軍に対する自殺攻撃が再発

(カブール)NATOが主導するアフガニスタン保護部隊ISAFに対
して、カンダハル市の近くで新たに自殺攻撃が行なわれ、少なくと
も9人の一般市民が負傷した。攻撃犯は、爆弾を積んだ自動車を軍
の輸送車に突っ込ませ、爆死した、と当局は発表した。一方アフガ
ニスタン工業相ファルハングは、国際的な財政支援が今まであまり
に少なかったと批判し、これがアフガニスタンの現在の危機の根本
的な要因である、とドイッチェ ヴェレのインタヴューで述べた。
彼によれば、今までアフガニスタンは120億ドルを得ていたが、戦
争の被害は2千億ドルに上り、支援がもし強化されれば、国民の中
の不満も減少するだろう、とファルハングは述べた。

トルコのEU加盟交渉中断に賛成

(ブリュッセル)EU議長を務めるフィンランドは、EU委員会の勧
告通り、トルコとのEU加盟交渉を一部中断することに賛成した。
この交渉は、トルコがキプロスとの通貨同盟に関してとっている態
度のため危機的な局面にある、ということをフィンランド首相ヴァ
ンハネンは認めた。独首相メルケルは、加盟交渉を一時中断するべ
きだ、とのEU委員会の提案を歓迎した。ザールラント州のメット
ラッハで会談したフランス大統領シラクとともに彼女は、EU委員
会は早ければ2007年秋、遅くとも2009年春に、トルコがキプロ
ス問題で前進を見せたかどうか、改めて評価しなおすべきだ、と述
べた。これはトルコ政府に間接的に新たな期限を設定したことにな
る。




12月6日(水)

ブッシュはイラクに関するベイカー報告を真剣に受け止める方針

(ワシントン)イラクに関する政党の枠を越えた米国の委員会は、水曜日に緊張感
をもって見守られていた報告書を提出した。その中で同意委員会は、新たな外交的
な提案を行ない、イラク問題の解決を模索する上ではシリアとイランを関与させる
ように勧告している。重要な専門家集団であるこの委員会は、イラクが無秩序状態
に陥る危険性がある、と指摘しており、新たな戦略が必要である、と述べている。
その他に米国兵士は、戦闘に関与しなくなり、イラク軍の要請に力を集中するべき
である、とも述べている。米国大統領ジョージ W. ブッシュは、部分的には意見を
異にするが、中立の専門家評議会の提案を真剣に受け止め、適切な時期に行動す
る、と約束した。

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アフガニスタン再建にむけたドイツの計画が始動

(カブール)ドイツ政府が財政支援を行なう道路の建設が始まっ
た。これは戦闘の続くアフガニスタン南部で、ドイツが参加する再
建事業のうち最大のものである。カンダハル州のこの道路は、あわ
せて5キロ半の長さである、とのことである。建設費として1百万
オイロと見積もられている。一方カンダハル市では新たに自殺攻撃
が発生し、犯人は米国人2人を含め、少なくとも7人を道づれに死
亡した。犯人が爆死したのは、米国の警備会社の支店の前であっ
た。

セニオラはレバノンの野党に対話を呼びかけ

(ベイルート)レバノンでは、大規模な抗議活動で圧力を受けてい
る、西側よりの首相セニオラは、急進派イスラーム教のヒズブッラ
ーに対して、交渉の席に戻るように呼びかけた。デモを行なっても
問題の解決にはならない、とデモ隊が押し寄せている首相府でセニ
オラは述べた。この建物前では、既に親シリア勢力の支持者で、セ
ニオラに辞任を求めている人々が、6日間続けて抗議活動を行なっ
ている。ヒズブッラーの支持者は、シーア派に属しているが、セニ
オラ陣営の多くはスンニー派からなっている。

英露政府はリトヴィネンコ事件の捜査で対立

(モスクワ)ロシア政府を批判していたリトヴィネンコの毒殺事件
で、英国の捜査官とロシアの検察は、ロシアでの調査条件につい
て、争っている。今後解決されなければならない問題がある、とイ
ンターファクス通信は報じている。これより前に、重要な証人で、
企業経営者で元秘密情報部のルゴヴォイは、イタル・タス通信に、
自分はリトヴィネンコ事件で尋問を受けることになっており、自分
はこの件について正式に報告を受けている、と述べた。ルゴヴォイ
はロンドンで11月1日に会っていた。その直後リトヴィネンコに
は、毒を盛られた最初の兆候が現れていた。




