８月２７日〜９月２日のドイツのニュース
８月２７日（月）
メルケルは中国で人権重視を促す
（北京）ドイツ首相アンゲラ メルケルは、中国首脳部との会談の中で、人権を重
視し、精神的所有物を保護することに理解を求めた、との情報がある。国家主席で
党首である胡錦濤と首相温家宝に対して、メルケルは北京で、この二つの問題は中
国の印象にとって極めて重要である、と指摘した。
メルケルは、気候安定に関して中国国内での動きを視察し、中国政府は、この問題
を重要であると捕らえている、と述べた。
中国がドイツ政府のコンピューターに進入しているとの報道がなされているが、首
相温はコンピューターへの無断侵入との戦いは、国際社会が足並みを揃えて対処中
の課題である、と述べた。
その他のニュース
米国法相辞任
（ワシントン）問題となっている米国法相ゴンザレスは、9月17日
に辞任する、と発表した。彼は大統領ブッシュに先週金曜日に既
に、電話でこの決定について伝えていた、とワシントンで発表され
た。彼は、米国大統領府に都合の悪い連邦検察官の解任にあたって
果たした役割で、批判を受けていた。ゴンザレスも属している共和
党内部からも有力な政治家が、先日彼に辞任を求めていた。ポリトコフスカヤ暗殺事件で逮捕者
（モスクワ）政府に批判的なロシアの記者ポリトコフスカヤが暗殺
されてからほぼ1年、容疑者10人が逮捕された。起訴も間もなく行
なわれる、と検事長がモスクワで述べた。この事件を引き起こした
のは、チェチェーニア人が指揮する犯罪者組織で、ロシア治安部隊
の指揮官もこの組織に加わっていた、この犯罪者組織の黒幕が、国
外にいる、と発表された。ポリトコフスカヤは2006年にモスクワ
の自宅で射殺された。彼女は、特にロシアでの汚職と、チェチェー
ニア共和国でのロシアとチェチェーニア治安部隊による人権侵害を
報道し、大統領プーチンを公然と批判していた。ロシアの政府批判
勢力は、暗殺犯の追及が手ぬるい、として司法を非難した。フランスはイラクからの米国撤退に関する日程表を作成を求める
（パリ）フランス大統領サルコズィは、米国に対して、イラクから
軍を撤退させる日程表を作るように求めた。撤退が行なわれてから
初めて、国際社会は有意義なものをもたらすことができる、とパリ
でフランスの外交官を前に行なった外交に関する原則の演説の中で
述べた。イラクを危機から救い出せるのは、政治的な解決だけであ
る、とも語った。またサルコズィは、国連安保理の拡大に賛成し、
ドイツ、日本、インド、ブラジルとアフリカ代表が常時議席を持つ
べきである、と語った。
８月２８日（火）
タリバーンは韓国人人質を解放する方針
（ソウル、カブール）アフガニスタンのタリバーンは、韓国人人質19名を解放す
る用意がある、と発表した。韓国政府と急進派イスラーム教徒反乱勢力タリバーン
が、アフガニスタンの都市ガスニで直接交渉を行なった後、これを発表した。韓国
はアフガニスタンにいる同国兵2百人を年末までに撤退させる、と約束した。これ
はいずれにせよ行なわれる計画であった。このほか韓国政府は、韓国人にアフガニ
スタンで布教活動を行なわせない、とも約束した。
タリバーンは7月にキリスト教徒の支援組織の韓国人23名を人質にした。人質2人
が射殺され、その後病気の女性2人が釈放された。
同じくアフガニスタンで誘拐されたドイツ人建築技師の事件については、新たな情
報はない。
その他のニュース
ギュルが新トルコ大統領に選ばれる
（アンカラ）トルコ国会は、今まで外相を務めていたイスラーム教
保守派の政権党公正発展党のギュルを、新大統領に選出した。3度
目の投票で56歳の彼は、当選に必要な絶対多数を獲得した。ギュ
ルはイスラーム教徒としての信仰を持っていることを公言している
人としては初めて、大統領に就任する。彼は宣誓式の直後に、トル
コの政治体制の基盤である政教分離を賞賛し、民主主義の前提であ
る、とも述べた。国会での投票の数時間前に、軍幹部は国家の没宗
