1月22日〜28日のオーストリアのニュース



1月22日(月)

     国外ニュース

暗殺された記者ディンクはイスタンブルに埋葬

アルメニア系トルコ人記者フラント ディンクが殺害されて4日、
イスタンブルに埋葬された。52歳の彼は金曜日に17歳の少年によ
って、勤務するアルメニア系トルコ人の週刊新聞「アゴス」の建物
前で射殺されていた。犯人は殺害の理由として、ディンクがトルコ
人を侮辱したことを挙げた。ディンクは、トルコ人による1915年
から17年までのアルメニア人虐殺を、民族虐殺であると呼び、ア
ルメニア人とトルコ人の和解を強く訴えていた。「アゴス」の建物
前での追悼式とアルメニア人の総主教の教会での礼拝が行なわれた
後、ディンクはイスタンブルのアルメニアジン墓地に埋葬された。
この埋葬には、外国にいるアルメニア人の聖職者も招かれた。

     国内ニュース

自由党議員の会合でシュトラーヒェの肖像が議題に

自由党は火曜日から2日間の会派の非公開会議を行なうが、大連立
政権が犯した「過ち」を非難し、野党としての立場を打ち出して行
く方針である。ニーダーエスターライヒ州のワイドホーフェン ア
ン デア イップスでは、党首ハインツ・クリスティアン シュト
ラーヒェと国会議員エーワルト シュタットラーの間の権力争いに
決着がつけられる。この争いのきっかけになったのは、彼が写って
いる国防にむけた体育訓練の時のもとのされる写真や、「ゴッチ
ャ」の試合の際の写真であった。




1月23日(火)

     最新ニュース

作家で記者のカプシンスキが死去

ポーランドの作家で記者リシャルト カプシンスキが、74歳でな
くなった。ポーランドの放送局TVN 24が火曜夜遅くにこれを伝え
た。カプシンスキは、文字によるルポルタージュの分野を代表する
人物と目されていた。彼は前年にノーベル文学賞を受賞する可能性
がある人物と目されていた。2004年には彼はウィーンで、2003
年に出版された政治的な書籍に対して贈られるブルーノ・クライス
キー賞を受けていた。

     国外ニュース

EUは中国の衛星破壊ミサイルの実験に懸念を表明

米国に続いて火曜日に、EUも中国が衛星を打ち落とすミサイルの
実験をしたことに、懸念を表明した。ベルリンでEU評議会議長を
務めるドイツが発表した声明の中では、この試験は軍備拡張競争を
全面的に食い止めようという世界各国の努力に逆行し、宇宙空間の
安全を破壊するものである、と述べられている。EUは中国に対
し、弾道ミサイルの保有数拡大に反対するデン ハーグの行動法典
に署名するように求めた。中国政府は、問題となっている衛星撃墜
に関して、初めて正式の態度を表明した。中国は宇宙空間の軍拡競
争に反対であり、この実験は特定の国を狙ったものではなく、また
威嚇するものでもない、と中国外務省は発表した。米国と日本は先
週、この実験について批判していた。

     国内ニュース

社民党と国民党の連立政府が初めての閣議 

新政府は明日、初めての閣議を行なう。初めての社会民主党と国民
党の閣議の議題は、国会議員を出している政党の政治学会創設の振
興決議と、大蔵大臣兼副首相ウィルヘルム モルテラー(国民党)
を国際財政研究所のオーストリア管区長への就任などの形式的な決
議である。閣議に引き続いて恒例により記者会見室での会見が、連
邦首相アルフレート グーセンバオアー(社会民主党)と副首相モ
ルテラーによって、合同で行なわれる。




1月24日(水)

     国外ニュース

パリでのレバノン会議は巨額の支援を決定

レバノンのヒズブッラー民兵とイスラエルの間での紛争が起きてほ
ぼ半年、世界各国はパリに集まり、近東の同国に対する巨額の支援
を協議している。「パリIII」会議では明日、50ほどの国と国際組
織の代表が参加して行なわれる。その中にはオーストリア外相ウル
スラ プラスニク(国民党)と米国外相コンドリーザ ライス、国
連事務総長潘 基文、EU委員会議長ジョゼ マヌエル バローゾ
も含まれている。EUは2010年までに、約4億オイロを拠出する方
針である。主催者であるフランス大統領ジャック シラクは、5億
オイロの有利な信用供与を約束した。

