4月23日〜29日のドイツのニュース



4月23日(月)

ロシア元大統領エリツィン死去

(モスクワ)ロシア元大統領ボリス エリツィンが76歳で死去した、とロシア政
府広報がモスクワで発表した。インターファクス通信によれば、死因は突然の心拍
停止である。エリツィンはその政治家生命をソ連共産党の活動家として始め、
1991年にソ連が崩壊した後、民主的な選挙で初めて選ばれたロシア独立連邦の大
統領となった。1999年末に彼は数回の心臓発作を起こし、アルコール依存症では
ないかとの噂が流れ、後任ウラジミール プーチンに大統領職を譲った。エリツィ
ンの内政上の最大の失敗の一つは、チェチェーニア戦争で、最終的にはこの戦争は
ロシア軍の撤退で終結した。
ドイツ首相アンゲラ メルケルは、エリツィンは民主主義と自由のために勇気をも
って戦った人であり、ドイツの真の友人であった、と評価した。

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政府は赤軍派の情報を調査するように指示

(ベルリン)連邦内相ショイブレは、左派急進勢力の赤軍派による
連邦検事総長ブーバック暗殺に関する新たな情報を、全面的に調査
するように支持した。ショイブレの広報は、この調査にはしばらく
時間がかかるかもしれない、と発表した。国会の秘密情報部管理委
員会は、既に水曜日に、30年前のブーバック暗殺に関する新たな
情報に取り組んでいた。報道雑誌「シュピーゲル」誌は、憲法擁護
庁と連邦刑事警察庁は、ずっと以前に犯人に関する情報をつかんで
いたが公表しておらず、そのため元赤軍派に対するいくつかの判決
に疑問が持たれる、と報じている。

フランス大統領選はサルコジとロワイヤルが決選投票に

(パリ)フランス大統領選挙をめぐる争いは、保守派のサルコジと
社会党のロワイヤルの戦いが、中道派の票をめぐって燃え上がって
いる。日曜日に行なわれた第1回投票の結果、この両者が5月6日の
決選投票まで、中道派の政治家バイルに投票した680万人の支持を
取りつける努力を行なわなければならない。バイルが集めた票は全
体のほぼ19%に及ぶ。第1回投票ではサルコジが約31%で、26%の
ロワイヤルより優位に立っている。右派急進勢力のル ペンは
10.5%で敗退した。ドイツ外相シュタインマイアーは、ルペンが大
きく票を減らしたのでほっとしている、と述べた。

ナイジェリア選挙では与党候補が勝利したとの発表

(アブジャ)暴力が横行し、操作が行なわれたとの非難がなされた
ナイジェリア大統領選挙から2日、与党の候補者が勝利した、との
発表があった。選挙委員会によれば、退任する大統領オバサンジョ
の支援を受けたイスラーム教徒のカツィナ州知事ヤラドゥアが、
2,460万票以上を得たのに対し、野党の対立候補で元軍の権力者ブ
ハリは、わすか660万票であった。野党はこの選挙を非民主的であ
ると非難した。現地の監視人はこの選挙を無効にするように求め
た。EUの監視人からも厳しい批判が出ており、彼らの発表によれ
ば、選挙前の1週間で起きた衝突で、少なくとも2百人が死亡した。




4月24日(火)

連立政府は2008年1月1日に郵便の独占を終了させることで合意

(ベルリン)連立政府は、郵便の書簡配達の独占をめぐる対立で妥協した。社会民
主党筋の情報では、連邦首相アンゲラ メルケル(キリスト教民主同盟)と社会民
主党党首クルト ベックは、50グラム以下の書簡をドイツ郵便が独占しているの
を、予定通り2008年1月1日に終了することで合意した。社会民主党は郵政事業の
独占を延長するように求めていたが、この要求を断念したことになる。労働大臣フ
ランツ ミュンテフェリングは、この問題を最低賃金をめぐる対立との関連の中で
取りあげていた。

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連立政府は安全確保法で対立

(ベルリン)より厳しい安全確保法制定をめぐる対立で、キリスト
教民主、社会同盟と社会民主党の間の論戦は激化している。社会民
主党党首ベックは、同党の原則を連立与党内の妥協のために放棄す
るつもりはなく、内相ショイブレ(キリスト教民主同盟)の提案
は、自由と安全の均衡を危険にさらす、と述べた。また社会民主党
の会派長でもある彼は、この提案を「不明確」以上のものである、
と評した。特に問題となっているのは、指紋の情報を当局で保管す
ることである。キリスト教民主、社会同盟の副会派長ボースバッハ
は、社会民主党の指摘を退け、この計画には既に決着がついてい
る、と述べた。この問題に関する話し合いは、木曜日にも続けられ
ることになっている。

