4月9日〜15日のドイツのニュース



4月9日(月)

アフマディネジャド「イランは核燃料を外国に依存しない」

(テヘラン)イラン大統領マハムード アフマディネジャドの発言によれば、同国
は核燃料の供給に関して、今や他国に依存していない。彼はウランを濃縮できるナ
タンツ核施設で演説し、イランは現在、核燃料を製造できる状態にある、と述べ
た。また彼は、西側のいくつかの国がこの能力を行使させない用としても、イラン
はそれを認めないつもりである、とも付け加えた。米国政府はこれに対する最初の
反応として、イランは国際社会を再び軽視しようとしている、と述べた。ロシア政
府はこの成り行きを、国際社会に対する挑発である、と評した。

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ターニーはイランでの拘留の詳細を明かす

(ロンドン)英国海軍に属するターニーは新聞社インタヴューの中
で、イランでの13日間の拘留について、初めて詳しく彼女の見解
を述べた。逮捕状態にあった最初の5日間は、監視員が彼女にその
他の14人が家に送り返され、彼女だけがイランで逮捕されてい
る、と信じ込ませていた、と26歳の彼女は街角で売られる新聞
「ザ サン」に述べた。その他にも彼女は、事情聴取を受けた際
に、死を覚悟させられ、係官は彼女用の棺桶作りのために体の大き
さを計るふリをした、とも述べた。監獄での経験を語って報酬を得
ることを政府が許可したことに対し、英国では野党およびイラクで
死亡した英国兵の家族から、激しい批判が出ている。

サッダーム失脚の記念日に抗議活動

(バグダード)サッダーム フセイン失脚4周年記念日に、数十万
人のイラク人が、外国軍がイラクに駐留していることに対する抗議
活動が行なわれた。2カ月前に姿をくらましたシーア派の指導者モ
クタダ エル サドルの支持者が、デモに参加した。彼らは反米の
言葉を叫んだ。米軍は復活祭の週末に、あわせて10人の兵士を失
った、と発表した。襲撃、殺害の呼びかけおよび戦闘によって、同
じ時期に少なくとも60人のイラク人が死亡した。イラク首相エル 
マリキは、東京を訪問し、日本政府の巨額の信用供与をかち得た。
この資金は送電網と水の供給を再建するために使われることになっ
ている。

トルコのクルド人に対する攻撃で死者発生

(アンカラ)トルコ治安部隊のクルド人反乱勢力に対するいわゆる
春の攻勢で、復活祭の週末に25人が殺された。死亡したのは「蜂
起勢力」の14人と、兵士11人である、と軍は発表した。兵士数千
人が同国南東部のイラク国境近くで、ヘリコプターの支援を受け
て、活動が禁止されている分離独立派のクルド労働者党PKKに対
し、数回の出撃を行なっていた。国境地域での暴力が増加している
ため、トルコはイラクのクルド人に対する論調を激化させた首相エ
ルドアンは、「全滅させる措置」を取ると威嚇した。この発言は、
イラクのクルド人自治区大統領マッスド バルサニの「クルド人は
トルコ人の領土侵害に対して、トルコで同じ行動をとって報復す
る、との威嚇に応えたものである。




4月10日(火)

イランはウラン濃縮を中止せず

(テヘラン)西側がウラン濃縮の中断を前提条件として主張するかぎり、イランは
問題となっている核計画に関する今後の話し合いを行なう可能性を否定した。外務
大臣マヌーチェフル モッタキはテヘランで、イランは前提条件なしでの話し合い
にのみ応じる用意がある、と述べた。月曜日には大統領マハムード アフマディネ
ジャドは、イランは濃縮されたウランを生産する工業的な態勢を整えた、と発表し
ていた。イラン核当局の発表によれば、ナタンツの核施設には、永続しようする
5万台の遠心分離機を設置した。一方国際原発機構の査察官2人がイラン入りし
た。彼らは核施設の調査を行なう方針である。これは日常監視業務の一環である、
とのことである。

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EUはイランの核計画に懸念を表明

(ベルリン)EUは、イランが発表したウラン濃縮の突然の開始に
対して、不安を表明した。EU評議会議長ドイツは、イランに対し
問題となっている核計画を中止し、交渉の席に戻るように緊急に要
請する、と外相シュタインマイアーはベルリンで述べた。産業的な
規模でのウラン濃縮を行なう、との予告は、国際原発機構と国連安
保理の要請に、真正面から反している、とも彼は述べた。またシュ
タインマイアーはイランに対し、この要請に応え、今後の交渉の前
提条件を満たすように、と呼びかけた。

