12月25日〜31日のオーストリアのニュース



12月25日(月)

     国外ニュース

イスラエルはパレスチナの負担を軽減するように命令

イスラエル首相エフド オルメルトは、西ヨルダンランドとガザ帯
状地帯のパレスチナ人の利益になるように、一連の負担軽減措置を
取るように命じた。特にパレスチナ人居住区に対する物資の輸送を
改善し、より多くのパレスチナ人がイスラエルに立ち入るのを許可
する、とオルメルトの事務所は月曜日に発表した。この緊急措置の
後、イスラエル軍の道路管理は第2段階に入り、西ヨルダンランド
の十数ヶ所で行なわれなくなる。イスラエルの声明によれば、この
措置によってパレスチナ大統領マハムード アッバス周辺の穏健派
の勢力を強める方針である。オルメルトとアッバスは土曜日にエル
サレムで、イスラエル首相選挙が行なわれた3月以降、初めて会談
を行なっていた。一方イスラエルは西ヨルダンランドで、急進派パ
レスチナ人組織の司令官である民族抵抗委員会の議長ヤセル ナサ
ルを逮捕した。

     国内ニュース

シュピンデレガーは社民党と国民党の連立に楽観的

社会民主党と国民党の間で今まで行なわれていた連立協議は、「感
情の冷温交互浴」であったが、来年初めには両党の連立が成立する
だろう、と国民評議会第2議長ミヒャエル シュピンデレガーは楽
観的な見通しを述べた。全体として見ると1月11日の新政府の宣誓
期限は守られるだろう、とAPA通信に彼は述べた。ただし交渉の最
終局面ではあれこれあって、数日では決着がつかない可能性が高
い、とも述べた。




12月26日(火)

     国外ニュース

エティオピア「ソマリアでは千人以上の戦闘員が死亡」

ソマリアでの戦闘では過去数日で、千人以上が死亡、3千人以上が
負傷した、とエティオピア首相メレス ゼナウィはアディス アベ
バでの記者会見で発表した。アフリカ東端のアフリカの角で戦争状
態に突入してから1週間、エティオピアはソマリアのイスラーム教
反乱勢力がいくつかの戦闘地点から離脱している、ともエティオピ
ア政府は発表した。イスラーム教徒側は、これは敗北ではなくて、
戦闘員の戦略的な配置替えである、とのべた。一方ソマリア政府
は、部分的な勝利である、と述べた。エティオピア軍機は、首都モ
ガディシュからわずか140キロのレゴ市を爆撃したが、同市はイス
ラーム反乱勢力が逃げ込んだ地域である、とソマリアの通信社シャ
ベレは報じている。キリスト教徒が主流のエティオピアは、アフリ
カの角では最も大きな軍隊を持っている。一方EUは、この地域で
戦火が広がらないように、と警告した。

     国内ニュース

戦闘機調査委員会でフェクターは非難は当たっていないと発言

自由党と緑の党が「陰謀説」を唱える中、国民党の会派長マリーア
 フェクターは、迎撃戦闘機オイロファイター購入調査委員会で、
これは当たっていない、と述べた。野党両党がオイロファイター購
入に関してたてている仮説は、「一切事実による裏づけで確認され
ておらず、ペーター ペレツ(緑の党)と、エーワルト シュタド
ラー(自由党)が建てた「砂上の楼閣」は倒壊した、とフェクター
は国会の調査委員会が今までに挙げた成果を彼女の視点から再構成
した。




12月27日(水)

     国外ニュース

米国はエティオピアのソマリア攻撃に理解

米国は、エティオピアがソマリアで行なっている戦争を支持する方
針を明らかにした。エティオピアが隣国での紛争が自国に拡大する
のではないかとの懸念を持っていることには、十分な根拠がある、
と米国大統領府の国家安全保障評議会の広報ゴードン ジョンドロ
ーは、ワシントンで述べた。彼は、エティオピア軍はソマリア暫定
政権の求めに応じて、イスラーム教徒に対する戦闘に入ったのだ、
と強調した。米国はずっと以前から、ソマリアのイスラーム教徒運
動が、急進派組織アル カーイダに逃亡先を提供していると非難
し、エティオピアとケニアがアル カーイダの攻撃目標になるかも
しれない、と警告していた。

