4月16日〜22日のオーストリアのニュース



4月16日(月)

     国外ニュース

フィッシャーはノルウェーを公式訪問

連邦大統領ハインツ フィッシャーは火曜から、ノルウェーを3日
間にわたって公式訪問する。彼は妻マルギット、外務大臣ウルスラ
 プラスニク(国民党)、経済大臣マルティン バルテンシュタイ
ン(国民党)および経済代表団を伴って、オスロに出発する。国王
夫妻ハーラルとソニアから、宮殿前で軍隊式の栄誉礼で歓迎を受け
た後、フィッシャーは午後には首相イエンス ストルテンベルクお
よび国会議長トルビヨルン ヤーグランと会談する。ヨーロッパの
外交、エネルギー、環境などの問題が取り上げられるほか、近東政
策についても話し合いが行なわれる、と大統領府は発表した。ノル
ウェー政府は過去には、ワシントン基本条約(オスロ合意)を成功
に導く仲介を行なっていた。石油を豊富に持つノルウェーはEUには
加盟していないが、それは2度にわたって国民投票でこれを拒否し
たためである。

     国内ニュース

子供の世話に関する国民党の新提案

国民党は、子供の世話をする体制を改善するために、新たな提案を
行なう。これは企業に、両親に対する補助金を作る動機を持たせる
ためのものである。労働省政務次官クリスティーネ マレク(国民
党)は、この補助金を出すにあたっては、勤労所得税および社会保
障費用がこの補助金に対しては課されないことが必要である、と
「プレッセ」紙に述べた。その際には税制面で、現在の食事券同様
に(免税として)扱われなければならない、とも語った。この補助
金があれば、両親はたとえば夏休み中に、子供の世話を取る体制を
組織することができるようになる、現在これに関する支出案を作業
班が検討中であるが、実施は2009年から10年にかけての大規模な
税制改革を待ってからになる、と彼女は述べた。




4月17日(火)

     国外ニュース

長崎市長が射殺される

テレヴィの報道によれば、日本の都市長崎の市長が、選挙を数日後
に控えて射殺された。伊藤一長は、午前中に銃撃を受け、その負傷
が原因で病院で死亡した、とNHKは報じた。61歳の彼は選挙事務
所前で2発の銃弾を背後から打ちこまれていた。犯人は暴力団組織
の一員である、と警察は発表した。日本は武器を禁止する厳しい法
律を持っている。違法な銃器のほとんどは、一種のマフィアである
やくざが所有している。1995年から市長の座にある伊藤は日曜日
には4選を目指して、選挙に臨むつもりであった。テレヴィの映像
からは、彼は血を流し、意識を失っていいるように見えた。5人が
犯人らしき男を取り押さえたが、抵抗はしなかった。共同通信によ
れば、この男はやくざの山口組に属している。この組織は長崎の覇
権をめぐって争っている。警察によれば、山口組は今年初めに約
4万1千人を抱えており、その本部は日本西部の港町神戸にある。

     国内ニュース

ベルガーは登録配偶者制度の改正案を年末までに提出

法務大臣マリーア ベルガー(社会民主党)は年末までに、家族の
権利に関する法案を提出する方針である。この法案は、いわゆる
「つぎはぎの家族」のための修正の他、「(同性同士の)登録され
た配偶者」も規定するものである。彼女は昨日午後の予算委員会で
の国会発表で、収入が不足している親のための養育費立替制度も改
善される、と述べた。ベルガーはさらに、この機会を生かして、計
画されている第2州刑事裁判所を、青少年裁判所ないしは青少年専
門の組織に組み替えるつもりである、と改めて強調した。




4月18日(水)