CDU/CSUの政治家はイランにむけたミサイル迎撃態勢に賛成

(ベルリン)イランの核計画をにらんで、キリスト教民主、社会同
盟の政治家数人は、異論も出ている米国のミサイル迎撃網設置する
ことに賛成した。キリスト教民主、社会同盟の会派の外交問題の専
門家フォン クレーデンは、ラジオ局のインタヴューを受け、イラ
ンは現在、世界平和にとって最大の危険要因であり、ドイツはどの
ようにすれば、これから身を守ることができるか、考えなければな
らない、と述べた。連邦議会外務委員会議長ポーレンツ(キリスト
教民主同盟)は、「ビルト」紙に対して、NATO加盟国すべてが参
加する防衛網を作ることに賛成である、と述べた。キリスト教社会
同盟の外交の専門家リントナーは、緊急の場合にはドイツにもミサ
イルを配備するのに賛成である、と述べた。社会民主党はこれらの
提案を退けた。

イラクで再び複数の襲撃事件

(バグダード)イラクの警察官募集所で自殺攻撃が行なわれ、少な
くとも16人が死亡した。犯人の女性は、ムクダディヤの派出所の
前にいた人ごみの中に混じって、爆発物に点火した。ムクダディヤ
は、バグダードの北東90キロにある。これとは別の襲撃では、米
兵4人が命を落とした。一方バグダードからは、米国および政府軍
が、蜂起勢力と戦闘を行なった、との報告がある。ここではおよそ
20人のイラク人が死亡した。




4月11日(水)

アル カーイダはアルジェとカサブランカでの襲撃の犯行声明

(アルジェ)アルジェリアの首都アルジェで2件のテロ攻撃が行なわれ、少なくと
も23人が死亡した。アラブ系のテレヴィ局アル ジャジーラへの電話の中で、テ
ロ組織アル カーイダがこの襲撃行なったことを認めた。この2件の攻撃のうち一
方は、アルジェリア首相アブデラズィス ベルクハデムを狙ったものである。政府
の発表によれば、死者は11人で、犯行はおそらく自殺攻撃によって行なわれた、
と推定されている。負傷することなくすんだベルクハデムは、これは陰険なテロ行
為である、と述べた。同時に行なわれた爆弾攻撃は、アルジェ東部の交番を狙った
もので、12人が死亡した。アル カーイダは、火曜日にモロッコの港町カサブラ
ンカで起き、4人が死亡した自殺攻撃事件3件も、自らが起こしたことを認めた。

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ケルンの爆弾事件の容疑者の裁判が始まる

(ベイルート)ドイツの近距離鉄道を狙ったが失敗に終わった、ス
ーツケース爆弾による攻撃から8カ月強、ベイルートではこの事件
の容疑者ハマドに対する裁判所の手続きが始まった。この裁判は、
弁護側の要望で、開始直後に4月18日まで延期された。レバノン司
法の発表によれば、ハマドは7月末にケルンの事件の共犯者ととも
に、近距離列車2編成の中に爆弾2発を仕掛けた、と尋問で自白し
た。この爆弾は構造上の欠点があったため、爆発しなかった。ハマ
ドの共犯者と見られるアル ハジブは、ドイツで未決勾留中であ
る。彼に対しては、連邦検察が夏に訴訟を起こす方針である。

米国はスーダンに対する制裁強化を延期

(ワシントン)国連の要請を受け、スーダンのダルフール地区で人
権侵害が起きているため、米国はスーダンに対する制裁強化を延期
した。国連事務総長潘は、国連とアフリカ連合AUのダルフール和
平軍を受け入れに同意することを検討させる時間的な猶予を、スー
ダンに与えるように求めている、と米国政府代表は発表した。