委員シャールは国の情報保護が不十分と叱責

(ベルリン)連邦情報保護委員シャールは、連邦政府が市民の情報
保護で大きな怠慢を犯した、と非難した。情報保護の基本的な権利
は、技術の進歩に遅れずついていくことができなかった、とベルリ
ンで公表した活動報告で彼は述べた。現在既に全面的な監視が技術
的には可能であり、最近では、国内の安全を優先して情報保護に対
する制限が強化されたため、市民をテロや犯罪の恐怖から守ること
と、自由を守ることの釣り合いが取れる地点が変化しかねない、等
と述べた。その他シャールは、個人が所有するコンピューターを、
ネットを利用して捜査する計画には、疑念を呈した。

裁判所は元赤軍派クラールへの拘留刑の軽減を命令

(カールスルーエ)赤軍派の主要なテロリストであったクラール
は、ほぼ25年間に渡って刑務所にいたが、刑の軽減の措置を得ら
れる。カールスルーエ州裁判所は、クラールに同行者つきでの外出
を認める決定を下した。これにより54歳の彼が、バーデン・ヴュ
ルテンベルク州法相ゴルに対して行なっていた訴えが認められたい
ことになる。ゴルは刑の軽減を拒否していた。現在連邦大統領ケー
ラーは、クラールの恩赦を検討している。クラールは、1977年の
連邦検事総長ブーバック暗殺事件に関与したことを中心として、
5回分の終身刑を言い渡されていた。最近元赤軍派のボークが、ブ
ーバックを射殺したのはクラールではなく、他のテロリストであっ
た、と述べていた。




4月25日(水)

ズィーメンス社社長クラインフェルトは辞職

(ミュンヒェン)ズィーメンス社社長クラオス クラインフェルトは、自分が先頭
に立って、汚職事件に揺れる同社が新たな出発を切れるように取り計らう。同社の
経営状況は良好であるにもかかわらず、監査役会は、9月までとなっている社長と
の契約を延長しない、と水曜日に決定した。その後クラインフェルトは責任を取
り、9月30日にズィーメンス社を去る、と予告した。彼はヨーロッパ最大の工業会
社である同社の社長職を、2年前にハインリッヒ フォン ピーラーから受け継い
だばかりであった。監査役会長の職は、水曜日に予定を早めてゲアハルト クロメ
に移されていた。

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連邦議会監視委員会「ブーバック事件で憲法擁護庁にミスはない」

(ベルリン)連邦検事総長ブーバックが1977年に赤軍派に暗殺さ
れた事件で、国会管理委員会は、憲法擁護庁には失策がなかったと
判断した。同委員会の会議後、議長シュタドラー(自由民主党)
は、連邦憲法擁護庁の情報を伝達の際には、手抜かりがあったとは
認められなかった、と述べた。憲法擁護庁は、80年代にこの暗殺
事件の情報を、捜査当局に伝えていなかった、との非難がなされて
いた。一方連邦検察は、赤軍派ヴィスニエフスキに対して、ブーバ
ック殺害で新たな捜査手続きを開始した。

秘密情報部は2005年から既にネットを捜査に利用中

(ベルリン)秘密情報部は2005年から既に、インターネットを用
いて容疑者のコンピューターをこっそり監視している。連邦議会内
務委員会で、連邦内務省の政務次官アルトマイアーがこれを認め
た、と同委員会の出席者が述べた。インターネットを用いた捜査
は、元内相シリー時代に作られた簡単な服務規定に基づいて行なわ
れている、とのことである。野党の代表は、これを厳しく批判し、
政府は法律に違反している、と述べた。連邦通常裁判所は2月に警
察に対して、法的な根拠を欠くインターネットを用いた捜査を、当
面禁止していた。

連邦政府は今後さらに力強い成長に期待

(ベルリン)連邦政府の見方によれば、力強い経済成長により、来
年の失業は、過去10年最低にまで減少する。政府は2008年の失業
者は、平均で350万人となり、昨年と比べて百万人強減少する、と
期待している。経済相グロースはこのように発表した。それによれ
ば経済は、今年は2.3%、来年は2.4%成長する。グロースは、これ
は1年前にはみなが不可能だと思っていた数字である、とも語っ
た。以前政府は、2007年には1.7%の経済成長を予想していた。グ
ロースはさらに、減税を行なうように、とも述べた。




4月26日(木)