教性を修正しないように、と警告していた。春にはギュルの大統領
選出は、軍部の威嚇と野党の投票拒否で、失敗に終わっていた。そ
の後行なわれた国会議員選挙で、公正発展党の勢力がさらに増し
た。名誉ある殺人裁判が新たに議論
（ライプツィヒ）ベルリン出身のトルコ系ドイツ人女性ズルキュの
名誉を守るための殺人の裁判が、新たな議論を呼び起こしている。
連邦通常最高裁判所は、彼女の兄弟2人に対する無罪判決を取り消
し、新たな審理をするためにこの事件を、ベルリン地方裁判所の前
回とは別の部に差し戻した。今や21歳になった兄は、自分が単独
で行なった、と述べていたが、その後殺人容疑で、法的に確定した
少年刑罰で9年3カ月の有罪が言い渡されていた。23歳の姉ズルキ
ュは、トルコ人の夫と離婚し、宗教を厳格に守る家族の意向に反し
て、息子を一人で育てるようとしたが、2005年2月にベルリンの
テンペルホーフで、銃殺されていた。鉄道のストは当面行なわれない
（ベルリン）鉄道の労働契約をめぐる対立で、仲裁役のガイスラー
とビーデンコプフは、合意を取りつけることに成功し、機関士のス
トが新たに起きる可能性を当面回避した。仲介役のキリスト教民主
同盟の政治家2人によれば、鉄道の経営陣と機関士労働組合GDL
は、全ての鉄道労働組合と並行して労働条件の交渉を9月30日まで
続けて、解決を探ることで合意し、それまではこれ以上のストは行
なわれない。また労組は、その他の鉄道労組トランスネットと鉄道
公務員および候補者労組GDBAと意見を密に調整し、機関士の報酬
と労働時間に関する交渉を続けることができる、とのことである。
これにより、鉄道の労働契約の体系を一本化する可能性が残され
た、とも述べた。鉄道の経営陣は、この解決案を歓迎している。
８月２９日（水）
タリバーンは韓国人人質12名を解放
（カブール）アフガニスタンで人質となってから6週間、急進派イスラーム教徒タ
リバーンは、韓国人人質19名のうち12人を解放した。女性10人と男性2人は、ガ
スニ州で3つに分けられて、国際赤十字に引き渡された。残った7人も数時間後に
は釈放されるものと期待される。誘拐された再建支援隊の解放の見返りとして、韓
国政府はタリバーンに、同国にはキリスト教布教団を派遣しないことと、アフガニ
スタンに駐留している2百人の兵士を予定通り、年末までに撤退させることを約束
した。韓国人の釈放があっても、ドイツ人の誘拐に対するドイツ政府の態度は変わ
らない、と連邦首相アンゲラ メルケルは述べた。アフガニスタンで誘拐されたド
イツ人技師の解放に向けた努力は、なに変わることなく続けられる、とメルケルは
強調した。
その他のニュース
ドイツと日本は気候変動への対処で合意
（東京）ドイツと日本は力を合わせて、気候変動との戦いを前進さ
せる方針である。独首相メルケルと日本首相安倍は東京で、二酸化
炭素排出を減らすという目標を、G8諸国の中で、協力してに前進
させることで合意した。日本は年末には、主要工業国G8の議長を
ドイツから引き継ぐ。その他安倍はメルケルに、アフガニスタン支
援を続ける、と約束した。日本海軍は、米国が指揮するアフガニス
タンでの反テロ活動を、インド洋での燃料供給で支援している。こ
の支援は日本では、きわめて強い議論を巻き起こしている。ショイブレの電子メールに関する計画が対立を引き起こす懸念
（ベルリン）連邦内相ショイブレは、インターネット捜査に関する
計画を立てているが、これが新たな対立を引き起こしている。発表
によれば、内務省は、官庁を装った偽造電子メールを利用して、テ
ロ容疑者のコンピューターを監視する計画を立てている。自由民主
党の政治家で元連邦法相ロイトホイサー・シュナレンベルガーは、
ショイブレが取った対策はみんな失敗した、と非難した。社会民主
党の政治家たちは、テロの容疑者がこのようなやり方で追い詰めら
れるかどうか、疑わしいと述べた。一方キリスト教民主、社会同盟
の会派長ボースバッハはこの計画を擁護して、国家はテロリストと