12月7日(木)

ブッシュはイラク政策の方針転換に原則的に合意

(ワシントン)米国大統領ジョージ W. ブッシュは、イラクでの方針転換に原則的
に賛成である、と述べた。必要なのは新たな出発である、と英国首相トニー ブレ
アとワシントンで会談した後、ブッシュは述べた。そしてシリアとイランがテロリ
ストに対する支援をやめ、イラクの民主化を支持するのであれば、イラクをめぐる
国際的な話し合いに参加することができる、と述べた。また彼は、イランが交渉に
参加する前には、核計画を放棄しなければならない、との要求も強調した。こうし
た発言は、シリアおよびイランとの直接交渉を開始すべきである、とのベイカー委
員会の勧告に応えたものである。
ベイカー委員会は、米軍を2008年春までにイラクから撤退させるように勧告した
が、ブッシュはこれについては疑問を投げかけ、軍隊の規模についての決定は、現
地の実際の情勢にかかっている、と述べた。

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メルケルはイラク情勢に関するベイカー報告を歓迎

(ミラノ)独首相メルケルは、イラク情勢に関するベイカー報告書
を歓迎した。この米国の専門家による委員会は、情勢をきわめて現
実的に描写した、とメルケルはイタリア首相プローディとミラノで
会談した際に述べた。彼女は特に、イラクの近隣諸国と外国的交渉
を行なう、との提案を高く評価した。これより前にドイツと米国の
関係を調整するフォイクトは、ドイツ政府が支援する、と提案して
いた。イラクに平和を実現するために、シリアとイランとの協力を
実現するのを、ドイツとヨーロッパは援助する、とフォイクトは述
べた。独外相シュタインマイアーは、ベイカー委員会の勧告に関し
て、金曜日にワシントンで米外相ライスと会談をする方針である。

メルケルは次期国連事務総長を支持すると約束

(ベルリン)連邦首相メルケルは、国際的な問題を解決する際に、
国連には格段に大きな意義がある、と強調した。次期国連事務総長
潘とのベルリンでの会談で、国連は、世界の諸民族の共同体が持つ
全方面に受け入れられる声でなければならない、と述べた。メルケ
ルは潘に支持を約束した。潘は1月1日にアナンの後継者として、
国連事務総長に就任する。ドイツが今後も国際的な役割を積極的に
果たすことを信じており、人道支援と人権擁護ではドイツが貢献を
行なっている、と潘は述べた。

トルコはキプロスの船舶に港を開く方針

(ブリュッセル)トルコはEU加盟交渉を部分的に中止することを
回避しようと、キプロスの艦船に対して、急遽港を1つ開くと申し
入れた。現EU評議会議長を務めるフィンランドの外相トゥオミオ
ヤがこれを確認した。外交官筋の情報では、トルコ政府はさらに、
キプロスの飛行機にも空港を1つ開放する用意がある、とのことで
ある。トルコがその見返りを要求しているため、1週間後のEU首脳
会談前に、突破口が見いだせるかどうかは疑わしい。報道によれ
ば、国際的に承認を受けていない北キプロス トルコ共和国に対す
る制裁を、EUが解除することを、トルコは求めている。さらに
2007年にも予定されている、キプロス統一に関する交渉を行なう
ように要請した。




12月8日(金)

外相はイラクでの方針転換を行なう米国を支援すると約束

(ワシントン)外務大臣フランク・ヴァルター シュタインマイアーは、米国に対
して、イラクでの戦略を転換するのであれば、外交面で支援を行なう、と約束し
た。米国外務大臣コンドリーザ ライスとワシントンでの会談を前にシュタインマ
イアーは、水曜日に公表されたベイカー・ハミルトン委員会の報告書で述べれられ
ていた、外交に関する79の勧告のうちどれを大統領ジョージ W. ブッシュが受け
入れるか、意向を打診しなければならない、と述べていた。同意委員会は中でも、
ドイツおよび他の国々に、イラク、イラン、近東紛争の仲介を行なうように提案し
ていた。ドイツ政府に照会があれば、支援をしないわけではない、と米国上院の代
表との会談後にシュタインマイアーは述べた。ブッシュ自身は、ベイカー報告に関
して、上下院の政治家と協議を行なった。

