12月11日〜17日のオーストリアのニュース



12月11日(月)

     国外ニュース

チリの元独裁者ピノチェトが埋葬される

チリの元独裁者アウグスト ピノチェトは死亡して2日、明日サン
ティアゴ デ チリに埋葬される。政府は元将軍の埋葬に、軍隊式
の栄誉をたたえる史記だけを見とめた。ピノチェトが責任を問われ
ている残虐行為を理由として、チリ大統領ミチェル バチェレは、
「人種的な理由から」国葬や国を挙げての服喪を行なうことを拒否
した。元独裁者は火葬された後、骨壷はチリ沿岸のロス ボルドス
にある家族の屋敷に運ばれることになっている。彼の死後、チリで
は混乱が激しさを増している。元軍事独裁者に反対する人たちが、
サンティアゴに集まって激しい市街戦を警察にたいして行ない、警
察は放水車と催涙ガスを使用した。これより前には数千人が、独裁
者の死を歓呼の声をあげて祝った。ピノチェトは、国際人権の日の
日曜日に、心筋梗塞の影響で死亡していた。

     国内ニュース

シュタイアーマルク州議会は喫煙禁止に賛成する嘆願を可決

シュタイアーマルク州州議会は火曜日に、飲食店での全面的な喫煙
禁止の方針を可決する見通しである。既に予想されていたように、
州政府に対しては嘆願書が出されている。これは、法律を作った連
邦に対して、この措置をたばこ法を修正することによってこの措置
を実施できるようにするよう嘆願するものである。州議会では、社
会民主党、国民党、共産党、緑の党の全会一致ではないものの、こ
れは多数の賛成を集められる。これに反対しているのは飲食店の
他、売り上げの大幅な減少を心配する経済会議、シュタイアーマル
ク州議会には議員を出していない未来同盟と自由党である。




12月12日(火)

     国外ニュース

ブッシュはイラク新戦略を来年に発表する

米国大統領ジョージ W. ブッシュが、対イラクの新たな戦略を発表
するのは、来年になってにする方針である。各種ある米国の戦略に
関する文書が発表された後、ブッシュはいつ方針転換を発表するの
か、との質問意対して、大統領府広報トニー スノウは火曜日ワシ
ントンで、「新年前には発表はない」と述べた。ブッシュは現在閣
僚と、今後のイラクに対する方針について話し合いを行なってい
る。議会が設置したベイカー委員会は、先週に報告書を提出し、イ
ラク戦略の修正を勧告し、ブッシュのイラク政策をはっきり批判し
ていた。

     国内ニュース

電力市場の開放問題でオーストリアは訴えられる可能性

EU委員会はオーストリアと加盟15カ国に対し、あいかわらず電力
市場の開放を完全な形で実施に移していないため、欧州裁判所に裁
判を起こす、と威嚇している。オーストリアに対してブリュッセ
ルのEU委員会は、主として元独占企業があいかわらず電力供給網へ
の参入で優遇されており、歴史的と言えるほどの長期間にわたる契
約が結ばれている、と批判している。この問題では初めての勧告書
が4月にオーストリアに発送されていた。6月にはオーストリアは
それに回答したが、同委員会はこの態度表明には満足しなかったた
め、「正当性のある態度表明」を送ることになる。回答期限は2カ
月後で、その後EU委員会は欧州裁判所に訴訟を起こす可能性があ
る。




12月13日(水)

     国外ニュース

ブッシュは国民にイラクを見捨てないように呼びかけ

米国大統領ジョージ W. ブッシュは米国民に対し、イラクを見捨て
ることなく、同国でさらに成果を上げる義務を引き受けよう、と呼
びかけた。国防省で軍幹部とイラク情勢に関する見通しを尋ねるた
めの会合行なった後、ブッシュは改めて部隊の撤退海士の求めを拒
否した。米国がイラクを去るとすれば、「私たちは敵にイラクを引
き渡すことになり、私たちに被害を与え、米国民に対して重大な影
響をもたらすことになる」とブッシュは述べた。