米国上院もイラクからの撤兵を可決

(ワシントン)米国上院も戦争予算を承認した。この予算は、10月1日にイラクか
らの撤兵を開始することを義務づけている。下院同様に上院も、大統領ジョージ
W. ブッシュの拒否権を発動するとの威嚇を無視した。上院議員51人がこの法律に
賛成し、46人が反対した。これにより議会で新たに過半数を獲得した民主党と、
ブッシュの間の対立は、新たな山場を迎えている。共和党の政治家たちは、これで
は敵側に言わせれば「無条件降伏」である、と述べた。それに対して民主党は、終
わりの見えない内戦から脱出するもう一つの道だ、と述べた。
下院議長ナンシー ペロシは、ブッシュはこれで、この戦争で初めて責任を問われ
たことになる、と述べた。

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プーチンは米国のミサイル迎撃基地を非難

(モスクワ、オスロ)米国が中部ヨーロッパにミサイル迎撃網を築
くことを計画しているが、これをめぐる対立でロシア大統領プーチ
ンは、ヨーロッパの軍備を管理する上で最も重要な条約の一つであ
る「欧州の通常兵器に関する条約」KSE条約から脱退すると威嚇し
た。NATO加盟諸国はこの合意を守らず、ロシアとの国境に軍事基
地を建設し、ポーランドとチェコにミサイル迎撃体制を設置する準
備を進めている、とプーチンは国の情勢に関する演説の中で述べ
た。これらのことすべては、ロシアの安全を脅かすものなので、こ
の条約を停止することを検討している、とも彼は語った。その他プ
ーチンは演説の中で、ロシアの国内の案件に他国政府が介入してい
ることを非難した。一方、NATOと米国はロシア政府に対し、「欧
州の通常兵器に関する条約」を守るように迫り、ロシアは8年前に
約束したように、元ソ連の共和国であるグルジアとモルドヴァから
撤退しなければならない、とNATO事務長デ フープはオスロで開
かれているNATO外相会談で述べた。米国外相ライスは、ロシア政
府の批判は全く馬鹿げており、はっきりした「条約上の義務」があ
る、と述べた。

EUとイランは核をめぐる対立で外交による解決を模索

(アンカラ)イラン核計画をめぐる対立で、EUとイランは今なお
交渉による解決を目指しているが、今までのところはっきりした進
展はない。EU外務委員ソラナは、2日間に渡ってイランの主席交渉
人ラリジャニとアンカラで会談し、外交的な解決に関心がある、と
強調した。ラリジャニはこれより前に、見解に歩み寄りがあり、新
たな交渉の萌芽が出てきている、と述べていた。両者は2週間以内
に再び会談することで合意した。国連のヨーロッパの外交官はウィ
ーンで、新たな動きがあった後も、控えめな見解を表明した。

EUは難民対策を強化

(ストラスブール、ダカール)EU議会は、不法移民の入国対策と
して、早期介入部隊を置くことに賛成した。これにより、EU国境
防衛を担当する450人のヨーロッパ国境局Frontexの係官を、スペ
インやイタリア等の国へ、より柔軟に人員を派遣することができる
ようになる。この部隊は年末までに完全に装備を整えることができ
るかもしれない。昨年には3万人を越えるアフリカ人が、スペイン
の領土であるカナリア諸島に到着していた。イタリアおよびマルタ
も、過去にないほど多くの難民が押し寄せている、と報告してい
る。モーリタニア沿岸で逮捕された難民90人ほどは、スペインの
病院船でセネガルに運ばれた。その他には船に乗った難民がテネリ
フェ島で座礁した。ギリシアの湾岸警備隊は、近東およびアジアか
らやってきた140人ほどの難民を、キクラデス諸島のケア島近くの
嵐の海から救出した。




4月27日(金)

連邦議会はスーダン派兵の11月までの延長を承認

(ベルリン)スーダン南部の情勢安定化のために派遣されている国防軍の任期は、
11月15日まで延長された。連邦議会での投票で、ドイツが国連の平和確保の任務
に参加し続けることに反対したのは、左派党の国会議員だけであった。国連の委託
によれば、最大で75人のドイツ兵は、2年前に結ばれたスーダン北部と南部の間の
和平条約が履行されているかどうか、監視することになっている。また国会は連邦
政府に対して、紛争が続くダルフール地区でのアフリカ連合の活動を、今後もEU
が支援するのに全力をあげるように求めた。