     国内ニュース

グーセンバオアーはシュトラーヒェの写真を相対化

自由党党首ハインツ・クリスティアン シュトラーヒェは昨日夜の
テレヴィ番組で、自分がヒトラー式のあいさつをした写真が存在し
ている可能性を、明確に否定することはできなかったが、その後、
さらに強い圧力を受けている。国民評議会議長バルバラ プラマー
(社会民主党)は、今回は解明を行なう強い必要性があるのではな
いか、との見解を示した。緑の党はナチ的な活動が活発化する可能
性がある、と指摘し、未来同盟同様にシュトラーヒェに辞任を求め
た。首相アルフレート グーセンバオアー(社会民主党)は、この
ような写真は「良いものではない」が、「少年時の愚行」を口実に
シュトラーヒェを陥れるべきではない、と述べた。




1月25日(木)

     国外ニュース

コソヴォの地位に関するアハティサリの提案が待たれる

国連の主席交渉人マルティ アハティサリは明日ウィーンで、初め
てコソヴォの今後の地位について提案を行なう。接触をしている国
々(米国、ロシア、英国、フランス、ドイツ、イタリア)は開催地
を伏せた非公開会議を行なう。アハティサリの「コソヴォの今後の
地位を決める国連特別使節」UNOSEK事務所の情報によれば、一般
に声明が公表される予定はない。2月2日には、ベオグラードとプ
リスティナでこの提案が公表される。アハティサリは、1999年以
来国連の行政下に置かれているコソヴォの「監視つき」ないし「条
件づき」の独立に賛成するものと見られているが、これは最終的な
解決ではない。コソヴォは即時独立を求めているが、セルビアはコ
ソヴォが広範な自治権を持つ同国の州として残る事を主張してい
る。

     国内ニュース

公勤務労働組合には特別の道 労組間で膠着状態

労働と経済銀行BAWAGの財政面での崩壊はほとんど乗り越えられ
ておらず、オーストリア労働組合連合内部では、連立は成立したも
のの、国民党の労組と社会民主党の労組の間の空気は張り詰めてい
る。公勤務労組の会長フリッツ ノイゲバオアー(国民党)は、オ
ーストリア労働組合連合の幹部選挙で落選した後、キリスト教民主
同盟の労組は厳しい語調で、自分たちを狙った行動を取りあげてい
る。国民党の公務員労組の一部は独立し、2つの組織になる方針で
ある。社会民主党の労組連合幹部会は、責任を取ることを拒否し、
負債の上限を定める努力をしている。




1月26日(金)

     国外ニュース

国連総会はホロコーストの否定を厳しく非難

国連総会は金曜、あらゆる形でのホロコースト否定に、きびしく否
定し、これは「歴史的」な採決である、と評価を受けている。国連
加盟国すべてによる会議は、ホロコーストの記憶を生き生きしたも
のにとどめ、新たな民族虐殺を予防することに賛成した。採決によ
らない同意で採択された決議の中では、歴史的事実の否定は、恐る
べきあのような行為が繰り返し行なわれる危険性を、覆い隠すもの
である、と警告している。この決議案は米国およびその他の十数ヶ
国によって提案された。この決議は、加盟103ヶ国の指示を受け
た。この決議は、12月にイラン大統領マハムード アフマディネ
ジャドの招きでテヘランで行なわれたホロコースト会議に対抗する
もので、この会議ではホロコーストは嘘であるとし、6百万人のユ
ダヤ人の殺害を疑問視していた。

     国内ニュース

ブーヒンガーは男性局をそのままにする方針

社会福祉大臣エルウィン ブーヒンガー(社会民主党)は、男性局
を存続させ、男女の数を半々にするように努力する方針である。こ
れは彼が「ザルツブルク」通信とのインタヴューで述べたことであ
る。男性局は2001年に当時の自由党の「女性大臣」であったヘル
バート ハオプトが、当時野党であった社会民主党からのものも含
め、激しい抵抗の中作った部局であるが、ブーヒンガーは社会福祉
大臣として、この部局の長を務める。「現時点から見て、この部局
を存続させる計画である」とブーヒンガーは述べた。まず2週間以
内にこの部局について、批判的に評価し、この部局が持つ政治的な
立場をはっきりと修正し、反女権拡張主義的な色彩を取り除く、と
も語った。