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EUはキプロスをめぐる対立でトルコの提案を不十分と判断

(ブリュッセル)EU評議会議長を務めるフィンランドは、トルコ
がキプロスの船に港1つを開港するという提案を行なったが、これ
を不十分だと見ている。首相ヴァンハネンは、トルコの申し出は、
前向きの姿勢を示すものだ、と評価したものの、この提案自体はト
ルコ政府が実際にその責務を果たすことを意味していない、と述べ
た。これによりトルコにはまだ、EU加盟交渉が一部中止を受ける
可能性がある。EUは、トルコの港と空港をEU加盟国であるキプロ
スに開港することを求めているが、トルコはキプロス島の分割に関
する対立があるため、キプロスを承認していない。トルコは木曜日
に突然、キプロスに対して港と空港の開港を提案した。EUでは加
盟25カ国の大使が、情勢を協議する緊急集会を行なった。月曜日
には加盟国の外相が、この問題を話し合う予定である。

アナンはダルフールに対して各国が干渉するように求める

(ニュー ヨーク)退任する国連事務総長アナンは、世界各国に対
して、スーダンの紛争地域ダルフールに介入するように要請した。
金曜日の国際人権の日の演説の中で彼は、国連は同地で人権侵害を
無視しており、活動をしていないことを恥じなければならない、と
述べた。「アムネスティ インターナショナル」は、スーダン政府
がダルフール地区で、数十万件の殺害事件と一般市民の追放を行な
った、と非難した。「アムネスティ ドイツ」の事務長ロホビーラ
ーはベルリンで、2003年に紛争が勃発して以来、2百万人が追放
され、おそらく最大で20万人が死亡した、と述べた。

ケーラーは欧州はアフリカに歴史的・人種的責任があると見る

(ボン)連邦大統領ケーラーは、アフリカとの交流は、西側の道徳
的な考え方を試すものである、と見ている。「ドイッチェ ヴェ
レ」のインタヴューの中で彼は、善意を抱いているにもかかわら
ず、以前から今なお行なわれているのは、人々が貧困の中で暮らし
ているさまを傍観することだけであった、と述べた。自分自身はア
フリカで貧困、餓死、紛争を経験したため、アフリカに積極的に関
与しているが、ヨーロッパはアフリカに対して歴史的および人種的
な責任があり、これは毎日難民が押し寄せていることで私たちが目
撃していることである、とも述べた。




12月9日(土)

ドイツ機内ではなくハンブルクで放射線の痕跡を発見

(ハンブルク)ロシアの元スパイアレクサンダー リトヴィネンコの殺害を受け、
ドイツでも捜査陣が、放射性物質ポロニウムの痕跡を操作した。警察の情報によれ
ば、ハンブルクとその隣のピネベルク郡のいくつかの建物の中で、放射性物質に汚
染された場所が見つかった。ケルン・ボン空港の「ジャーマンウィングス」航空の
機体の捜査では、痕跡が見つからなかった。リトヴィネンコと接触していたディミ
トリ コフトゥンは、今回捜査された家に滞在し、11月にジャーマンウィングス
機でハンブルクからロンドンに飛んでいた。
コフトゥンはあいかわらずモスクワの病院に入院中である。彼からは放射性の毒物
の痕跡が見つかった。

     その他のニュース

外相はイラクでドイツが積極的に関与することを拒否

(ベルリン)外相シュタインマイアーは、キリスト教民主、社会同
盟が求めているドイツがイラク再建により積極的に関与すべきだと
の要請に、反対の発言を行なった。社会民主党に属する彼は、以前
の社会民主党と緑の党の連立政権時代に決定したことには変更はな
い、と述べた。シュタインマイアーは、イラクの治安状態が悪いこ
とを指摘し、民間の人材を現地に派遣することはできない、と述べ
た。また外相は、ドイツ兵のイラク派遣にも反対した。ワシントン
訪問中のシュタインマイアーは、米外相ライスに、ドイツも含めた
国際的な関与を強めるように求められた。シュタインマイアーは原
則的に、外交的な努力を新たに行なうにあたっては、ドイツが支援
するとの方針を示したが、あまり期待しすぎないように、と警告し
た。

レバノン大統領はハリリ暗殺をめぐる裁判を拒否

(ベイルート)親シリアのレバノン大統領ラフードは、元首相ハリ
リの暗殺を解明するための国連の裁判所を開設しない。首相セニオ
ラ率いる政府がこの裁判所の設置に賛成しているのは、憲法違反で
あり、無効である、とラフードの事務所はベイルートで発表した。
シリアに批判的だった元首相ハリリは、2005年に爆発で死亡して
いる。容疑者の中には、シリアの秘密情報部員とラフードの信頼が
厚い人物が含まれている。レバノンでは、親シリアの野党が、西側
よりのセニオラ政権に、大規模なデモを行なって辞任を求めてい
る。

