2月23日〜3月4日のオーストリアのニュース



2月23日(金)

     国外ニュース

米国は集束爆弾に使用を続ける方針

米国は集束爆弾の禁止要求を拒否した。この種の爆弾を軍事的な選
択肢の一つとして、保持することにする、と外務省広報ショーン 
マコーマックは昨日ワシントンで述べた。これより前に、オスロで
2日間にわたって開かれた会議の締めくくりで46ヶ国が、集束爆弾
を条約で禁止するように求めていた。米国およびロシア、中国、イ
スラエルなどの主要爆弾製造国は、この会議に参加していない。こ
の集束爆弾は、爆弾や野戦砲1発あたり2百ないし6百の爆薬が詰め
込まれ、たいていは歩兵団や戦車部隊に使用される。爆発すると、
爆薬は広い範囲にひろがるが、15%ほどがすぐには爆発せず、場合
によっては80%が爆発しないこともある。子供がしばしばこの犠牲
になっている。

     国内ニュース

調査委員会の議事録でウェステンターラーに不利に

未来同盟党首ペーター ウェステンターラーは昨日のテレヴィ番組
で、投資銀行家ウォルフガング フレットルの便宜を図るために、
元法務大臣カーリン ガスティンガーに介入を行なったとの非難を
改めて否定した。ただしガスティンガーの広報クリストフ ペヒン
ガーは、調査委員会でこれに関する発言を行なったことを認めてい
た。この番組では、銀行調査委員会でのペヒンガーに対する質問の
議事録が紹介された。それによればペヒンガーは、「フレットルが
起訴状を取り下げ、独自の訴訟手続きを取ることを狙って」いた、
とのべていた。




2月24日(土)

     国外ニュース

米空軍はバグダード南東を攻撃

米空軍は土曜日よる、バグダードの南東を攻撃した。バグダードの
治安計画を実行するための指揮官のイラク側公法は、「テロリスト
を目標とした」爆撃である、と述べた。これはイラク軍の治安確保
計画の枠組みの中で定められたものである、とも語った。イラク内
務省によればこの攻撃はボアイタ地区にいる反乱勢力の拠点に対し
て行なわれたものである。現地時間の22時頃、同市の南東では約
30回の激しい爆発が起きた、とのことである。一方イラクの都市
ハバニヤでは自動車爆弾による攻撃が起きた。現地警察によれば、
死者は40人、負傷者は数十人である。この他、バグダードでは少
なくとも3件の攻撃が起き、5人が死亡した。

     国内ニュース

エルスナーの取引先シュラフに対する捜査が開始

ウィーン検察は、巨額の投資家で実業家のマルティン シュラフに
対する捜査を開始した、と日刊紙「エスターライヒ」が報じてい
る。それによればシュラフは自分の投機行為に対して、労働と経済
銀行BAWAG元総裁ヘルムート エルスナーに、形だけの会社を紹
介していたが、この会社は名目上の所有者だけがいる米国の4つの
ダミー企業からなる組織である、とのことである。これらの会社に
関して、労働と経済銀行は新たに資金を調達し、この投機行為によ
って新たな損失を出していた、と国立銀行の調査報告書を引用して
報じている。




2月25日(日)

     国外ニュース

米国はイランに核をめぐる対立で警告

イランとの核をめぐる対立で、前線は改めて緊迫感を増している。
国際的な警告にもかかわらず、イラン大統領マハムード アフマデ
ィネジャドは昨日、イランの核計画に関する自らの立場を変えない
と発言した。「この核をめぐる道を減速したり、逆行することはな
い」と彼はファルス通信に述べた。一方米国外務大臣コンドリーザ
 ライスは、イランがしなければならないのは、道を戻ることでは
なくて「ただ単に停止装置を起動することだけだ」と答えた。米国
副大統領リチャード チェーニーが改めて軍事攻撃を行なう可能性
がある、と述べたことを受け、影響力の強いイスラーム国家7カ国
は、紛争を激化させないように、と警告した。