     国内ニュース

プラマーは外国人の権利の修正を要求

「国境を越える結婚」の市民運動に対する市民の勇気をたたえる今
年の「ウーテ ボック」賞の授与式をきっかけに、国民評議会議長
バルバラ プラマー(社会民主党)は、水曜午後、外国人の権利の
修正に賛成である、と述べた。議会の発表によれば彼女は「緊急に
行動を起こし、修正を加える必要がある」と述べた。内務省、労使
双方、市民団体の代表からなる委員会を立ち上げ、半年ほどの期間
で、実施可能な解決を模索するために、この問題の協議を委ねるこ
とが考えられる、とも彼女は述べた。ウーテ ボック賞は「国境を
越える結婚」の会長ナジャ ローレンツが受賞したが、その理由
は、2006年初めから家族生活を守る人権を獲得するために、国籍
の異なる夫婦に滞在を保証する新たな外国人法を作る「勇気と創造
性、根気」を評価したものである。この運動は40週間近く、内務
省前で抗議を表明しつ続けた。




12月14日(木)

     国外ニュース

EUは拡大の速度について意見がまとまらず

今後のEU拡大を進める速度に関する対立はが、木曜にブリュッセ
ルで始まったEU首脳会談冒頭に暗い影を投げかけた。EUは年末
に、ブルガリアとルーマニアを26番目と27番目の加盟国として正
式に受け入れる一方、EUがどれぐらいの加盟国をさらに受け入れ
られるかに関する対立では、意見の接近が見られなかった。拡大に
関する戦略をめぐる議論では、各国首脳は原則的に、西バルカン諸
国を今後EUに組み入れる見通しを持っていと、と強調した。どれ
ぐらい早期に新規加盟国を受け入れるかは、憲法案が2008年まで
は凍結されているため、はっきりしていない。ただし英国外相マー
ガレット ベケットは、トルコのEU加盟を支持し、EUはバルカン
諸国を受け入れるだけでなく、加盟を希望しているトルコに対する
疑いも生じないようにしなければならない、と述べた。

     国内ニュース

国民評議会では全政党がテメリン原発に関する国際法訴訟に賛成

国会議員を出している5政党すべてが木曜日の国民評議会で、チェ
コの原子力発電所テメリンに対する稼動許可の問題で、チェコを相
手として法的手段に訴える、との決議の動議に賛成した。オースト
リアとチェコの間でこの原発をめぐって議定書が作られたメルク裁
判の規定を遵守していないため、国際法上の裁判を起こすかどうか
はまだはっきりしていない。この問題を担当する環境大臣ヨーセフ
 プレル(国民党)は、議会の決定は行動の指針ではあるが問題全
体を法的に検討し、オーストリアが敗訴するのを避けたい、と述べ
た。一方社会民主党と緑の党は圧力をかける方針で、自由党は稼動
の断念を求めている。




12月15日(金)と12月16日(土)

お休みです。



12月17日(日)

     国外ニュース

バグダードで赤新月の職員25人が誘拐される

バグダードでは警察官の制服を着て武装した者たちが、(赤十字に
あたる)赤新月の職員25人ほどを誘拐した。犯人はむりやり赤新
月の事務所に押し入り、まず男女を分けた後、民間用車であること
を示す自動車に職員を乗せて誘拐した、と同組織の広報は発表し
た。過去数週間にわたってバグダードでは何件かの誘拐事件が起き
ていた。人質6人はその後解放された、と赤新月の事務長はAFP通
信に述べた。その後も職員21人と、彼らと一緒に誘拐された3人の
行方がわからなくなっている。一方英国首相トニー ブレアが突然
バグダードを訪問し、首相ヌリ エル マリキと会談した。彼はこ
の訪問中に大統領ジャラル タラバニとも会談する方針であるが、
きわめて深刻な情勢にあるイラクを支援する意向を示すつもりであ
る、と政府広報は発表した。ブレアはマリキとの共同記者会見で、
英兵の撤退計画は、イラク政府から全面的に賛成を受けている、と
述べた。

     国内ニュース

フィードラー「行政改革は支出削減をもたらさない」

元会計検査院長官で(国家と体制に関する改革を議論する)オース
トリア集会の議長を務めたフランツ フィードラーは、社会民主党
と国民党の間で取り決められた行政改革措置では、支出を削減する
ことにはつながらないと考えている。逆に経費がかさむ原因になる
かねない、と述べた。社会民主党と国民党は、連立をめぐる協議の
中では、州行政裁判所を設置することと、学校に関する官庁を各州
に担当させることで、合意した。




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