プロテスタント教会はホロコーストのキリスト教徒の責任を認める

(エルサレム)ドイツ プロテスタント教会評議会EKDはエルサレ
ムで、ホロコーストについてキリスト教徒のも責任があることを認
めた。謙虚に、そして恥を感じながら、これを認める、と同協議会
会長フーバー監督が、ホロコースト記念施設ジャド ヴァシェムに
花輪を供えた後に述べた。同評議会は「聖地」をめぐる出会いの旅
の初日に、ジャド ヴァシェムをわざわざ選んで訪問した、とフー
バーは強調した。ナチによるユダヤ人に対する民族虐殺の犠牲者
6百万人を記念する施設は、同評議会にとって「イスラエルに通じ
る門」である、とも述べた。イスラエルの上級ラビメッツガーは、
代表団の訪問を受け、同評議会との持続的な関係を築くことに賛成
である、と述べた。今回の訪問は、同評議会の最高代表部が、公式
にイスラエルのユダヤ教を代表する2人の人物と会う初めての機会
である。




4月12日(木)

バグダードの国会議事堂と橋に攻撃

(バグダード)バグダードでは蜂起勢力に対する攻撃が、9週間前から中断するこ
となく続いているが、複数の自殺攻撃犯が注目を集める2件の攻撃を行なった。厳
重に治安対策が取られた緑地帯にある国会議事堂の中で、爆弾1発が爆発し、米国
の情報では国会議員3人を含め、少なくとも8人が死亡した。国営テレヴィによれ
ば、30人ほどが負傷した。そのわずか数時間前には、自殺攻撃犯がバグダードの
9つの橋を破壊し、少なくとも10人を巻き添えに死亡した。
米国大統領ジョージ W. ブッシュは、この国会に対する攻撃を非難し、「民主主義
の象徴である無実の人間に」対する攻撃である、と述べた。

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NATO兵士2人がアフガニスタン東部で死亡

(カンダハル)アフガニスタン東部で襲撃があり、正式発表によれ
ば、NATOの兵士2人が死亡した。アフガニスタン国際保護部隊の
発表によれば、同軍の輸送部隊が通り過ぎたところ、相前後して2
発の爆薬が破裂した。死亡者の国籍はまだ発表されていない。今年
の始めからNATOと米国が指揮する連合部隊の兵士39人が、死亡し
ている。米国の情報では、アフガニスタン南部の空爆では、少なく
とも24人のタリバーンの戦闘員が死亡した。当初は反乱勢力の死
者数は35人と発表されていた。

アルジェの襲撃の犠牲者の数は33人に増える

(アルジェ)アルジェがテロ攻撃を受けてから1日、警察は道路封
鎖を行ない、安全確保のための監視を行なった。死者の数は33
人、いまだに病院で手当を受けている負傷者は57人である。テロ
の専門家は、テロ組織アル カーイダがアフリカ北部でさらなる攻
撃を計画し、活動をヨーロッパにまで広げる可能性がある、と懸念
している。水曜日に首都アルジェでは、首相府と警察の派出所の前
で爆弾2発が破裂していた。テロ組織機アル カーイダがマグレブ
地方でこれらの攻撃を行なったことを発表していた。いくつかの国
が、アルジェへ旅行する際には、より警戒するように呼びかけた。
ドイツ外務省は、安全に関する状況に関する最新の調査結果を手に
入れるよう警告している。

国防軍の偵察機がスイスで墜落

(ベルリン)国防軍のトルネイド型偵察機がスイス上空で墜落し、
操縦士が死亡した。もう一人の乗員は負傷して、病院に運ばれた、
と国防省の広報は発表した。この事故の原因については広報は何も
述べなかった。スイス国防省の発表では、この軍機はベルン高原で
岩壁にぶつかり、操縦士はおそらく機体から緊急脱出装置を使用し
たと見られる。また同機はコルシカでの訓練飛行の帰りで、事故の
直前に燃料補給のために、オランダのエメンに着陸していたが、こ
の飛行は許可を受けており、異例のものではない、とも述べた。




4月13日(金)

国連安保理はイラク国会に対する攻撃を非難

(ニュー ヨーク)国連安全保障理事会は、バグダードの国会に対する自殺攻撃
を、強く非難した。同時にイラクでの暴力を集結させるために、対話と和解を呼び
かけた。この流血の行為の実行犯、計画者、資金提供者は、責任を取らなければな
らない、と国連の最高の委員会は述べた。事件に対処するための特別会議には、テ
ロに対して毅然とした態度を示すために、国会議員が集まった。米国の最新情報に
よれば、この自殺攻撃では、スンニー派の国会議員1人が死亡した。その他22人が
死亡した。スンニー派の反乱勢力で、テロ組織アル カーイダと繋がりがある組織
が、この犯行を行なった、と発表した。

