4月23日〜29日のオーストリアのニュース



4月23日(月)

     国外ニュース

仏大統領選で中道派の票をめぐる争い ロワイヤルはバイルに提案

フランス大統領選挙の最終局面で、中道派の票をめぐる争いが保守
派のニコラス サルコジと社会党のセゴレーヌ ロワイヤルの間
で、燃え上がった。ロワイヤルは中道派のフランソワ バイルに対
し、5月6日の第2回投票に向けて、連帯するように電話で申し入れ
た。彼女はヴァランスで、「選挙綱領の大統領公約」を土台として
「理念に関する開かれた議論」を置きたい、と述べた。今度はバイ
ルが、この議論に参加したいかどうかを述べる番である。社会党の
政治家たちは、この公約は個々の問題に関しては修正可能である、
と述べた。一方元内務大臣サルコジは、自分の信念を犠牲にして同
盟を組むことはない、とディジョンで予告した。バイルは明日態度
を表明する方針である。フランス民主連合党首の彼は、中道の強力
な政党で、右派と左派の連携に穴を開ける意向である。

     国内ニュース

国民評議会で予算関連法案を審議

連邦評議会では今日、予算審議の冒頭に、予算関連法案が取り扱わ
れる。あわせて28の法案修正のうち、政治的に最も物議をかもし
ているのは、原油税増税である。2007年7月1日から、ガソリンは
1リットルあたり3ツェント、ディーゼル燃料は5ツェント値上りす
る。また健康保険法と食品安全法の改正も行なわれる。この修正が
認められれば、医薬品会社は、1包みごとに1ツェントの追加料金
を、医薬品監視のために支払う可能性がある。その他未来同盟は、
厚生大臣アンドレア クドルスキ(国民党)の不信任動議を提出す
る。この動議が過半数の賛成を得られる見込みはない。




4月24日(火)

     国外ニュース

仏大統領選でロワイヤルは自由主義者を閣僚の座で誘惑

フランス大統領選挙の決選投票で支援を得られるように、社会党の
セゴレーヌ ロワイヤルは、既に敗北した大統領候補フランソワ 
バイルの党に、大臣の座を約束した。バイルがロワイヤルを支援す
るのであれば、彼が属する自由主義のフランス民主連合が内閣の椅
子を持つことになる、と記者会見でロワイヤルは述べた。そうな場
合には、大統領選挙で過半数をとったすべての責任を彼女が取るこ
とになる、とも語った。バイルは水曜日に、緊迫感をもって見守ら
れている記者会見で、5月6日の第2回投票について態度を表明する
方針である。一方昨日発表された世論調査では、保守派のニコラス
 サルコジが51%、ロワイヤルが49%の支持であった。

     国内ニュース

政府は介護と年金で議論を行なう

社会民主党と国民党の連立政府は今日、今一度自宅での24時間介
護と、先に行なった年金改革の修正について議論する。両点とも今
日の閣議の議題に上がっている。これらが実際に決定されるかどう
かは、今までのところまだ明らかになっていない。社会福祉省と経
済省は、ただ合意が可能である、と発表している。社会福祉大臣エ
ルウィン ブーヒンガー(社会民主党)は、経済大臣マルティン 
バルテンシュタイン(国民党)の、24時間自宅介護を、労働法の
観点から批判している。一方バルテンシュタインは新たな年金に不
満を表明している。




4月25日(水)

     国外ニュース

ビン ラーディンはアフガニスタンとイラクで攻撃を指揮

アル カーイダの首領ウサマ ビン ラーディンは、アフガニスタ
ンとイラクでの攻撃を指揮している、とイスラーム教徒のタリバー
ンが発表した。アフガニスタンで2月に起きた、米国副大統領ディ
ック チェーニーを目標とした、バグラム米軍基地への自殺攻撃
は、ビンラーディンが計画したものである、とタリバーンの行為の
指揮官ムッラー ダドゥッラーは昨日アラブ系テレヴィ局アル ジ
ャジーラで述べた。この攻撃では米兵1人を含め、14人が死亡し
た。この時にこの基地を訪問していたチェーニーは、犯行現場とか
なり離れた所にいて、危険はなかった、と米軍は発表していた。一
方米国政府広報は、タリバーンのこの発表は興味深いが、自分はこ
の発表を裏づけるような秘密情報を得ていない、と述べた。ビン 
ラーディンがイラクとアフガニスタンで指揮をとっていることを示
す具体的な情報を、ダドゥッラーは示さなかった。