     国外ニュース

IAEAの文書はイランがウラン濃縮を行なっていることを確認

AP通信によれば、イランはウランの濃縮を開始し、そのために必
要な1千台以上の遠心分離機を設置した、と国際原発機構IAEAの
高官が発表した書類には記されている。イランの主席交渉人アリ 
ラリジャニは既に先週、ナタンツでは3千台の遠心分離機を使って
ウラン濃縮を開始した、と発表していた。原子力発電所を稼動した
り、原子力爆弾を製造するためには、ウラン濃縮が必要である。い
わゆる転換とは、ウランの酸化物をウラン四フッ化物にした後、ウ
ラン六フッ化物に転換することであり、これは遠心分離機で行なわ
れる。米国の科学および国際安保研究所によれば、1千5百台の遠
心分離機があれば、1年以内に各爆弾を製造するのに必要な濃縮ウ
ランを製造することができる。

     国内ニュース

自由党はリース・パサー裁判で敗北

自由党が元連邦同党首スサネ リース・パサーに対して起こしてい
た裁判は、インスブルック州裁判所から棄却された。同党は被告人
の審理費用を支払わなければならない。予算に関する決定は、リー
ス・パサーが党首であった期間も、その後でも同じように行なわれ
ている、と裁判官はこの判断の理由を説明した。イエルク ハイダ
ーは党の「大立て者」で、公式にはそうではないとはいえ党首であ
った、党首は変わったが、ハイダーの諸経費は変化なく維持されて
いた、とも述べた。予算問題に関しては、リース・パサーに責任が
あるのではないかとの疑問が出されていたが、自由党の党綱領が無
内容であるので、「はっきりとした基準を見つけることができな
い、とも説明した。




4月19日(木)

     国外ニュース

EU全体で人種差別に刑罰を科す

人種差別と外国人敵視との戦いで、EU加盟各国は初めて、共通の
最低限の基準に合意した、と昨日EU評議会議長のドイツは発表し
た。今後は加盟27カ国すべてで、人種差別あるいは外国人を適す
る動機から、暴力を助長する行為に刑罰が科される。過去5年、EU
は同じような法案を2度作ろうとして、失敗に終わっていた。異な
る人種あるいは来歴を持つ人々が、ヨーロッパでは保護を受けられ
る、ということをEU全体が明確にしなければならない、とその発
表は述べている。オーストリア法務大臣マリーア ベルガー(社会
民主党)は、この合意がようやく成立したことで「とてもほっとし
ている」と述べた。彼女によれば、最後まで残っていた留保が解消
されたので、EUは価値観を共有する共同体への方向へ、また一歩
踏み出したことになる。ただしドイツやオーストリアのような鉤十
字の禁止は、全体には科されないし、ホロコーストの否定も英国や
デンマークでは多くの場合処罰の対象にならない。

     国内ニュース

大連立成立100日目

金曜日は大連立政権が成立して100日である。首相アルフレート 
グーセンバオアーを先頭とする社会民主党の大臣団は記者会見で、
今までの活動について総括を行なうことにしている。勢力の小さい
連立相手の国民党は、既に昨日総括を行なった。国民党所属の副首
相ウィルヘルム モルテラーの報告書は、やや意外ではあるが、肯
定的な評価を下した。




4月20日(金)

     国外ニュース

武装した者がNASAで人質を射殺後に自殺

武装した何者かがヒューストンにある米国宇宙航空局NASAの建物
の中で、人質と自分自身を射殺した。容疑者はNASAのジョンソン
宇宙研究所の中で、自分の頭を撃ち、即死した、と警察は現地時間
の金曜日に発表した。これより前にこの犯人は人質を殺していた。
粘着テープで縛られたもう1人の人質は、負傷することなく発見さ
れた。米国の報道テレヴィCNNは、この犯人はNASAの職員であ
る、と報じている。この研究所はテキサス州にあり、事件が起きた
44号棟は小さい建物で、スペースシャトルの運行の監視および分
析が行なわれる。