     その他のニュース

ロシアは米国のミサイル迎撃網を批判

(モスクワ)問題となっている米国のミサイル迎撃体制は、ロシア
に対するスパイ行為である、とロシア大統領プーチンは見ている。
ロシアはウラルまでの地域をスパイされかねない事態に、適切に対
応するつもりだ、とプーチンはモスクワで述べた。米国はイランな
どの国々からのミサイル攻撃から防衛できるように、ポーランドと
チェコに、ミサイル迎撃部隊を駐留させる方針である。プーチンは
その理由として、この迎撃網は、1990年に結ばれたヨーロッパの
通常兵器の削減に関する条約KSEを無効にする決定であるからだ、
と述べた。独外相シュタインマイアーは、ロシアとの関係が悪化す
るのを避けるように呼びかけ、そのためにNATO内部で全く新しい
軍縮の議論を行なう必要がある、とオスロで開かれたNATO会議終
了後に述べた。

NATO外相はコソヴォに関する決定を国連が下すように求める

(オスロ)NATO加盟各国の外相は、国連安保理が独立を求めるセ
ルビアのコソヴォ州の今後の地位について決定を下すことに賛成し
た。不必要に解決を先送りすると、緊張が高まる危険が増大するこ
とをNATOは懸念している、と事務長デ フープシェファーはオス
ロでの大臣会談後に述べた。国連特使アハティサリの提案にかわる
代案はない、ということでおおむね意見は一致している、とも語っ
た。アハティサリは、今なおほとんどアルバニア人だけが住んでい
るコソヴォに、国際的な監視をつけた上で独立させるように、との
提案を行なっていた。ただしデ フープ シェファーは、アルバニ
ア人に対し、セルビアからの独立を一方的に宣言しないように、と
警告している。セルビア政府はアハティサリのこの計画を拒否し、
ロシアに対し、国連安保理で拒否権を行使すると威嚇することで、
セルビアを支援するように求めた。

ロシアはエストニアの戦勝記念碑撤去を批判

(モスクワ)ロシアはエストニアがソ連の戦争記念碑を撤去したこ
とを厳しく批判した。ロシア両院は決議を発表し、特に元ソ連の共
和国であったエストニアとの外交関係を断絶するように、と求め
た。ロシア外相ラヴロフは、エストニア当局のこの措置を「恐ろし
い」と評した。首都タリンにある問題のこの記念碑は、夜のうちに
撤去された。これが引き金となって激しい衝突が起こり、1人が死
亡、40人以上が負傷した。この抗議活動には、主として親ロシア
派が参加していた。この記念碑は多くのエストニア人にソ連の占領
時代を思い出させるものであるが、ロシア人にとってはナチ時代の
ドイツに勝利したことを示すものである。




4月28日(土)

イラクで自殺攻撃 死者55人以上

(カルバラー)イラクの巡礼の地カルバラーで自殺攻撃が発生し、当局の発表によ
れば、55人以上が死亡し、住民70人ほどが負傷した。イマーム・フサイン霊廟の
近くにある人通りの多い商店街で、自動車爆弾が破裂した。この霊廟はシーア派で
最も重要な聖遺物の一つである。カルバラーはバグダードの南西約100キロのとこ
ろにある。バァクーバ市では、警察があわせて27人の遺体を発見した。その多く
は、手を縛られて、頭部に銃痕があった。

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自殺攻撃でパキスタン内相が負傷

(イスラマバード)パキスタン内相シェルパオが、自殺攻撃を受
け、危うく死にさらされるところであった。パキスタン北西の都市
チャルサッダで爆弾が破裂し、シェルパオは軽傷を負っただけです
んだが、犯人は少なくとも21人を巻き添えに死亡した。またあわ
せて30人以上が負傷した。犯人はシェルパオが公衆の面前に出て
いる間に、爆薬に点火した。今までのところこの犯行を行なったこ
とを認めているものはいないが、米国によるテロとの戦いを、パキ
スタンが支援しているため、武装イスラーム教徒によるものとの疑
いが持たれている。チャルサッダは、パキスタンとアフガニスタン
の国境地域にあり、タリバーンの戦闘員が残っている場所である。

トルコ大統領選挙で軍と政府の対立は深まる

(アンカラ)トルコでは、新大統領選挙をめぐり、危機が深刻化し
ている。イスラーム教徒保守派の政権与党の公正発展党AKPは国と
宗教の分離という原則を崩そうとしている、と軍は非難している
が、政府はこの非難を退けている。一方EU委員会は、トルコ軍部に
政治から手を引くように促している。今回の対立がきっかけとなっ
たのは、公正発展党所属のトルコ外相ギュルを新大統領にするため
に、選挙を早期に行なおうとしたことである。金曜日の第1回投票
では、彼はぎりぎりとのころで選ばれなかった。野党各党は、ギュ
ルの選出を阻止するべく、この投票に参加しなかった。

