9月3日〜9日のオーストリアのニュース



9月3日(月)

     国外ニュース

EU議会は2009年から議員の数を750人にする方針

EU議会の憲法委員会は、昨日夜新たな会議をストラスブールで開
き、その冒頭で2009年から議員の数を削減する計画に基づいて、
今後の議席の割り振りに関する案を呈示した。欧州議会の議員たち
は、議員の数の上限を750人とする方針で合意した。国民党の議員
で、憲法学者のランハルト ラックは、会議後の質問に答えて、オ
ーストリアの議員の数は変わらず、現在の18人のままになるだろ
う、と述べた。憲法委員会の議長を務める社会民主党のヨー ライ
ネンは、合意には至らなかったものの、ニース条約では、現在の
785人の議員を2009年から736人に減らすことになっている、と
指摘した。10月までに欧州議会の提案が取りまとめられることに
なっている。9月11日には議席の具体的な割り振りが示されること
になっている。

     国内ニュース

新聞報道「国防軍のナチ風の映像が見つかる」

インターネット上では、オーストリア人兵士が極めていかがわしい
姿勢で映っている映像が流れている。小型カメラで撮影されたと見
られ、インターネット上にYouTubeの形で公開されている映像に
は、国防軍の制服を着た若い男たちが映っている。酔っぱらったよ
うな男たちの幾人かは、お互いに殺し合いをするかのような雰囲気
であり、兵士の1人は、右手を伸ばしてヒトラー式の敬礼をして行
進し、カメラのまでは背筋を伸ばしている、と「クライン新聞」は
乗じた。若者は「ハイル ヒトラー」と言うように求められたが、
それを拒否したが、代わりに丸坊主で半裸の男がカメラに向かって
「ハイル ヒトラー」とわめき、手をヒトラー式の敬礼で伸ばして
いた、とのことである。国防省はこれに衝撃を受けており、経緯を
究明する、と予告した。




9月4日(火)

     国外ニュース

EU議会は飛行機搭乗の際の液体持ち込み禁止を緩める

欧州議会は水曜日、飛行機の搭乗客の手回り品に液体を持ち込むこ
とを大幅に禁止する措置について、投票を行なう。この禁止が安全
性確保に実質的に貢献していなければ、今後飛行機の乗客は、再び
液体及び飲料品を携帯手荷物に入れて持ち込むことができる、とこ
の問題の修正動議では述べられている。搭乗客が不快感を持ち、空
港の経費が上昇したため、EU委員会はこの禁止を「緊急かつ持続
的に検討する」ことになった、とも記されている。議会は、EU委
員会にこの措置を廃止するように検討させるため、繰り返しこのよ
うな提案を行ない、圧力をかける方針である。

     国内ニュース

シュトラーヒェの過去で新たな混乱

自由党党首ハインツ・クリスティアン シュトラーヒェが、ネオナ
チの乱暴な若者たちの集会に出席した時の写真をめぐって、混乱が
起きているが、この事件に新たな一席が投入された。「エスターラ
イヒ」紙は、シュトラーヒェが当時9時間にわたって警察から「拘
禁」されていたことを示すメモがある、と報じている。シュトラー
ヒェ自身は既に、自分の身元を示すために、むりやり連れて行かれ
ただけだ、と明言していた。今もなお彼は、なぜこの批判が出てき
たのか理解できない。




9月5日(水)

     国外ニュース

EU議会はマルティンに対する返済要求

EU議会は、オーストリア選出の欧州議会議員ハンス・ペーター 
マルティンに対し、返済要求を実行する。ハンス・ゲルト ペッタ
ーリングを議長とする会議が水曜日夜に開かれた。その席上EU議
会事務長ハーラルト レーマーは、事務諸費用の使用が不正であっ
たため、163、381オイロを返還するようにとの、マルティンに対
する要求を提案し、可決された。この金額はマルティンが、EU議
会議員に対する特別控除の形で、手に入れたものである。マルティ
ンはAPA通信の質問に対して、これは「独裁国家」で見られるよう
な「秘密の手続き」であって、受け取っていないものを返すことは
できない、と述べた。