     国内ニュース

国民党は大学授業料問題ではゆずらない方針

社会民主党党首アルフレート グーセンバオアーが大学授業料問題
で、「意見の変化を見せている」ことから、国民党内部では「大き
な喜び」が広がっている。科学分野の専門家ゲルトルーデ ブリネ
クは、授業料問題が、行き詰まりを見せている連立協議の突破口に
なると見ている、とAPA通信に述べた。グーセンバオアーは昨日授
業料問題について修正を行なう、とだけ口にし、いつまでも大学に
いる学生に理解を示すことはできない、と述べていた。ブリネク
は、本来利用者が負担するべき授業料を廃止する合理的な理由は見
いだせない、と述べた。また彼女はドイツでの授業料導入計画があ
るため、オーストリアが比較的安い授業料が、隣国の学生にとって
人気のある大学となり、授業料を導入しなければ、30万人のが学
生が押し寄せるかもしれない、と述べた。




12月27日(木)

     国外ニュース

ソマリアは戦時法を適用の方針

ソマリア国会は金曜日、同国に戦時法を適用する、と首相アリ モ
ハメド ゲディが発表した。この法律は3カ月間適用される。「ソ
マリアは無政府状態にあり、治安の改善をするために我々は強い力
を、特に中立の民兵の対策で必要としている」とゲディは昨日、モ
ガディシュの南西約40キロにある故郷の村ムンドゥル シャレイ
で述べた。エティオピア兵士と現地の部族の指導者の支援を受け
て、ソマリア政府軍が昨日首都モガディシュに侵攻していた。移行
政府は首都の支配権を取り返してまず、イスラーム教徒に課されて
いた活動禁止を解除した。麻薬として使われるカートの葉が売られ
る映画館や売店が再開されるほか、娯楽用の音楽も再び許可され
る。

     国内ニュース

憲法裁判所は未来同盟の村落名標の発言に論評せず

未来同盟連邦党首代理のシュテファン ペッツナーは、憲法裁判所
長官カール コリネクに対して無礼な発言をしたが、これに関して
同裁判所の広報クリスティアン ノイヴィルトはAPA通信の質問に
答えて、「ペッツナー氏の発言に関しては、誰もがそれぞれ意見を
持ってよいので、論評を加える必要はない」と述べた。ペッツナー
は、ケルンテン州首相イエルク ハイダーの広報も務めており、昨
日憲法裁判所のケルンテン州の村落名標問題に関する判決が出たあ
あと、「コリネクという名前は法律の汚物である」と述べていた。
コリネクが未来同盟の誰かを訴えるかどうかという質問には、「誰
も訴えない」と答えていた。憲法裁判所はこれより前、2カ国語併
記でない村落名標をケルンテン州で設置するのは法律違反である、
との判断を下していた。




12月29日(金)

     国外ニュース

トルコ系キプロス人がニコシアの境界の橋を撤去

トルコ系キプロス人は金曜日、問題となっているニコシア中心部の
国境線のところにある歩行者用の橋の撤去を開始した。ただしこの
作業は、夜にはイスラーム教の祝日である供犠祭が土曜日に始まる
ため中断される、と国営通信社CNAは報じている。トルコ系キプロ
ス人の指導者メフメト アリ タラトは昨日、この措置は地中海の
島であるキプロスを再び一つにまとめ協力を推進して行くための努
力の一部である、と発表していた。EU拡大委員オリ レーンはこ
の措置を歓迎し、(分断されている)レドラス通りをつなぐ部分の
建設に財政的な支援を行なう、と約束していた。1年ほど前にこの
橋が建設されたため、ギリシア人が住む南部のキプロス共和国当局
の怒りを買っていた。この橋は、トルコ軍によって利用される道路
をまたいで建設されていた。これに対抗して、レドラス通りの分断
を解くことを拒否していた。レドラス通りはニコシアの旧市街にあ
る商店が立ち並ぶ通りで、1974年以来有刺鉄線で分断されてお
り、60メートルの幅のトルコ側との緩衝地帯は、国連兵によって
管理されている。