メルケルは露・エストニア両国首脳に事態の沈静化を呼びかけ

(ベルリン)エストニアのタリンで、ロシアの戦勝記念碑を撤去し
たことがきっかけとなって、激しい衝突が起きたことを受け、EU
評議会議長でドイツ首相メルケルは、冷静になるように呼びかけ
た。政府広報ウィルヘルムによれば、彼女はエストニア首相アンシ
プとロシア大統領プーチンと電話で会談を行ない、両者に事態の悪
化を断固回避するように、と呼びかけた。両政府が直接対話を行な
うように、メルケルは提案した。これより前にタリンでは2晩続け
て衝突が起きた。警察の情報によれば、その際100人ほどが負傷、
600人以上を逮捕した。他の都市でも警察とロシア刑のデモ隊の間
で、衝突が起こった。今回の紛争は、バルト海に面した共和国であ
るエストニアがソ連から1991年に独立してから、最も激しいもの
である。エストニアでは少数派であるロシア系住民は、ソ連軍のヒ
トラー体制のドイツに対する勝利の記念碑とみなしている。多くの
エストニア人にとっては、この記念碑は数十年にわたる外国人支配
の象徴である。




4月29日(日)

トルコでは軍と政府の対立が深まる 政教分離を求め大規模抗議集会

(イスタンブール)トルコでは新たに大抗議活動が起こっているが、その最中に大
統領選挙をめぐって、政府と軍の対立が先鋭化している。イスラーム教保守派の政
権与党公正発展党の外務大臣アブドゥッラー ギュルは、大統領に立候補する方針
は変えない、と発表し、立候補撤回は問題外である、と述べた。トルコ軍が土曜日
に発表した批判的な声明に関しては、ギュルは何ら態度表明を行なおうとしなかっ
た。この声明の中で軍幹部は、選挙には不安がある、と明言し、非宗教的な国家秩
序が失われるのではないか、と警告した。専門家はこの声明を、軍が新たに武装蜂
起を行なう、と間接的に威嚇したものと判断している。イスタンブールでは数十万
人が、宗教と国家の分離を続けることに賛成して、デモを行なった。また彼らは、
政府に辞任を求め、ギュルが大統領選挙出馬を断念するように求めている。

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ダルフールの平和を求める国際行動の日開催

(ロンドン)ダルフール国際行動の日をきっかけとして、芸術家と
人権団体が、世界各国に対してスーダンのダルフール州での暴力と
断固対決することを求めた。残虐行為を起こした責任者に活動をや
めさせ、追い詰めなければならない、とジョージ クルーニー、エ
ルトン ジョン、ミック ジャガー等を含む映画界および音楽界の
人気者がこの提案を行なった。イスラエルのジャド ヴァシェムの
ホロコースト記念研究所も、ダルフールの人々の支援を行なうよう
に呼びかけた。世界各地の大都市の多くでは、4年前に起きた流血
の紛争が思い起こされた。この内戦では、黒人の反乱勢力と、スー
ダン政府の支援を受けたアラブ系騎馬民兵が衝突した。国連の推計
によれば、今まで少なくとも20万人が死亡、2百万人が逃亡を強い
られた。

マリでは大統領選挙 現職優勢

(バマコ)マリでは日曜日に大統領選挙が行なわれる。現職のトウ
レがはっきり優勢な中、投票が行なわれている。彼は30を越える
政党からなる連合の支持を受けている。最も有力な対立候補は、マ
リ国会議長ケイタと見られている。西アフリカにある同国での大統
領選挙の有権者は690万人である。約1千人の国際監視団が、選挙
を注視している。結果発表には数日かかるものと見られている。マ
リは世界で最も貧しい国の一つである。1千3百万人の住民の6割ほ
どが、貧困層にある。

イスラエルの調査委はレバノンとの戦闘に関して政府と軍を非難

(エルサレム)イスラエルの調査委員会は、昨年夏のレバノンとの
戦争の期間中、政界と軍の指導部の行動について激しい非難を行な
った。中間報告書の発表を翌日に控え、イスラエルでの報道によれ
ば、この委員会は首相オルメルトの行動が性急であったことなどを
証明している。オルメルトはレバノンのヒズブッラー民兵が国境を
襲撃した後、戦闘を指示していた。また国防相ペレツと2月に辞任
した参謀本部長ハルツも、厳しく批判されている。ペレツは経験に
欠けていた点、ハルツは思い上がっていた点が非難されている、と
のことである。元裁判官が議長を務めるこの委員会は、イスラエル
の行動の欠点を点検するために、オルメルト自身が任命したもので
ある。1カ月間続いたレバノン戦争では、1,400人ほどが死亡し
た。




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