     国内ニュース

学校改革問題では閣議で妥協が成立せず

水曜日の閣議では社会民主党と国民党が、「新たな中等学校」にむ
けたひな形となる学校を試験する地域に関して、妥協には至らなか
った。教育大臣クラオディア シュミート(社会民主党)が、学校
組織法SchoGを成立させるための新しい法律を計画しており、国民
党は原則的には法律改正に応じる用意があるが、これに学校関係者
(教員、生徒、両親)をもっと組み入れるように主張している。副
首相ウィルヘルム モルテラー(国民党)は、記者会見で、この法
律で予定されている学校の数の5%を上限とする規定などの、学校
の試みに対する規定を修正する提案を行なった。学校関係者に関す
るこの「ちょっとした修正措置」について、自分は何も考えるてい
ことがない、と述べた。




9月6日(木)

     国外ニュース

ビン ラーディンからの新たな映像書簡が予告

ウェッブサイトとサーヴァーを監視する会社の情報によれば、テロ
組織アル カーイダの頭首ウサマ ビン ラーディンは、2001年
9月11日の攻撃から6年目に、インターネットを通じて、米国国民
に映像による書簡を送る。これは米国の本社のある企業SITE社が
昨日発表したものである。同社は急進派のインターネットサイト専
門的に監視している。SITE情報グループは、「アル カーイダの
頭目の新たなビデオ書簡」が存在する証拠をつかんでいる、と発表
した。ビン ラーディンの声の最後の録音が表に現れたのは、
2006年7月1日であった。それ以降同組織の副官アイマン エル 
ザワヒリが何度も発言を行なっている。彼は米国、ユダヤ人、さら
にはイスラーム教世界の指導者に対しても、聖戦を継続するよう
に、呼びかけていた。一方米国上院は、7月にビンラーディンが逮
捕された場合の報奨金を2倍に増額していた。

     国内ニュース

教皇ベネディクト16世が来オーストリア

教皇ベネディクト16世は、金曜日から3日間の日程でオーストリア
を訪問する。最初の日を彼はウィーンで過ごす。教皇のウィーン・
シュウェヒャト空港到着は、11時15分の予定である。カトリック
教会の長である彼は、軍隊式の栄誉で、大統領ハインツ フィッシ
ャーの歓迎を受けた後、自動車団で、市の中心部に向かう。レンウ
ェークのサレシアナー主導院で、教皇は「教皇専用車」にのり、王
宮広場での式典に向かう。明日はさらにマリーアツェルへと旅を続
ける。ベネディクト16世は健康面で消耗している、との噂を昨日
ウィーン大司教クリストフ シェーンボルン枢機卿は、打ち消し
た。教皇は、マリーアツェル、ウィーン、ハイリゲンクロイツ訪問
を楽しみにしてオリ、「私はこの国を愛している」と先週オースト
リアのカトリック教徒に向けて述べていた。




9月7日(金)

     国外ニュース

ポーランドでは国会議員選挙が45日以内に行なわれる

ポーランド国会は金曜午後、自ら解散を決定した。これにより選挙
は予定を早めて行なわれる。460人の議員のうち377人が、右派・
保守派の3党連立が失敗に終わった結果を受け、任期末を早めるこ
とに賛成した。国会の解散には、右派保守派の政権与党である「権
利と公正PiS」だけでなく、野党の右派自由主義「市民綱領」民主
左派連合、穏健派の農民党PSLも賛成した。反対したのは、急進派
の農民党サムーブロナと国民主義・カトリック陣営「家族ポーラン
ドLPR」の54人であった。20人は棄権した。大統領レフ カチン
スキは、45日以内に選挙期日を設定しなければならない。おそら
く10月21日が選ばれるものと見られている。