     国内ニュース

介護保険と最低生活の保障を扱う作業部会が開会

以前から待ち望まれていた、介護保険と最低限度の生活の保障を扱
う作業部会が、今日からその仕事を開始する。社会福祉大臣エルウ
ィン ブーヒンガー(社会民主党)は、経済省、厚生省、各州、労
働市場局の代表を、ウィーンの社会福祉省に招待した。主要な課題
は、介護保険に関しては24時間制の介護の財源、最低限度の生活
の保障に関しては、当面各州間の新たな生活保護の権利の調整であ
る。




2月26日(月)

     国外ニュース

イスラエル軍はナブルスから撤退した模様

イスラエル軍は昨日午後、西ヨルダンランドのナブルス市から撤退
した模様である。すべての軍事車両が撤退し、制服の兵士はもはや
見られない、とパレスチナの安全保障の担当者達が発表した。目撃
者も、この撤退を確認した。イスラエル軍の広報は、この撤退を否
定も肯定もしようとしなかった。イスラエル軍は週末にナブルスで
大規模な活動を開始し、その際パレスチナ人1人が死亡、数人が負
傷していた。

     国内ニュース

戦闘機調査委員会で物議をかもす証人尋問

迎撃戦闘機オイロファイター調査委員会の今日の会議は、緊迫する
ことが必死である。国会議員たちは特に、オイロファイターを売り
込んだエアハルト シュタイニンガーとエーリカおよびゲルノート
 ルンポルトの会社100%コミュニケイショズ社の間の取り引きの
関係を、証人の発言から解明することを、期待している。ルンポル
トの会社は、飛行機の製造元との高額の報酬が解明されずに残って
いるため、報道に名が上がっている。広報担当の顧問ペーター オ
ットとオイロファイター社社長アロイシウス ラオエンおよび労働
と経済銀行のアロイス マレシュのほか、同機の宣伝担当ゲルノー
ト ルンポルトおよびシュタイニンガー自身も召喚される。




2月27日(火)

     国外ニュース

プローディ政権は上院での信任投票に臨む

イタリア上院は水曜日、首相ロマーノ プローディの中道左派政権
の今後に関して、投票を行なう。プローディは上院で外交政策とイ
タリア軍の今後のアフガニスタン駐留に関する採決で敗北したた
め、辞任を申し出ていた。上院はまず、プロディーが行なった政府
の政策に関する演説について、議論を行なう方針である。信任投票
の結果は21時前には出ない見通しである。現職の中道左派連合の
代表は、プローディが投票でかろうじて勝利する、と自信をのぞか
せている。下院での投票は引き続き金曜日に行なわれることになっ
ている。プロディーの連立政権は上院でとは違って、下院では安定
多数を持っている。

     国内ニュース

銀行調査委員会はFMA長官プリビルに質問

国会の銀行調査委員会は水曜日に、月曜夜に中断された会議の続き
を行なう。今回は金融市場監督庁FMA長官クルト プリビルが唯一
の回答者として、労働と経済銀行の投機に関する疑惑で、同庁が果
たした役割について質問を受ける。水曜日の会議で予定されていた
主題は、スキー製造会社アトミック社の倒産であったが、これは先
送りされた。また月曜日に呼ばれていた国立銀行の元総裁で、現在
ヨーロッパ中央銀行の総裁を務めるゲルトルーデ トゥンペル・グ
ーゲレルは、質問を受ける日程を調整することになった。




2月28日(水)