     その他のニュース

ドイツ人人質の命運はまだ不明

(ベルリン)イラクで誘拐されたドイツ人2人の運命は、延長され
た最終期限が過ぎた後もなおはっきりしない。ドイツ政府は、61
歳の女性とその息子の釈放のための努力を、あいかわらず続けてい
る、と外務省広報は述べた。最終期限は木曜日夜に過ぎていた。最
終通告の中で誘拐犯は、国防軍がアフガニスタンから撤退しない場
合には、人質を殺害する、と予告していた。連邦政府は数回に渡っ
て、圧力には屈しない、と強調していた。

墜落した国防軍偵察機の運行記録が発見される

(ベルン)連邦空軍は、スイスで墜落した国防軍のトルネイド型機
の墜落原因について、まだ何ら知見を得ていない。ドイツとスイス
の専門家は、ベルン高原の事故現場で発見された飛行記録の鑑定
で、解明が進むことを期待している。木曜日に同機はそこで試験飛
行を行ない、岩壁に衝突していた。その際操縦士は死亡したが、副
操縦士は生き残った。乗員が着儒的な問題を持っていたのか、ある
いは手違いを犯したのかはまだ分かっていない。一方連邦空軍の総
飛行時間数は、NATOの操縦士の平均的な飛行時間を下まわってい
る、との非難が出ているが、国防軍はこれを否定した。

メルケルはエティンガーを批判

(ベルリン)キリスト教民主同盟党首で連邦首相メルケルは、バー
デン・ヴュルテンベルク州首相エティンガーが行なった、前任者フ
ィルビンガーへの弔辞を非難した。彼女は、フィルビンガーの生前
の業績の評価と並んで、ナチ時代に関する大きな問題に言及してほ
しかった、と述べた。エルサレムのシモン・ヴィーゼンタール・セ
ンター所長ツロフは、エティンガーに辞職を求めた。フィルビンガ
ーのナチとしての過去と、彼がナチの海軍の裁判官として果たした
役割を否定し、その容疑を否定する州首相を支持することはできな
い、と述べた。エティンガーは演説の中で、フィルビンガーは海軍
の裁判官として死刑判決に関ったが、彼はナチではなく、ナチ体制
を批判していた、と述べていた。




4月14日(土)

トルコではエルドアンの大統領立候補に反対する大規模な抗議活動

(アンカラ)トルコの首都アンカラでは、数十万人が参加して、首相タイップ エ
ルドアンが大統領候補になることに反対するデモが行なわれた。同国のあらゆる地
域から、デモ隊がバスでやってきた。トルコは政教分離の国であり、今後もそれを
変えてはならない、と呼びかけが行なわれている。反エルドアン派は、エルドアン
とその政党AKPが、トルコをイスラーム国家化する可能性がある、と懸念してい
る。警察の発表では、30万人以上が集会に参加した。一方主催者は、抗議を行っ
たのは百万人以上である、と述べた。この集会には1万人の警官が投入された。デ
モはおおむね平静に行なわれた。

     その他のニュース

モスクワ警察は野党のデモ隊を暴力を用いて解散させる

(モスクワ)ロシア警察は、野党がモスクワで行なったが禁止され
ている集会を、解散させ、少なくとも250人を逮捕した。主催者の
1人で、チェスの元世界選手権者カスパロフは、「挑発行為」容疑
で連行された。警官は警棒で、日本人記者1人を殴り、頭部に重傷
を負わせた。記者数人が一時逮捕されたが、そのうち2人はドイツ
第2テレヴィの職員であった。今回の抗議集会には、数十万人が参
加した。彼らと対峙したのは、警官9千人であった。野党は、冬に
行なわれる国会議員および大統領選挙を前に、大統領プーチンは人
権の制限を強めている、と非難している。

イラクの都市ケルベラでは自動車爆弾で死者多数

(ケルベラ)イラクはこのところ安全確保のための戦闘を行なって
いるにもかかわらず、新たな暴力の波に震撼させられている。官庁
の発表によれば、シーア派の巡礼者の町ケルベラのバス駅では、自
殺攻撃犯が36人を巻き添えに爆死した。負傷者は168人に上った。
犯行現場は、シーア派にとって最大の聖なる遺構の1つ、イマム・
フセイン廟の近くである。その他、バグダードでは橋が爆破され、
10人が死亡した。これ以外にも全国で発生した暴力行為により、
少なくとも18人が死亡した。