     国内ニュース

健康保険の財源を「期限つき値上げによって」確保する方針

社会民主党の連立交渉を担当するザルツブルク州首相ガービ ブル
クシュタラーは、健康保険制度の財政問題を解決するために新たな
提案を行なった。それは3年以内に、財源を「価値を創出する方向
に進めるような」解決する方策を実施に移す、というものである。
そうなるまでの基幹はブルクシュタラーは、健康保険の加入料の最
高額の基準を引き上げることを支持する、と「プレッセ」紙は報じ
ている。現在は勤労所得が健康保険の加入料の計算の基礎となって
いる。新たな計画では土地などの賃貸や株式などからの収入も含め
ることになる。現在の最高加入料の基準である月収3,840オイロ
が、2007年には5千オイロに引き上げられることになるが、これ
を国民党は完全に拒否しているため、期限つきとする、との提案で
ある。




12月30日(土)

     国外ニュース

スペインは襲撃事件後ETAとの話し合いを中止

マドリードで自動車爆弾が破裂して以来、スペイン政府はETAとの
話し合いを中止した、と首相ホセ ルイス ロドリゲス サパテー
ロは昨夜述べた。和平の交渉は6月に開始されていた。マドリード
最大の空港バラハスの車寄せのところで爆発が起こり、少なくとも
19人が負傷した。犯行声明によれば、この攻撃はバスク独立派組
織によるもので、この組織は1968年以来、およそ850人を殺害し
ている。ETAはEU、スペイン、米国からテロ組織と呼ばれてい
る。3月にはETAは「長期的な停戦」を宣言したが、最近まで何度
もテロを再開すると威嚇していた。

     国内ニュース

外務省「イラクの人質の録音された声は本物」

外務省は、イラクで誘拐されたオーストリア人ベルト ヌスバオマ
ーの声の録音が本物である、との見方を取っている。ただし外務省
広報シュネッツァーは、この録音はヌスバオマーとその他の4人の
米国人人質がいる場所や状態についていかなる情報ももたらしてい
ない、とも述べた。外務省はこの音声を、ヌスバオマーが勤務する
クレセント警備会社から手に入れて、専門家に調査を依頼してい
た。シュネッツァーは、担当する官庁が国外の協力者とともに24
時間態勢で、ヌスバオマーを見つける努力をしており、目的を達成
できるようにあらゆる情報を集めている、なかでも米国のある記者
と接触して、人質5人のヴィデオを見たが、音声のみを記録するこ
とが許されただけであった、とのべた。




12月31日(日)

     国外ニュース

誘拐されたイスラエル兵士は間もなく自由になる模様

半年前に武装パレスチナ人が誘拐したイスラエル兵士ギラド シャ
リットは、間もなく解放される、とパレスチナ側が発表した。それ
によれば、シャリットと交換で、1千4百人のパレスチナ人逮捕者
が、4段階で釈放されることになっている。イスラエル首相エフド
 オルメルトは電話で昨日パレスチナ大統領マハムード アッバス
と会談した、とイスラエルの日刊紙「ハアレツ」が報じた。それに
よれば、エジプト大統領ホスニ ムバラクとオルメルトとの会談の
席で、この交換が予告された。

     国内ニュース

ケルンテン州の司教が村落名標について明確な発言

ケルンテン州の司教区司教アロイス シュワルツは昨日クラーゲン
フルト大聖堂でおこなった年末礼拝の中で、村落名標をめぐる対立
に明確な発言を行なった。彼は「ケルンテン州での2カ国語による
村落名標の設置をめぐる体面を傷つけるような芝居を終わりにす
る」ように求めた。未来同盟が憲法裁判所に対して攻撃を加えてい
ることをほのめかして、「民主主義上正当な法治国家の機構に対す
る敬意と尊重」を持つことに賛成である、村落名標をめぐる対立
は、「多くの人に誤解を与え、不要な強い印象を産み出す原因」と
なった、とも語った。




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