     国内ニュース

国民評議会での予算審議は静かな始まり

国民評議会での予算審議は、初日からほとんど混乱なく進んだ。一
般議論も、国防予算や司法に関する議論でも、きわめて平穏で、激
昂する場面はなかった。未来同盟が国防大臣ノルバート ダラボス
(社会民主党)に対する不信任動議を提出した際にも、既に恒例と
なっている連立与党議員団長ウォルフガング シュッセル(国民
党)とヨーセフ カープ(社会民主党)の間の悪意あるちょっとし
たやりとりも、この雰囲気を帰ることはなかった。野党未来同盟と
自由党は、それぞれ党首が立ち、政府は国民から税を巻き上げ、減
税を忘れている、と批判した。




4月26日(木)

     国外ニュース

米国上院は10月1日のイラクからの撤兵に賛成

民主党が多数派を占める米国議会は、米軍をイラクから撤退させる
方針である。先日の下院での決定同様に、上院も昨日アフガニスタ
ンおよびイラクの防衛予算を承認した。これはイラクからの段階的
な撤兵を10月1日に行なうことを内容としている。上院は賛成51
票、反対46票でこの総額1,240億ドル(912億オイロ)の予算と
撤退を義務づけた条項に賛成した。米国大統領ジョージ W. ブッシ
ュは、拒否権を行使する、と即座に述べた。大統領には「無条件降
伏の日付」の所に署名をする気はない、と大統領府広報は述べた。

     国内ニュース

選挙権を16歳に与える計画に賛成しているのはわずか22%

連邦政府は来週、選挙権を持つ年齢を16歳に引き下げる方針であ
る。IMASの時事問題に関する世論調査によれば、オーストリア人
のうちこれに賛成しているのはわずか22%で、58%は反対してい
る、と「プレッセ」紙は報じている。若者の間でも、この提案に理
解を示すものは少ない。16歳から24歳の若者のうち36%だけが、
この改正に意味があると考えており、40%は政府のこの計画は正し
くない、と見ている。この世論調査では、16歳から24歳の若者の
6割にとって、政治は「瑣末なこと」であって、世界で何が起きて
いるのか「いつも最新情報に通じていよう」と努力しているのは
4割だけである。「オーストリアをよい方向に変えるのには何がよ
いか」と考えているのは24%だけである。どの政党が自分の考えと
最も近くて、受け入れが可能かはっきりした見解を持っているの
は、若者のうち14%にすぎない。




4月27日(金)

     国外ニュース

エストニアで再び混乱

エストニアの首都タリンは昨夜、警察とデモ隊の衝突を経験した
が、これは2晩続けてのことであった。デモ隊はソ連の戦勝記念碑
の撤去に反対していた。警察の機動隊はゴム弾と放水車を投入し、
群集は石とビンを投げつけた。タリンの自由広場を通りかかった自
動車が、デモ隊を支持することを示すべく、警笛を鳴らした。デモ
隊の多くはロシア語を話す少数派で、タリンの中央広場にある「青
銅の兵士像」の撤去に怒っていた。前日の衝突では、死者が1人、
負傷者が44人発生し、3百人ほどが逮捕された。これは16年前に
ソ連から同国が独立してから最も激しい紛争である。

     国内ニュース

プラター「亡命が認められるのに時間がかかるのは本人の責任」

内務大臣ギュンター プラター(国民党)は、亡命希望者のうち手
続きに時間がかかっている人は、自分自身に責任がある、と見てい
る。「手続きをわざと遅らせようとしているため」亡命権を乱用し
ている、とプラターは「クリール」紙に述べた。この手続きが2度
目になれば、今までに述べていない事実を主張し、手続きを新たな
方向に進めて行こうとする者がいる、との見解を彼は述べた。1度
目の手続き手亡命が拒否された人の91%は2度目の手続きを行なっ
ているが、4分の3はそこでも拒否され、3度目の手続きを行政裁判
所に起こす、とも彼は述べた。彼は亡命希望者の「助言者たち」
に、訴訟依頼に2度目の手続きを取るように薦めるなど「誤った助
言」をしないように求めた。