     国内ニュース

労組はフェアツェトニッチュ裁判で敗北する可能性

オーストリア労働組合連合は、元会長フリッツ フェアツェトニッ
チュを相手取って起こした裁判で、再び敗北するかもしれない。労
働裁判所の手続きで裁判官ウィルフリート シュヴィマーを裁判長
とする部では、会長ルードルフ フンツトルファーによって4月に
行なわれたフェアツェトニッチュの解任は、「期限切れ」つまり遅
い時点で行なわれた、との判断がでる「模様である。」弁護士ゲオ
ルグ シーマによれば、フェアツェトニッチュは、総額36万5千オ
イロの退職一時金、解雇補償金、休暇賠償金を受け取る権利を持っ
ている。ただし判決はまだまとまっておらず、数週間後に判決が言
い渡されることになるかもしれない。




9月8日(土)

     国外ニュース

アル カーイダはアルジェリア攻撃実行を認める

放送局アル ジャジーラによれば、テロ組織アル カーイダは、死
者十数人を出したアルジェリアでの自殺攻撃2件を行なったことを
認めた。北アフリカの支部であるイスラーム教徒マグレブのアル 
カーイダが、インターネット上で、これを発表した、とのことであ
る。詳細については昨日は報道されなかった。これより前にアルジ
ェリアの兵舎で自殺攻撃があり、30人が死亡した。湾岸警備隊の
兵舎への攻撃は、首都アルジェの東約百キロにある港町デリーズで
起きていた。その2日前にはバトナ市で、同じく自殺攻撃で20人が
死亡していた。犯人は、大統領アブデラジス ブーテフリカの訪問
の直前に、爆弾に点火していた。一方3年ぶりにテロリストの指導
ウサマ ビン ラーディンが映像による書簡を発表し、イラクで米
国をくじく、と予告した。彼は米国大統領ジョージ W. ブッシュを
批判し、米国民にイスラーム教徒に改宗するように呼びかけた。米
国秘密情報部の専門家の調査によれば、この発言には新しいテロを
行なうとの脅迫は含まれていない。

     国内ニュース

プラスニクは政府は「若く学習能力がある」と見る

外務大臣ウルスラ プラスニク(国民党)は、社会民主党と国民党
の連立は「若くて、学習能力がある」と評した。両党間で最近起き
た不和について彼女は昨日のテレヴィ番組で、オイロファイター調
査委員会が夏に終わると共に、連立内部の雰囲気がかなり悪化し
た、と述べた。現在重要なのは、調整と協力に関する正しい基準を
見いだすことである、とも語った。女性問題に関する政策について
彼女は、これも男性の問題でもある、女性政策の原則を取りまとめ
る際には、男性よりも女性が中心になる方がずっと容易であるのは
当たり前であり、これはまだ出発点にある問題である、と述べた。




9月9日(日)

     国外ニュース

米国指揮官ペトレイアスはイラク報告書を提出

イラクの米軍の指揮官デイヴィッド ペトレイアス将軍は、ワシン
トンの米国議会に明日、イラク情勢に関する報告書を提出するが、
これは緊迫感をもって見守られている。彼は態度表明の中で、イラ
クに駐在する米兵16万8千人の一部を、負担が高いことを理由に、
撤退させることを勧告する模様である。これはペトレイアスが先週
のテレヴィインタヴューで約束していたことであった。また彼は火
曜日までに、議会で発言することになっている。彼の他に、駐イラ
ク米国大使ライアン クロッカーも、国会議員に対し報告書を提出
することになっている。米国大統領ジョージ W. ブッシュは、支持
をあまり受けていないイラク派兵を継続するかどうかの決定は、ペ
トレイアスの判断とは独立に下す方針である、と予告した。

     国内ニュース

労働と経済銀行裁判で会計士が証言台に

労働と経済銀行裁判で、今週は証人の聴取が続行される。弁論開始
23日目となる月曜日午前中には、2人の証人が裁判所に呼ばれてい
る。会計監査会社エルンスト・ヤング社のエリーザベト グラーサ
ーとマルティン シュヴァルツバルトルが、同行疑惑解明のために
証言台に立つ。会計士である彼らは、専門家の意見書を作り、特に
労働組合の銀行であった同行のリヒテンシュタインの財団法人を調
査していた。この裁判はおそらく戦後の歴史で最大の銀行の事件
で、11月中旬まで続く予定である。




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