見られる人物の通信手段すべてを監視できるような態勢を作ってお
かなければならない、と述べた。国防省ユングはバルカン訪問に出発
（ザグレブ）連邦国防相ユングは、セルビアの州コソヴォの将来の
地位をめぐる対立で、ドイツの立場を確認した。ドイツとクロアチ
アは、国連特別使節アハティサリの計画を支持している、とクロア
チア国防省ロンセヴィッチとザグレブで会談した後に述べた。ま
た、合意は国連の屋根のもとでのみ可能である、とも述べた。アハ
ティサリはコソヴォに関する報告の中で、国際的な監視の元でのコ
ソヴォの独立を提案していた。EUと米国はこの提案を支持してい
るが、セルビアとロシアはこれを拒否している。ユングは木曜日に
はマケドニアとアルバニアを訪問する。
８月３０日（木）
タリバーンは残りの人質も解放
（カブール）急進派イスラーム教徒タリバーンは、韓国人人質の残り7名を解放し
た。通信社の報道によれば、女性4人と男性3人は、アフガニスタン南部の州ガス
ニで、赤十字の代表に引き渡された。タリバーンは数週間にわたる神経戦の末、水
曜日にすでに人質12名を自由にしていた。これより前に韓国政府は、同国兵士
を、以前からの計画通りにアフガニスタンから撤退させ、同国民にアフガニスタン
で布教活動をさせないことを約束していた。
その他のニュース
シャリフは9月10日にパキスタンに帰国
（ロンドン）英国で亡命生活を送っている元大統領シャリフは、
9月10日にパキスタンへ帰国する意向である。シャリフはロンドン
で、現大統領ムシャラフに対抗して、次回選挙に立候補したい、と
述べた。先週パキスタンの催告裁判所は、1999年に軍部により失
脚させられたシャリフが、故郷へ戻ることを認める決定を下してい
た。一方ムシャラフは、元首相ブットーから出されている権力分割
に関して早期に決定を下すように、との要求を退けた。ムシャラフ
の広報は、大統領はいかなる圧力や最終通告にも屈しない、と述べ
た。ブットーとシャリフは、ムシャラフの最も有力な対抗勢力と見
られている。労働紹介所は資金の備蓄を拡大 失業者が減少
（ニュルンベルク）労働市場が堅調なため、連邦労働紹介所の金庫
はさらに一杯になっている。「商業新聞」の報道によれば、ニュル
ンベルクにある同所の8月の黒字は、約3億オイロ増えて、25億オ
イロとなった。同所はこのままで行けば、年末には黒字は60億な
いしは65億オイロに達する可能性もある、とキール経済研究所の
専門家ボスは推計している。もともとは同紹介所は、43億オイロ
の赤字がでるものと計画していた。労働市場は8月もよい展開をし
ている。ただし失業者数の減少は、過去数カ月と比べるとはっきり
減速している。ドイツでは現在370万5千人が失業者である、と申
告している。これは7月と比べて1万人、1年前と比べて66万6千人
少ない。シュミットは介護をしている人に対し有給休暇10日を設ける方針
（ベルリン）過程で介護をしながら働いている人は、今後は有給休
暇を最大10日受けられるようにする、との方針を連邦厚生大臣シ
ュミットは呈示した。社会民主党の政治家である彼女は、介護保険
の新たな構成を定める法案の中に、これに関する規則を定める方針
である。この法案は秋に内閣で協議をすることになっている。彼女
の計画によれば、この介護休暇の財源は健康保険から支払われるこ
とになるが、既に反対の声も上がっている。使用者連合連邦協会
も、この計画はあまりに広範囲を対象としすぎるとして、使用者側
が拒否権を行使するように求め、休暇が必要なのはごくわずかの事
例に限られており、厳しい制限が必要だ、とも述べた。
８月３１日（金）
米国の抵当権者に対する支援策が取られる
（ワシントン）米国の不動産市場が危機に面しているため、米国大統領ジョージ
W. ブッシュは、抵当権者を支援する対策を取る、と予告した。これは、税金の軽
減と連邦による補償からなる措置を組み合わせて、破産直前の自宅保有者数万人
が、債権者と追加融資について交渉するのを支援するものである。この法律の改正