     国内ニュース

政府の100日間をグーセンバオアーは「満足できる」と評価

国民党と社会民主党の連立政権が成立してから、100日になる。国
民党に続いて、金曜日には社会民主党の大臣団も総括を行なった。
党首で首相のグーセンバオアーは、この100日間に満足している。
「混乱」はあったものの、社会民主党は「社会的な良心」をもつ政
府を主導することに成功した、と彼は述べた。同党に属する大臣も
同様の意見を述べている。彼らのうち誰もが、それぞれの担当官庁
で、新たな出発という雰囲気があふれていると感じている。




4月21日(土)のオーストリアのニュース

     国外ニュース

シリアでは国会議員選挙

シリアでは日曜日、国会議員選挙が行なわれる。ただし投票率に関
らず、国会の3分の2の議席が連立与党バース党と国民前進戦線の
ものと定められているため、変動は起きないものと見られている。
その他の議席は中立の候補者の者になるが、この候補者も政府の証
人を得たものである。候補者2千5百人が250議席を争う。政府の
発表では、有権者は7百万人である。大統領バシャール アル ア
サドは、高名性を内外に示し、自分の権力を確実なものとするた
め、この機会を利用する方針である。彼の政府は、今回の選挙をシ
リアの民主化が進んでいることを示す物である、と評している。一
方シリアの野党は、投票しないように呼びかけ、2日間にわたる選
挙を「茶番」である、と評した。社会主義のバース党と連立相手の
国民前進戦線は、1973年以降、すべての選挙で勝利を収めてい
る。

     国内ニュース

シュタイニンガーが戦闘機購入に関与していた証拠が提出される

迎撃戦闘機オイロファイター調査委員会では、全体像が問題となっ
ている。昨日オイロファイター社社長アロイシウス ラオエンは、
彼の会社が問題となっているヨーロッパ航空防衛宇宙社EADSの院
外活動家シュタイニンガーを雇用したことは全くない、と発表して
いた。したがって契約を解除したこともない、EADS社だけがシュ
タイニンガーとつながりを持っていたのであって、オイロファイタ
ー社とはつながりがない、と述べていた。ただし「プロフィル」誌
は、シュタイニンガーがオイロファイター社自体と営業上のつなが
りを持っていることを証明するメモを呈示している。




4月22日(日)

     国外ニュース

EU加盟各国の外相はイラン制裁強化について協議

イランとEUの緊急会議を2日後に控え、ヨーロッパ各国の外務大臣
は月曜日に、ルクセンブルクで制裁強化にについて話し合う。外交
筋の情報によれば、ドイツ外務大臣フランク・ヴァルター シュタ
インマイアーが主導して行なわれる、今回の閣僚会議は、イランの
核計画の責任者20人ほどの資産を凍結する方針である。これによ
りEUは、水曜日に計画されている、外務委員ハヴィエル ソラナ
とイランの核交渉人アリ ラリジャニとの交渉に、圧力を強めてい
る。イランはあいかわらず、ウラン濃縮計画を停止することを拒否
している。月曜夜にはシュタインマイアーはロシア外務大臣セルゲ
イ ラフロフと会談し、その際にはロシア政府に批判的なデモ隊を
暴力的に鎮圧したことも話題になるかもしれない。

     国内ニュース

ケルンテン州には2008年秋にも総合学校を設立

社会民主党が賛成し、国民党が拒否している総合(初等、中等)学
校は、ケルンテン州では2008年秋にも開設される。「クリール」
紙によれば、教育大臣クラオディア シュミート(社会民主党)
は、州首相イエルク ハイダー(未来同盟)とこの計画について話
を取りまとめた。それによれば、クラーゲンフルトとヴィラッハに
10歳から14歳の生徒のための総合学校を作り、その後はウォルフ
スベルクからフェルトキルヒェンを経て、ヘルマゴルまでの別の町
にも作る計画である。シュミートは1年以上の準備期間が必要であ
るのは、教育方法の検討と人材探しのためである、と述べている。




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