カサブランカのテロ分子の指導者らしき人物が逮捕される

(カサブランカ)モロッコ警察は、このところカサブランカで襲撃
を行なったと見られるイスラーム教徒テロ分子の、指導者らしき人
物を逮捕した。その副官も逮捕された、とラジオ局が報じた。捜査
陣はその他に、大量の爆薬を押収した。午前中には、カサブランカ
の中心部にある米国の文化研究所前で、警察の監視を受けた暗殺犯
2人が自爆した。通行人1人が軽傷を負った。カサブランカでは火
曜日に、警察に追われた3人の男が、爆弾にみずから点火して、死
亡したばかりであった。




4月15日(日)

ロシア警察は再びデモ隊に暴力を用いて対処

(サンクト ペテルブルク)野党がロシア大統領ウラジミール プーチンに反対し
て、許可を受けた上で行なった集会で、警察はロシアの大都市サンクト ペテルブ
ルクでは、再び暴力を用いてデモ隊に対処した。警棒を携帯した特殊部隊「ミリツ
ィア特殊目的分遣隊」OMONの隊員が、手当たり次第に参加者に打ちかかった、と
目撃者は報告している。警察は百人を逮捕した、との情報もある。逮捕者の中には
野党連合「もう一つのロシア」の指導者の1人であるエドゥアルト リモノフも含
まれている。ドイツ公共放送ARDの記者1人も一時逮捕された。
土曜日には警察は許可を受けないで行なった同野党連合のデモで、約170人を逮捕
した。その中にはプーチンを批判しているチェスの元世界選手権者ガリ カスパロ
フも含まれている。彼は10時間後に釈放された。

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教皇ベネディクト80歳の誕生日の記念式

(ローマ)教皇ベネディクト16世は、聖ピエトロ広場で祝祭のミ
サを行なって80歳の誕生日を祝った。教皇の故郷であるバイエル
ン州からも多くの巡礼を含め、信徒数万人が参加した。ドイツで
も、教皇ベネディクトに敬意を表して礼拝が行なわれた。ただし教
皇ベネディクトの本当の誕生日は月曜日で、そのお祝いは月曜日に
なってから行なわれる。連邦首相メルケルは、カトリック教会の長
であるドイツ人の彼に、書簡を送って祝った。その中で彼女は、ド
イツの信徒と教皇には深いつながりがある、と指摘した。連邦議会
議長ラマートは、教皇を「現代で数少ない権威を持つ人の1人」で
ある、と評した。

オルメルトとアッバスはパレスチナ人国家について話し合う

(エルサレム)イスラエル首相オルメルトとパレスチナ大統領アッ
バスは、定期的に行なうことで合意した会合を初めて行ない、将来
のパレスチナ人国家の詳細について話し合った。エルサレムで行な
われた話し合いの中心は、経済および治安確保のための政策、なら
びに人道的な問題であった、とイスラエル側は発表した。国境の確
定、エルサレムの地位、パレスチナ難民の将来についてなど対立す
る問題は、議題に含まれていなかった。定期的な会合は、米国外相
ライスの提言がきっかけとなっている。オルメルトとアッバスは、
今後ほぼ2週間おきに会合を行なう方針である。

イランは原発2基の建設を公示する方針

(テヘラン)イランの核計画が国際的な批判を受けている中、数日
中に新たに2基の原発の建設を公募する方針である。入札の競争は
国際的に行なう、とイラン核当局の長官代理ファヤスバクシュがテ
ヘランで述べた。それぞれ1千6百キロワットの発電能力を持つ軽
水炉2基の建設が予定されている。これらは、現在ロシアの支援を
うけてイランで初めての原子炉が作られているブシェールに作られ
ることになっている。イランは数年前から、核計画をめぐって西側
諸国と対立している。イラン政府は核兵器をつくろうとしているの
ではないか、との懸念が持たれている。イランはこの懸念を否定し
ている。国連安保理は3月末にようやく、同国に対する厳しい制裁
を発表していた。




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