ではその他に、債権者は契約締結の際には、必要費用すべての一覧表を作り、危険
のある抵当を放置しない義務が課されることになっている。
その他のニュース
蔵相はザクセン州立銀行の危機で辞任
（ドレースデン）ザクセン州蔵相メッツは、ザクセン州立銀行が危
機に陥ったため、辞任すると予告した。自分は9月30日に職を辞す
つもりである、とキリスト教民主同盟の政治家である彼はドレース
デンの州議会で述べた。メッツは、ザクセン州立銀行の経営管理委
員会の議長も務めていた。同行は米国の抵当市場で冒険的な取り引
きを行なったために、倒産しかねない状況に陥り、バーデン・ヴュ
ルテンベルク州立銀行の救済措置を受けていた。野党会派「左翼」
と緑の党は、州首相ミルブラントも辞任しなければならない、と要
求している。カブールでの自殺攻撃はドイツ兵を狙ったもの
（カブール）攻撃を受けてドイツ人の警官3人が死亡してから2週
間半、アフガニスタンでは工房軍の輸送車団が、自殺攻撃の目標と
なった。国際保護部隊ISAFの発表によれば、犯人は車でまず国防
軍の装甲車の1台に突っ込んだが、この装甲車の運転手は止まらな
かった。その後犯人は爆死し、アフガニスタン兵2人を道連れにし
た。また急進派イスラーム教徒タリバーンが、カブール空港襲撃を
行なったことを認めた。一方アフガニスタン東部の米軍基地に対す
るミサイル攻撃では、少なくとも10人の一般市民が死亡した。こ
れは反乱勢力が撃ち込んだものである、と当局の広報は発表した。メルケルは1週間にわたる近東訪問を終了
（東京）連邦首相メルケルは、気候保護に関する京都議定書の後継
となる協定に関する交渉は、厳しいものになる、と見ている。しか
しそれを回避する道はない、とメルケルは今回のアジア訪問の最後
となる日本の都市で行なった演説で述べた。彼女は、1人当たりの
二酸化炭素の排出量の上限を定める基準値を設定すべきだ、との提
案を確認した。新たな国際気候保護協定に関する交渉は、12月に
始まる。
９月１日（土）
シュタインブリュックは景気は財政危機に悪影響を受けないと見る
（ベルリン）金融市場で国際的な危機が広がっているが、連邦大蔵大臣ペーア シ
ュタインブリュックの見通しによれば、ドイツ経済の成長には危険はない。彼はベ
ルリンの「ターゲスシュピーゲル アム ゾンターク」紙に、危険を示す兆候はな
い、と述べた。ただし、社会民主党の政治家である彼は、情勢を過小評価してはな
らないと警告し、情勢は極めて深刻である、とも語った。シュタインブリュック
は、金融市場に関与する人たちに、責任を自覚した行動を取るように促し、不安を
煽ることで、連鎖反応を引き起こすようなことがあってはならない、と述べた。不
動産取り引きをめぐる危機で、米国大統領ジョージ W. ブッシュは金曜日に、関係
する自宅所有者を、資金不足から助け出すために、一連の対策を取る、と予告し
た。ただしブッシュは、国が信用供与会社を支援することはない、と述べた。
その他のニュース
国防相は反テロ活動を制限する方針
（ベルリン）国防相ユングの計画によれば、国防軍は反テロ作戦
「不朽の自由」には、今までより少ない兵士を派遣することにな
る。キリスト教民主同盟の政治家である彼は、この作戦に参加する
兵士数の上限を1千4百人にする計画だ、と「ヴェルト アム ゾ
ンターク」紙は報じている。同紙によれば、こうすることで、派兵
延長に社会民主党からの賛成を得やすくする方針である。今まで
1千8百人の兵力全体が投入されたことはない。韓国は人質事件での交渉を擁護
（ソウル）アフガニスタンで誘拐されていた韓国人が解放された
後、韓国政府は問題視されている人質事件への対処を擁護した。
19名の人命を慎重に扱うなら、急進派イスラーム教徒のタリバー
ンと交渉した時とは別の選択肢はなかった、と外相宋は述べた。彼
のこの発言は、韓国政府が誘拐犯と直接交渉に加わったことを批判
する声が、諸外国から上がっていることに応えたものである。韓国