     国外ニュース

イタリアではプローディが信任投票をかろうじて乗り切る

イタリア首相ロマーノ プローディは、辞任から1週間、イタリア
政府の危機を首相として乗り切った。彼は昨日午後、上院での信任
投票で勝利した。ちょうど1週間前に外国政策をめぐる投票で敗北
を喫した彼は、上院議員162人から支持を得た。反対したのは157
人であった。必要な得票は161票であった。今回の信任投票に臨ん
だのは319人の上院議員であった。政権続投に決定的な影響を与え
たのは、終身上院議員の票で、元大統領キャンピ、スカルファロ、
元首相コロンボ、ノーベル医学賞受賞者モンタルチーニが賛成票を
投じた。

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ブーレスとハーンは正式に大臣に就任

女性問題担当大臣ドリス ブーレス(社会民主党)と科学大臣ヨハ
ネス ハーン(国民党)は、新政府の閣僚として最後に、連邦大統
領ハインツ フィッシャーから王宮で任命された。今までこの2人
は正式には大臣の職に就いていなかった。この職は前政権にはなか
ったため、連邦大臣法の決定を待たなければならなかったためであ
る。バルハオス広場近くの連邦首相府のすぐ近くにあるウィーン 
ミーノリテン広場の女性省および科学省に、両者は入ることにな
る。そこは外務省および教育省がある場所である。連邦大臣法は、
この役職の権限を確定するもので、社会民主党と国民党が賛成し
て、今日発効する。




3月1日(木)

     国外ニュース

パキスタンではタリバーンの指導者が逮捕された模様

パキスタン治安部隊はおそらく、急進派イスラーム教のタリバーン
の高位の指揮官を逮捕した。ムッラー オバイドゥッラー アフン
ドは、南西部の都市クエッタで発見された、とパキスタン治安部隊
の代表とタリバーン側が共に確認した。それによればアフンドの逮
捕は月曜日であった。内務省の代表者は、ロイター通信の質問に答
えて、タリバーンの指揮官を拘留している、との情報を否定した。
アフンドはタリバーンの指導者陣営の10人のうち1人である。
2001年に米国が失脚させたタリバーン政権では、国防大臣を務め
ていた。米国副大統領ディック チェーニーは数日前に、急進派が
パキスタンの地で秘密裡に組織を再建することを阻止するために、
もっと多くのことをするように、パキスタン大統領ペルヴェズ ム
シャラフに要請したばかりであった。

     国内ニュース

初めての閣僚非公開会議をリンツで開催

社会民主党と国民党は金曜日から2日間にわたって、リンツのアル
ス・エレクトロニカ・センターで、初めて合同で実務会議を行な
う。主要な議題は、雇用と行政改革になる予定である。特に熟練工
の問題の解決が目指される。フライス工、溶接工、旋盤工の専門技
術者が不足していることを受け、国民党は新規EU加盟国から人材
を受け入れることを求めている。一方社会民主党は、関連分野から
失業者を転職させるように求めている。先週の対立を経て、この会
議の直前にようやく、予算交渉の最後で内容的な成果を上げること
ができたところであった。これに到着した際にも、両党が一つにま
とまっていることが示された。




3月2日(金)

     国外ニュース

病院問題で米軍の全権委員が辞任

軍の重要な病院にいる戦争の負傷者が貧弱な環境で収容されている
との報道を受け、米軍の全権委員フランシス ハーヴェイは辞任し
た。米国防省ロバート ゲイツは、この決定を昨日発表した。ハー
ヴェイは軍の案件を担当する国防省で文官としては最高の地位にあ
る。木曜日に既に米国は、ワシントンのこの病院の院長であるジョ
ージ ワイトマン少々を解任していた。ゲイツはこのウォルター 
リード医療センターの問題の責任は、管理部門の人員にある、情勢
の深刻さを軍の内部の何人かは知っておらず、問題が明らかになっ
ていなかった、と述べた。「ワシントン ポスト」紙が2月に、イ
ラクおよびアフガニスタンでの負傷者が、ネズミやゴキブリが出る
荒れ果てた建物の中で過ごしている、と報じていた。