4月28日(土)

     国外ニュース

米国「コソヴォは国連決議があろうがなかろうが独立する」

米国はロシアに対し、セルビアのコソヴォ州の独立を留保しないよ
うに求めた。コソヴォは国連決議があっても、なくても独立するこ
とになるだろう」と米国外務省時間ダン フリードは昨日ブリュッ
セルで述べた。ロシアは国連が仲介した合意を利用して、ほとんど
の住民がアルバニア人であるコソヴォ州にいるセルビア人少数派を
保護しなければならない、とも述べた。管理と監視を受けて独立へ
進む道も、管理を受けず進む道もあるが、管理を受けない場合に
は、コソヴォのセルビア人はかなり苦しむことになる、とも彼は語
った。セルビア政府はコソヴォ独立を拒否している。ロシアは数回
に渡り、国連安保理はセルビア人が受け入れることができないよう
な決定を下すことは許されない、と述べている。国連安保理は3月
から、フィンランドのアハティサリの仲介案を協議している。これ
はEUの監視の元でコソヴォに制限つきの独立を認めるものであ
る。コソヴォ平和部隊に責任を持つNATOは金曜日に、コソヴォの
アルバニア人に一方的に独立をしないように、と警告していた。

     国内ニュース

社民党はグラサーと金融市場監督局幹部を告発

社会民主党は元大蔵大臣カール・ハインツ グラサーと金融市場監
督局幹部クルト プリビルとハインリヒ トラオミュラーを、銀行
調査委員会で虚偽の証言をした疑いで告発した、と報道雑誌「プロ
フィル」が報じている。それによれば同局幹部は、社会民主党が引
用した「労働と経済銀行」の幹部会の議事録が、自分たちに提出さ
れたことはない、と述べていた。金融市場監督局の職員の1人が、
銀行調査委員会で今度は、この発言があやまりである、と述べた、
と報じられている。




4月29日(日)

     国外ニュース

EU米国首脳会談 新たな経済協力体制が計画

EUと米国は月曜日からワシントンで首脳会談を行ない、経済およ
び気候変動防止の政策で、協力体制を許可することを決める方針で
ある。米国大統領ジョージ W. ブッシュ、EU委員会議長ジョゼ マ
ヌエル バローゾ、EU評議会議長を務めるドイツ首相アンゲラ 
メルケルが、「体制養親経済協力体制」を創設する方針である。こ
の協定は、貿易の制約を取り去り、欧州と米国双方の市場を密接に
結びつけるものである。また気候保護のための共同声明も計画され
ている。EUは温室効果ガスの排出に関して、拘束力を持つ措置を
作っているが、米国はこれに従う意志はない。首脳会談の参加者
は、その他に航空運輸の解放に関する協定に署名する方針である。

     国内ニュース

シュミートはウィーン総合学校計画に反対

ウィーンでは2009/10年度から、総合学校の全面導入計画を試す
ことはない見通しである。教育大臣クラオディア シュミート(社
会民主党)が昨夜のテレヴィ番組でこのように述べた。その理由と
して彼女は、連立与党の国民党が異議を持っていることによる実施
面での困難を挙げた。国民党の科学分野の専門家ゲルトルーデ ブ
リネクも、全面的に総合学校を設置することは、国民党から賛成が
得られないだろう、と述べた。また彼女は、今月中に準備を調えた
計画を議論に取りあげることはできず、議論を行うのはその後のこ
とになるだろう、とも述べた。同様の批判は、一般校等学校教員労
働組合会長エーファ ショーリクも述べた。彼女はシュミートは
「宣伝文句」を使ったに過ぎない、と非難した。




今日のニュースへ

過去のニュース(目次)へ inserted by FC2 system