は数百万ドル単位の身代金を支払った、との報道を、韓国政府は否
定した。タリバーンは、人質解放と引き換えに約2千万ドルを受け
取った、と述べていた。この資金の使い道は、主として新たな武器
を購入することである、とタリバーンの代表は述べた。ETAの爆薬の専門家が逮捕
（マドリード）スペインとフランスの警察は、バスク独立派組織
ETAとの戦いで、かなり大きな成果を上げた、との情報がある。
ETAに属する4人が、南仏の都市トゥールーズ近くのカオールで、
逮捕された。スペイン内務省の情報によれば、彼らの中には爆発物
の扱いに長けた重要人物が含まれている、とのことである。1週間
前にはスペイン南部で、100キロほどの爆薬がつまったトラック
が、警察署前で爆発していた。この事件では物的損害だけが生じて
いた。ETAは6月上旬に、政府と停戦状態に入る、と予告してい
た。政府はその後和平会談は終わった、と述べていた。
９月２日（日）
北朝鮮は核計画を年末までに停止する方針
（ジュネーヴ）北朝鮮は、核計画を年末までに完全に中止する方針である。共産主
義国家である同国は、その他に、全ての核施設の完全な一覧表を提出する、と米国
の主席交渉役クリストファー ヒルは、ジュネーヴでの2日間にわたって行なわれ
た二国間交渉が終了するにあたって述べた。この代わりに北朝鮮政府は、広範囲な
支援の約束を取りつけた。中でも凍結されていた資金の封鎖がと彼、米国との関係
が正常化される。ヒルによれば、この合意の詳細は、北朝鮮、韓国、米国、中国、
日本、ロシアが参加して、今月中旬に北京で行なわれる次回の6カ国協議で話し合
われる。2月にこの6カ国で成立した合意の後、北朝鮮は既にヨンビョンの核反応
炉を停止し、その見返りに西側から5万トンの燃料油が、貧しい北朝鮮に送られて
いた。
その他のニュース
レバノン軍はイスラーム教徒居住地域を管理下に
（ベイルート）3カ月以上にわたる流血の戦闘の末、レバノン軍が
ナハル エル バリドの難民居住地域の管理を引き継いだ、との情
報がある。これより前に新たに戦闘が発生し、イスラーム教徒の戦
闘員37人が死亡した。スンニー派の急進派組織「ファタハ アル
イスラーム」と政府軍の兵士の間での戦闘は、5月20日に勃発し
た。当時レバノン北部のこの地域住民4万人のほとんど全員は、戦
闘を逃れて脱出していた。残っていた急進派は、この収容所に潜伏
していた。アッバスは急進派イスラーム教徒のハマースを選挙から締め出す
（ラマラ）パレスチナ大統領アッバスは、選挙法を修正し、ハマー
スの候補を実質的に選挙から排除した。この大統領命令には、国会
議員と大統領の選挙にデル候補者はすべて、パレスチナ解放機構
PLOを、パレスチナ国民の唯一正当な代表であることを承認してい
る、との条件が含まれている。PLOの一員ではない急進派イスラー
ム教徒ハマースは、この修正は違法である、と評した。今後パレス
チナ人は、政党の候補者名簿にだけ投票することになるので、選挙
区選挙は行なわれない。2006年の国会議員選挙では、議席の半分
が政党の候補者名簿に、残りの半分が選挙区に割り振られていた。
ハマースはこのとき、選挙区選挙で過半数を取り、勝利を確実にし
ていた。韓国の人質の帰国で安堵感と批判
（ソウル）解放された人質19名がアフガニスタンから帰国し、韓
国では大いなる安堵感と批判が生まれた。キリスト教徒の支援団に
対しては、支援活動に対してあまりに高い危険を冒した、との非難
が行なわれた。政府は、タリバーンと直接交渉を行なったことと、
身代金を支払ったのではないかとの推測に関する批判に直面してい
る。イスラーム教徒側に2千万ドルの身代金を支払った、との報道
がなされているが、政府はこれを否定した。一方、6週間前からア
フガニスタンでの誘拐が続いている、ドイツ人技師ルードルフ B.
の命運に関しては、あいかわらず不透明である。彼は同僚とともに
誘拐されたが、同僚のほうは人質になっている際に、脱力状態に陥
り、射殺された。