     国内ニュース

法相ベルガーの計画を裁判官が批判

裁判官連合会長バルバラ ハイリゲは、法務大臣マーリア ベルガ
ー(社会民主党)が、オーストリア国内の被拘禁者の数を削減する
ための計画に反対である、と述べた。特に外国人が自主的に故国に
帰ると約束する場合意は、無条件に釈放するという大臣の計画は、
憂慮すべきである、とハイリゲは「エスターライヒ」紙に述べた。
外国人であるという理由だけで、拘禁される期間が短縮されること
になり、オーストリア人が不利になる、と彼女は述べた。ギャラッ
プ社の世論調査によれば、質問を受けた83%がベルガーの計画を支
持しており、反対なのはわずか11%であった。




3月3日(土)のオーストリアのニュース

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サンクト ペテルブルクの反プーチン活動は実力で解散

ロシアのサンクト ペテルブルクでは土曜日、政府に批判的なデモ
隊と、警察が衝突した。少なくとも2千人が「プーチンのいないロ
シアを」だとか「自由をよこせ」と叫びながら、同市を通り抜ける
主要な道路を封鎖すべく治安部隊が築いた封鎖を突破した。警察は
デモ隊に向けて警棒を使い、情報によれば約百人を逮捕した、との
ことである。主催者側は大統領プーチンの故郷での今回の無許可集
会を「不満を持つ者たちの行進」である、と述べていた。彼らによ
れば、参加者は5千人であった。専門家の話によれば、この集会は
反対勢力の不断にはないほど強い意志表示であって、普通はこの種
のデモには数百人しか参加せず、暴力的な衝突になることはほとん
どない、とのことである。

     国内ニュース

大学授業料に関する合意が近づく

授業料を免除するための支援を行なうべきか、どうか。この問題を
めぐって、政府内部で合意が成立しそうである。連邦首相アルフレ
ート グーセンバオアー(社会民主党)は、授業料免除の理由とし
て、職業上の支援だけを除外する方針である。科学大臣ヨハネス 
ハーン(国民党)と教育大臣アンドレア シュミート(社会民主
党)は、社会的に弱い立場にある生徒に対する指導制度を作ること
を検討できる、との意見である。ただし最終決定はまだ出ていな
い。その他の提案を今月末までに検討する、とグーセンバオアーは
述べた。




3月4日(日)

     国外ニュース

イラクでアル カーイダの高官拘留

イラク北部で日曜日、アル カーイダのテロリストが設立した組織
「イラク イスラーム国家」の指導者が逮捕されたとの情報があ
る。ムハリブ モハメド アブドゥッラー、別名アブ オマル ア
ル バグダディが、イラクと米国の兵士の合同の手入れで、ドゥル
イジャ市近郊で逮捕された、と治安本部とサラヘディン州の行政府
が発表した。「これはイラク治安部隊が挙げた成果の中で、アブ 
ムサブ エル ザルカウィの死亡に匹敵するほど大きな成果であ
る」とティクリートの州行政府は発表した。アブドゥッラーはバグ
ダード北部にあるバラド市出身の元法学者である。「イラク イス
ラーム国家」は土曜日に、18人の殺害を認めていた。アル カーイ
ダのテロリストの元指導者であったアル ザルカウィは2006年に
米軍の空爆で死亡していた。

     国内ニュース

労働と経済銀行の秘密文書はグラサー擁護に役立つ

元大蔵大臣カール・ハインツ グラサーは、労働と経済銀行
BAWAG事件に不正な操作を加えた、との非難を受けているが、こ
れから身を守っている。この批難は全く根拠がない、と述べた。彼
は「自分を守る権利」を利用し、「論理的に対応する」とグラサー
は、銀行監視委員会にあてた「秘密文書」の中で浮上してきた目標
値に関する数値について述べた。報道雑誌「プロフィル」誌によれ
ば、「社会民主党の組織が負債に対して責任があるので、政府が同
銀行を救済する」と述べた、とのことである。




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