EUはトルコにキプロスとの対立に関する提案を改善するよう要求

(ブリュッセル)EU拡大委員レーンはトルコに対し、キプロスを
めぐる対立でトルコの提案を改善するように求めた。トルコ政府
は、提案をはっきりしたものにしなければならない、トルコはキプ
ロスの船に港を1つ開く用意がある、というのは第一段階に過ぎな
いのであって、トルコのEU加盟交渉を一部中止するとのEU委員会
の勧告は変わらない、と彼は述べた。ドイツ内相ショイブレは、加
盟交渉が破綻しないように警告し、交渉を破綻させることは許され
ない、と強調した。トルコが他の国同様、完全な加盟国としてEU
に入るかどうか決定するのは、交渉の最後の段階に来てからであ
る、とも述べた。




12月10日(日)

レバノン政府に反対・賛成の両勢力が大規模抗議運動

(ベイルート)ベイルートでは親シリアの野党勢力数十万人が、レバノン首相フア
ド セニオラの自認を求めた。シーア派のヒズブッラー運動の事務長代理シャイク
 ナイム カシムは、セニオラがレバノンを米国の利益を追い求める政策に譲り渡
した、と非難した。セニオラは10日前から続く抗議活動が、これ以上激化させる
ことがないようにと警告し、これは国内を暴力の無限連鎖に突き落としかねない、
と述べた。トリポリ市では、約十万人のセニオラの支持者がデモを行なった。国会
議員サアド ハリリは群集を前に、レバノンはシリアの後見を受けることも、イラ
ンの衛星国となることもない、と述べた。

     その他のニュース

メルケルはムバラクと首相府で会談

(ベルリン)連邦首相メルケルは、エジプト大統領ムバラクと、イ
スラエルとパレスチナ間の紛争、レバノン危機、およびイラクにつ
いて協議を行なった。その際彼女は、シリアがあいかわらずレバノ
ンを外交的に承認することを拒否していることを批判し、シリア政
府が前向きの姿勢を立てようとしているようには全く見えない、と
述べた。イラクに関して彼女は、ドイツはイラク軍を、特にイラク
国外で育成するのに、より積極的に貢献することを検討している、
と語った。ムバラクとの会合を前にメルケルは、エジプトはこれら
の紛争の解決で特別の役割を果たしている、同国は何年も前からイ
スラエルとの和平を築く上で、先例となる道を示しているからだ、
と述べていた。火曜日にはイスラエル首相オルメルトとの会談が、
ベルリンで予定されている。

ハンブルク検察はリトヴィネンコ事件でポロニウムを捜査

(ハンブルク)ロシアのスパイであったリトヴィネンコの毒殺事件
に関連して、証拠はドイツへと続いている。ハンブルク検察は、ロ
シアの実業家で元スパイのコフトゥンに対する捜査手続きを取っ
た。コフトゥンはリトヴィネンコと接触していた。ハンブルク内外
の住宅数件を分析した結果、放射性物質ポロニウムの痕跡が発見さ
れたが、検察はコフトゥンは犠牲者であるばかりではなく、犯人で
ある可能性もある、との見方をとっており、コフトゥンがハンブル
クへポロニウムを運んだ疑いがある、と見ている。一方発見された
見つかった物質の分析で、リトヴィネンコが毒殺された物質がポロ
ニウム210であったことは、疑問の余地なく確認された。

ユヌス、パムクおよび米国研究者6人がノーベル賞を受賞

(オスロ)バングラデシュの経済学者で銀行家のユヌスが、ノルウ
ェイの首都オスロで、今年のノーベル平和賞を受賞した。彼が設立
した貧しい人に小額の貸しつけを行なうグラミン銀行も、表象を受
けた。感謝の演説の中でユヌスは、想像力を駆使して世界各地の貧
困と闘うように呼びかけ、貧困から不満、敵意、怒りが発生すると
いう点で、貧困は平和にとって脅威である、と述べた。ストックホ
ルムではパムクがトルコ人の作家として初めて、ノーベル文学賞を
受賞した。同地ではさらに医学賞、化学賞、物理学賞、経済学賞が
米国の研究者に授与された。ノーベル賞には110万オイロの賞金が
ついている。




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