1月27日(土)

     国外ニュース

パキスタンでは爆弾事件 死者は少なくとも14人

パキスタン北部の都市ペシャワールで土曜日、爆弾による攻撃が行
なわれ、最新情報によれば、少なくとも14人が死亡、35人が負傷
し、その中には地元の警察署長代理も含まれていた。警察の発表で
は、シーア派のモスクの近くにある市場で、包みにしかけられてい
た爆弾が破裂した。現地での報道によれば、これは爆発地点を通り
過ぎようとしていたイスラーム教の追悼月ムハラムの行列を狙った
攻撃である、と見られている。爆発後は停電し、救助作業が妨げら
れた、犠牲者の多くはシーア派の行列が通れるように整理してい
た、警官と市の職員であった、とのことである。前日にはパキスタ
ンの首都イスラマバードで、外国人がたくさん利用する豪華ホテル
で自殺攻撃があり、2人が死亡し、7人が負傷したばかりであっ
た。政府はこの犯行を「国家の敵」が行なった、としている。

     国内ニュース

マーレクは従業員に児童養育引換券制度を要請

国民党の大蔵省政務次官クリスティーネ マーレクは、家庭と職業
をよりうまく両立させるための、児童の養育引換券に理解を求め
た。使用者側は、食料引換券に似た形で、理想的だと考える子供の
養育法を選んで、資金を負担する社会福祉給付をみずから行なっ
て、子供を持つ従業員を支援すべきだ、と彼女は「クリール」紙の
インタヴューの中で提案した。事業所評議会の評議員としてマーレ
クは数年前に、ウィーンで一度これと同じような先駆的な計画を組
織した。彼女の考えでは、多くの企業がそのための資金を支払う用
意があった、従業員が頭の中に不安を抱えずに、仕事に取り組むこ
とは、使用者側の利益となる、とのことである。




1月28日(日)

     国外ニュース

EUの代表3人はアフガニスタン政府と会談

EUの3要人は月曜日、アフガニスタン政府の代表者と会談する。こ
の会談では、ドイツ外務大臣フランク・ヴァルター シュタインマ
イアーが司会を務め、EUからは外務委員ベニータ フェレーロ・
ワルトナーおよび外務委員ハヴィエル ソラナが出席する。アフガ
ニスタン政府の代表は外務大臣ランギン スパンタである。そのほ
かEU評議会で次期に議長を務めるポルトガルも参加する。話し合
いの焦点は、昨年のアフガニスタンの状況で、EUの活動および、
アフガニスタンと隣国の関係も取り上げられる。EUは2001年以
来、アフガニスタン再建・発展計画の10億オイロを支払い、今後4
年間でさらに6億オイロの支払いを約束している。火曜と水曜日に
は、G8諸国がベルリンに集まり、高官による調整の会合が行なわ
れる。

     国内ニュース

写真疑惑はシュトラーヒェの声明が待たれる

自由党党首ハインツ クリスティアン シュトラーヒェは月曜午前
中に、「誤解を生まない」声明を発表し、ここ数日間党内に限らず
激しい混乱を引き起こした写真についての説明を行なう方針である
問題となっている若い時の写真では、シュトラーヒェは国防体育訓
練のものとされるもので、ネオナチ式のあいさつとみなされかねな
い写真が最近公表された。自由党内部では、この写真の出所がどこ
か、解明しようとしている。鍵となるのは、ネオナチのゴットフリ
ート キュッセルに対する自由党の公式謝罪で、この写真とともに
見つかっている。これはオーバーエスターライヒ州の同党首ルッツ
 ワインツィンガーがキュッセルを「白痴」と呼んだ時に出された
もので、公式謝罪を受けたのはキュッセルだけであった、とのこと
である。




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